結局、待っても待っても蓮はこなかった。  
 
10時まで小さくパニックになりつつ部屋中をうろうろし  
11時には少し落ち着き心の準備をし  
0時に窓から面影を探してため息をつき  
1時に悲しくなってちょっと落ち込み  
時計の針が2時に差し掛かる頃には、逆に怒りが沸いてきたキョーコだった。  
 
 ここで問題です。  
 敦賀さんは今何をしているのでしょう?  
 
1.インタビューが長引いている  
2.監督と夜の繁華街にくりだし飲んだくれている  
3.疲労のあまり約束を忘れて自分の部屋で寝てしまっている  
4.事故にあい病院に運ばれたor記憶喪失になっている  
5.北朝鮮に拉致され門司港からそっと出港した漁船の中  
6.色気むんむんのナイスバディ女性にナンパされ、どこかのベットの中で夜の帝王  
 
・・・・むむむ・・むうぅぅ・・・!!!!  
 
ありえないと思いつつも想像は膨らみ加速する一方。  
多分2か3なんだろうけれど、色々な雑念でどれが信憑性アリかわからなくなり  
妄想が6に到達するに至っては、怒りと悲しみと落ち込みとでない交ぜになり感情が爆発気味。  
 
「もう、いいです!敦賀さんなんか知らない!寝てやる!!」  
 
ドスドスドスとドアへ行き、チェーンロックを思い切り音をたててかけた。  
部屋に戻り頭から布団を被る。  
和室8畳に薄暗い間接照明は、何となくエロティックな雰囲気をかもし出しているが  
それも1人でいるとなると虚しいだけ。  
しんと部屋が静かに沈む。  
 
「・・・」  
 
 でも、本当に怪我でもしていたらどうしよう・・・。  
 
「ふっ・・・ふえっ・・」  
涙がちょちょ、と少しだけにじむ。  
「敦賀さん死んじゃやだ・・・」  
疲労と睡眠不足も重なり、自分でも訳がわからなくなっているキョーコであった。  
 
 
淫靡な夢を見た。  
 
 
とても疲れた時などに、たまに見てしまう夢。  
 
何も知らないキョーコでもこれまで何度か見たことがあった。  
相手は松太郎であったり、通りすがりの人物であったり  
夢でのみ何度か逢っている男だったりした。  
目覚めた時に残る身体のほてりが、いつも得体の知れない罪悪感を残してしまう。  
 
だが今回の相手は蓮であった。  
逢えない淋しさが彼を呼んだのだろうと、夢の中でキョーコは思った。  
 
カチリとロックが解ける音が、眠っているキョーコの耳に遠く聞こえ  
しばらく沈黙の後に彼は訪れた。  
髪を撫でる熱い手を感じる。  
 
 ・・・そういえばチェーンロックをかけたまま眠ってしまった。  
 だからこの手は本物のはずはない・・・。  
 
朦朧とした意識で思い出し  
キョーコはチェーンを外しにいかなければならないと慌てた。  
しかし、身体はじっとりと湿りを帯びて重たく、身じろぎもできない。  
 
髪をすく指先が肌にまとわりつく。  
照明の光が行灯のように揺らめき、ねっとりと粘度の高い液体になって部屋中に充満する。  
つぶった筈の瞳に、ゆがんだ部屋と蓮らしい影が映った。  
やがて布団がそっとめくられ、キョーコの隣に身体がすべりこんだ。  
 
