蓮と社は凄腕の陰陽師。特に蓮は退魔調伏の力が凄まじく、当代一と言われている。
対して社は霊力は蓮に劣るものの星見や予言、占に長けており
最近ではその腕を買われ、殿上人などから依頼され恋占いもしている始末。
「社さん・・・また頼まれたんですか・・今度はどこの貴族です?」
「いや〜〜相性観てくれって頼まれちゃってさぁ。因みに今回は貴族じゃないよ」
「まぁ・・誰でもいいですけど。毎回毎回よく引き受けますね。何がそんなに楽しいんですか?」
「そらもう!楽しいぞぉ〜〜。普段すましてる奴らが必死になって来るからな。
どこそこの姫が美しい、誰々様の女房に懸想して〜とかな。・・そういうお前は誰かいないのか?」
「興味ありませんね」
「れ〜ん〜?お前もそろそろいい歳なんだから、真剣に考えた方がいいぞ〜?」
実は社は行く先々の貴族の姫や女房達から蓮との仲を取り持ってほしいと頼まれている。
「面倒ですよ。・・・それより、さっさと占ったほうがいいのでは?もう日も落ちますし」
(ちっ・・・・つまらん奴め)と内心毒づきながら、筮竹をじゃらじゃら鳴らす社。
ふと結果を観て顔が曇る。 (あれ・・・?なんだ。これ・・)
「どうしました?何か悪いことでも?」 蓮が話しかけると、途端に社の顔がにったりゃぁ〜と笑む。
(なんか・・・イヤな予感が・・・・) 一歩退く蓮。
「これさぁ、実は光殿からの依頼だったんだよね〜。なのに何でかお前のことがでたんだけど。
てことはさぁ、お前にも漸く春が来た!ってことだよな〜」
「光殿って・・・同じ陰陽師じゃないですか。なんで恋占いなんか・・・」
「物の怪がついてるって評判の姫知ってる?あれの依頼受けたのが光殿だったんだよ。
でも調伏は失敗したみたい。しかも、その姫に一目惚れしたんだってさ。だから相談されたんだよ。
・・・でも占いでは、お前の事が出た。ってことは次に依頼されるのはお前。もしかして惚れちゃうかもね〜?」
乙女のように瞳を輝かせてはしゃぐ社に呆れる蓮。深い溜息をつく。
「馬鹿馬鹿しい・・・。社さんの占い今回は外れますよ。仮に依頼されたとしても、さっさと祓って終わりです」
とか言っといて>>807になる蓮。