02 アクセサリー
司「2つ目のテーマは、【アクセサリー】です。京子さんは、アクセサリーと聞くとまず何を思い浮かべますか?」
キ「そうですね、指輪とかネックレスでしょうか。」
司「オーソドックスな物が来ましたね。理由は?」
キ「ぱっと思い浮かんだのが指輪だったんです。ネックレスは、今の私を元気付けてくれる必須アイテムだからだと思います。」
司「良いですね!毎日身に付けていらっしゃるんですか?」
キ「プライベートの時はそうですね。後、春から放送されるBoxRのナツとしても。そのネックレスは、彼女になるためのアイテムでもありますから。」
司「おっと、良い所で新番組の宣伝が入りましたよ。京子さん本当に座談会初めてですか?」
キ「(クスクス)はい、今回が初めてです。」
司「それでは、良いところとですので、春からの新番組BoxRのVTRをご覧下さい!」
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司「ありがとうございます。調度良いので、ここで休憩を入れましょうか。15分後に再開しますね。」
蓮・キ「分かりました、それではまた後で。」
司「お二人は本当に息がピッタリですね〜」
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「毎日付けてくれてるの?ナツの時だけじゃ無くて?」
二人控え室へ戻る途中で、蓮は疑問に思った事を口にした。
てっきり、プリンセスローザはナツに変身する為だけのアイテムだとばかり思っていたから驚いたのだ。
「そうですよ。彼女から貰えるパワーで、何でも出来そうな気がするんです。」
ほにゃらっと笑うキョーコは、間違いなく可愛らしく、蓮も他の誰にも見せない柔らかな微笑みを浮かべる。
第三者がいた事で、幾分心の警鐘を和らげる事が出来たキョーコは、これから控え室で蓮と二人きりという事には頭が回らないらしい。
ガチャリ
どうぞと紳士宜しく部屋へ案内する蓮にキョーコは、自然とエスコートされる。
ホテルに用意された控え室は、ベットは取り払われ、ソファーとコーヒーテーブルが替わりに置かれていた。
始めての座談会でやはり緊張していたのだろう、ふぅっとキョーコが小さく息をついたのを彼が見逃す筈が無かった。
冷蔵庫から飲み物を取り出し、キョーコに差し出しながら尋ねる。
「疲れた?」
「そうですね、ほんの少しだけ…」
緊張してたんですね、ははっと笑って見せるキョーコに、彼はニコリと笑って似非紳士スマイルでお願いした。
「最上さん、手出して?」
「えっ?は、はい」
突然の事にその笑顔に疑問を持ちつつも、キョーコは、咄嗟に飲み物を持っていなかった左手を差し出した。
「そっちはまた後で…ね?反対の手、だして?」
蓮は、キョーコの差し出した右手をフワリと両手で包む。
あの日、蓮にプリンセスローザを貸した時以来の触れ合いにやっぱり緊張が走ったのだろうピクリと肩が震える。
キョーコは、そんな自身の様子に気がつかない蓮を少しだけ恨めしそうに眺めた。
蓮は、読み取れない表情のまま愛おしそうに指を一本づつ上下に優しく触れ始めた。
軽く触る程度の優しいマッサージは、時間をかけてゆっくりと行われる。
「つ、敦賀さん…あの、くすぐったいです」
「…あっ、ごめんね?もう少し…」
蓮の触れた後が、高熱でうなされた時の様にキョーコの肌を敏感に変える。
指の付け根から一つづつ、男性らしい手で、絡め取られる様にいくつもの指が添えられる。
右手の指を支配し終えた大きな手は、ゆっくりと手の甲を伝い軽く円を描いて手全体を伝う。
チリチリとした感覚が降っては消えるそれが段々と惜しくなり、くすぐったかった筈のマッサージをもっと続けて欲しいとキョーコは知らずに思うようになっていた。
