それは、ダークムーン収録中の出来事だった。  
「京子さん危ない!!」  
スタッフの突然の叫び声。  
大きな音を立てて機材が崩れた。  
その下でぐったりとして倒れている最上さん。  
「……最上さん!!」  
演技中だった俺は  
すぐさま彼女の元へと駆け寄った。  
「大丈夫か!?」  
彼女を抱き寄せ、呼び掛ける。反応はない。  
「敦賀くん!頭を強く打ったのかもしれません!  
救急車を呼びましょう!」  
どんどん青ざめていく彼女の表情。  
……これは、何の冗談だ?  
夢なら早く覚めてくれ。  
俺は彼女の腕を強く握り締めた。  
………脈がない。  
「嘘……だろ?こんなのって………」  
頬を熱い涙がつたう。  
「俺は、まだ君に一番大切なことを伝えてないのに……。  
愛してる、愛してるんだ………。  
返事をしてくれ!!」  
 
「……………………はい。」  
 
 
 
 
……………ん?  
 
「愛してる……か。」  
後部座席の社さんが、ド○えもんのようにぐふふと笑った。  
「……もうその話はやめてくださいよ。」  
「いいじゃないか。  
これで現場ではすっかり公認の仲だぞ?嬉しいだろう?」  
「別に……」  
「またまたぁ、意地張っちゃって……… あ、蓮。  
俺ここでいいよ。」  
「ああ、はい。」  
社さんの自宅近くで車を停める。  
「じゃ、キョーコちゃんのことよろしく頼むな。  
病院連れてってやれよ。」  
「………はい。」  
社さんを降ろして、俺は再び車を発進させた。  
公認の仲になったって、別に嬉しいことなんてない。  
なぜなら………  
「ねぇねぇ、見ておじちゃん!  
ルービックキューブ三面揃ったよぉ!」  
助手席に座って微笑む彼女は、  
最上キョーコの体を借りた  
6歳の子供なのだから。  
 
「……おじちゃんではなく、お兄ちゃんなのだよ。」  
「えっ、あ、はぁい。」  
無邪気に遊ぶ彼女を見て、  
俺は大きくため息をついた。  
 
一時間前。ダークムーンの現場。  
『………………………はい。』  
今にも息絶えそうな彼女が、小さく返事をした。  
『最上さん!?』  
『はい!元気です!』  
バチッと目を開け、勢いよく手を挙げる彼女。  
『キョ、京子さん?怪我はないの?』  
緒方監督が彼女の顔をのぞく。  
最上さんは目をパチクリとさせ、監督のことをジッと見つめた。  
『………わぁぁ!あなた、お姫様なの!?』  
ガシッと緒方監督の手を握る最上さん。  
『あ、いえ、あの、僕は一庶民です。』  
『最上さん……?痛いところとか、ないの?』  
とりあえず彼女の手を引きはがし、安否を尋ねる。  
『え?別にどこも痛くないよ。  
それよりおじちゃん、背大きいのね。  
……子供のとき、何食べてたの?』  
最上さんがおかしい。  
現場の誰もがそう思った。  
『と、とりあえず京子さん、病院に行きましょうか。』  
『びょーいん!?イヤ!!びょーいん行ったら注射するでしょ!』  
『いえ、とりあえず検査を……頭の。』  
『イヤったらイヤ!ぜったい行かない!!』  
俺にしがみつき、最上さんは離れようとしない。  
『あの、監督……。とりあえず今日は俺が責任持って送りますから。  
病院は後日ということで……。』  
 
こうして俺は、今彼女と二人きりでいる。  
 
「フレッシュチーズ♪プチダ○ン〜♪」  
助手席の彼女は、なにやら楽しそうに歌をうたっている。  
さて……、送ると言ったものの、どうしたものか。  
とりあえず事務所に寄って社長に報告を……。  
それから彼女の住所を聞いて……  
「………ちゃん、お兄ちゃんってば!!」  
彼女に袖を引っ張られて我にかえる。  
「あ、ごめん……。なに?」  
「おしっこ!」  
「え?」  
「おしっこ行きたい!」  
「おしっこって……。もう少し我慢できないの?」  
「できない!漏れる!」  
股に手を入れて、足をモソモゾと動かす仕草。  
「……どうしてもっと早く言わないかな」  
一瞬躊躇はしたが、ここからなら俺のマンションの方が近いだろうと  
車をUターンさせた。  
 
