お花畑の住人になってしまった敦賀蓮だったが、  
その日のうちにキョーコを達磨屋に送り届け、あっさりと解放した。  
彼としても、冷静になる時間が必要だったのだろう。  
 
(敦賀さんくらい大人気な人とお付き合いしたら、  
 ショータローの時みたいに、色んな女性からすっごく妬まれたりしそう…。)  
 
蓮宅でシャワーを浴びていたものの、入浴しなかったら女将さんや大将に勘ぐられてしまいそうで、  
湯につかることにした。車で送ってもらったとはいえ、冬の寒さに冷えた体には温かいお湯が心地よい。  
先ほどのシャワーで連は、いやらしさの片鱗も見せず、キスのひとつも、過激なボディタッチもなく、  
高そうなボディーソープをもこもこに泡立てて洗ってくれた。まるで子供を入浴させる親のようだった。  
 
(それなのに私ときたら──)  
 
うなじや腰回り、なにより胸元を、連の手のひらが泡越しに通過するだけで甘い吐息がもれそうだった。  
 
ぱしゃん。  
 
今、自分で各所に触れてみても、いつも通りで何も変わったことなど起こらない。  
 
(私がおかしいのかなのか、敦賀さんが特別なのかと考えると…  
 きっと敦賀さんは魔法の指を持っているのね…ああ恐ろしい)  
 
さっさと浴室を出て床につく。  
次からは用心しておこう。  
あまり醜態を見せないようにしなければ。  
我を忘れるなんて以ての外だ。  
 
今日、自分は処女を失ったわけではない。  
それだけはわかるものの、一体どういう状態だったのだろうか。  
男性の生理は未知の世界だが、いちゃついて終わりではないことくらいは知っている。  
連は満足できたのだろうか。自分にさわるだけであんなにご機嫌になったのだろうか?  
痴漢と同じ心境なのだろうか。そんな馬鹿な。  
 
次に合ったら確認してみたいが、人気のあるところでは無理だし、  
二人きりだとまたあんなことになってしまいそうだ。  
一体どうすればいいのだろう…?  
 
♪お〜 まーきばーはみっどっり〜。  
鼻歌まじりに帰途につく。  
 
別れ際のキョーコも可愛かった。  
また明日、とニコッと笑いながら会釈する仕草に、ニヤニヤが止まらなかった。  
 
思わず車に引きずり込んで襲ってしまうところだった。  
シャワー中も全身触りまくって、あわよくば甘いひとときをもう一度と思ったが、  
最初からそんなことではイメージが地に落ちてしまう。  
さかりのついた男子高校生じゃあるまいし、もう少し落ち着かなければ。  
とはいえ、敏感な部分にはさり気なく手を滑らせ、キョーコの反応を楽しんでおいたが。  
 
ルンルン気分で浮かれ放題だったものの、キョーコの意志や今後の動向を考えると  
いくつも難題があることに気付き、やるせない気持ちになってしまった。  
 
公表するのか?  
しばらくは隠すのか。  
社や社長には一瞬でバレるだろうし、不破やレイノからキョーコを守るには、公にしてしまう方が楽だろう。  
しかし、そもそもキョーコは自分と付き合ってくれる気でいるのか。  
人気商売であるだけに、自分だけではなくキョーコの未来を絶ってしまうことにはならないだろうか…?  
 
色々話し合う必要がある。  
好きだと言ってくれたものの、その言葉を楽観的に捉えることが、どうしてもできない蓮だった。  
 
 
翌日。  
事務所で社と顔を合わせたが、特に何も聞いてこない。  
てっきり「昨日荷物一緒に持って帰ったんだろ?!ふたりきりで盛り上がったんじゃ?」  
とか聞いてくるかと思ったが、杞憂だったか。  
この人の乙女思考だと、昨夜の自分のような鬼畜な所行など予想だにしないのかもしれない。  
 
社に話すにしても、先にキョーコと話し合って、どうするかを決めてからだ。  
嬉々として打ち明けてから、お付き合い出来かねますなんて断られた日には、立ち直れそうにない。  
キョーコと会える夕方を心待ちにしながら、ちゃくちゃくと予定をこなしていった。  
 
「おはようございます!」  
 
爽やかな声が響く。  
 
「おはよう、京子ちゃん」  
 
次々に交わされる挨拶。  
蓮にも近づいてきて、はにかみながらおはようございます、と微笑む。なんて可愛いんだろうか。  
 
「おはよう、最上さん。ちょっと相談したいことがあるんだけど、帰りに時間とれないかな」  
 
「もっ、もちろん大丈夫です!  
 
