マンションのベランダで、浴衣姿で星を見るふたり。
後ろからしっかりと抱きついて耳元で囁く蓮の息がくすぐったくて、キョーコは照れ隠しに七夕の物語を解説する。
「ね、ロマンチックだと思いませんか?」
「そうだね。でも、一年に一度しか会えないんだろう?」
「それはそうなんですけど…」
「俺には耐えられないな。1日会えないだけで苦しいのに」
「つ、敦賀さんっ」
「ん?」
「あのっ、ここベランダ、ですよ?」
「そうだね」
「そ、そうだね、じゃなくって…っ、手っ…だ、誰が見てるかわからない、のにっ」
「織姫と彦星が見てるかもしれないね」