「お兄ちゃん、おしっこ終わるまでここに居て?」  
マンションに着きトイレまで案内すると、  
彼女はモジモジと俺の袖をひく。  
「ここに……って」  
個室の中。  
「だって、知らないトイレ一人じゃ怖い。  
いいよって言うまで待ってて?」  
いや、いくらなんでもそれはマズイだろう。  
心は幼児でも、体は16歳の最上キョーコのままなのだから……。  
「お願い!じゃないと漏らす!」  
「わ、わかった!ここで待ってるから」  
観念した俺は便座に背を向けて、  
アメリカ国歌を独唱し始めた。  
なるべく音を聞かないように、意識を他に向けようと……  
けれど、当然のように音は響いた。  
女子高生の排泄音……と言うと本当に変態くさいが  
一生ないだろ、こんな経験。  
「お兄ちゃーん、終わったよー。」  
彼女の声にホッと一安心し振り返る。  
だが俺の目に飛込んできたのは  
スカートとショーツを足まで下げて  
ティッシュで拭いている最上さんの姿だった。  
 
この瞬間、俺の中で何かがふっきれた。  
 
「あっ、お兄ちゃんまだこっち見ちゃダメー!」  
少し慌てた様子の最上さんの前に立ち、  
腰をかがめて彼女と目線を合わす。  
「……ちゃんと拭けた?」  
「拭けるよぉ。」  
「そう……?」  
俺はカラカラとトイレットペーパーを引き出し、  
彼女の割れ目にそっと当てる。  
「仕上げはお兄ちゃんね。」  
撫でるように拭き取ると、彼女の体がビクンと反応を示した。  
堪らなくなり、唇を貧るように吸う。  
「お兄ちゃん……今の、チューだよね?」  
「そうだよ。したことある?」  
ううん、と首を横に振る。  
「そう?じゃあここは?」  
彼女のブラウスのボタンをはずし、  
ブラジャーを捲り上げる。  
そこから顔を出した小さな突起を口に含んだ。  
「……んっ」  
彼女の頬が上気し、突起は固さを帯ていく。  
心は子供でも体は素直に反応するのだと  
妙なところで感心してしまった。  
「お兄ちゃん、オッパイは赤ちゃんが吸うんだよ。  
これって赤ちゃんごっこ?」  
無邪気な彼女の問掛けに「そうだよ」と答える。  
チュバ、チュバ、と音を立て吸い付く。  
「んっ、お兄ちゃ……あっ」  
目が潤み、彼女の顔が色っぽく変化する。  
とても幼児には思えないな……。  
 
「キョーコちゃん、今度はお医者さんごっこにしようか?  
俺が先生で、キョーコちゃんが患者さん。いい?」  
俺の提案に、彼女は「いいよ」と頷く。  
「じゃあ内診しますねー。」  
最上さんのヴァギナへと手を這わせる。  
「きゃ……っ!お兄ちゃん、お医者さんはそんなところ触んないよ?」  
「お兄ちゃんじゃなくて、『先生』でしょ。  
婦人科なら触るよ。」  
「ふじんかって?」  
「キョーコちゃんにはまだ早いかな。」  
しばらく上下に指を動かす。  
「あ……んっ、せんせいっ、んっ、キョーコは……あっ、病気ですか……?」  
「うーん。クリトリスの肥大が少し気になりますね。  
皮を剥いて調べてみましょう。」  
優しく皮を剥き、クリトリスを触ってやる。  
「や……っ、あっ、先生、先生っ!!んんんっ!そこ、気持ちいい!!」  
彼女の足がビクビクと震える。  
「診察なのに感じてるの?いけない患者さんだね。  
おや、風邪もひいてるのかな?  
下のお口がぐちゅぐちゅだよ?」  
彼女の膣からは大量の愛液が分泌され  
俺の指をつたって手の甲まで流れ落ちた。  
「せんせ……、変だよ、んぁっ、お口は、一個しか、ないんだよ……」  
「女の子には二つあるんだよ。上は食べ物を食べる口。  
下はおちんちんを食べる口。」  
「嘘だぁ、おちんちんは……あんっ、食べられない、もんっ」  
「ふふ………どうだろうね。  
それじゃあキョーコちゃん、そろそろお注射しようか?」  
俺はズボンのベルトを外し、いきり立ったモノを取り出した。  
 
