「じゃ、京子さん、今日は本当にありがとう…」  
「いえっこちらこそっ御馳走様でした!!」  
 
京子ちゃんと別れ、車に乗り込む。  
助手席で身を沈める啓文はまだ遠い目をしている。  
 
「啓文……これからどうする?マンションに送る?」  
「………春樹…うん…そうだね…」  
 
記者会見で突然倒れこんだ。  
あの父親の名前を出されたから。偉大すぎる父。そのカリスマ性。  
 
その偉大な父の後を追いかけようと啓文がもがくたび、現われる同じ壁。  
伊達監督の息子。  
 
いつのころからだろう。快活に笑う啓文が、父の名を聞いただけで息もうまく吸えなくなってきたのは…  
 
…………  
 
「啓文…ねえ、ちょっと飲んでいかない?  
さっきのレストランでも、あんまり食べてなかったし、もういっぱいワインくらいつきあいなさいよ。」  
「え?…あ…でも…」  
「いいでしょ?ちょっとだけ。」  
 
ちょっと強引に滑り込ませたのは私のマンション。  
 
「春樹のうち?」  
「そうよ。ここなら気を使わないでしょう?」  
 
セキュリティを抜けてエレベーターの中へ。  
 
「なんだかひさしぶりだね、春樹のうちに来るのは…」  
「そうねえ…もう4年ぶりくらい?あの頃は良く泊まっていったものね」  
「………春樹…」  
「いいじゃないの、恋愛関係でなくなっても、私達はずっと友だちだもの。  
啓文、あなた疲れてるわ。少しリラックスして帰りなさいな。」  
 
キーを開けて部屋に通す。  
彼が最後にこの部屋に来たときから、インテリアは3度くらい変わっている。  
 
「ぜんぜん違う部屋みたいだね、春樹。」  
「ふふ私の趣味だもの。」  
大きなソファに啓文を座らせ、台所のセラーからワインを2本持ってくる。  
 
冷蔵庫にあったチーズとクラッカーを盛って簡単につまみを作ったらグラスを2つ。  
 
ソファに戻ると啓文は目を閉じてクッションを抱えてる。  
 
「啓文?眠いの?」  
「ううん………このソファ気持ちいいね。抱きかかえられてるみたい。」  
 
ありがと。お気に入りなのよ。  
 
そういってグラスを渡し、赤い液体を満たし、軽くグラスを合わせた。  
 
「何に?」  
「う〜〜〜ん…そうねえ…ちょっと情けない啓文と、放っとけないおせっかいの私に…?」  
「ひどいな春樹」  
「ふふ」  
 
大きなソファに並んで座ってゆっくりとグラスを傾けた。  
 
最初の一杯は何も話さなかった。  
 
3杯目をついだとき、啓文が口を開いた。  
 
「…………僕は……いつまで父の影の中から抜けだせないんだろうね…」  
「…啓文…」  
 
「僕は何のために存在しているんだろうって………  
父の名前がなければ、もしかしてこうしてドラマを撮る場所にいないんじゃないかって」  
 
「…啓文。………この間カフェで話してたこと、忘れたの?  
あの時のあなたは自分の作品を撮ることに希望を持ってたじゃない。  
まだはじまってもいないのよ。  
お父様はお父様。啓文は啓文だっていってたじゃない。」  
「春樹…でも回りは僕を見てくれない…僕を通して父の影を見るんだ…  
まるで僕はフィルターでしかないみたいに…」  
 
「甘えないで」  
 
かちん  
ガラスのテーブルとグラスが音をたてる。  
 
「啓文は啓文。あなたはあなたでしかない。  
だったらあなたの力で、あなたの存在を認めさせなきゃ。  
あなたのかわりにそれをやることは誰にもできないの。」  
 
……わかってるよ……  
啓文はうつむいてしまった。  
 
そうッと手を伸ばして前髪をわける。  
爪の先が触れるか触れないかくらいで、柔らかい啓文の髪はわかれ中から啓文の少し潤んだような目がのぞく。  
 
「ばかね」  
 
「……春樹は…優しいね。いつも僕のために怒ってくれる」  
「あら、その私がきつくて耐えられないから別れたんじゃないの?」意地悪っぽく睨む。  
 
「ちがうよ…!」  
ふいに起き上がった啓文は、私の伸ばした手をつかんだ。  
「僕は…君に守ってもらってるだけじゃ、いつまでも春樹と同じ場所に立てない気がしたから…だから…!」  
 
わかってるわ。  
………わかってる…  
 
つかまれた手で、啓文の頬を撫でる。  
啓文はその手をつかんで、手のひらに口づけてきた。  
 
ゾクッとした快感が走る。  
 
「…ひ…啓文…」  
「…春樹…僕は……」  
 
いいの。言わないで。  
 
ゆっくり両手を伸ばす。  
手を広げて彼を待つ。  
 
啓文はゆっくりと近付いてきて私の腕の中におさまった。  
 
優しい口づけ  
唇をはむように…触れて…離れて…  
 
啓文は少し笑って私のメガネをはずす  
かつての儀式と同じく  
 
 
唇でお互いの頬や鼻やまぶたをなぞる…  
 
啓文の舌が軽く私の唇に触れたとき、思わずはあっ…ッと息を吐いてしまった。  
 
啓文がグラスのワインを口に含む。  
そしてそれを私の口の中に流し込む…  
甘い…甘い舌の感触といっしょに……  
 
口のはしから流れ出る赤い液体を彼の指先がなぞって胸の上で円を描く  
 
「ん…ふぅ…んん…」  
 
いつのまにか肩からはずされたキャミソールの肩ひもを指にからめながら  
 
「春樹…いい…?」  
不粋な質問をする啓文  
 
「啓文…」  
返事のかわりに抱き締める…  
 
「春樹の胸…柔らかい…あったかいね」  
すでに前をはだけられ私の胸に顔を埋める啓文。  
彼はこの胸が大好きだったわね。いつも愛撫はここがはじまりでたっぷり時間をかけるの。  
この4年の間、他に男がいなかったわけじゃない。抱かれたことももちろんある。  
 
