「ああ、見ないで…、見ないでくださいっ…」
「どうして?お綺麗ですよ、お嬢様」
ソファの上のキョーコに向かって言った。
手を後ろ手に縛られ、ロングスカートの清楚なワンピースを着ているキョーコの、白くて綺麗な脚は、一人掛けのソファに掛けられている。
スカートをたくしあげられ、両脚を開かされているキョーコは、下着を着けていない。
むき出しにされた、キョーコの秘花はてらてらと塗れそぼり、蜜をこぼしていた。
事の起こりは、数分前。
キョーコは、ドラマでお嬢様役が決まったと、蓮に報告した。
「ダークムーンの未緒みたいなお嬢様じゃなくて、今度は正真正銘のお嬢様なんです」
嬉しそうに瞳を輝かせ、夢中になって熱弁をふるうキョーコは、かわいくて仕方がない。
「それはよかったね」
その様子を微笑ましそうに見つめて、答えた蓮に、
「敦賀さん、お稽古、つけてくれませんか?」
キョーコが切り出した。
キョーコの役は、世間知らずのお嬢様で、何かにつけて、家庭教師兼世話役の執事に叱られる役らしい。
早く、その役をやりたくて仕方がないキョーコは、蓮に相手をしてくれ、と頼んだのだった。
「全く、そんな事も出来ないなんて…。本当に貴女は、この家のお嬢様ですか」
西洋風の教鞭を持たされ、わざわざ、お嬢様風の服に着替えたキョーコの目の前に立つ。
「ご、ごめんなさい…」
演技とはいえ、瞳を潤ませて見上げてくるキョーコを見ている蓮の中に、ちらりといたずら心が沸いた。
「謝っても駄目ですよ」
手に持っている教鞭を、ぴしりと鳴らして、キョーコににじり寄って行く。
じりじりと追い詰められて、一人掛けのソファの前まで後退ったキョーコは、逃げ場を失って、ごくりと喉を鳴らした。
「お仕置きです」
にっ、と口の端を上げて笑みを浮かべた蓮は、ネクタイを外してキョーコの手を体の後ろで縛り上げる。
「…え?ちょっ、敦賀さん…?」
突然の事に驚いたキョーコは、バランスを崩して、どさりとソファの上に座り込んでしまった。
不安そうに見上げるキョーコに覆い被さり、ショーツを脱がせる。そのまま、膝を割って脚を開かせ、ソファの肘掛けに掛けさせた。
「やっ、敦賀さん!」
驚きと羞恥で頬を染めるキョーコは、身動きが取れず、自らの恥ずかしい部分を隠す事さえ出来ない。
じっくりと秘所を見つめる蓮の瞳は、ねっとりとまとわりついて来るようで…。
「嫌っ!敦賀さん、ほどいてっ…」
恥ずかしさを、堪えきれずにキョーコは身を捩る。その様子を見た蓮は、くっ、と喉の奥を鳴らした。
「お仕置きだ、と、申し上げたでしょう?」
蓮の口調に、演技がまだ続いていることを悟る。
視線が絡み付いて、見つめられている秘所の奥が、じゅん、と熱くなるのを感じた。
「ああ、見ないで…、見ないでくださいっ…」
「どうして?お綺麗ですよ、お嬢様」
見られているだけで、蜜を溢れさせ始めたキョーコの秘花が、てらてらと輝いている。
「おや、濡れていますね。見られて感じるなんて、淫乱なお嬢様だ」
「い、いやぁ。見ないで…」
羞恥で潤んだ瞳や、濡れた睫が、頬を朱に染めるキョーコの表情を、より淫らにして…。
「あっ、んっ」
手にした教鞭で花びらをやんわりと撫であげると、くちゅ、と音を立てた。
教鞭の先端を花びらにあてがったまま、上下に動かしてやると、くちゅくちゅと濡れた音が響き、蜜が溢れだしてくる。
「ああっ、あ、んっ」
半開きになった、キョーコの艶やかな唇からは、悩ましげな吐息と艶を帯びた声が漏れ始めた。
「凄いな。どんどん溢れだしてくる…」
「いやっ、あん、…いやぁっ!」
「嫌ですか?本当に?」
