それは久しぶりにキョーコを部屋に呼んだ夜のことだった。  
 
「ねぇ敦賀さん。王さまゲームって知ってますか?」  
一瞬目の前に星が飛んだ。  
王さまゲーム?  
知ってるに決まっている。  
キョーコがもう少し俺の体に慣れたら教えようと取っておいたんだから。  
 
 
「どこで習った?」  
 
すぅっと、周りの温度が下がるのを感じる。  
キョーコの顔が真っ青になって脅えているのが見える。  
だが俺はキョーコを問いただすことをやめない。  
いや。  
やめてはいけないんだ。  
この子は本当に純粋で……。  
色んな人が色んな事を吹き込んでくるのだから。  
この間だって……  
 
〜回想〜  
「アッ………キョーコッそん…なとこ舐め……ッ」  
「ん…だって…んむ…男の人はこうすると……喜ぶんでしょ…?」  
「ダメだ…出るっ…!」  
 
〜回想終了〜  
 
なんて事があったばかりなんだ。  
あれはすごかった。  
琴南さんに後で感謝をこめて花束を贈ったくらいだ。  
…なぜかその後は会うたびに反対側へ逃げ去るようになったけれど…  
 
 
なぜだろう…?  
 
 
まぁいい。  
今はキョーコがどこで知識を仕入れてきたかが重要だ。  
 
 
「あのっ…この間ドラマの打ち上げで、スタッフさんたちと」  
「したの?王さまゲームを?」  
「は…い…」  
 
 
した?  
今、したと言ったか?  
王さまゲームといえば、なんでもありのエロゲーじゃないか!!  
王さまになれれば、俺が今まで我慢してたあんなこともこんなことも、  
キョーコに堂々とできるんだぞ?  
 
「そう…で…?どこまでしたの?」  
「え?そうですね…凄んで、」  
SMプレイか?  
「高笑いとか…」  
女王?女王様なのか?  
「あとはひきちぎったり」  
 
な…っ?  
くそ…見ず知らずのスタッフが俺のキョーコを!!  
「未緒を演じるのはあれで最後でしたからね。なんか、さみしくなっちゃいました。  
やっぱり終わった役柄をいつまでも引きずるのはだめですか?  
そんな怖い顔しないで下さい…」  
 
ん?  
なんだか俺の早とちりか?  
どうやらキョーコは王さまゲームを少し勘違いしているようだった。  
 
このチャンスを逃す手はないな。  
 
「いや…それこそが役者の醍醐味なんじゃないかな?色々な役を経験して、好きな役柄を増やしていくといいよ。」  
そう言うと、キョーコはあからさまにほっとした顔つきになった。  
「でも…俺もしたかったな。キョーコとゲーム。」  
淋しそうにそうつぶやくと、キョーコが勢い良く俺の手を掴んだ。  
「やりましょう!最初は敦賀さんが王さまでいいですよ!」  
 
かかったね。  
 
それから俺はキョーコにナース役をするよう命令した。  
衣装はいつかくる日のためにLMEから借りてあった。  
サイズ小さめの、ピンクのナース服はキョーコによく似合っている。  
俺もスーツに着替え、医者を気取る。  
 
 
「どうした最上くん?顔が赤いようだよ…」  
「敦賀先生…私、風邪をひいてしまったみたいで。すみません…」  
「じゃあ僕が診察してあげるよ。ほら…その椅子に腰掛けて。」  
そう言ってソファに座らせる。  
こうなると短すぎるスカートは、何も隠してくれない。  
かわいい色をした下着が目に入ったら最後、もう止まれなくなってしまった。  
 
「じゃあまず熱を計ろうか。両足を開いて椅子に乗せて。」  
「敦賀さん…?!」  
真っ赤な顔で戸惑うキョーコ。  
「シッ…ダメだよ。王さまの言うことが聞けないの?」  
羞恥でこちらに目を向けることもできず、しかし俺の言うことに素直に従う。  
「…分かりました。先生、こうですか?」  
「そう…じゃあ熱を計るからね」  
中指を下着の中へ入れる。  
もうそこはとても熱く、洪水のようだった。  
「熱いね…じゃあ心音聞こうか…」  
中指はそのままゆっくりとかき回すようににして、  
左手だけで服をはだけさせる。  
ブラと肌の間から手を入れ、揉みしだく。  
その先端を口に含み、舌で転がす。  
 
「んっ…先生ぇっ…」  
「なに?」  
「もう意地悪しないで…」  
「じゃあ、こう言って」  
俺はキョーコの耳元に唇を近付け、そっと囁く。  
 
「そんっ…!!」  
「言わなきゃあげない」  
キョーコへの全ての動きを制止し、にっこり微笑んだ。  
「どうする?」  
「〜〜〜!せっ先生…キョーコに…蓮先生の…おっきな、お…おちゅうしゃしてぇっ!」  
耳たぶまで真っ赤に染めてしがみついてくる。  
もう、なんて可愛いんだろう?  
「はぁ…仕方がないね」  
動きを再開し、もう熱くなった楔をキョーコに打ち込む。  
抜き差しする毎にキョーコが哭く。  
「ああっ…んぁああっ…んんっ…ああああっ」  
 
肌と肌の打つ音が加速し、ナカの圧力も高まり、  
限界を越え、キョーコと俺は同時に果てた。  
 
キョーコの衣服を全て脱がせ、体をよせあわせて微睡んでいると、  
キョーコがそっと呟いた。  
「もうこのゲームはしません…敦賀さん以外とは…」  
次はどんな役柄設定にしようか。  
 
終  
 

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