 事務所によって取ってこなければいけない資料があるんですが、いいでしょうか?」  
なんだか堅い会話だが、周りにはかえっていつも通りに見られているようだ。  
 
 
首尾よく仕事を終え、蓮の車に乗り込み、始めて砕けた雰囲気の会話ができた。  
 
「キョーコちゃん、今日も可愛いね。白いコートで一段と清楚さが引き立ってるよ」  
 
ありがとうございます、と照れるキョーコ。  
しっかり手を握られてどんどん顔が近づき、距離が縮まってゆくが  
信号が変わったおかげで解放される。キョーコはホッとしながら尋ねた。  
 
「あの、敦賀さん、ご相談というのは」  
 
少し残念そうに手をハンドルに戻す。  
 
「これからのこと。  
 昨日、話しきれなかったからね。…ねえキョーコちゃん、俺は君に首ったけだよ。  
 君がいなければ夜も明けない。この世の喜びも見つけられないくらいだ。  
 キョーコちゃんも好きだといってくれて、両想いだなって喜んでるんだけど、  
 これは公表してもいいんだろうか」  
 
「…」  
 
あまりにストレートな言葉に、返す言葉が見つからない。  
芸能界一いい男が自分に首ったけなど、現実のこととも思えない。  
かと言って、蓮がからかっているとも思えない。  
 
「公表だなんて、敦賀さんにご迷惑なのでは…?」  
 
「キョーコちゃん。君のこれからの芸能活動に与える影響以外は、  
 俺にとって公表するのが一番いいことなんだよ。  
 俺は、君を手放す気なんてさらさらないし、それに…」  
 
ちょっと迷うように言葉がとぎれる。  
そのときちょうど事務所についたので、キョーコは資料を取りに行くことになった。  
 
「話が途中になっちゃったから、帰りも乗ってくれるかな。  
 待ってるから、いっておいで」  
 
 
急いで椹から資料を受け取り、明日以降のスケジュールについては念のため社に確認を取った。  
ついでに、聞いてみる。  
 
「敦賀さんて、付き合ってる方とかいらっしゃるんでしょうか?今まで噂になった方とか…」  
 
キョーコが振った話題がよほど嬉しかったのか、満面の笑みで答える。  
 
「あの色男ぶりだからね。これまでにお付き合いした女性はもちろんいると思うよ。  
 バレて騒ぎになるようなヘマは無かったし、長く続かず綺麗に別れてるみたいだけどね。  
 なになに?キョーコちゃん、蓮の恋愛に興味があるの?」  
 
「いえ、あの、芸能人のスキャンダルとか、どんなものなのかと…  
 敦賀さんならさぞかし遊んでらっしゃるのかなって。ミーハーだったでしょうか、すみません」  
 
慌てて詫びるが、社は気にした様子もなく鼻息も荒く続ける。  
 
「キョーコちゃんになら特別に教えちゃおうかな〜。  
 蓮なんだけど。最近、本命がいてね。メロメロなんだよ。キョーコちゃんもよく知ってる子なんだけどね」  
 
昨日知りましたともいえず、礼を言ってその場を離れた。  
何故今回に限って公表などといっているのだろうか。  
 
「すみません。お待たせしました」  
 
車に乗り込み、待たせたことを詫びる。そのまま、疑問をぶつけてみた。  
 
「今まで、敦賀さんがお付き合いなさった方々とは、  
 特に公表とかされなかったそうですが…どうして今回は…?」  
 
「社さんに聞いたの?もう、しょーもないことを吹き込んで…。  
 まあいいや。一言で言うと、君に本気ってことなんだけどね。  
 詳しく話そうか?長くなっちゃうけど。じゃ、家によってもらっていいかな」  
 
複雑な話なのだろうか。キョーコは頷き、わかりました、と返事をした。  
 
 
二日連続で蓮の家に来てしまった。  
今日はリビングに通され、ソファに腰掛けたが、距離が近い。  
すぐ横にくっついている。これが恋人の距離なのか。  
 
「何か飲む?お茶くらいならすぐ入れるよ。  
 ああ、すっかり冷えちゃって。車の暖房が弱かったかな」  
 
キョーコの手を握り、頬を撫でる。そのまま唇を奪われてしまった。  
からかうようについばんでいたが、だんだん熱を帯び、口腔内へと侵入を果たす。  
誘うように舌を絡ませる。キョーコの舌がおずおずと応え、蓮の唇を割った。  
互いを激しく求め合い、深く混じり合う。  
 
ワンピースの上からやわやわと胸を揉み、裾から入り込んだ悪戯な手が太ももを撫でる。  
そうこうしているうちに、キョーコは完全に押し倒されてしまっていた。  
 
(お話はどうなったの──?!)  
 
