〜大まかなあらすじ〜  
 
社提案、ローリィ主催で、南太平洋にあるLMEのプライベートビーチに  
のんびりと休暇を過ごしに来たキョーコたちだったが、  
ローリィの突然のパーティ企画で波乱が起きた。  
パーティー用のドレスを用意するため、採寸を蓮が任されたのが運の尽き。  
キョーコは蓮と必要以上に密着することになり、彼の色香に気を失い、抱きかかえられるはめになった。  
 
「んぅ……や、やぁ、や、……」  
「キョーコちゃん?」  
「だ、だめ、です……、だめ、もう、離して、つる、がさ」  
「おい、キョーコちゃん! 大丈夫かい?」  
大きな声を傍で聞いて、キョーコは背筋を伸ばし直立に起き上がった。  
「はっ、い!」  
右隣を見ると、スーツ姿の社が椅子に腰を掛け、ベッドの上のキョーコを覗き込んでいるところだった。  
「随分うなされていたけど、気分は?」  
キョーコの顔色は青いというより逆に、桜色に染まっているのがかえって気掛かりだと社は考えていた。  
(今まで蓮に勝手に落とされるいろんな女の子見てきたけど、キョーコちゃん重症じゃないか?  
というか蓮の方が重症っぽいから性質が悪い。俺、もしかしたら甘くみてたかな)  
「琴南さんも着替えて大広間へ向かったけど、キョーコちゃんもパーティに参加できる?」  
キョーコは、昼間の失態を思い出しうな垂れた。  
(単なる採寸で触れられて、敦賀さんの冗談に気絶しただなんて。私って……馬鹿?)  
「参加できなくても、ほらドレスは出来たから見てみる? せっかくだから袖を通してごらんよ」  
社はクローゼットの中から、深紅のスリップドレスを引っ張り出してきた。  
「じゃあ、俺向こうに行っているから。何かあったら電話して。琴南さんも心配してたから、  
飛んできてくれるよ」  
「ありがとう、ございます」  
社がドアを閉めて部屋をあとにすると、静寂な時間が流れた。  
 
 
そっとベッドを降りて、ドレスの前に立つ。  
薄闇の中で見るドレスの赤は、色を無くして飾り物のようだった。  
フリルが沢山の可愛らしいドレスを想像していたので、キョーコはしょんぼりする。  
(モー子さんの方が似合うんじゃないかしら)  
引き寄せられるようにガウンを脱ぎ、ドレスを身に付けていく。  
鏡の前に立って、キョーコは思わず俯いた。  
(え。む、胸が見えそうじゃないのよぉ)  
しかしドレスはキョーコの体に馴染み、  
シルクの感触はまるで蓮に抱擁されているかのような感覚を生んだ。  
下着をつけていなかったので、布地の触れやすい胸の先の方が妙に熱くてもじもじとしてしまう。  
蓮の手の感触が即座に思い出され、頭に血が上る。ビーチにいた時には、抱きしめられただけなのに、  
背後からまるで蓮に隅々までいたぶられ犯されているようだった。  
いけない、いけないことだと思いながらも襟元へが指先が伸びていた。  
「ん、んん……っ」  
右手で、あるかないかの胸を鷲掴みにしてみる。  
(何やっているの私……でもっ)  
頭の隅では自らの愚かな行為を責めながらも、もやもやとした感情がその行いを助長する。  
蓮の動きを再現しようと乳房を撫でるが、自慰の経験のないキョーコの手はもどかしそうに動く。  
動物や幼児をあやすような手つきだ。  
(これは敦賀さんの手じゃないもの。敦賀さんの大きな)  
「あぁぁ、ん、ちがう、ちがうの」  
もっともっと違う!  
「……まったく、君は。鍵も掛けないで、誰かに見られたらどうするの」  
 