「いやっ、あんっ、いやなのっ、敦賀さ、ああんっ!」
教鞭を持っていない方の蓮の手が、突然、服の上からキョーコの乳首を捉えた。
触れられてもいないのに、硬く尖ったそれを、ぐりぐりと擦り、こねられる。
「ああ、あんっ、んっ」
花びらと同時に乳首をいじられ、また、躰の奥からじゅんわりと熱い蜜が、溢れ出してくるのを感じた。
「見られて、少し触られただけで、ここをこんなに硬くして…。お嬢様は本当にいやらしいお人だ」
「あっ、いや…、んっ、んっ、ああっ」
うわ言のように、いや、と繰り返しながらも、キョーコの中は溶け出していく。蜜を滴らせて、くちゅくちゅ濡れたと音を立て、キョーコの秘所はすんなりと教鞭を飲み込んでいった。
「ああんっ!いやっ、そんなの…、入れちゃ、いやぁ」
「嫌?そのわりには、飲み込んで離さないように、ヒクヒクと締め付けているではありませんか」
無機質な異物に中を弄ばれ、くちゃくちゃとかき回される。冷たい筈の教鞭が、キョーコの中の熱さによって熱を帯びていく。
「ほら、こんなに濡れて、糸まで引いて…」
くちゅっ、と音を立てて引き抜かれたそれには、キョーコか滴らせている蜜がついて、光沢を帯びていた。
「いっ、や、…っ」
「嘘ばっかり…。この淫らな鞭でお仕置きされて、ここはこんなに涎を垂らしていますよ」
蓮はキョーコの前に跪き、濡れた花唇をじっくりと見つめる。
「それに、いやらしい香りがする」
「やっ、やだっ、敦賀さんっ、…そんな、に、見ないで…」
羞恥に顔を背けるキョーコのそこは、ヒクヒクと蠢いて、まだくわえ足りないと主張しているように見えた。
ふぅ、と息をかけられて、キョーコの躰がひくりと震える。
「…っ、敦賀さん…」
「何ですか?」
泣き出してしまいそうな視線を蓮に向けて、キョーコは口を噤んでしまう。しかし、蓮にはキョーコの言いたい事はわかっていた。
「どうされましたか?お嬢様」
知っていながら優しい声で尋ねる蓮に、ちろりと恨めし気な視線を向けた後、
「…も、おねがい…」
目を逸らして消え去りそうな声で告げるキョーコが、可愛くて仕方がない。
「何を?」
恥ずかしがって目を合わせないように俯くキョーコを、蓮は更に追いつめていく。
「意地悪!わかってるくせにっ…」
きゅ、と眉を寄せて、涙混じりに抗議するキョーコの、羞恥に染まる顔を見ていると、蓮自身もムズムズと高ぶるのを感じた。
「ほら、どうしてほしい?」
目一杯、優しい声で問うと、キョーコはおずおずと口を開く。
「ち、ちゃんと、触って…?鞭じゃなくて…、指で」
蓮と目を合わせないように、目を瞑って小さな声で、羞恥に肩を震わせながら、キョーコは答えた。
「お嬢様は、鞭がお好みなのかと思いましたが…」
「…っ、意地悪しないで!敦賀さん。中っ、中が熱いのっ」
散々、焦らされ追いつめられたキョーコは、もう我慢ができない。ゆるゆると腰を動かして、くりくりとした目に涙をいっぱい溜めて、蓮を急かした。
「仕方のない人だ」
花唇を割開き、指を中まで入れるとキョーコの口から、何とも言えない卑猥な声が漏れ始める。
「あっ、あっ、敦賀さ、んっ、中、中がっ」
「気持ちイイ?」
「んっ、熱くて、…きもちいっ。敦賀さんの、指がっ、きもち、いっ、のぉっ」
指を入れ込む際に、壁を擦られるのがたまらないらしい。
抜き差しを繰り返し、わざとくちゃくちゃとと音を立ててやると、キョーコの顔が快楽に歪んでいく。
「他には?どうしてほしい?」
「…んっ、ソコ、指でしながら、お口で、…してっ、ああんっ」
言われた通りに、秘花の少し上にある粒を口に含むと、キョーコは更に、嬌声をあげた。
「はぁんっ、あっ」