「キョーコ・・・」  
 
彼はそっと耳朶を弄り、熱い吐息で名前を呼んだ。  
顎の線を指先でなぞって首筋から鎖骨を往復する。  
唇は髪から耳、まぶたに滑り、唇をついばんだ。  
 
ほんの少し触られているだけなのに  
その度、キョーコは息をつめ身体を硬くする。  
すべる掌に自らの肌は吸い付いていき、両腕が静かに彼の首にまわった。  
 
夢ではあるが、匂いも声も体温も、蓮本人に間違いなかった。  
キョーコは素直に悦び、身体を預けた。  
 
『敦賀さん・・・』  
 
恋人の名を呼んだ声は、声として蓮に聞こえたかどうかは解らない。  
しかし襟をなぞる指は胸元をひろげ、下着をつけていない乳房をあらわにさせた。  
重ねた唇はお互いの柔らかさを味わい、甘噛みした。  
口の中に広がる唾液は甘く、意識をますます混沌とさせる。  
両手で頬を挟まれ、何度も舌が送りこまれる。  
応えるのが精一杯のキョーコは、もうそれだけで達してしまいそうに、切なく腰を揺らめかせた。  
 
自分の髪をかき乱すキョーコの手をそっと外すと  
蓮は肩を撫で、浴衣をキョーコの背中から引き剥がしにかかった。  
肩甲骨を愛撫しながら、胸元へキスを降らせる。  
 
その都度ピクン、ピクンと過敏に反応してしまうキョーコ。  
唾液と汗で肌が濡れ、つたってシーツを濡らした。  
蓮が触れる全ての場所に快感の波が押し寄せ  
身体の中で広がり全身にまわった。  
 
舌は胸の谷間を行き来する。  
そのまま指先が乳首の先端を愛しはじめたとき、キョーコは快楽の声をあげた。  
刺激は強くなく、微かに擦りさわられるだけ。  
それが逆に強い快感をもたらし、しびれて意識をおかしくさせた。  
 
これまでの夢でもなかった強い快感の連続に、キョーコは翻弄されていた。  
 
『早く・・・早く、もっと・・・』  
 
待ちきれず、キョーコは両腿を擦り合わせて蓮に押し付けた。  
 
蓮もキョーコの浴衣の裾を割り、脚をすべりこませた。  
腰をはだけた脚の間に押し付けながらゆっくりと動かす。  
そして下からキョーコの乳房を持ち上げて先端を口に含みころがした。  
 
『ふ、うああ、あぁぁっっっ・・・っ!!!はああっ・・っ!』  
 
キョーコの身体が大きく揺れた。  
蓮は意に介せず何度も同様の刺激を与え続ける。  
刺激反射で蓮の動きを身体で押し返しながら、かぶりをふるキョーコ。  
股間がひくつき、下着をじっとりと濡らした。  
 
蓮はキョーコの帯に手をかけた。  
ただ纏わり付いていただけの帯を引き抜き、畳に放った。  
浴衣はくしゃくしゃにキョーコの手首だけに巻きつき、動きを拘束していた。  
それも脱がせて放り、蓮はキョーコの両膝を抱えて腰を浮かせ、一気にショーツを足首から抜く。  
そして膝に顔を埋め、少しずつ脚を広げさせた。  
 
密着していた腿の奥に空気が触れ、ひんやりとキョーコの火照りを冷やす。  
 
キョーコは次に何が起こるのか想像もできず、ぼうっとしていた。  
想像だにつかなかった快感の波。  
 
 いつもならそろそろ眼がさめる頃のはずなのに・・・?  
 
許容範囲外の出来事に少し混乱しはじめた瞬間、大きな刺激が身体を突き抜けてはじけた。  
 
「あっ!ああっっ???やあぁ・・・っっ!!!」  
 
激しい痛みのような衝撃。  
 
快感と呼ぶには強すぎて、耐えられず叫び声をあげる。  
「あっ、あっ!やっ!やん!はあぁん・・っ!」  
つま先で腰を浮かせたが、快感は止まらず与えられた。  
 
『・・・・っ!こ、これ?ゆめ?・・・夢じゃない!違う!・・・ゆめ、じゃな・・いっ!!』  
 
キョーコは眼をあけてあたりを見回した。  
だが何も見えない。  
薄暗がりの中で自分が着ていた筈の浴衣と下着が散乱している。  
汗で湿ったシーツが冷たくキョーコの頬に触れた。  
胸を大きく上下させながら、パニックの中現状を把握しようと必死で頭を働かせる。  
 
