「トリック・オア・トリート?」
夕食後、敦賀さんとまったりティータイム。
ブラックのコーヒーと、自分用の甘いカフェオレを用意してテーブルに戻ったら、突然訊かれた。
そういえば、今日はハロウィンだっけ?
「はい、どーぞ」
ごそごそとポケットを探り、養成所でモー子さんに貰ったあめ玉を差し出す。
敦賀さんは、そのあめ玉を受け取って、
「残念。キョーコにいやらしいイタズラしようと思ってたのに」
と、少し残念そうに笑った。
あめ玉を口に含んでコロコロと転がしている敦賀さんが、なんだか可愛い。
「トリック・オア・トリート?」
今度は私が尋ねた。
敦賀さんは、驚いた顔をしてごそごそとポケットを探り出す。一通り探してなかったのか、小さな溜め息を一つついて、
「じゃあ、イタズラの方で…」
と、微笑んだ。
でも、イタズラなんて考えてなかったな。どうしよう?
『キョーコにいやらしいイタズラしようと…』
あ、そうだ!
敦賀さんの言葉にイイコト思いついた。
「敦賀さん、ちょっと待っててくださいね」
「うん、……?」
とりあえず待ってくれる敦賀さんをリビングに残して、ベッドルームに足を向ける。
「えーと、たしか、この辺に……、あった」
最近、敦賀さんがハマってるらしい、大人のオモチャ箱を見つけて、再びリビングに戻った。
「キョーコ、それ…」
流石に驚いたかなぁ?
でも、いつもされてばっかりっていうのも、なんだか腑に落ちない。
「敦賀さんに、いやらしいイタズラしようと思って」
にっこりと笑って見つめる私に、敦賀さんはなんだか困っている様子。
そんな敦賀さんの手を取って、皮の手錠のような物で、手を後ろで繋ぎ止めた。
「え…?キョーコ?」
ソファに座ったまま、うろたえる敦賀さんが凄く新鮮。
アイマスクも着けようかと思ったけど、表情が見えなかったら楽しくないかな?と思ってやめた。
敦賀さんのシャツのボタンを外しながら、唇にキスを落とす。
舌で唇をなぞって、軽く唇を吸うと、ちゅっと粘膜の擦れ合う音。そのまま、舌を差し込んで、敦賀さんの舌を捕らえる。
「んっ」
柔らかくて、生暖かい舌は、ヌルヌルしてて気持ちイイ。
どちらともなく洩れる吐息に、高まってくるのがわかる。
「…ふ、どんな気分ですか?敦賀さん」
「何だか新鮮だね。キョーコがかわいい」
何だか余裕綽々な敦賀さん…。
いつも、私ばっかり焦らされてるから、今日はいっぱい焦らせてやる!
かすかな決意を胸に、敦賀さんの首筋に舌を這わせた。
鎖骨から、耳の後ろまで舌で舐め上げて、また、鎖骨に唇を戻す。チロチロと這い回る舌がくすぐったいのか、敦賀さんは身をよじった。
「…ん」
胸の先の小さな粒を口に含むと、小さな溜め息のような声。
知らなかった…。男の人でも声とか出すのね。そうだ!
唇を付けたまま、ごそごそとオモチャ箱を漁る。
「……キョーコ?」
見つけた。
不思議そうな声で訊ねる敦賀さんを後目に、オモチャ箱の中から取り出した、ピンク色の卵のような物を、口を付けていない反対側の胸の先に当てた。
「んっ」
スイッチを入れると、ピンク色のオモチャはふるふると震え出す。
もっと声が聞きたい。オモチャと口と、両方で気持ちよくなってく敦賀さんが見たい。
「気持ちイイですか?」
「…うん」
いつもと勝手が違うからバツが悪いのか、敦賀さんは見上げる私から目を逸らした。
胸の先の粒を甘噛みして、舌全体でベロリと舐め上げながら、オモチャを少しずらしたり、強くしたり…。
その度に、ひくんと震える敦賀さんが可愛い。
「…はっ」
声の代わりに洩れる吐息が、可愛い。
私の手で、高ぶっていく敦賀さんが、ホントに新鮮だった。
胸の先の粒から唇を離して、敦賀さんの唇に深く口付けた。
「…ふっ」
くちゅくちゅと口内をまさぐると、敦賀さんがたくさん舌を絡めてくる。
「あんっ、駄目ですよ」
敦賀さんは唇を離して、私の耳たぶをくわえようとしてきた。
「今日は、イタズラするのは私なんです!」
「でも、キョーコに触れたいよ…」
うわ。うわわわわ!