頬を紅潮させ、口を半分開いて喘ぐキョーコの姿が何とも淫らで、清純そうな彼女をもっと乱してしまいたい。
「あっ、あっ、敦賀さんっ、はぁっ、んっ、いっちゃ、んんっ、いっちゃぅっ」
舌先てコロコロと転がしていた粒を強めに吸い、同時に指を奥まで勢いよく突き入れると、
「…ぅ、あああぁぁぁんっ!」
高らかに声をあげて、キョーコの躰がガクガクと痙攣した。秘所はヒクヒクと蓮の指を締め付けてくる。
キョーコが達したのを確認して、後ろで縛っていた手を自由にしてやった。
「本当に、いやらしいお嬢様だね」
「敦賀さんが、こんな躰にしたんですから…。ふっ、責任とって」
自由になった手を伸ばして、すがりついてくるキョーコが愛しい。
「いいよ。どうやって?」
「敦賀さんの、頂戴?中、ちゃんとイカないと、おさまらないっ」
唇を求めて、両手で蓮の頭を掴み、必死で舌を絡めてくるキョーコの中は、まだ入ったままの蓮の指を、もっと中へ誘うようにヒクヒクと蠢いた。
「仰せのままに、お嬢様」
ポケットの中に入れていた避妊具を取り出し、器用に片手で被せる蓮の舌を求めて、唾液を啜る濡れた音が部屋中に響いている。
「んっ」
唇を離して、キョーコの目を見た。
「準備できたよ。どこに欲しい?」
キョーコは、蓮の頭から手を離した。ゆっくりとその手が下に降りていき、秘所へと辿り着く。
「ここに、下さい」
両側から、自らの秘唇を寛げてねだるキョーコが、やけに淫らで、蓮は堪えきれずに一気にキョーコを貫いた。
「あっ、はああんっ」
「キツいね。そんなに、欲しかった?」
「だって、敦賀さっ、がっ、ああっ、じ、焦らすからぁっ」
腰を動かす蓮の動きに合わせて、キョーコの中がきゅうきゅうと収縮を繰り返す。
「ごめんごめん。ちゃんと、…くっ、責任とるから、ね?」
「あっ、あっ、あああんっ、あっ、中、敦賀、さんのが、熱っ、よぉ」
キョーコの痴態に、蓮もまた、高ぶっていた。腰の動きが、いつもより速く深い。
「あっ、つ、つるがさっ、…っ、奥、奥まできちゃ、あああんっ、すごいのっ」
「イイよ、キョーコ。キョーコの中、…っ、全部イイ…」
うわ言のように、2人で名前を呼び合い、躰の奥深くで繋がる感覚に酔いしれ、高まっていく。
「敦賀さっ、いっちゃぅ!奥っ、奥が、ああっ、あっ、あっ、いくっ、いくのっ」
「キョーコ、いいよ。俺も限界だ」
「あ、あ、あ、あああああんんっっ!」
一際高い声をあげて、ガクガクと躰をしならせるキョーコの最も奥で、蓮もまた、頂上に上り詰めた。
「もうっ!敦賀さんのバカっ!」
せっかく、お嬢様の役だから、と張り切っていたのに、なし崩しに淫らな行為に耽ってしまった恥ずかしさを、キョーコは蓮にぶつけた。
「ごめんね」
蓮はそれを受け止めて、いつものように、
「キョーコがあんまり可愛くて」
と、キョーコを丸め込もうとするのだった。
「そういや、執事役は誰かするの?」
「えーと、古賀さんです」
キョーコの口から出てきた、抱かれたい男No.2の名に、蓮はピクリと反応する。
「あ、私、…し、シャワーもらいます、ね…?」
不穏な空気を察したのか、バスルームに逃げ込もうとするキョーコの腰を掴んで捕まえた蓮は、そのままベッドルームへと運んだ。
「あの男にも、あんなお仕置きさせるの?」
「させませんよっ!そんなのさせるの、敦賀さんだけです!」
キュラキュラと神々しい笑みを浮かべる蓮に、必死で弁明するキョーコには、長い長い夜が待っている。
嫉妬の心を内に秘めた夜の帝王によって与えられる、官能的で淫らな夜…。
夜が明ける頃まで、キョーコの細くて白い躰は、休まる事がなかった。