ドアの前の人影に、キョーコは息を呑む。  
「だ、誰?……や、つる、が、さん?……いつ、から」  
後ろ手にドアを閉め、かちゃりと鍵の掛かる音がした。  
「本当に危ない子だね? 俺みたいな悪い男でも入ってきたらどうするつもりだったのかな」  
上から下まで隙のない黒いタキシード姿の蓮が、月明かりのもと現れる。  
少しはだけたドレスの自分と比べ、何でも完璧に着こなす蓮の姿に顔を背ける。  
何より自慰を、見られた。  
蓮は表情を変えることなく、キョーコの後ろに回り込み、ふんわりと抱きすくめた。  
それだけでキョーコの胸は小さく痛んだ。  
「最上さん、何をしてたの」  
「な、何でも、は、離して、大丈夫、です」  
慌てて襟元をかき合せ、背中を丸める。  
「相変わらず嘘をつくのが下手だね」  
蓮の左手がキョーコの手首を掴み上げ、右手がドレスの布越しに乳首の先を撫で上げた。  
「やぁ……んぅ」  
キョーコの反応を見て、今度は両手で布地ごと二つの小さな乳房を撫で回し、  
首筋に口づけ、舌をゆっくりと這わせた。まるで吸血鬼に狙われいたぶられる娘だ。  
「どこが大丈夫なの?」  
肩紐を下ろされ、やわやわと直接指で摘まれると、二つの突起はすぐにしこり、脳内が痺れる。  
「やぁ…ああぁん……」  
(敦賀さんの指が、私の、私の触ってるよぉ、どうしてどうしてぇ?)  
キョーコは自分のいやらしさに頭を振る。  
「ココが、好き?」  
首筋から鎖骨を舌でまさぐられ、  
指先で両胸の先だけをお気に入りの玩具のように回され執拗に苛められ続ける。  
「んぁ、…んぅぅ」  
蓮の吐息が頬にかかる度に、身体の奥からじんじんと熱いものがこみ上げてきて、膝をこすり合わせた。  
「ああ、ごめん。まだ大丈夫そうじゃないね、ここも」  
深めのスリットから、蓮の手が忍び込み、湿ったショーツの布越しに指先が行ったり来たりと始める。  
そして、ショーツの端から何の予告もなく、つぷりと人差し指がキョーコの割れ目へ入り込んだ。  
 
「……あっ」  
初めての行為ながら、そこはすでに濡れそぼっていたため、少しずつ受け入れていく。  
異物感と小さな痛みに肩をすくめつつ、蓮の指だという事実に徐々に息が上がってくる。  
「溶けそうなくらいだね。どうしてこんなに濡れているかわかる?」  
嬉しそうな声と一緒にその動きは早まる。  
指はクリトリスを捏ね回し、二本に増やされた。  
「いっ、やぁぁ、こんなの、だ、ダメ、……ダメなの」  
突然の痛みよりもくちゃくちゃと恥部から聞こえてくる音が気になり、  
耳を塞ぎたかったが、身動きが取れない。  
「や、や、いや」  
長い指はキョーコの下の口を塞ぐようにして楽しんでいたが、動きを止める。  
「……そう。じゃあ、やめよう」  
いとも簡単に指が外され、キョーコは「だ、め」と呟き、内股で逃げていく指を挟み込んでしまった。  
「どうした、最上さん。何がだめなのかな」  
いつもの冷静な声に、キョーコは首を振る。  
「言ってくれないとわからない」  
蓮の指は、キョーコの痙攣する脚を撫で続ける。  
「何?」  
爪先に擦り上げられ、声が上ずる。  
「やめ、ないでください」  
「そう……」  
蓮はあっさりとスカートから腕を抜いた。  
 