何かが股間で蠢いていた。  
粘膜を擦られ強く吸われる。  
硬いものが身体の中に侵入してくるのが解った。  
 
動き回る何かに容赦なく声をくみ出され、キョーコは手を伸ばす。  
髪の毛に触ったが押してもそれはびくともしない。  
閉じようとする脚を抱えあげられ、大きく開かされた。  
腕が伸びてきてキョーコの胸を鷲づかみにする。  
乳房を激しく歪ませるそれを払いのけようとするが叶わなかった。  
 
「やっっ・・・やあっ・・・!あっ、あっ・・あん、や、やめ・・・っ!」  
 
腰が大きく跳ね上がった。  
熱いものがあふれて、たらりと流れる。  
全身が震えだし、もっと大きな「それ」が近くに迫っていることを示した。  
 
「い、いや・・やあっ・・っ。  
 つ、つるがさん、敦賀さん?どこ?・・・どこぉ?・・やああっ!」  
 
キョーコは大混乱で泣き叫んだ。  
何かが来る予感が恐くて、蓮を何度も呼んだ。  
 
「敦賀さん・・・っ!?つるがさ・・っ!!!」  
 
脚の間の動きがピタリとやんだ。  
拘束がゆっくりと緩み、誰かが身体を起こした。  
 
蓮だった。  
 
「キョーコ・・・?大丈夫か?」  
 
心配そうな声も間違いなく蓮だった。  
身体を寄せてキョーコの頬に触れる蓮を、キョーコは驚いて見つめ、そして嗚咽をもらした。  
 
「・・・敦賀さん・・・っ」  
腕を伸ばして抱きつく。  
子供のようにわんわん泣いた。  
 
「ごめん・・・。大丈夫だよ。俺はここだから」  
 
蓮は慌ててキョーコを抱き起こす。  
どろんと溶けた身体を撫で、髪にキスをした。  
 
「も、もう来ないって、思っ・・て、ましたっ・・」  
しゃくりあげながら首をふるキョーコ。  
ぎゅうっと蓮の胸にしがみつく。  
「遅くなってごめんよ。色々トラブルがあって・・・」  
「トラブル・・・?」  
「いや君は気にしなくていいよ・・。でも本当にすまない。  
 あまり遅くなったから本当は寝顔だけ見て部屋に戻るつもりだったんだけど、その、つい・・」  
 
 寝顔が可愛くて、つい、キスだけのつもりで、君の腕が髪にからみついてきて、つい・・・。  
 
とまでは言わなかった蓮だった。  
 
「大分疲れているみたいだね。もうこのまま眠ろう。寝付くまで傍にいるから」  
そっと一緒に身体を横たえた。  
布団をかけてキョーコの背中を擦る。  
キョーコは蓮の二の腕に顔を埋めて、まだしゃくっていた。  
 
こうしていると、やはり昔の面影が強くクローズアップされてしまう。  
 
京都での2人だけの想い出と、傷ついて大人になったキョーコを重ねるたび  
この先、決して彼女を傷つけるまい、大事にしたいと、考えるのに  
ちょっとしたことで簡単に箍が外れてしまう。  
自分の邪な情動で泣かせたことを後悔し、蓮はキョーコを布団ごと抱きしめた。  
 
「ごめんなさい・・。寝ぼけていたみたいで、訳がわからなくなって・・・」  
 
ようやく落ち着いてきたキョーコがつぶやく。  
 
「夢だと思ったの・・・敦賀さんが来てくれたの。嬉しくて・・・でも夢じゃなくて」  
「そう・・」  
「えっと・・ドアチェーン、どうやって外したんですか?  
 ・・・入れなかったと思うんだけど」  
「チェーン?かかってなかったよ?」  
「え?」  
 