「ダメだ、君といると理性がどこかにいってしまうな」  
 
ワンピースのファスナーをおろしながら、じりじりと太ももを上ってゆく手が、  
布越しにキョーコの溝を探る。湿り始めていることを確認すると、  
 
「ごめんね。替えの下着を用意できてないんだ。濡れてしまうから、脱いじゃおうか」  
 
と、するするっと足を抜かせる。  
続いてワンピースも脱がせてしまい、キャミソールをまくり上げ、  
瞬く間にブラジャーだけになってしまったキョーコをシャワーに誘った。  
 
昨日のように泡だらけになりながら、しかし今日は触れ方が違った。  
後ろからぴったりとくっつかれる。  
腰の上部に押しつけられているしなやかに堅い熱は、蓮のモノだろう。  
優しい手つきで、乳房を包み込むように持ち上げられる。  
 
「ぁんっ」  
 
先端を指でさり気なくかすめられ、思わず声を上げてしまう。  
乳房全体を優しく揉みしだきながら、親指と人差し指で乳首をつまむ。  
 
「あっ?!」  
 
感じやすい部分への愛撫が、泡との相乗効果で、劇的なほどの快感を生じさせる。  
乳首をくにくにとこねあげながら、耳元で囁く。  
 
「今日はやめてあげないから。キョーコちゃんが納得するくらい洗ってごらん」  
 
と、自由になっていたキョーコの手を下腹部に導いた。  
蓮の与える刺激から我に返り、泡を運ぶ。  
全身濡れそぼっていたが、シャワーの水滴とは確かに違うぬめりがキョーコを満たしていた。  
洗い流そうと慌てて手を動かすと、ふくらんだ尖りに当たり、自らの指で快感を得た。  
 
「はぅ…!」  
 
わななきの原因に思い至った蓮は、そのままキョーコの指に手を添え、前後に動かし始めた。  
 
ちゅぷっ、ちゅくっ…  
浴室に響く水音。  
 
「ああんっ、つるがさんっ」  
 
「どうしたの?」  
 
耳朶を噛みながら優しく尋ねる。  
その間も指の動きはいっそう激しく、左では乳首をきゅっ、きゅっとつまみ、伸ばし、押しつぶす。  
そして右中指は、ついに膣内へぬるりと差し入れられた。  
 
「ゃあっ!」  
 
滴るほどの潤いと興奮、それと軽く足を開き腰を落とし気味にした姿勢のおかげか、  
苦痛はほとんどなかったようだ。  
 
「厭…?いたい…?」  
 
中指はじわじわと膣内を侵し、その間も他の指で、陰唇や陰核に小刻みに快感を与え続ける。  
 
「いたくな…んっ、あ、きもち、いいれすっ」  
 
キョーコの内側を探検するように奥へ進んでゆく。  
 
「もっと良くなるよ。力を抜いて」  
 
<狭いな…ぎゅうぎゅう締め付けてくる。指一本でこれか>  
 
ぬるぬるした襞を掻き分けてすすむと、ざらつく堅い部分にたどり着いた。  
まだ指の中ほどまでも入りきっていないが、ターゲットをここに決め、圧迫気味に擦る。  
 
「んっ!」  
 
キョーコの左手を乳房に誘導し、乳首は自分の手で慰めさせる。  
蓮の左手は右手同様、下半身に移った。  
左ではクリトリスを、右はGスポットを攻める。  
中と外を同時にいじられ、キョーコはもう息があがってしまっている。  
 
