事務所でさて帰ろうか、とラブミー部室を出ると、
社さんとすれ違った。でも蓮が見当たらない・・・?
「あ、キョーコちゃん、今日はもう上がり?」
「こんばんわ社さん・・・はい、今帰ろうかと思ってました」
「・・・じゃあ、悪いんだけどちょっと頼まれてくれないかなぁ・・・?」
「どうしました?」
「いやね、蓮を今仮眠させてたんだけど、
俺次の現場に行く前に準備があるんだ。
でも、丸っきり目を離すのもちょっと不安だしさ。
ちょっと付いててもらってもいい?」
「はーい、分りました。次の移動はいつですか?」
「1時間後だよ、ごめんね・・・でもきっと、
蓮も目が覚めたらキョーコちゃんが居たら喜ぶと思うんだ。
最近ほんっと時間キツイから・・・頼んだね?」
「はい、任せてくださいね!」
そんな頼まれごとならいつでもOKですよ、と
笑って、奥の応接室に向かった。
そっとドアを開けて覗き込むと、照明を落とした室内に
ソファーからはみ出した長い足が見えた。
『普通のソファーだとはみ出しちゃうもんね・・・』
あと一時間。こんなにゆっくり蓮の寝顔を
見ることが出来るなんてすごく久しぶりで。
これも恋人の特権かな?社さんのおかげでもあるよね・・・
忙しくてすれ違いがちな二人にいつも暖かく気を配ってくれてるもの。
もっとも、胃の調子があまりよくないって聞くと、
きっと原因は目の前の恋人なんだろうな、って思う。
このヒトの無言のプレッシャーって怖いんだもの・・・
最初はテーブルを挟んだ向かい側のソファーに座って、
頬杖をついて蓮を眺めていた。
長い睫がやわらかく影を作っている。
ひどく疲れてるのか、私の気配がしても起きる気配が無い。
・・・もう少しだけ、傍によっても大丈夫かな?
床にぺたんと座り込んで、そろそろとにじり寄ってみた。
こんなにまじまじと顔を覗き込むの、いつ以来だろう・・・
力の抜けきった、いつもより少しだけ幼く見える寝顔。
大好きでいとおしくて、でもいつも自分の方が先に眠ってしまうから
めったにゆっくり眺められないんだよね・・・かわいいなぁ・・・
あと10cmまで迫っても、ぴくりともしない恋人の様子が珍しくて、
・・・つい。口の端にそぉっ・・・と、キスを・・・してしまった。
あれ?私今一体ナニを?うわー、すごく恥ずかしいかも・・・
こんな事して眠るの邪魔しちゃダメだよね?!
慌てて後ろに下がろうとしたら・・・手が伸びてきた?!
「・・・キョーコ?どうして逃げるの?」
「ごっごっ・・ごめんなさい、起こしちゃいました?!」
「とっくに起きてたんだけど・・・キョーコの様子が可愛くてつい、ね」
くすくすと笑う蓮を見て、私は唖然としてしまった。一体いつから??
気が付いたら蓮の上に載せられて抱きしめられてるし・・・??
「他人が入ってくれば、余程じゃない限り目が覚めるよ。
そしたらキョーコだったからね。どうするのかなーって思って。
・・・でも、お姫様からのキスをもらっちゃったら、
君の騎士(ナイト)としては目を覚まさなきゃ、ね?」
いつもの天然気障な台詞と状況に脱力してると、
蓮に唇を塞がれてしまった・・・いきなりの深いキスと、
身体の下に広がるぬくもりにうっとりしてしまう。
「キョーコ、あと休憩時間ってどの位?」
「・・・50分位ですよ、その辺りで社さん蓮のこと起こして、って・・・」
「・・・じゃあ時間は充分あるな・・・」
「・・・って?!何するんですか??」
気が付くと蓮の手は私の服の裾をたくし上げてきていて・・・
ちょっとちょっと?!?ココ事務所ですよ??
なんて破廉恥な??!