「注射……やだっ」  
「大丈夫。気持ちよくなる注射だから。ね?力を抜いて。」  
最上さんを便座に座らせたまま、  
彼女の両膝を掴んでM字に開脚させた。  
「ちょっとチクッとするよ。」  
十分濡れそぼった彼女の膣に、  
己の欲望をためらいもなく射しこんでいく。  
「いたいいたいいたいいたい!!!先生!!!やだぁっ!!」  
「すぐ気持ちよくなるよ。」  
「いたい!もうやめてぇ!」  
彼女は目に涙を浮かべて訴える。  
「注射しないと治らないんだよ?ホラ、もっと奥に入れるよ?」  
ぐぐぐ、と深く侵入させた。  
中は想像より遥かに狭く、俺をぎゅっと締め付ける。  
「あー……、キョーコちゃんの中、すごくザワザワする。  
俺にしがみついて離れないよ。」  
「先生っ、もう……無理っ!!」  
「無理じゃないよ、ホラ、見てごらん?  
キョーコちゃんのお口、俺のおちんちん食べて喜んでるよ。」  
最上さんの頭をつかみ、結合部を見せてやる。  
「や……っ、どうしてぇっ……」  
「……ね?下にもお口あったでしょ?」  
一度、全てを抜き、またゆっくりと挿入する。  
そうして彼女に見せ付けてやる。  
「私、先生のおちんちん食べてるの……?」  
「そうだよ。もっと食べたい?」  
少しだけ腰の動きを速める。  
彼女は小さな悲鳴を上げた。  
 
「あ、あ、あんっ、んっ、んぁぁあっ、はっ」  
どのくらい時間がたったのだろう。  
最初は痛がっていた彼女も、いつしか甘い声をあげていた。  
「ね?気持ちよくなる注射だって言ったろ?」  
「うん、うん!先生っ!あぁっ、こんなお注射なら、私、たくさん受けたいっ!」  
「いいよ。毎日でもしてあげたいくらいだね。」  
「先生っ、私、なんか変っ!やっ、ああっ、ああああああっ!!」  
陸にあげられた魚のように、彼女の全身が震えた。  
………イッたか。  
案外時間がかかったな。  
初めてだし、こんなもんか?  
俺も、そろそろヤバイな。  
「キョーコちゃん、お薬出しておこうね。  
上のお口、開けてくれる?」  
イク寸前、彼女の頭を引き寄せ  
俺のモノをくわえさせた。  
「う…………」  
ドクッドクッと放たれた欲望。  
快感に身震いがする。  
「全部飲んで………」  
彼女の喉がゴクリと動いた。  
「苦い……」  
口の端からツーッと液体がこぼれる。  
それを指ですくいあげ、彼女の頬に擦り付けた。  
 
 
「蓮?蓮?おーい、蓮?」  
社さんの声にハッとする。  
「話、聞いてた?」  
「え……?何でしたっけ?」  
「だ〜か〜ら〜、キョーコちゃんのこと、頼むな。  
しっかり病院連れてってやれよ。」  
後部座席から、キッとミラー越しに睨む社さん。  
「あのー、私なら本当に平気ですよ?  
機材が倒れたときは死ぬかと思いましたけど、  
かすり傷ひとつついてないですから。」  
助手席で申し訳なさそうに言う最上さん。  
 
………なんてことだ。  
俺としたことが、こんなに長く妄想してしまった。  
―――気付いてしまった、自分の妄想癖………  
「蓮っ、信号!青っ、青っ!」  
 
〜敦賀蓮、青信号には気付かず??〜  
完  
 

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