華奢な首筋に巻かれた真紅のリボン――。  
蝶々結びにされたそれは、少女の顔の横でゆらゆらと揺れている。  
黒のシンプルなワンピースと紅の対比が目に美しい。  
今日は所謂恋人たちの夜―――クリスマスイブ。  
仕事を終え、やっと自宅に帰り着いた蓮に、待ち受けていたキョーコが言った。  
「お帰りなさい、敦賀さん、今日はクリスマスイブですねっ、プレゼントですっ」  
そうして、ずいっと前に進み出る。  
「あ、あのっ、本当につまらない物ですがっ、  
私、敦賀さんにいつも色々して頂くばっかりでっ。  
でも、敦賀さんに釣り合う様な高価な品物は、  
私のお給料ではどうしても買えなくて・・・・、  
あの、その、私がプレゼントですっ、すみませんっ」  
一息に言ったかと思うと、リボンに負けない位頬を真っ赤に染めた。  
「君が・・・・・プレゼント?」  
蓮は漸くリボンの意味を悟った。  
「モ、モー子さんに相談したんですっ、そしたら、『首にリボンでも巻いて  
・・・・私がプレゼント、ってやれば』って・・・」  
実際には奏江は「(前略)私をあ・げ・る、ってやれば」と  
言ったのだが、キョーコにそんな大胆な台詞は到底口に出せなかった。  
一方の蓮は、全く、琴南さん、余計なことをと言うべきか、  
それともやはり感謝すべきか、等と自問自答していたが、  
それも目の前でうっすらと涙を浮かべているキョーコへの  
愛しさと欲望に押し流されてしまう。  
 
何度も何度もついばむ様に唇を重ねて、それから深くくちづけて舌を絡め取る。  
滑らかな背中を撫で回しながら、一気にファスナーを下ろした。  
いつもより少し乱暴な蓮のやり方に、キョーコは  
唇を塞がれたまま抗議の声をあげようとする。  
唇を少し離して、蓮が囁いた。  
「知ってる?外国じゃプレゼントの包み紙は、乱暴に開ける方がいいんだよ、  
貰って嬉しい、凄く欲しかったって気持ちを表す為にね」  
「そ、そういうものなんですか・・・・あ、敦賀さん、ダメ、こんな所で・・・」  
ワンピースをするりと床に落とし、ブラとショーツも剥ぎ取ってしまう。  
首のリボンが色付いた裸体を、より煽情的に見せていた。  
「じゃあ、続きはあっちでしようか」  
蓮はキョーコを抱き上げて、寝室へと向かった。  
 
ベッドにキョーコを横たえた蓮は、リボンをしゅるりと解いた。  
それでキョーコの両手首を手早く縛り上げ、更にベッドにしっかりと括り付けた。  
両手の自由を奪われたキョーコは、不安げに蓮を見上げた。  
「大丈夫だよ、いつもよりもっと気持ち良くなるから」  
言いながら、小振りな乳房の中央の蕾に吸い付いた。「あ、やっ、はぁっ、やぁ、ぁんっ、」  
 
「ここ、もう堅くなってるよ」  
乳首を軽く指で弾きながら、煽ってやる。  
「もしかして、縛られて感じた?」  
 
「そんなっ、もう、敦賀さんの馬鹿っ」  
潤んだ瞳で睨まれて、蓮は結局煽られているのは  
自分の方だと思い知らされてしまう。  
再び首筋から胸元へと、幾つもキスを落とし、  
時々強く吸い付いて跡を残す。  
「・・・やっ、ダメ・・・・」  
 
「ちゃんと見えない所にしてるから」  
 
「そういうことじゃなくてっ」  
言い掛けたキョーコの唇をキスを塞いで、柔らかな乳房の感触を楽しんだ。  
「・・・はぁ・・・・・ぁん、つる、が、さぁん・・・・」  
蓮の舌と指が肌に与える快楽に、キョーコの声は悩ましげな色を増していく。  
頭上で両手を固定されている為、下半身だけがまるで人魚の様に、淫らにくねり、跳ねていた。  
 
(もう、限界だ――)  
蓮は、欲望ではち切れんばかりの自らの雄を取り出し、素早く避妊具を被せた。  
キョーコの両脚を広げさせ、指で秘花の蜜をすくい取る。  
「あぁん・・・」  
既に十分潤っていたそこに、蓮は猛る雄を突き立てた。  
「あ、やぁっ、あぁっ」  
キョーコの内部は、いつもよりも更にきつく締め付ける様で、  
蓮は更に奥深くを味わおうと、ゆっくりと腰を進めていく。  
「・・・やぁ、熱いっ、つるが、さっ、・・・・・もう、とけちゃ・・・・」  
熱の塊が自分の中をかき分ける感覚に、キョーコは乱れ、翻弄される。  
しかし、両手は縛られ、両脚は蓮に押さえ付けられ、自由を奪われたキョーコは、  
腰を激しく波打たせながら、泣き叫ぶ様に喘ぐことしか出来ない。  
「・・・・はっ、ひぁ、あぁん、や、もう・・・・・」  
 
「キョーコ、ありがとう、最高のプレゼントをくれて」  
 
「よろ、こんで、あんっ、いただけ、あぁっ、たん、ですか・・・」  
 
「当たり前だろう、君は俺の宝物だ・・・」  
 
「うれし・・・・・あっ、もうダメ、きちゃう・・・」  
 
「じゃあ、一緒に・・・」  
 
「やっ、はぁっ、いいっ、いいのぉ・・・ああっ、あぁぁ―――――っ」  
 
背中を弓なりに反らせて、絶頂を迎えたキョーコの両手を漸く自由にしてやると、  
そのしなやかな細い腕を蓮の背中に回し、しっかりとしがみ付いてきた。  
その温もりと胸に溢れる愛おしさを感じながら、蓮も快楽の高波にさらわれた。  
 

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