「え」  
キョーコが戸惑って顔を上げると、床に跪き、スカートの中へ潜り込んだ。  
「裾をたくしあげて。もっと見えるように」  
「……なっ」  
「見たいんだ」  
無表情の蓮に対して、キョーコはおずおずと裾をめくり上げ、顔を背けた。  
昼間の水着とは反対に、むき出しにされた胸、瑞々しく光る茂みの霰もない姿が姿見の端に映っているのを  
見つけた。蓮がキョーコの茂みに口づけ、舌を挿入してくるのも見えた。  
「また、濡れてきたね」  
たまらず身を捩って反対側に視線を反らすが、  
そこには大きな窓が鏡のようになって、淫猥な行為に耽る二人を映し出していた。  
逃げ場はない。  
蓮の舌がねっとりと絡みつき、キョーコはぶるりと震えた。  
何度も何度も愛おしげに舐め上げられた上、吸い付かれる。  
「やぁっ」  
背筋を駆け抜ける快感に、蓮の頭を抱えて自らに押し付けていた。  
蓮は、脱力し肩を上下させるキョーコを見上げて立ち上がった。  
そのまま真後ろの壁に彼女の背中をもたれ掛けさせ、タキシードの上着を脱ぎ捨て、ネクタイを外し、  
シャツを放り投げ、ジッパーを引き下ろす。  
猛だった蓮自身に、キョーコは目を見張る。  
「君が欲しい。もう我慢できそうにない」  
涙で濡れたような蓮の瞳に、引き込まれる。  
「ずるい、です、今更」  
鼻声で啜り上げる。  
「ずるい?」  
「敦賀さんのせいです。私に悪い魔法を掛けたから。  
もう、どこにも逃げられないじゃないですか。もう誰も好きにならないって決めてたのに」  
蓮は目を細め、キョーコの小さな唇に自らの唇を重ねた。  
「ずっと昔に魔法を掛けたのは、君だろう?」  
「え?」  
答えを聞く前に蓮は、顔を傾けキョーコの口を深く塞いだ。  
「んぅ……あぁっ」  
歯列を撫でられ、喉の奥へと舌が差し込まれる。  
息が出来ず、呼吸をしようとして蓮の舌を吸ってしまう。  
甘く苦しいキスをしながらキョーコの脚を抱え上げ、蓮が自身を押し進めてきた。  
はじめは少女の小さな身体を慮ってか、全てを注ぎもうとはせず、  
半ばで焦らすように留まっている。  
蓮の気遣いに、キョーコは初めての痛みも恐れも忘れ小さく笑った。  
「私、大丈夫、だと、思います……だから、その……きて?」  
 
辛うじて最後に残っていた蓮の理性が切れた。  
奥深くはめ込み、想像以上の狭い器官に呻いてしまう。  
「キョーコ、ちゃん」  
痛みにキョーコは気を失いかけた。  
しかし激しい律動に、蓮が喉から漏らす吐息に、胸が高鳴る。  
「俺を、こんなにおかしくさせるのは君だけだよ」  
キョーコも痛みとともに奥底でおかしな感覚を味わっていた。  
それに捕まると現実に戻ってこれない気がして、怖くて  
気を逸らそうと、他愛もない話を口にする。  
「あ、の、パーティーが……もうすぐ、きっ、と、敦賀、さんを探してます…」  
「参加者にはマスコミ関係もないし、平気、だよ」  
「じゃあ、社さん、が……んあぁっ」  
「他の男のことを気にしてる余裕があるのか? 俺が……目の前にいても?」  
信頼している社であろうと、蓮の嫉妬は根深かった。  
「俺以外のことを、全部、忘れさせてあげる」  
姿見をちらりと見やり、キョーコをその前で両手をつかせると、後ろから  
容赦なく責めはじめる。  
鏡には獣のようにつながった二人の姿がはっきりと映し出され、  
蓮の恍惚とした表情や、自分の揺れる小さな胸の先までが見てとれる。  
荒い息で鏡が曇り始め、手がすべり、不安定な体勢に蓮を受け入れている内股に力が入る。  
「窓のカーテン、閉めてない、ね、……ここ1階だった、誰も来ないといいけど」  
今までにない羞恥心に、キョーコは襲われた。蓮がキョーコを打ちつける音が室内に響き渡る。  
「や、あぁ、んぅ……あっ、あっ、ああぁ、はぁ、んっあぁ、あぁっ!」  
声が絶え間なく漏れ、誰かが窓の外を、廊下を通りかからないかと怯え、だがその怯えにさえ悦んで  
いる自分がいた。  
「だ、だれか来ちゃうぅ、やぁ、ぁぁーっ、んぁ、んっ、あっ、あっ、ぁぁ……」  
「聞かせてやりたい、今ここで俺のものになってるって、みんなに見せ付けてやりたい」   
 
