「騙されたと思って一緒に居てみませんか?」  
「そうだね──…、居ようか、一緒に…」  
 
敦賀さんの大きな手がプリンセスローザ様に向って伸びる  
──と思ったら…何故こんな事にっ??  
 
「はふぅっ!つ、敦賀さん!」  
「…ん?」  
 
っつ…その顔は反則です!そして、近いですっ。近すぎます!  
 
「──…ナゼコノヨウナタイセイニ?」  
「ん?知らない?心臓の音って…安心出来るんだって。赤ちゃんも…良く眠れるらしいよ」  
「…こんなに大きな赤ちゃんを持った覚えはありませんが」  
「うん、いたら俺が困る…」  
 
ひっ!腕が!貴方はコアラですか!?  
 
「──あったかい…安心、する…お願い、最上さん…もう少しだけ、このまま──」  
 
──何で、そんな…辛そうな顔するんですか…そんな顔されたら、何も言えなくなるじゃないですか…  
 
「…もう少しだけ…ですよ」  
「うん…ありがとう…」  
 
あと、少しだけ…ですからね──…  
 
何時の間にか、そっと彼の髪を梳いていたのに気がつき、顔が熱くなる!  
 
…彼は、まだ下を向いている…ほぅっと見つからない様に息をつき、呼吸を整える  
 
もうっ、このフワリとした感触!腹立たしい程病みつきになるんだからっ!  
 
もう一度、今度はゆっくりと息を吐き気持ちを落ち着かせる  
 
…敦賀さんも何も言わないし、子供のような何時もと違う彼だから…「今日は特別、お互い様ですよっ」とそのまま頭をを撫でる事にした…  
 
 

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