クリスマスの夜、ドラマ収録後の俺の部屋。
キョーコを呼んで、買って来たケーキと、彼女の手料理を食べて。プレゼント交換をして。
日付が変わった室内の窓辺に立ち、2人、なんとなく外を見ていた。
「プレゼント、あんなのでよかったのかな。ホントに欲しいもの、ないの?」
「十分ですよ! 敦賀さんからプレゼントを頂くってだけで、全国の女性から殺される覚悟してますから」
俺は、くすくす笑いながら
「大げさだよ、でも、ホントにない? キョーコの欲しいもの。俺が、知りたいんだけど」
俺のその言葉に何を思い付いたのか、思い付いた途端にキョーコは鮮やかに顔を染める。
「何、何か思い付いた? なんでもいいよ、言ってごらん」
「いえ、そ、の」
「ん?」
真っ赤になって俯き、彼女が俺に要求したクリスマスプレゼントは。
「そ、の。つ、敦賀、さんの顔を、ずっと見ていても怒らないで……欲しいです」
「え?」
意外な言葉に、一瞬訊き返してしまう。
「俺の?」
「いつでも何処でも、気が、ついたら、ついぶしつけに見てしまっているのでっ」
吐き出す様に彼女が言う。
「それ、君にとってのプレゼントに、なるの?」
俺がそう言うと、キョーコは下を向いて耳まで赤くして、何度もこくこくと頷いた。
彼女の要求はあまりに些細な事過ぎてよく飲み込めなかったが、その姿が可愛くて、
思わず抱きしめてしまう。
「ひゃ」
彼女は慌てた様に、身体を離そうとしたけれど、構わず抱いた。
「了解。じゃあ、俺のプレゼント要求も、それにしていい? ……ずっと、俺を見てくれる事」
俺に抱きしめられながら、彼女はおずおずとそれに答え、背中に腕を回してくる。
探る様な手が、しっかりと俺の背中を抱いてくれる。彼女の仕草に俺は顔がほころび、胸が熱くなる。
「……いいんですか。鬱陶しい、くらいに見ちゃいますけど」
「大歓迎だよ。と、いうより、君は言う程、俺の事をあまり見てくれていないと思う、けど?」
俺の方が10倍は軽く彼女を目で追っている自信が有る。多分、瞬きの回数も全然違うだろう。
彼女が視界にいない時も、気がついたら彼女の姿を妄想している。それが当たり前になってしまった。
余裕もなく、目が吸い寄せられて、鬱陶しいぐらいに見ているのは、間違いなく俺の方だ。
俺が彼女を見ている時、彼女は大抵、別の所を見ている。その姿を見ていたい気持ちになっているのは
最初の内だけで、いつも、次第に彼女が俺の方を向かない事にイラついてくる。
「それはっ、出来るだけみ、見ない様にしてるからっ。でも、我慢しようとしても、と、止まらないから、
怒らないで頂けると嬉しい、です」
「……怒るはずがない。むしろ、そんな事を言ったら、俺はどんどん我侭になるけど、いいの?
君が俺を見ていないと思ったら、公衆の面前でもこっちに向かせようとするよ?」
俺がそう言ったら、彼女は顔をあげ、赤い顔、潤んだ表情で俺を見て笑う。
「そんな敦賀さん、なんだか信じられない、です」
その潤んだ笑顔で、俺の箍が外れた。
思いきり抱きしめて、無言で深い口付けを、何度も何度もして、キョーコの力が抜けた所で
抱き上げ、寝室に連れて行く。
寝室のドアを開けながら、抱いている彼女の唇をあばき、舌を探る。
「ん……、んっ」
キョーコが戸惑いながらも、うっとりと俺に唇を預けてくれるのが嬉しくて興奮する。
ベッドに彼女を横たわらせ、全身を愛撫しながら服を脱がせて行く。
「あっ、んっ、つるが、さん、んっ」
「キョーコ……かわいい」
全てを取り去った彼女の全身を執拗に撫でまわす。
背中から覆い被さり、両の乳房を丹念に揉み上げてこねまわす。乳首をこよりの様にクリクリと擦って、
乳頭を爪で柔くいじるとキョーコが可愛らしくないてくれる。
乳房を何度も吸って、腰を撫で回しながら浅い呼吸でヒクつくへそにキスをする。
飛び跳ねるキョーコの身体を押さえつけ、あそこを両手を使ってびちゃびちゃになるまで愛してやると、
彼女は気持ち良さそうに喘いで、俺の下で腰を振りまくってくれる。
「キョーコ、気持ち、いい?」
「あっ、つるがさん、つるが、さん」
脳がドロドロに溶けそうな気分で、俺は彼女と身体を繋ぐ。
目を瞑り、凄く苦しそうな顔をしている彼女の顔を見ながら、奥の奥まで繋ぎきる。
彼女の中は気持ちがよくて、彼女のしどけない姿が可愛らしすぎて不安になる。
もっと繋がりたい。ずっと、繋がっていたい。
何度も貫き、俺の形を彼女のそこへ、刻み付けていく。
全身を彼女の身体に何度も擦りつけ、俺というオスの臭いをなすりつけていく。
こうしてキョーコの内から外から、前から後ろから、何度も何度も犯し尽くす。
「ひっ、あぁ、あああぁっ、ひゃ、うっ、つ、るが、さっ、やぁぁあああ、あああんっ」
「キョーコっ、キョーコ……っ」
快感が過ぎて、彼女が泣き出しても止められない。止めて、やらない。
ボロボロになって、泣き出す彼女が可愛くて仕方がなかった。
初めて彼女を抱いた時から、合う時間を見付けては飢える様に何度もキョーコを抱いた。
抱けば抱くほど、飢えが酷くなっていくのは何故なんだろう。
朝日がさす中、腕の中の憔悴した寝顔のキョーコを食い入る様に見つめて、
どうしようもなく愛しくて不安になる。
不安になるからもっと繋がりたくて、彼女を抱きすぎてしまう。
抱きすぎると彼女が怯えて離れてしまわないか、さらに不安が募る。
汗で頬に張り付いた髪を、整えてやる。
彼女の笑顔が見たい。目が覚めて、俺に向ける笑顔を見て、早く安心したい。
そう思いつつ、俺はつかのまの眠りについた。