頬を染めて見上げてくる敦賀さんが、可愛い。
こんな顔初めて見た…。
いつも大人びているけど、やっぱり敦賀さんもハタチの男性なのね…。
いつもと違う表情をする敦賀さんを見てたら、いじわるをしたくなる。
「もぉ、おっきくなってますね」
「キョーコがかわいいからね」
ズボンの上から、敦賀さんのおっきくなったものを触ると、ピクッと敦賀さんの体が跳ねた。
「キョーコ、これ、解いて?」
「だぁめ」
切羽詰まった声でお願いする敦賀さんを無視して、ズボンのベルトを外した。
胸に当てたオモチャを一旦置いて、敦賀さんのズボンの前をくつろげる。
下着をずらして取り出した敦賀さんのものは、張り詰めてて、熱くなっていた。
「すごいですね…。女の子みたいに、胸を触られて、こんなになってる…」
撫でながら言うと、敦賀さんの吐息が荒くなってくる。
「触られて、また、おっきくなりましたね」
私の言葉と、触れる手で更に反応する敦賀さんが可愛い。
「……っ、キョーコ」
「どうしてほしいの?敦賀さん」
「くわえて?口で…」
素直におねだりする敦賀さんが可愛い。
「まだ、駄目です」
でも、今日はたくさんイタズラするって決めたから、まだまだ、たくさん触ってから…。
一旦置いた、オモチャを手に取って、敦賀さんのものに付けた。
スイッチを入れて、根元から先端にかけてオモチャを這わせる。
「……っ、はっ」
びくり、敦賀さんの体が跳ねる。羽音のような振動音を立てて、オモチャは敦賀さんのものを這い回る。
「んっ」
先端から、透明でヌルヌルした液体が出てきて、そこにオモチャをあてがうと、ぬちっと音を立てた。
「やらしいですね。敦賀さん。ここ、何かでてきましたよ」
「キョーコ、お願い…」
「もぉ我慢できないんですか?仕方ないですねぇ」
うん。もういいかな?可愛い敦賀さんをたくさん堪能したし。
ちゅ、と先端に口を付ける。根元からベロリと舐め上げて、先端を口に含んだ。
「…ん、ああ」
敦賀さんは気持ち良さそうに目を瞑る。
深くくわえ込むと、吐息が洩れた。
気持ちイイ?敦賀さん。
「はっ」
こうやって、私にくわえられるの好き?
舐められるの、好き?
私が、敦賀さんを気持ちよくさせてるって思ったら、凄く嬉しい。
「キョーコ、離して…」
どうして?気持ちイイでしょう?こうやってされるの。
「…くっ」
切羽詰まった顔。限界が近いのね…。えっちしてる時は、そんな顔見る余裕なんてないから、すごく新鮮。
敦賀さんのものは、凄く熱くなってきて、ピクピクと震えてる。
敦賀さんの吐息も荒くなって、限界が近いことを教えてくれた。
「……キョ、コ」
「出して?敦賀さん」
言った瞬間、口の中にドロドロしたものが入ってきた。
しょっぱくて苦いそれを飲み干し、敦賀さんを見上げると、凄くこまった顔。
「敦賀さん、可愛い…」
「君って子は…」
敦賀さんは呆れたように溜め息を吐き出した。
手を自由にすると、私の腰を捕まえて抱える。そのまま、ベッドルームまで連れて行かれて、押し倒された。
「こんないやらしいイタズラする子には、お仕置きだ」
そう言って、さっきまで敦賀さんの手を拘束していたベルトで私の手を縛り上げたのだった。
「やぁっ、…ん、敦賀さん!ゆるしてっ…、ああんっ」
「お仕置きだって、言ったろ?」
男性の性器を模したオモチャで弄ばれた私の中は、じんじんと痺れたように熱い。
「おねがいっ、敦賀さん!あっ、あっ、敦賀さんのっ、入れてぇっ」
「まだだよ。もう少し待って?」
散々、イカされたのに、敦賀さんは、
「一回イったから」
とまだまだ入れてくれる気配もない。
「いやっ、ああっ、んっ、オモチャ、…いやなのっ、敦賀さんの、がっ、いいのっ!」
「まだ、無理だよ。代わりにオモチャでいっぱいかわいがってあげる」
ひどい、ひどい。敦賀さんったら。ほんの少しのイタズラ心だったのに…。
「敦賀さ、おねがっ、いいっ」
涙混じりに懇願する私を楽しそうに見つめて、
「イタズラっ子なキョーコもかわいいけど、いじめられるキョーコが一番かわいいね」
と言った。
私は、オモチャと敦賀さんの体で、真っ白になるまでいじわるされて、気を失うまでお仕置きされたのだった。