真夜中にキョーコは目を覚ました。
隣では愛しい人が静かな寝息をたてている。
ほんとにうらやましい位に整った顔、長い睫毛、さらさらな黒い髪、
すらりと伸びた手足も、たくましい肢体も何もかも完璧な人だ……。
時々考えてしまう…何で彼が自分を選んでくれたのかを。
多分世の中の98%の女性は彼に告白されたら、即決でイエスと言うだろう。
(も、もちろん私は残り2%のほうだったけど…)
でも今の自分は何故か99.99%くらい夢だと思われそうな、彼女という位置にいる。
彼の外見を好きになったんじゃない……彼のさりげないやさしさや、真摯な態度が
私の恋愛に怯えてた心を温かく包み込んでくれたから、私は彼を受け入れたのだ。
でも考えても考えても、彼が自分の何処を好きになってくれたのが分からない。
外見はいたって人並み、とても美人でもナイスバディでもない。
性格だって重度の妄想癖だし、呪キョを飛ばす事もしばしば。
何故私を選んでくれたの?って聞いてみるのが怖い…。
この幸せが夢でした。って目が覚めてしまう気がする……。
色々考えているうちに、涙がこぼれてきた。
止めようとしてもどんどん溢れてくる。
「・・うぅっ・・ひっくっ・・・ひっくっ・・」
「・・・?キョーコ?」
「あ、ごめんなさい・・起こしちゃって」
「泣いてるの?どうした?」
「いえ・・何でもないです、本当にすみません・・」
「何もないことないだろ?本当にどうしたの?」
「敦賀さんを眺めてたら・・愛しさがこみ上がってきて・・胸がいっぱいになったんです・・」
「え?・・」
敦賀さんが赤くなってるのが、薄暗くてもわかった。
私の方は、胸の中にある言葉がどんどん溢れてくる。
「私はずっと、何で敦賀さんが私を選んでくれたのかがわからないんです。
あなたは望めばきっとどんな人とも付き合えるのに、どうして私なんかと?と思ってます。
でも私はあなたに愛する事を教えられ、もうあなたを失うなんて考えられません・・!」
「キョーコ・・」
「こんなにまだ人を愛することが出来るなんて、思ってもみませんでした・・。
私と出会って下さってありがとうございます。」
私は精一杯の笑顔でお礼を言う。っと、突然敦賀さんに抱き寄せられ口唇を奪われる。
「んっ・・・ふぅっ・・んん、つっ敦賀さん・・!」
無理やり口を割られ、敦賀さんの舌が侵入してくる。
歯列や頬の内側をなめられ、最後に私の舌を絡め取られた。
深い深い口づけの中に、あなたの気持ちが流れ込んできた気がした。
「そんな嬉しい事を言われると、止まれなくなるよ・・
キョーコ、また君を抱いてもいい?」
そう聞きながらも彼はすでに私に愛撫を始めていた。
「いいですよ・・・敦賀さんに抱かれると、とても幸せです。」
私は流されないように、しっかり彼にしがみつく。
敦賀さんは私の涙の後を唇で拭った後、全身にキスを降らせてくれる。
まだ寝る前の行為の熱が残ってたのか、直ぐに全身が性帯感に変り
思わず吐息が漏れてしまう。
「・・あぁっ・・んっ・・・あ・・」
彼の長い指が、股を割って恥ずかしい場所に触れる。
「キョーコのここ、どんどん蜜が溢れてくるよ」
「あぁ・・恥ずかしいから、言わないでください・・」
「恥ずかしくないよ、俺を求めてるってことだから、すごく嬉しい」
敦賀さんは満面の笑みを浮かべてくれる。
それだけですごく泣きたくなることにあなたは気付かないでしょ?
「ごめんね、余裕がないからやさしく出来ないかもしれない。」
「大丈夫です。あなたのすべてをぶつけてください・・」
「・・キョーコ」
あなた自身が私の中に入ってくる。心地よい快感に段々流されていった・・
「はぁ・・・あぁ・・!んっ!!敦賀さん・・!」
初めはゆっくり挿入してきたが、いったん途中で止め浅瀬の抽送を繰り返す。
それだけでも感じてしまうが物足りない。私は我慢できずに言ってしまう。
「敦賀さん・・!もっともっと奥まできて!!」
「ごめん・・今はキョーコを長く味わっていたいんだ・・もうちょっと我慢して」
「あぁ・・そんな・・!お願いです、いかせてください・・!!」
「わかった・・やさしく出来なかったらごめん・・!」
「そんなのかまいません!あなたのものだって感じさせてください・・!」
段々動きが速くなり、最奥を何度も突かれる。その度に嬌声をあげてしまう。
繋がった所からいやらしい水音が響き、どんどん蜜が溢れてくる。
そして、私の中の彼自身を何度もきゅっと締め付けていた。
「ん・・うぅ・・キョ、キョーコ・・!」
「あ!あ!あ!んっ・・!!あぁ、つ、敦賀さん!!も、もう・・!!」
「う・・ん、俺も限界だ・・!一緒にいこう・・!」
「あぁー!!きちゃう・・!!あっ・・ああっ・・・っっっ!!!!」
私はそこで意識を手放してしまった―――……。
今俺の隣で、彼女は安らかな寝息を立てていた。
起きた時、彼女が泣いていたのには驚いたが、理由を聞いて愛しさが込み上げてきた。
キョ―コは何で俺が自分を選んでくれたのかわからないと言ってたが、
本当に自分の魅力に気付いてなくて困る…(他の男に気付かれても困るが)
やさしくて、他人の痛みもさりげなく気付いて労わってくれる君に、
俺がどれだけ救われてるか知らないだろう?
世間では芸能界1いい男とか、抱かれたい男No1って言われてるけど、
君に想ってもらわれなければ、こんな称号など意味がない。
キョ―コ、俺は昔からもう君の虜なんだよ…。
「俺の方こそ出会ってくれてありがとう、キョ―コ」
そっと囁くと、キョ―コはふふっと寝言で笑っていた――…。