ドラマ収録のスタジオの片隅で椅子に座り蓮は出番を待っていた。
“あー、下手糞なアイドルめ何回NG出せば気が済むんだ。
明日から念願のキョーコと一緒の三連休。キョーコが今日から泊まりに来て、
夕飯作って待っていてくれる約束なんだ。さっさと終わらせて帰りたいのにあの大根め!!
いやいや、共演者がカリカリしてちゃあ萎縮してなおさら悪くなるだけだ。
ここは落ち着いて、今夜からの事でも考えよう。準備は全て整えてきたはずだが、万全を期すためにシミュレーションを”
年始から社に頼み込み、はたまた脅しを掛けてゲットした三連休。
蓮は“今年の目標”を全てクリアするつもりでいた。
マンションに帰ったらキョーコがフリフリのエプロンをして出迎えてくれる。これは蓮が買っておいたものだ。
フリルやレースで飾られた真っ白のエプロンを大喜びで着けてくれるだろうキョーコが目に浮かぶ。
翌朝には一糸纏わぬままそれを着けさせられるとも知らずに。
ただいまのキスをして、お帰りなさいのキスを強請って、口腔を貪り、キョーコが溶けて来た頃に聞く
「薬はちゃんと飲んできた?」
この商売“出来ちゃった”なんてとんでもない事だ。しかもリスクを負うのは一方的にキョーコだ。
蓮は今まで一度もスキンをせずにキョーコの中に入ったことは無かった。
“キョーコと本当にひとつになりたいんだ。”そう言って、先日ピルを渡していた。
確認などせずとも律儀なキョーコのことだ、しっかりキッチリ飲んできただろう。
だがキョーコのはじらう姿を見るチャンスを蓮が一度でも逃そうなどと思うはずがない。
蓮との夜の為に準備をする。それがキョーコの羞恥心をひどくかきたてると知っている。
案の定キョーコは真っ赤になりながら、ただコクンと首を動かして俯いた。
「あの、夕飯出来てます。」逃げるように話題を変える。
「それじゃあ言って『ご飯にします? お風呂にします? それともワ・タ・シ?』」
ハグハグとただ口を動かしながらオロオロするキョーコ
「折角の夕飯冷めたら勿体無いからご飯を貰うよ。こっちは俺が何回でも暖め直してあげるからね」
先ほどのキスで既に潤んでいるであろう足の付け根をスルリと撫でる。
美味しい夕飯をいちゃつきながら食べて、食後のお茶を飲みながら
「それじゃあ、デザートをもらおうかな」
「え、あっ、ごめんなさい。普段あんまり甘いものとか食べないから……」
キョーコを引き寄せて服をはだけさせて
「美味しそうなサクランボ。」胸のふたつを摘み上げ
「それから熱いジュース、いっぱい飲ませて」耳をいやらしい吐息で愛撫しながら、手を下ろしていく。
「敦賀さん、敦賀さん。お待たせして申し訳ありません。前のシーンはなんとかOKが出たんですが、
ちょっと続けては無理そうなんで、15分休憩を取りたいのですが」ドラマのスタッフが申し訳なさそうに頭を下げてくる。
待たされたことにではなく、妄想を邪魔されたことに怒りながら、それでもニッコリと
「はい、分かりました。それじゃあ楽屋の方にいますから」紳士の皮を被り答える。
“15分! 帰ってから1時間分しかシュミレーション終わってないぞ。しかたない、巻いていこう”
リビングでなだれ込んで、“生”を強調して挿入して、キョーコに違いを言わせて。「出すよ」この一言は絶対決めなきゃな。
しばらく余韻に浸ったらベッドに移動。キョーコが疲れて眠るまで、未経験のいろんな体位でガンガンやって。
眠っているキョーコにあんなことやこんな事をして。おっとデジカメも忘れずに。
イタズラに気づいて目覚めたら言葉攻めだ。初めて注ぎ込んだ“あれ”がキョーコの蜜壷でどうなっているか実況して。
風呂に入ってさらにイチャイチャ、素手で全身洗って貰おう。
湯に浸かって一休み。キョーコがほっとした所をみはからって、シャワーヘッドを湯船に引き込んで…
風呂からあがったら撫で回すようにキョーコの全身を拭いて、“拭いても、拭いてもキリが無い”なんてキョーコの熱い泉を揶揄すると、
“誰のせいで…”と恨みがましく見つめられるだろう。
全裸のまま肩を抱いて脱衣所を出ようとすると、“着替えは?”と目で聞いてくるキョーコに、着るものは無いよと言って……
キョーコが寝ている間に服を隠しておくのを忘れないようにっと。
俺が用意したキョーコの為の下着や衣装は明日以降だな。
次はバイブ、いやいや、それは昼の明るい部屋の方がいいだろう。
キョーコに自分で入れさせるかそれとも俺のものを入れる振りをしていきなり…
「敦賀さん、敦賀さん。お願します。」ノックの後、先ほどのスタッフの声がした。
時計を見るとすでに15分が過ぎている。
「すみません、今ちょっと、、、5分程したら行きますから……」
何時もなら呼びに行くまでも無くスタジオに入って準備をしている蓮の珍しい言動にスタッフは首をひねり、大根アイドルは“自分のせいで…”と青くなっていたことを
妄想の結果としての下半身を宥めるのに躍起にっなっていた蓮は知る由も無かった。
おわり