「つるがさんっ、つるがさぁん…」  
 
「なあに」  
 
動きを緩めないまま、答える。  
 
「わたしだけ、きもちよくて…んっ、つるがさん、はっ」  
 
<そんな気を使わなくてもいいのに。…でも>  
 
「じゃあ、お言葉に甘えて。触ってくれるかな」  
 
後ろ手に、蓮自身を握らせる。  
 
「そう。そのまま上下に動かして。」  
 
体勢的に持ちにくいのか、ぎこちない動きがたまらない。  
 
「もうちょっと早く…強く。くっ、気持ちいいよ、キョーコちゃん」  
 
思わずキョーコへの愛撫が滞ってしまい、再開する。  
自分に訪れる悦びを相手に送り届けるように、お互いをよりいっそう熱心に攻めあう。  
 
ちゅくっ、じゅぷっ…  
 
「んっ、や……はぁ…」  
 
だんだんほぐれてきた膣口に 、2本目を加える。  
隘路は蓮の長い指で埋め尽くされたが、柔らかにぬめる壁が、少しずつ動けるだけの余地を作ってゆく。  
 
「あ──あっ、あぁっ…」  
じゅぷっ、じゅぷっ、ぐちゅっ  
 
指先が位置を変え、つつき、いじり回す度にひりつくような熱に灼かれる。  
蓮のふれる場所が、まるで身体の中心のようだ。  
 
せめて蓮が喜んでくれるように、握った手を懸命に動かしながらも、  
立ったままの姿勢を保つことが難しくなってきた。  
へたり込みそうになる身体を蓮が支え、そろそろ頃合いかとみて、内と外から容赦なくかき回す。  
 
「あっ、あんっ」  
 
蓮を握る力が強まる。  
 
「キョーコちゃんっ…」  
 
「あ、あ、あっ、つるがさん、私──!」  
 
全身を緊張させ、耐えるように縮こまる。  
津波のような、生まれて二度目にしては強く大きな絶頂に襲われ、朦朧とよく壁にもたれ掛かった。  
キョーコが達したことを感じ取ると、背後から片腕で抱きしめ、  
もう一方の手を、キョーコの手と重ねて自分自身を手早く擦る。  
つい先ほどまでキョーコの秘部にあった愛液が、激しく動かされる手から陰茎にぬめりつき、快感を倍増させた。  
 
<うっ……あっ>  
 
ついに蓮も達し、キョーコのくびれたウエストやまるい臀部に、びゅくっ、びゅくっと精を放った。  
 
汚れてしまった体を丁寧に洗いっこして、寝室に移動した。  
二人は広いベッドでゴロゴロいちゃいちゃしながら、ようやく話の続きを再開する。  
 
「キョーコちゃん。愛しくてたまらない人と、こうやって触れ合うのってどう思う?」  
 
キョーコのなめらかなおしりを撫でさすりしながら、蓮が問う。  
 
「え?えーと…恥ずかしいし困るけど、なんだか仲良しな感じですね。」  
 
蓮の手から逃れようと身をよじると、今度は標的が胸に変わってしまった。  
 
「そうだね。じゃあ、さっきみたいに気持ちよくなるのはどう?好き?」  
 
ふにふにと胸の形を変えて遊ぶ。真ん中に寄せると谷間ができ、蓮が顔を埋めた。  
 
「ええっ!好きかと聞かれると、答えにくいんですけど、…ちょっとだけ好き…かも」  
 
「俺は大好きだよ。四六時中、いつでもキョーコちゃんに襲いかかってしまいそうだし」  
少し顔をずらして、目の前にある乳首をぱくっとくわえる。  
 
「あ…っ。もー、敦賀さんー!」  
 
はむはむ。唇越しに甘噛みすると、途端に硬さを増してゆく。  
従順に躾られた牧羊犬みたいに素直な反応が可愛らしい。  
顔を上げて、しかし愛撫は指で引き継ぎながら話を続ける。  
 
「これからキョーコちゃんとお付き合いをしていくにあたって、  
 当然こういうことをばんばんしていくわけなんだけど、」  
 
「ばんばん?」  
 
「そう。むしろがんがん。」  
 
「そうなんですか?!」  
 
「そういうものなんです。  
 で、今のままだと、キョーコちゃんはまだ17歳だから、淫行になっちゃうんだよね。」  
 
「淫行ですか!」  
 
「うん、捕まっちゃうんだ。  
 だからね、結婚前提だって大々的に公表してしまえばいいかなと思って。」  
 
「けっ、結婚ですかー?!」  
 
「したくない?キョーコちゃんの料理美味しいし、できたら幸せだろうな〜」  
 
「あの、すごく飛躍しててビックリなんですけど、一体…」  
 
「きっと楽しいよ。  
 いつでも演技の練習ができるし。後からマスコミにバレたらスクープ地獄になっちゃうけど、  
 いさぎよくこっちから会見でも開いて、見守ってくださいとか言っておいたら、  
 祝福ムードになるんじゃないかな」  
 
