ベッドルームの入り口で、キョーコは泣きべそをかきながら、恨めしげに俺を睨む。
「どうした?シテ欲しいんだろう?早くおいで」
「……や、んんっ、こんな、の、無理です」
桃色の可愛らしい唇から、言葉と共に吐き出す息は荒くなっていた。
「それ、落としたらお仕置き」
「いやぁ、んんっ、む、りっ」
キョーコが自ら、自分の手で埋めた玩具の、リモコンは俺が持っている。
男根を模した玩具を、下の口でしっかりとくわえ込んだキョーコの、
膝がガクガクと震えている。
歩こうとすれば中が擦れ、玩具を落としそうになって立ち止まり、
イキそうになっては、俺の手中にあるリモコンで玩具の振動を緩めた。
焦れたキョーコの表情が、いじめてくれとでも言っているように、加虐心を煽る。
俺が仕向けた事ながら、キョーコがこんなに乱れてくれるとは思ってもいなかった。
数分前。
ビタミン剤を飲みながら、ふと、悪戯心が浮かんだ。
小さな粒を口に含み、水と一緒にキョーコに口移す。
キョーコは驚いた顔でそれをゴクリと飲み干した。
ヒクリと、飲み込む際に隆起する白いのどが、艶めかしかった。
「何ですか?コレ…」
「ん?キョーコがやらしくなる薬」
無垢な目を向ける、純粋なキョーコに小さな嘘をついた。
無論、キョーコは戸惑っている。
「どう?体、何か変わった?」
しばらくたってから、キョーコの頬が朱に染まっているのに気付いた。
呼吸も少し乱れ始めている。
ため息を吐き出して、悟られないようにはしているが……。
俺が、キョーコの事で気付かないことなんてないのに。
「な、何にもないです」
一生懸命、悟られないように、平気な顔を見せようとするキョーコが可愛かった。
「本当に?」
隣で座っているキョーコの肩を引き寄せ、わざと、息がかかるように耳元で囁くと、
キョーコの体が、ひくりと震えた。
「み、耳元で話さないで下さ…」
「どうして?いつも、してるじゃないか」
唇を耳に付けたまま話すと、くすぐったいのか、キョーコは身を捩って逃げようとした。
キョーコの腰に手を回して、逃げられないようにがっちりと押さえ込む。
逃げられなくなって、慌てるキョーコの体の変化に気付いた。
「キョーコ……」
「な、何ですか?」
「乳首、服の上からでもわかる」
腰に回した手を上にずらして、胸の先を摘む。
服の上からぐりぐりとこねまわしてやると、キョーコの口から吐息がもれた。
「んっ、あぁ」
言い当てられて恥ずかしくなったのか、キョーコの体が熱くなる。
顔を耳まで赤くして、俯くキョーコが可愛い。
「んんっ、……つ、敦賀さん」
「何?」
「か、体が熱いです……」
戸惑いがちに口を開くキョーコは、薬のせいだと腹をくくったらしい。
本当は違うのに、簡単に暗示にかかってくれて嬉しい俺は、内心ほくそ笑んだ。
「触って欲しい?」
わざわざ訊ねる俺に、恥ずかしがって、こくこくと目を瞑って首を振る。
「いいよ。ゲームに勝ったら、ね」
「…え?」
ゲームって何ですか?と恐る恐る訊ねるキョーコをベッドルームの入り口に立たせ、
手に、男根を模したグロテスクな玩具を握らせる。
「コレを自分で飲み込んで、落とさずにベッドまで来れたらキョーコの勝ち。
落としたらお仕置き。コレの遠隔操作のリモコンは俺が持ってるから」
俺の言葉にキョーコは息を飲んだ。
あぁ、その顔。本気で戸惑っているのに、どこか期待しているような、潤んだ瞳。たまらない。
「じゃあ、俺はベッドで待ってるから」
「え、む、無理です!こ、こんな…」
俺の見ている前でこんな物飲み込めないだとか、こんなの嫌だとか、そんな弱音は認めない。
いつまでも羞恥心を失わないキョーコを、いじめていじめて、乱れさせる予定だから。
「触らないでいいの?キョーコの中、疼いてるだろ?」
薬のせいだと思い込んで、キョーコの体は俺を求めている筈だ。
現に、ベッドルームの入り口から逃げ出したりしない。
手の中の玩具を見つめて固まっている。
「……触って、ほしい」
「じゃあ、ゲームスタートだ。ショーツ、脱いで?スカートはそのままでもいいから」
最初は戸惑っていたキョーコも、耐えきれなくなったのか、
おずおずと赤いチェックのミニスカートの中に手を入れ、中からゆっくりと白いショーツを下ろした。
