幾回のキスをしたんだろうか。  
 強弱を付けたキスを。  
両手を手錠で縛られ、顔を隠せないように頭上で縫いとめられ。  
気が付けば、自分の服は肌蹴られ、スカートも脱がされ、Tバックの下着だけ。  
「兄さ…っ…」  
言葉を紡ぐ口は、柔らかな舌で絡め取られ、酸欠に陥るくらい密着された。  
 唇をずらそうにも、がっちりと抑え込まれてしまっている。  
苦しさを表わすのに、足をバタつかせるしかない。  
 股を割り入れられ、不満の為に股間を蹴りあげる事も出来ない。  
不意に、グリッと敏感な部分を膝頭で擦られてしまう。  
「ひゃ・・ぁっ…」  
腰が浮いても、それ以上の刺激を貰えない辛さ。  
 物足りなさで震える腰。  
請いたくても塞がれて、消える請願の声。  
「どうした?」  
判っていても、その答えを口にしろと訴える。  
 ドロドロになっている下着。  
刺激が欲しくて蠢く腰。  
 何より、本能が求めるあの快楽。  
麻薬よりも激しい―  
「兄さんのが欲しいのっ!!お願いっ!」  
すがるように訴えても、サイドボードの避妊具は空。  
「どうする?」  
追いつめられ、なりふり構わず口にする。  
「そのままの兄さんを頂戴!!私だけに!!」  
Tバックを脱がされ、兄さんの怒張したモノが、侵入する。  
 普段とは違う硬さと熱さ。  
ゴリゴリと、自分のGスポットを抉る鬼頭。  
 奥を突きぬかれ、増大する快感の波。  
気付けば涙を零していた。  
「…兄さ……気持ち…良ぃ…よ…っ…」  
すがり付きたくとも腕は、ガシャガシャとむなしい音を立てる。  
グリグリと奥を抉られ、気が付けば嬌声を上げて飛沫を放つ。  
 じわりと、シーツが濡れている感触を自分の尻で感じる。  
「ご…ごめ…」  
謝ろうとすると、唇を再び塞がれる。  
「セツ…お前が可愛すぎるのが悪いんだ」  
そう言い捨て、拘束した手錠を外された。  
 痕がないかを確認され  
「もっと…深く傷つけられて、も兄さんなら…嬉しい」  
兄さんの腕の中に包まれ、至福を味わう。  
 この場所は私だけのもの―  
 

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