「そんなに都合のいい話があるでしょうか」  
 
「筋を通しておけば、多少の無理は通るものだよ」  
 
にこやかに笑うと、乳首を吸う。  
ちゅっ、ちゅぱっと短く吸っては離し、また吸い上げ、離すのを繰り返す。  
ぬめぬめした摩擦が心地好い。  
 
本格的にのしかかり、体中をまさぐり始めた。  
「えっ、もしかして、また…?」  
「うん」  
 
「敦賀さんは、あの、そのっ、いっ、入れたりとかなさらないですけど、  
 それでも触ったりしたいものなんですか」  
 
「もちろん入れたいけど。それ以外にも、いっぱいいいことがあるんだよ。  
 キョーコちゃんのしどけな〜い、かわいい姿見るのも最高だしね」  
 
「えぇっ!?敦賀さんって!ちょっと変だと思います!!」  
 
「男はみんなそうなんです。だからほかの奴にはよーく気をつけるんだよ?」  
 
ちゃっかり言いくるめると、口を塞いで、反論を封じ込めてしまった。  
キョーコも随分キスに慣れたようで、自分から収まりの良い角度になるよう顔を動かす。  
受け入れた蓮の舌に自分の舌を絡ませ、味わう。  
 
<物覚えの良い子だな。先が楽しみだ…>  
 
すでに尖りきった乳首を摘み、引っ張る。  
柔らかな乳房が吊られて少し形を変える。  
スイッチを回すように、くりくりと左右にひねると、はぁっと息をもらした。  
 
「こうされるの、好き?」  
 
「ん、ぁ…!はいっ」  
 
キョーコの唇から離れ、耳周りに着地した。うなじから下に向かって、ちろちろと舐め回す。  
予期していなかったからか、それとも良かったのだろうか、脇や鎖骨あたりでびくっと身体を震わせた。  
双丘の頂は指でいじられ、麓には舌が這い進む。  
 
「はうぅ…」  
 
引き締まったウエストと、綺麗に窄まった臍を経由して、太腿の付け根を吸う。  
他方の脚を大きく上げさせ、ついにキョーコの秘部に到達した。  
 
「やっ、敦賀さん、そこは!」  
 
「さっきキレイにしたところだよ。大丈夫、キスと同じ──単なる粘膜の接触だから」  
 
「うそっ」  
 
「してみたらわかるよ」  
 
言うなり、そっと口づける。  
 
「や…」  
 
はむっ。ふれる前から愛液を湛えた淫らな陰唇をくわえ、ちゅうっと吸いつく。  
 
「!!」  
 
クレバスに沿って舐めあげる。  
 
「ひゃう…!はぁ…んっ」  
 
何度も何度も往復してじらすと、舌を侵入させる。  
指と違って骨ばった固さがなく、どこまでも柔軟だ。  
異物感は覚えないが、与えてくる快感は確かなもので、溶けてしまいそうだ。  
 
柔らかく、面積を広く使い、押しつぶすように舐める。  
 
「ふぁ…あ…ぁ…」  
 
舌先を尖らせ、クリトリスをつつく。  
ぺろぺろとめくるように動かし、円を描いて舐め回す。  
 
「きゃっ…!」  
 
あまりの気持ちよさに、悲鳴に近い声をあげた。  
 
(つるがさんのうそつきっ!こんなの…ただの接触だなんて──)  
 
火がついたようにじんじん迫る快感が、意識を浸食する。  
舌先が与える熱い感触のことで頭がいっぱいだ。  
 
ぴちゃ、じゅるっ…。舐めとっても尽きることなく溢れ出る液体。  
十分とみて、ひくひくと薄く開く花弁の中心に、指を埋めてゆく。  
 
ぬる…  
 
「あっ!は…」  
 
やはり、かなり狭いものの、やんわりと蓮の指を受け入れる。  
すでに相当高まっているようで、ぴくっ、ぴくっと震えている。  
指の腹で少し擦るだけで、ぎゅうぎゅう襞が巻き付く。  
クリトリスを舌で転がしながら、更に指を加え、刺激を繰り返す。  
 
「ぁんっ、やぁっ、だめ…!」  
 
じゅぷ、じゅぷっ…じゅるっ、ぴちゃっ  
指が、舌が、同時に音を立てる。  
ざらつく上面を押し上げるように刺激したとき、キョーコのきつく閉じた瞼の裏で、閃光が弾けた。  
 
「あ──」  
 
蓮の指を包んだまま、びくんびくんと蠕動する。  
 
「あぁ…あ…ん」  
 
襲いかかってくる官能に身を任せた。  
 
「つるがさん…」  
 
平静にもどってきたのか、キョーコが呼びかけてきた。  
うるみきった瞳、小さく開いた口、頬も身体も紅潮して、  
絶頂に達したときの発汗に濡れ、無茶苦茶色っぽい。  
 