キョーコは驚いて蓮を見た。  
ぽかんと見下ろしている瞳は嘘じゃないことを語っている。  
 
「え・・と。確か、ものすごく腹をたててチェーンをかけて・・・。  
 それから後悔して一度外して、また寝て。  
 それから、かけたり外したりを・・・繰り返し・・・て・・・」  
キョーコは眼を泳がせて眠る前の記憶をたどる。  
「それから・・・。じゃあいっそ鍵も全部外して寝てやるわ、とか思って・・・。  
 驚かせてやろうと・・・・」  
 
「はっ!???」  
 
キョーコの言葉に驚き、蓮の目つきがきつくなる。  
「あ、でも、それから考え直してちゃんと鍵はかけて・・・寝た、んですね。  
 あは、あはは・・・」  
 
「やめてくれよ!」  
 
真剣怒りの蓮が爆発した。  
ひぃっと叫んでキョーコは頭を覆う。  
「自分が何言ってるか解っているのか?  
 万が一のことがあったらどうするんだ!」  
「ご、ごめんなさいっ!ごめんなさい・・・っ」  
何度も布団の中で謝るキョーコ、恐くて顔があげられない。  
 
「ったくもう・・・。この子は・・・」  
こめかみを押さえながら蓮は首をふる。  
 
「そういう時は、ちゃんとチェーンしてもいいから、しっかり確認して寝なさい・・」  
「ふ、ふぁい・・・わかりました・・・」  
 
そっと布団から顔を出すと、困った顔の蓮がキョーコをじっと見つめていた。  
ゆっくりと顔を近づけ、額をこつんとぶつける。  
 
「君に何かあったらどうするんだ?俺を一生後悔させたいのかい?」  
「・・・。  
 ごめんなさい・・・。後先考えませんでした・・」  
 
小声のキョーコの唇に、唇を掠めて舌先でなぞる。  
舌は少しずつ開いた場所に侵食し、音を立てて動いた。  
「・・・っ」  
時間をかけた優しいキスに、キョーコはうっとりしつつもそっと指先で押し返す。  
 
「敦賀さん・・。暑い・・・。お布団簀巻き状態です、これじゃ」  
身をよじってタオルケットを引き剥がそうとする。  
 
「君、自分の格好わかってる?今日はもう眠るからこのままで・・・」  
「・・・え、敦賀さんお疲れなんですね・・」  
「俺は大丈夫だけど」  
「大丈夫なのに、このまま?」  
「君は?」  
「眠い・・・ですけど、大丈夫です」  
「じゃあ、このまま」  
「このまま?」  
「このまま」  
 
キョーコは頬を染めて俯いた。  
 
「・・・約束の続きは?」  
「ん?」  
「101回目のキスをしてくれるって、いいました」  
「・・・うーん」  
「なしですか?」  
「もう3時まわっているんだけど・・仕事辛いよ」  
「大丈夫です・・・。  
 というか、眠れません。こんな状態にしちゃったの、敦賀さんですよ」  
「・・・」  
 
「からだ、あついんです。  
 敦賀さんは?大丈夫?」  
 
「・・・そうやっていつも、人の努力を無にするような発言を・・」  
 
蓮はキョーコの身体からそっと布団をはがした。  
ぼうっと薄暗い照明に、裸体が晒され神々しく照らされる。  
キョーコはゆっくり仰向けになり、濡れた瞳で蓮を見あげ、両手を差し伸べた。  
一部を除いた感覚が全て麻痺した錯覚を感じ、蓮はキョーコの腕の中に吸い込まれていった。  
 
しん、とした部屋に、熱い息遣いと微かな水音が時折響く。  
 
約束どおりの沢山のキスは、キョーコの全身に落とされた。  
唇、頬、耳、首筋から鎖骨、脇、背中にまわりラインを執拗になぞる。  
肘をついたキョーコの背後から腕がまわり、揺れる胸をもみしだいた。  
されるがままに耐えるキョーコは、何度も小さく達し、我慢できずに伏せてしまう。  
腰だけ高くあげさせた体勢で、蓮は何十度目かのキスをそこに与える。  
 