じたばたと抵抗してみても、蓮は全然手を緩めてくれない。
「・・・誰か来たらどうするんですか・・・んっ・・・嫌で・・・すよ・・・」
背筋を探られ首筋をついばまれて、上手く声が出ない。
お願い、冗談だって言ってください・・・
「・・・疲れてるんでしょ?休まないと、駄目、ですよ・・・」
耳たぶに舌を這わされ甘噛みされながら、甘い笑い声がふふっ、と響く。
そんな声で耳元で笑わないで下さい・・・腰にくるんですよ、ソレ・・・
シャツとブラを一度に裾から上にたくし上げられて、
胸に鋭い刺激が走って・・・「あっ」と思わず声を上げてしまった。
「・・・いつ聞いてもかわいい声だよね・・・誘ってるの?」
「・・・誘ってなんか・・・ないです・・・んっ!・・・お願い、止めて・・・」
露になった乳首を口に含まれ、ざらざらと舌で転がされて・・・
いやっ・・・それ以上されたら、もう・・・こんな場所なのに・・・
「(ふふっ)・・・もっと声聞かせて・・・?」
「・・・誰か来たら、どうするんですか・・・っ」
「その時はその時、だよ・・・多分時間まで社さんは来ないだろうし」
空いた手で反対の乳首を摘まれて、思わず足に震えが走った。
腰を掴んでいた手が、下に降りていく。
私の両手は甘い刺激に身体を支えるのが精一杯で、
腕を動かすとバランスを崩しそうで、刺激を押し止めたいのに止められない。
でも・・・駄目・・・そんなの、駄目・・・
「ひゃっ・・・ん・・・蓮、駄、目・・・お願い・・・」
「どうして駄目、なの?もう・・・こんなになってるのに・・・?」
下着の中に忍ばせた指で叩くようにして
わざとらしく水音を響かせ彼は含み笑う。
「・・・どうして?こんな意地悪・・・私何か・・・んっ」
とうとう後ろから指を挿し入れられて・・・身体が熱い・・・
思わず背を反らすと、その動きで吸われていた乳首にも刺激が走る。
・・・ああ・・・どうしたらいいの・・・
指を中で動かされてクリトリスを捏ねられて。
こんなところで、嫌なのに。怖いのに。
・・・デモ、スゴク、キモチイイノ・・・
「意地悪?どこが?・・・君の可愛い所を見たいだけだろう・・・?」
乳首から唇を離して私を胸に押し付け下着を脱がし、彼は更に指の動きを強めた。
もう抗議すら出来ずに掠れた喘ぎ声を上げるだけの唇をなぞると、
空いた手で彼は自分の上着を探り財布から小さな銀色の包みを取り出した。
口の端に咥えて中身を空けると、
ジッパーを下ろしてするすると自分自身に装着する。
・・・準備良すぎませんか・・・?止めてもらう最後の理由も無くなって・・・
私は彼の上に引き下ろされ、引き裂かれた。
「ああっ・・・!!・・・やぁ・・・んっは・・・あっ・・・」
ひときわ高くなる嬌声をまずいと思ったのか、彼にまた唇を塞がれ、
突き上げる熱さと甘さの他には私は何も分らなくなった。
彼はふいに身体を起こしてソファーに座り、
私は向き合う形でなすがままになった。
や・・・どうして、こんなことに・・・?
唇が離れると顎を片手で押さえられ、指を二本飲み込まされて、
両方からの突き上げに目尻に涙が浮かんでくる。
空いた手は胸から脇を捏ねるように往復した後、
クリトリスへ向かった。駄目・・・そこは、駄目・・・!!
「・・・もう、そろそろ・・・?」
甘く低いテノールの声音が鼓膜を震わせる。
もう自分の腕で自分をろくに支えられずに彼に縋る・・・
ねえ、どうして・・・どうしてこんな意地悪をするの・・・?
指がクリトリスの脇をすり抜けつなぎ目を撫でる。
もう摩擦で蕩け切って燃えるような入り口を行きつ戻りつ・・・
でももう・・・私がどんどん耐えられなくなってきて
締め付けに最後の力が篭ると、
彼の指がクリトリスを押しつぶした。
「・・・っ・・・ん・・・!!!」
指に塞がれてしまっていた口からくぐもった悲鳴が漏れ、
真っ白い波にさらわれ痙攣している私をきつく抱きしめ
彼もまた自分を解き放った・・・
身体の中で彼の痙攣を感じながら、私の意識は波に飲まれた・・・
「・・・キョーコ・・・」
次に気が付いたときには彼が後始末をしてくれている最中で。
最初は余韻でぼんやりしていたんだけど、
最上級の上機嫌でこちらを覗き込む彼を見ていると
なんか・・・こう・・・割り切れない腹立ちが・・・(怒
「・・・一体何をするんですか・・・?!」
「何って・・・ナニ。キョーコ、可愛かったぁv」
「あの・・・こんなところで!事務所ですよ、事務所!
神聖で真面目な、仕事をするための場所の事務所!!
そして貴方は疲れて仮眠してたんでしょーが!!
寝顔を覗いただけなのに、なんでこんなひどい事・・・
嫌がらせですか?いじめ?最近そんな事なかったのに?
私ひょっとして油断してた??!うわぁぁんっ」
「キョーコ?ちょっと待って。・・・そんな錯乱しないの(キュラ☆
嫌がらせって思ってたの?嫌だなぁ、そんな訳ないだろう?(キュラリ☆」
「そんな胡散臭い笑顔のナニを信じろって言うんですかぁ〜〜(泣」
彼は、最上級の蕩けそうな笑みで私の両手を包み込み。
「キョーコ、いいかい?男ってね・・・ひどく疲れてる時にね、
どうしようもなくやりたくなる時が時々あるものなんだよ?(キュラレスト☆☆」
「止めて黙ってさわやかな笑顔でさらりと言わないで〜〜!!」
「ん?とりあえず罠に飛び込んできてくれてありがとう、なのかな?
キョーコウサギちゃんv」
「・・・蓮の馬鹿ぁ〜!!!」
どんなにじたばたともがいても、彼は私の腰を離してはくれなかった・・・
・・・その怒号を遠くで聞いて、社さんは
「そろそろ時間だな・・・」と思ったとか思わなかったとか。