今日は、キョーコと部屋で待ち合わせ。
意気揚々と帰って来て、リビングに入った。
リビングにはキョーコの姿はなく、シャワーの音が聞こえる。
いつも、ソファで何かしらテレビを見ているキョーコに、ただいまのキスをする瞬間が楽しみなのに。
残念だな、と思いながらソファに腰を落とした。
「…ん?」
テーブルの上に一冊の本。
通販のカタログのようで、何か付箋が貼ってある。
ペラリと付箋のついたページをめくると、下着のページだった。
いかにもキョーコらしい、お姫様テイストだとか、お嬢様スタイルだとか、白の清楚な下着や、ピンクのレースをあしらったもの。
自分が気に入ったものには、丁寧にマーカーで印までつけて。
下着くらい、俺が買ってあげるのに。
「あ、おかえりなさい敦賀さ、……っきゃああああぁぁぁ!
な、何見てるんですかああぁぁぁっ!?」
「何って、カタログ…」
ぼんやりと考えながらカタログを見ていたから、キョーコが風呂から出てきた。
「いや、そうなんですがっ。み、見ないで下さいぃぃ」
恥ずかしがって、バサバサとカタログを片付け始めるキョーコから、石鹸の香り。
洗い晒しの髪が、白いうなじにかかって色っぽく見える。
「どうして隠すの?」
キョーコの腰に手を回して、うなじに唇を落としながら囁くと、キョーコの頬が朱に染まる。
「や、なんか、恥ずかしいです…」
「もっと恥ずかしいコト、たくさんしてるのに?」
「そ、それとコレとは別で、……ひゃぁ!」
うなじに唇を落とした後、耳の後ろを舐めあげると、可愛い声が漏れた。
抱えているカタログがバサバサと落ちる。
「あっ、カタログがっ」
「それより、キョーコ」
カタログを拾い上げようとするキョーコの体を、俺に向かせて、
「んー……」
唇にキス。
ふにゅっとした唇の感触に、胸の奥が温かい。
ちゅ、ちゅ、と音を立てて啄むようなキスを繰り返すと、キョーコは鼻にかかったような吐息を漏らした。
「……はぁ」
「ただいま」
唇を離して、額をコツンとつけてキョーコに言った。
「おかえりなさい」
赤い顔して、俺を見上げるキョーコが可愛くてしかたない。
もう一度口付けて、深いキスを交わすと、俺の首に手を回して応えてくれる。
「…んっ、んんんっ!」
キョーコの着ているバスローブの紐を解き、肌を露わにした。
「可愛いね」
やっぱり、キョーコらしい、白い清楚な下着姿。
「み、見ないでください」
明るいからか、顔を隠すように俯くキョーコが可愛い。
「湯冷め、しちゃいます…」
体を離して、腕に引っかかったったままのバスローブを着直そうとするキョーコの、手をつかんで阻止した。
そのまま脱がせて、下着姿のままのキョーコを抱える。
「じゃあ、俺があっためてあげる」
お姫様抱っこで寝室まで連れて行き、ゆっくりとベッドの上に降ろした。
「んっ、ああっ、つ、敦賀さっ、んんっ、あ、熱いのっ、んあああっ!」
ギシギシと軋むベッドの上。キョーコの白くてしなやかな肢体がビクビクと跳ねる。
俺を受け入れているところが、きゅうきゅうと絡みつき、締め付けてくる。
「あった、めてっ、あげるって、言ったろ?」
こうやって、キョーコの中に居られる時間が好きだな。
俺にしか見せない、顔をするから。
奥まで入って、中をするとキョーコの口から、嬌声が洩れた。
「あああっ、あんっ、もっ、激しっ、すぎですっ」
「しかた、…ないだろっ」
片足の太ももにショーツは引っかかったまま。
ブラも少し下にズラしただけで、胸の先を露わにしてるキョーコ。
そんな姿を見て、手加減なんてできるわけがない。
「あっ、あっ、んんっ、ああんっ、も、だめっ!だめぇっ!」
「キョーコっ、俺もっ」
「ああああぁぁぁんんっ!!」
勢いに任せて奥まで突き上げると、キョーコの体がビクビクとしなった。
ぎゅぅと締め付けてくるキョーコの中で、俺も果てた。
「もうすぐクリスマスだけど、キョーコは何がほしい?プレゼント」
事が終わって、ゆったりとベッドで過ごしながら、キョーコに訊ねた。
「敦賀さんと過ごす時間…、ですかね」
何かと忙しい俺に、可愛い事を言ってくれる。
「敦賀さんは、何が欲しいですか?」
今度は、逆に、キョーコに訊かれた。
「俺?」
うーん?そうだな…。
「キョーコが俺の選んだ下着姿を見せてくれるコトかな…」
いつもの清楚な感じもキョーコらしくて可愛いけど、たまには大人っぽいのとか、色っぽいのも見たいしね。
そう告げると、キョーコは、
「か、考えときます」
と言った。
でも、俺は知ってる。
キョーコは、大抵、俺のお願いはきいてくれること。
「ありがとう」
頬に口付けると、まだ決めてません、と言われたけど…。
「クリスマスが楽しみだな……」
呟く俺を、キョーコは仕方ないなって顔で、微笑ましそうに見ていた。