小猫がおねだりするような、甘い細い声をあげつづけるキョーコ。  
蓮の腕で支えられる腰がまた震えた。  
 
「・・・・っん、・・っ!!」  
 
強い痙攣のあと、キョーコは崩れて意識を飛ばしてしまう。  
ぐったりした身体をシーツに横たえ仰向けにさせるた蓮は、キョーコの頬を軽く叩いた。  
 
「・・・はぁっ・・」  
 
とろんとした瞳はわずかにだけ反応して蓮を見あげる。  
「まだ途中だよ」  
舌を強く吸い上げ、キョーコを無理矢理覚醒させた。  
 
「これで、何度目のキスか、わかる・・・?」  
「・・・」  
「わからなくなった?・・それなら最初から数える?」  
「・・・」  
「ん?」  
「・・い・・じ、わる・・」  
「君も反抗的だね」  
 
また口を塞がれ激しいキスをされる。  
顎を持って逃げられず、蓮の片手はキョーコの脚の間に入った。  
差し込まれた指は力強く動くが、くぐもった声をあげるしか出来ないキョーコは必死に蓮の腕をひいた。  
 
「ね・・。早く、きて・・?もう・・・」  
「駄目」  
「や・・ねえ。お願い。も、もう・・早く、もっと・・」  
息も絶え絶えに、脚を自ら蓮のそれに絡めて押し付けた。  
 
「ねえっ・・!敦賀さん・・・っ・・!」  
 
蓮は無言でいたが、やがてそっとキョーコの膝を割った。  
期待のあまりそれだけで声をあげるキョーコ。  
 
「いくよ・・・キョーコ」  
 
硬いものがどろどろのそこに当たり、ゆっくりと圧し進んできた。  
 
「っ・・・!」  
 
ビキィッと身体の中心に激痛が走った。  
 
予想以上の痛みにキョーコは無意識に足を突っ張った。  
ずるずると少しずつ身体がずり上がっていく。  
肩を押さえつけ、まだ進んでくる蓮の背中に爪をたてた。  
 
「・・・っ・・。大丈夫、か?・・」  
蓮は動きを止めて様子を見る。  
 
「だ、大丈夫です・・・っ」  
涙を滲ませやっと答えながら、キョーコは蓮に微笑んだ。  
背中の筋肉をすべる指先は震えながら噴出した汗で弧を描いた。  
 
 手が震えているじゃないか・・・。  
 
蓮は瞼にそっと口付けると、何も言わず、また少しずつ動き出した。  
 
キョーコの負担を慮って  
抜き差しはせずにゆっくりと接触部分を中心に円を描く。  
それも辛そうな表情になるキョーコだが、先ほどよりは落ち着いていられるようだ。  
無茶をしないように、ゆっくりゆっくりと奥を探って侵入を続けた。  
 
入り口はかなりきつく蓮を締め付けるが、奥は比較的緩やかに蠢いていた。  
襞がやわやわと、動きにあわせて、ざわめきつつあるのがわかった。  
 
細心の注意を払って進んでいくと、何かコリ、と固いものに当たった。  
トプンとした粘液にたったひとつだけ浮かんでいるかのような何か。  
 
そっとそこを何度か探ってみる。  
 
キョーコに特に変化はない。  
じっと眼をつぶって眠っているかのようだ。  
これが何か、蓮は何度も確認してみた。  
しこりのような、軟骨のような、乳首のような。  
 