でも啓文の頭を赤子のようにこの胸に抱くと、とても満ち足りた気分になる…  
 
ちゅくっ  
 
啓文が愛おしげに乳首に吸い付くと、それだけでいってしまいそうになる。  
 
「はぁぁッ……ああん………ひろ…あ…きっ…ああう…いいっ」  
 
下の方から乳房をやわやわと揉みあげながら絶えず乳首を吸い、転がし、軽くはむ。  
とろけちゃいそう…っ…  
 
「春樹…胸が弱いよね…おっぱい…気持ちイイの…?」  
「アアッ…いいっ……いいの感じちゃう…ッひ…ひろあ…きィッ」  
 
乳首をまん中に寄せて、両方の乳首をいっしょに吸いたてたとき、私は絶頂を迎えてしまった。  
 
「ひィあああっッッあああああんッッッ!!!!」  
 
がくがくっ身体がバウンドする。  
 
「……春樹…かわいい…春樹…感じたときの顔ってすっっごくエロくてかわいい…」  
 
私の顔を見下ろして天使のように微笑む啓文…  
 
……そう…  
SEXのときは啓文はとてもいやらしくていじわるなの。  
 
「や…だァ…も…はっ…ひろ…あきったら…あああんっ…」  
息が弾んでうまくしゃべれない  
 
彼の手は休むことなく胸を愛撫する  
 
左右の乳房をかわるがわる舐め回し  
時折二つの乳首をきゅうッと噛んだりいっしょに吸いたてたりして、  
私はもう、何度いかされたのかもわからない。  
 
やっと彼の手が私のショーツに到達したときは、  
もう下着の意味をなさないくらいグチャグチャになっていた。  
 
「春樹のココ…すごいよ…もうドロドロに溶けて…ぱっくり口をあけてひくひくしてる…  
すごくいやらしいよ…紅い肉が奥まで見えそうだ…」  
 
ああ、もう  
お願いよ  
 
くちゅっ…  
 
「ひ・あ・はぁぁっ…!!や・はァ…いいっあああんッ!!」  
うごめく啓文の舌は、容赦なく私の感じるところを全ていじめ抜く  
 
「やッ…はッ…だめっ…ダメよっ…あ・あああ・はああ!イク!いっちゃうぅぅ!!!」  
 
気が狂いそう  
もう何も考えられなくて  
ただ、彼が…啓文に早くとどめを刺してもらいたくて  
懇願する  
 
「お願いぃぃ!!!もうっ…もうだめえっ!  
…はァッ…あっッッあああっ…ちょうだいッ…啓文ィ!!!お願いィィィッ!!」  
 
「やらしいなあ、春樹………かわいい…大好きだよ…僕も春樹が欲しい…」  
 
ず  
 
ず・ず  
 
じらして、じらして、啓文のモノが私の中に入ってくる  
獣のように叫んで私は自ら腰を振り立て、早く飲み込もうとうごめく  
 
「はる…き…」  
 
顔を乳房に埋め、胸に吸い付きながら啓文が私を貫く。律動する。  
 
半狂乱になった私はもう何をいってるのか、何がどうなってるのか  
 
ただ彼を身体の奥に感じてその動きに翻弄されて  
何度も何度も昇りつめ、はじけて気を失いかけ、また揺すりあげられて快感のウズに飲み込まれた。  
 
「ヒイィッひいッ……はあっ…ひろっ…あああああぎィィィィひいいいいい!!!」  
「…春樹ッ…春樹!!!あ・はあんッ…はるきィ!!」  
 
彼が私の一番奥にはじけたとき、ビクン!と一度痙攣して、私は気を失ってしまった。  
 
息苦しさに目をさますと、  
胸の上に啓文の顔があった。  
すうすうと寝息をたてて眠ってる啓文。  
呆れたことに彼のモノはまだ私の中だった。  
 
彼もあの瞬間、気を失ってしまったのだろうか。まったく。もう。  
 
ズルリと彼を抜いてそうッと彼をクッションの上に寝かし、  
立ち上がろうとしたら、腰が立たない。  
 
まったく…このか細い身体のどこに、あんなに精力を貯えているんだか。  
 
………そう言うところも、父親に似ている…といったら、啓文はまた傷付くんだろうな。  
 
 
…………そう、私がそれを知っていると…啓文が知ったら…………  
 
 
ワインをいっぱいグラスに注いで、グーッとあける。  
 
喉の乾きはこれだけじゃおさまらない。もういっぱいあける。  
 
誰でもいい。  
啓文があの父親の影から出る手助けをしてくれたら  
敦賀蓮が、百瀬逸美が…京子ちゃんが  
オリジナルを超えて啓文の上にかかる父親の影を吹き飛ばす風になってくれたら  
 
DARKMOON  
 
啓文…あなたが生まれ変わることを祈っているわ。あの男を超えて……  
 

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