「キョーコちゃん…」  
 
引き寄せて髪を撫でる。  
 
<不破は本当に、価値のわからない馬鹿な奴だったんだな>  
 
今となってはありがたい。おかげでキョーコと再会できたのだから。  
 
「つるがさんも…良くならなくて、いいんでしょうか…?」  
 
「…えっ?」  
 
「男の人は、どうしたら気持ちいいんですかっ?!」  
 
よっぽど恥ずかしいのか、強い口調で言い切る。  
愛おしさがこみ上げてくるとともに、イタズラ心もわいてきた。  
 
「根本的には、女性とか男性とかではなくて──  
 キョーコちゃんが良かったことは、俺も嬉しいことだと思うよ」  
 
「わっ、わかりました…じゃあちょっと、失礼します…」  
 
キョーコは蓮の胸元に潜り込み、おずおずと乳首を舐め始める。  
初めはちょろちょろと控えめであったが、対象が励起したことに自信をもったのか、熱心に取り組む。  
 
<ん…>  
 
今までさほど乳首への愛撫を好まなかったが、  
真面目で律儀で勉強熱心なキョーコが、なにより蓮直伝のテクニックを再現しようとしているのだ。  
たちまち下半身に血液が流れ込み、屹立してしまう。  
 
「キョーコちゃん、上手」  
 
「ほんろれすかっ?!」  
 
嬉しそうだ。  
 
先ほどの蓮に倣って、じょじょに位置を下げていくキョーコに、  
思わず心の中でガッツポーズをとる。素晴らしい学習能力だ。  
キョーコの訪れを今か今かと待ちこがれていた陰部に、しなやかな指が添えられ、口づけが落ちる。  
先端のごくごくわずかな範囲を、唇が包んでは離し、また何度も包む。  
 
<う…わっ>  
 
予想以上に、いい。  
キョーコの動きがそのまま彼女の感じた部分かと思うと、  
次はどう可愛がってあげようかと、着々と計画が組み上がる。  
 
鈴口をちゅるっと吸うと、先走りが口中に滑り込む。  
 
(わ…しょっぱい。私の、変な味だったらどうしよう)  
 
漠然と不安に駆られるが、蓮が低い呻きをもらした事に気をよくして、今度は舐め始める。  
 
「は…」  
 
快感をもっともっと、求めてしまいそうになる。  
このままキョーコの口中に押し込んで、それから…  
 
しかし、掛け布団の中に潜っていったから、暗くていまでもしっかりと見れていないはずだ。  
でも、見えなくてもサイズに気がついて怖れられたら──まだちょっと困る。  
 
名残は尽きなかったが、キョーコの頭を亀頭から陰茎の裏側、生え際に誘導した。  
誘導されるままに、陰嚢を指でさわさわしながら、更にその奥を舐めてくる。  
 
キョーコの指と舌を感じながら、蓮は自分自身を上下に扱く。  
陰嚢の付け根を強く刺激され、息を荒げる。  
素早く何度も手を動かして、手のひらに精を放った。  
掛け布団なんか放り出してキョーコの唇を貪りたい…  
が、それも勃起がおさまって少しでも小さく見えるようになってからだ。  
 
絶頂の中にあってもいろいろ考えてしまう自分が、ちょっぴり悲しかった。  
 
「じゃあ、とりあえず社長と社さん、椹さんに相談するということで」  
 
「わかりました」  
 
「まず俺から言おうか?それから椹さんに…」  
 
「そうですよね…わたし1人で報告したら、妄想かと思われそうです」  
 
「そんなことないのになあ」  
「いいえっ!それはもう、この上なく気の毒そうに見られる自信があります!!」  
 
ははは──と軽やかに笑って、キョーコの手を離す。  
今日もすっかり遅くなってしまった。  
このあたりに停まる高級車が、付近の住人の噂になる日も遠くないかもしれない。  
 
「じゃあ、そろそろ…。キョーコちゃん、愛してるよ?」  
 
「わわ、わたしもその──」  
 
にこにこと続きを待つ。  
 
「すっ、好きです…敦賀さん」  
 
がばっ!  
もう一度キョーコを抱きしめた。やっぱり名残惜しくてなかなか離れられない。  
なんとか我慢して、おやすみと囁くと、達磨屋の方向へとそっと背中を押しやった。  
 

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