思い出して指先でキョーコの胸の先端をつまみ転がした。  
そう、こんな感じの・・・何か。  
何度も腰をグラインドさせながら押し当てて刺激を与えた。  
 
「んんんっ・・・んぅっ・・っぁ・・」  
ふいにキョーコが声をあげた。  
いつのまにか頬は紅潮し汗が額を濡らしている。  
「や・・やん。ああぅ・」  
腰が浮きたって微かに動きはじめた。  
 
「ここ・・いいの?」  
 
コリコリと何度もはじいてみる。  
キョーコは首をふって否定したが、先ほどとは反応が違う。  
熱い息が蓮の耳にかかる。  
抑えているが、喉の奥から微かに発する声は、明らかに悦んでいた。  
 
声が少しずつ大きくなるにつれ、蓮に纏わり付く肉も動きが大きくなる。  
じわじわと場所を絞めつけ、奥に引き込み扇動した。  
そして、こちらよ、と言うように子宮の入り口を隠してしまった。  
 
蓮は密かに驚きながら興奮して中を探った。  
 
さっきまで当たっていたものが、無くなってしまっていたのだ。  
動きを大きくして掻き乱したが  
まとわりつくものが激しく吸い付いて波打ち、行く手を遮った。  
 
「はっ・・・。あっ、あっ・・あっ・・。ああん・・」  
 
全身をピンクに染め、涙を滲ませながら空を見つめるキョーコ。  
上半身を起こし腰を動かしてそれを探す蓮を、引き戻そうと両手を伸ばして哀願する。  
蓮の額から汗がキョーコの胸に滴り落ちた。  
互いの腰は濡れに濡れ、滑らかな水音で欲情を煽った。  
 
たまらず蓮はキョーコの肩をかき抱いて耳を噛んだ。  
唇に噛み付き、滅茶苦茶に舌を差しこみ動かした。  
 
探るそれが見つからず、とうとう蓮は、大きく引いて思い切りキョーコを突き上げた。  
「ああっ・・!」  
キョーコは反り返って声を荒げた。  
歪んだ顔で歯をくいしばるが、嫌がらず全て受けとめる。  
蓮は構わず角度を変えながら探し続ける。  
・・・やがて再び何かに当たった。  
 
 ここだ・・。  
 
キョーコの腰をつかみその一点に集中する。  
 
「や、やあぁぁ・・っんっ!んあっ・・ああっ、やっ・・ああっあっあっ!・・ああっ!」  
 
当たる度に、キョーコの身体が跳る。  
腿は蓮の脇腹を強く挟み間隔を狭めた。  
纏わりつく内部は、締めあげ、絡み、螺旋を描いて  
様々な動きでそれを隠そうと邪魔をしたが、蓮はもう逃がさなかった。  
打点を決して外さず、容赦なく追い詰めていく。  
 
 深追いしては駄目だ・・・。  
 
頭の片隅でチラリと掠めた警告が  
どういう意味なのか霞む意識では中々理解しがたかった。  
 
1オクターブ高い声で泣きながら、好きとつぶやき続けるこの子の、想像もしなかった成熟した雌の身体。  
溺れきって堕ちていく自分をもう一つの意識が分離して眺めていた。  
 
「つるがさん・・・っ。わ、私もう・・・っ、だめえ・・っ!」  
 
発していた嬌声は掠れ、言葉が出なくなるキョーコ。  
自分も最後が近づいてきた蓮は  
はっと最後の理性で言葉をしぼりだそうと、努力した。  
 
「キ、キョーコ・・・。君は・・・大丈夫なの?今夜は・・このままで・・・っ!」  
 
返事は返ってこない。  
切ない吐息が荒く吐き出されるだけだ。  
 
はじめての状態で冷静な答えを期待するほうが間違っている。  
蓮はやっとの思いで、動きを止めた。  
じっとしていると、うねうねと絞り上げる動きがダイレクトに伝わる。  
「・・・・っ・・!」  
蓮は歯噛みして、身体を離そうと腰を引いた。  
 
