1-----  
 
今から撮影するのはふたりが向かい合ってのシーン。  
スタッフがバタバタと準備をして衣装さんが服の乱れを直したりしているあいだ、  
ふたりはただ向かい合って突っ立って待っているだけ。  
その間、蓮はキョーコの髪に触れたりほっぺに触ったりしてしまって  
 
「さっきからやめてください敦賀さん!何度もキョーコちゃんの髪もメイクも直してるのにその度に触って!」  
 
ついにキレて叫ぶヘアメイクさん。  
周囲もついに言ったかと微笑ましくも笑いが起こる。  
 
ごめん、と苦笑いの蓮。恥ずかしくて真っ赤になってうつむくキョーコ。  
 
怒られた蓮だったが、綺麗にメイクされたキョーコは本当に綺麗で…  
 
吸い込まれるようにみつめているうち、気付いたらキスしてしまう。  
 
メイクさんマジ切れで説教。  
 
「ごめんなさい…」  
「キョーコちゃんはいいんです!敦賀さんに言ってるんです!」  
「だってあんまりキョーコが可愛いからつい…」  
「だってじゃありません!…次にまた触ったら、キョーコちゃんの電話番号、スタッフにバラ巻きますからね」  
「それは困るよ」  
「だったらやめてください!」  
 
わかったゴメーン(´・ω・`)、とようやく反省の蓮であった。おしまい。  
 
 
2-----  
 
恋人の役をやっているふたり。  
その日は蓮が別れをつげるシーンの撮影。  
 
「キョーコにさよなら言うなんて、台詞でも耐えられないな」  
「なにおっしゃってるんですかぁ」  
 
くすくすと笑っていたキョーコだが、  
実際撮影になると蓮は完璧に演技し、  
逆に松に捨てられたこともあって、本当にいつか蓮にも…と感情移入しすぎたキョーコが  
演技とはいえ別れを告げられたショックでまともに台詞すら言えず、何度もリテイク。  
結局その日はそのまま撮影は翌日に持ち越しになり、とりあえずその日は帰る。  
 
「キョーコ…あれは演技だよ。俺がキョーコと離れるわけがないだろう?」  
「でもでも…」  
 
つらすぎてわんわん泣いちゃうキョーコ。  
納得できるまで好きって言っててあげるから、とずーっと好き好き愛してると繰り返す蓮。  
ぎゅっと抱きしめられて徐々に落ち着いてきて(結局アンアン)  
で、翌日の撮影は無事終了するわけだけど。  
 
 

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