清楚なキョーコが、自分から下着を下ろしているのが、やけに艶めかしく見える。
「あ、あんまり、じろじろ見ないで、ください、ね?」
見るに決まってるだろう?キョーコは見られて感じるんだから。
「ソレ、舐めて濡らしてごらん。濡れてないとキツいだろう?」
きっと、今までのやりとりで、キョーコの中が濡れてるだろう事はわかっていた。
ただ、玩具を頬張るキョーコが見たかった。
「……んっ」
戸惑いがちに先端から口にくわえ、奥まで飲み込み、ジュプジュプと音を立てて、
唾液を擦り付けるキョーコ。
無垢なキョーコがこうやって、いやらしくなっていく様を見るのは、何とも興奮する。
目を閉じて玩具を頬張るキョーコを、目に焼き付けて、
「全部濡らしたら、入れてごらん」
次のステップに促した。
玩具を握り締めた手を、ゆるゆると下ろして、スカートの中に入れる。
立ったまま玩具を飲み込もうと腰を引くキョーコの、スカートの中を想像するだけで、欲情がかきたてられた。
「……んっ」
ゆっくり、ゆっくりと、玩具がスカートの中に入り込んでいく。
キョーコが深く飲み込もうとする度に、眉間に刻まれるシワが何とも言えない表情を作る。
「んっ、あっ、ああっ」
ある程度飲み込んだのを確認して、玩具のスイッチを入れた。
急に動き出して驚いのか、キョーコは玩具を引き抜いてしまう。
「……あ」
「ああ、抜いてしまったから、やり直しだ」
「い、いじわる…」
潤んだ瞳で恨めしそうに俺を見つめるキョーコに、背筋がぞくぞくとした。
楽しい。言葉でちょっと煽ってやるだけで、キョーコはこんなに必死になる。
「ほら、早く」
動き出した玩具を掴んで、キョーコはもう一度、自分の中に埋め込んでいった。
「んっ、んんっ、……はぁ」
ゆっくりと時間をかけて玩具を飲み込んだキョーコは、潤んだ瞳を俺に向ける。
「今度は上手にできたね。ほら、歩いておいで?」
「やっ、あ、あるけな…」
グロテスクな玩具に中を蹂躙されて、こらえきれずに、潤んだ瞳からポロリとと涙が零れた。
「どうした?シテ欲しいんだろう?早くおいで」
「……や、んんっ、こんな、の、無理です」
「それ、落としたらお仕置き」
「いやぁ、んんっ、む、りっ」
お仕置きと言う言葉に、先日の恥辱の夜を思い出したらしい。
キョーコはゆっくりと脚を部屋に踏み入れた。
焦らして焦らして、焦らしまくって、泣き叫びながら俺を求めて懇願するキョーコを思い出す。
「…あ、ん、あああっ」
部屋の半分ほど来た所で、玩具のスイッチを上げる。
急に強くなった刺激で、敏感になっている彼女は立ち止まってしまった。
「あっ、ああっ、つるが、さんっ、コレ、とめ…、ああああっ」
キョーコの言葉を遮るように、さらに振動を強くする。
スカートと握り締めて、落とさないように必死に中を締めるキョーコは、自分で感じてしまう状況を作らないといけない。
「あっ、ああ、あ、んんんんんんっ!」
一際高い声をあげて、キョーコがガクガクと体をしならせた、次の瞬間。
ゴトリ、と玩具が抜け落ちた。
「……ぁ」
玩具が落ちたことに気付いたキョーコは、怯えた顔で俺を見る。
ああ、その顔。たまらないね。
「お仕置き」
さあ、今日は、どうやっていじめてあげようか。
「いやっ、つるがさっ、もう、ゆるしてっ、ああっ、あっあっああんっ、ああああっ」
ベッドの端に腕をくくり付けられたキョーコは、本日何度目かの絶頂を迎えた。
「キョーコにあげた、あの薬ね?ただのビタミン剤だよ」
「……ぇ?うそっ!?」
「嘘じゃない。キョーコは、ただのビタミン剤で、あんなに敏感になってよがってたんだ」
「あっ、また、コレ、うご、かしちゃ、だめっ!ああんっ」
種明かしをしたら、キョーコは更に敏感になったようだ。
玩具で中を擦り上げられ、何度も何度も絶頂を迎える。
「いやらしいキョーコには、ぴったりのお仕置きだろう?」
「あああっ、ああっ、あっ、もっ、む、り、なのっ、あああっ、だめえぇぇ!」
「そうだ、お尻も調教しようか?キョーコならすぐに覚えられるよ」
「やあっ、い、やああっ」
嫌々と首をふるキョーコの瞳は、快楽と被虐の期待にくらりと揺れる。
そうだな。これから色々教え込むとして……。
今は、バイブをくわえて悦んでいるキョーコに、
「過ぎた快楽も拷問に近いって事、教えてあげるよ」