「あっ・・やっ!」  
 
キョーコが逃げる蓮の身体にしがみついた。  
「やですっ・・。大丈夫です。このまま、このまま来てえっ・・・!」  
両手で腰を引き寄せ、自分を押し付ける。  
 
「大丈夫・・・?」  
「大丈夫です・・ロケ・・で、くすり、飲んでるから・・っ。  
 来ちゃう・・早くぅ・・・。お願いっ・・」  
 
蓮はキョーコの脚を抱え、再び強く動き出した。  
キョーコはもう息もできず、されるがままに蓮の動きにあわせて翻弄された。  
抵抗は奥のひくつく蠢きだけだった。  
 
「キョーコ・・・キョーコ。君は・・こんな躰で・・俺を・・っ」  
 
激しく身体を打ち付けてクライマックスへ滑り落ちる。  
キョーコの指が臀部をなぞり引き寄せた。  
 
「い・・っ・・くっ・・・」  
 
微かな声が聞こえキョーコの身体が激しく痙攣しはじめる。  
「・・・っ・・」  
大きくガクガクと腰が揺れ、千切れんばかりの圧力で蓮を締め付けた。  
その瞬間蓮も同時に達し、息を荒げて声をあげた。  
脊髄から快感が瞬時に脳につきあがり、真っ白にスパークした。  
激しい快感に耐え切れず、キョーコの中に白いものを全て吐き出すまで、力の限り腰を押し付けた。  
 
荒い息遣いがしばらく続いたのち、静粛が訪れた。  
音も無く、身じろぎもせず2人は抱き合っている。  
シーツもタオルケットも湿って乱れ、散乱していた。  
・・・トク、トク、トク・・とお互いの心臓の音が耳に響いていた。  
 
やがて、キョーコの上に伏せていた蓮が、そっと顔をあげた。  
眼を細めて、キョーコの唇に口付ける。  
キョーコも眼をそっとあけ、蓮と眼を合わせる。  
 
そして2人で微笑みあった。  
 
感触を惜しみ、腰をまだ揺らめかしてみる蓮。  
チャプチャプと脚の間で水音が漏れ、海を漂っている心地良さを感じた。  
くすぐったがってキョーコは笑いながら身体をよじった。  
 
「もう・・。君は・・困った子だ」  
「え・・?」  
 
キョーコの疑問に答えず、蓮は唇を重ねる。  
長く、優しく、ねっとりと、深いキス。  
 
「・・・これ、何度目のキスだったかな」  
「どうでしょう?・・わかりません」  
「じゃあ、18度目ということで」  
「そ、それは嘘でしょう・・?」  
キョーコがクスクスと笑う。  
 
「あと82回もあるよ。頑張ろう」  
 
 
ついばむキスを何度もキョーコの顔に降らせ  
そしてまた深いキスをはじめる。  
甘いキョーコの舌は、脚の間のそれと同じように絡みつき、蓮をぞくぞくさせた。  
 
「・・・、敦賀さん・・。さっきのおっしゃった意味はなんですか?」  
「ん?」  
「私が困らせたって・・・何か失敗してしまいましたか?」  
「ああ、そうじゃなくて・・」  
 
蓮は少しずつ腰を動かす。  
 
「えっ・・・???」  
 
キョーコは困惑して、蓮を見つめる。  
が、再び硬くなった存在に気がつくと赤くなって眼を細める。  
 
「あっ・・・。は、やん・・。敦賀さん??」  
 
戸惑いながらもしっかりついてくるキョーコが愛しくて仕方がなく  
蓮は更に突き上げた。  
 
「こんな風に俺を誘惑して・・・。  
 こんな身体を持っていたなんて反則だ。・・・もうメロメロだよ」  
 
聞こえていないのか返事をせず、頬を染めて喘ぎだすキョーコ。  
ぴんと硬くしこった胸を愛撫しながら  
蓮は朝日がカーテンから差し込んでいるのに気がつかないふりをした。  
 

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