蓮の手が掌へ回った瞬間、キョーコは全身を跳ねさせ、今まで経験した事のない衝撃が背中と脚へ伝わったことを物語った。
「あっ、ご、ごめんなさい」
咄嗟に謝る少女に、蓮の手がパッと離れる。右手が急に冷たくなった事をキョーコは、どのように感じたのか。
「や、俺こそごめん」
敦賀さんが謝る事はありません…
そう言葉を発する前にトントンと扉が叩かれ、スタッフからの声がかかる。二人が時計を見ると、既に予定の15分は過ぎていた。
慌てて控え室から出て、緊張は、解れた?と他愛の無い話をしながら撮影に向かう道すがら、
「2日後の夜は、空いてる?」
と耳元で尋ねる青年に、何も予定はありませんけれどと答えてそれを後悔するのはが翌日の事だとは、この時少女は気がつかなかった。
司「これは…美緒もそうでしたが、ナツも強烈な役柄ですね。目の前にいらっしゃる京子さんと同一人物だとは…驚きです。」
キ「ありがとうございます。それって、役者としてとっても嬉しい褒め言葉です。」
司「VTRの中で見所なども語って頂きましたので、お次は敦賀さんへの質問です。男性にアクセサリーと言ってもあれですので、幅広く【身につけるもの】と聞いて何を思い浮かべますか?」
蓮「そうですね、時計と言いたい所ですが、俺もネックレスと指輪ですかね。」
司「それは、またどうして?」
蓮「彼女と同じで、俺もいつも着けているネックレスがある事と、男性が記念日に送る物なら指輪かなと。」
司「ちょっと意味深ですね!敦賀蓮に意中の人がっ?!ってこれはスクープでしょうか?」
蓮「ほら、もうすぐホワイトデーでしょう?俺は、全てにお返しは出来ないけれど、一般男性が贈るならと考えたら、指輪が浮かんだんですよ。」
司「いやいや、普通はお菓子とかですよ〜お返しにアクセサリーは、特別な人へのプレゼントなら有るでしょうね。皆さん、ここで敦賀蓮のセレブっぷりが露見しましたよ!」
キ「本当、敦賀さんの金銭感覚に庶民の私はビックリします。」
司「京子さん、例えば?」
キ「この間なんか、高級スーパーで値段の高い方が美味しいだろうってポンポンカゴに入れていくし、服が無いだろうって気がついたら大量に購入してくれたり。」
司「…」
蓮「…」
司「えっと…お二人は、一緒に買い物したり?」
キ「はい、そうですね。食事関係は何時もは、私が先に済ませて行くんですけど。服は…あっ、…えっと」
蓮「最近、彼女に仕事でお世話になった時に、彼女の服が使えなくなってしまった事があって。まぁ、お詫びと着替えなんかも含めて買ったら、買いすぎだと怒られました。」
キ「そ、そうです。しかも、同じのを幾つも買ってましたよね。」
司「あぁ…なるほど、仕事関係ですか。しかし、敦賀さんを怒れる方も少ないですよ。では、スーパーとかも?」
蓮「俺は、普段食事に無頓着なもので、ラブミー部で料理上手な彼女にマネージャーが食事管理を頼んでるんです。いつもごめんね?」
キ「いえ、尊敬する先輩が、栄養失調で倒れる事の無いよう、誠心誠意お手伝いさせて頂きます!」
司「京子さん、こんなに可愛くて料理上手ですか!これは、お嫁さんにしたいですね〜」
キ「そうですか?喜んで(クスクス)」
蓮「本当だよね。俺の所にお嫁においで?」
キ「喜んで…って、はい〜〜?」
蓮「ありがとう。こんなに簡単に受けてくれるとは思わなかったな。」
キ「えっ?!あ、あの…」
蓮「ダメ?何時でも無料で演技指導付きだよ?俺の健康管理も出来るよ?」
キ「…そ、それは、魅力的ですが…」
司「いや、京子さんっ!敦賀蓮本人より演技指導と食事管理が優先ですか!?」
キ「えっ、い、いえそういう意味では…えっと…」
蓮「まぁ、今は時間も有りませんし、次に行きませんか?」
司「えっ、あっ、そうですね。それでは、次のお題!」
02 アクセサリー End