最上さんに「君があれから作り上げたナツを直接見てみたいな?」と軽く誘うと、
彼女はちょっと恥ずかしそうに…でも嬉しそうに、俺の誘いに乗った。
夕食を済ませてコーヒーを飲み終わると彼女と目が合い…
俺が手を一つ打つと、それがスタートの合図となった。
彼女の表情が…がらりと変る。
どこか冷めて人を値踏みする…でも好奇心に満ち溢れた。
自分が「男からどんな目で見られているのか」を十二分に理解してる、
俺を見て楽しげに目を細めている…これが彼女の『ナツ』。
「…君がナツ?」
「そうよ、敦賀センパイ。
私を見てみたいって…呼び出したのは貴方でしょう?」
「そうだよ、ぜひ君に会ってみたかったんだ。
君がどんな子か知りたかったんだ」
「へぇ?なんで?」
「君に興味を持つのに理由がいるの?」
「ふぅん…面白い興味の持ち方ね。
なんでそんな冷めた目で観察してんの?
その辺のオヤジの方がよっぽど分かりやすいよ、センパイ?
…ちょっと面白いかも。」
「…その辺のオヤジも俺も何も変りは無いさ。」
蓮はナツの横に座り肩に手を廻す。
頤に手を掛け気持ち上を向かせた。
「君ならとっくにこういうことは経験済みなのかな、ナツ?」
「ふふ…こんな距離まで私に近づけた男、今までいないわよ?
だって…その気にさせるのもかわすのも結構簡単なんだもの。」
「なるほどね…
君は本当に危険な男からは上手に逃げていたんだね。」
「遊びも危険もギリギリが一番楽しいでしょ?」
「じゃあ本物の危険を…教えてあげようか?」
ナツはソファーの上で姿勢を崩した。
「そーゆーの退屈かも。脅しなの?なんか楽しいことないの?」
「ふーん例えば…こんなのはどう?」
蓮はナツの前に跪き、右のふくらはぎを手に乗せるように掴んだ。
そのまま足の甲を、そして土踏まずのサイドを舐めていく。
ナツの頬がさっと赤みを帯びたが、「ナツ」の表情は崩さないままだ。
「…センパイ、いつもこんなことしてるの?」
「いや?君にだけだよ」
ウソツキ…と小さなため息を聞き流しながら、
蓮は背中で反対の足を押さえつけて更に右足を持ち上げた。
制服のスカートがももの付け根までめくれ上がる。
足の親指を口に含まれ指の付け根を舐め上げられて
ナツは両手で蓮の頭を引き剥がそうとする。
「…んんっ、センパイいきなりそこ…?…実は変態だった?」
「楽しいのがいいんだろ?ただキスしたって面白くないだろ」
君を驚かせて…君のペースをくずして、そして…
蓮はナツの右足を持ち上げたまま割り開いてふとももに軽く噛み付いた。
そのまま舌をギリギリまで滑らせて…赤い華をひとつ。
君はナツのまま?それとも…さすがにキョーコに戻る?
…どっちにしても。ここまで来たら、もう…逃がさない。
彼女の身体に俺の感覚を教えて…そして…
君の何もかも奪いつくして。俺だけの華になればいい…
蓮は自分の意識が闇に囚われている事に気が付いて、
そして…そのまま、堕ちた。
キョーコの身体をまず捕えてしまう為に。