「お姉さま? もうお休みになったの?」  
ドアの外で聞き慣れた声がした。  
一瞬動きが止まる。  
「マリア、ちゃん?」  
だが何を思ったか、蓮の腰はゆっくりとまわりキョーコの覚え始めの快楽をじらし刺激してくる。  
キョーコは歯を食いしばっていたが、  
蓮がそっと注挿し、嬌声を上げてしまった。  
「お姉さま、大丈夫? 苦しいの? お医者様を呼びましょうか?」  
キョーコは罪悪感を覚えながらも、必死で言葉を吐き出した。  
「だい、……じょうぶ、もう少し眠っていれ、ば、はぁ……ん、つる、が……さ」  
「え。蓮さまがそこにいるの? ずっと探してたの」  
思わず胸を弄る蓮をにらみつけてしまう。  
「ちが、敦賀、さんは一度ここへ来た、……けど、すぐに出て、いって……あん」  
全くの嘘にキョーコは、声を小さくした。  
「そう。じゃあ、またね? お休みなさい」  
小さな足音が遠ざかると同時に  
蓮の腰が急かすように動き出した。  
キョーコは良心の呵責も忘れかけ、蓮の動きに合わせようと自ら腰を振り出した。  
しかし、突然引き抜かれる。  
心許なくて振り返るキョーコを  
「今更、やめる気はないよ」  
抱き上げて、ベッドへと横たえた。  
「君の口からマリアちゃんに嘘をつかせて、ごめん」  
何もかも脱ぎ捨てて、やさしくキョーコの身体の奥へ身を沈める。  
さっきまでの荒々しさは消え、蓮は大きな腕でキョーコを抱きしめた。  
「俺はもう、君を諦める振りはしたくない。君が他の男と一緒にいるだけで気が変になるよ。  
どんなことがあっても、俺の心も身体も、一生君のものだから、忘れないで」  
信じられぬ告白に、キョーコは彼の顔を覗き込む。  
穏やかでせつない笑顔に、キョーコの目から涙が溢れる。  
「私も……私、諦めなくていいんですか?」  
蓮が心底嬉しそうにキョーコを求めて、繋がりを深くする。  
キョーコは声を漏らし堪えきれずに、蓮の背中に爪を立てた。  
 
「……あれ、蓮やっぱりここにいたのか?」  
社が終演を迎えたパーティー会場から抜け出し、キョーコの部屋を訪れた。  
「マリアちゃんが、いないってさっき言ってたけど……」  
電気も付けない寝室から、蓮がネクタイを締めなおしながら出て、  
ガウンを羽織ったキョーコがその後ろから顔を出す。  
「え」  
感の良いマネージャーは、蓮の少し皺のついたタキシードや上気したキョーコの頬、  
そして彼女の首筋の赤く小さな無数の痣に目をとめ、顔を赤らめた。  
「どうかしたんですか」  
「あ、いや。社長が、赤いドレスは間違えたって……隣の部屋にあるピンクのドレスの方が  
キョーコちゃんのだって、伝言を」  
「えっ」  
キョーコが困ったような声を出す。  
気だるげな艶を持った声に社はさらにどきりとする。  
「ああ、何か赤いドレスの方は、蓮がキョーコちゃんのために買い取ってくれるだろうからって……  
これも社長が言ってたんだけど」  
(社長。何もかも見透かしてた上でのことだとしたら……あの人だけは絶対っ敵にはしたくないよ)  
「わかりました。俺が彼女に着替えさせますから、先に行っててもらえますか?」  
そらとぼける蓮と、全身真っ赤になるほど蓮の陰に隠れるキョーコを前に  
社はドアを閉め、苦笑しながら歩き出した。  
(今夜は、そう酷い嵐でもなかったかな)  
我がことのように社の足取りは軽かった。  
 

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