「・・・一番、困ったことは・・・着替えが一枚もないことなんです・・・」  
 
ローリィ主催の蓮キョ交際宣言パーティ、南の島を借り切って全社員で夜を徹してもりあがり  
疲れて眠ってしまった蓮とキョーコが気がついた時には  
他の人達は島を後に帰っていってしまった。  
 
ぽかんとしている蓮とキョーコ。  
あるのは無人島とコテージと数週間分はありそうな食料と最低限の生活用品だけ。  
 
「後のスケジュールは俺が全責任を負う。頑張れ」  
 
ローリィの書置きにこめかみを押さえる蓮。  
そして最初のキョーコの台詞に戻る。  
 
「電話も無線もなさそうだし。何故か携帯まで無くなっている。  
 ・・・まああの人の気が済んだら迎えに来てくれるだろうから・・・それまでお互い我慢しようか・・・」  
「・・・はい・・・」  
 
と、隣の部屋に眼をやると、山積みの包装が転がっているのを発見した。  
 
「敦賀さんっ!皆からのプレゼントですっもしかしたら携帯とか何か役に立つものがあるかもしれませんっ」  
 
キョーコは嬉々としてガサガサあけた。  
「えっとこれは・・・マリアちゃんねっ。わっ!これってエプロンだわ。  
 ・・・でもエプロンしかない・・・。しかもマリアちゃん向けの120cmサイズのフリフリ・・・」  
しーん。  
「えっと、次・・・・。社さんからだわっ。これは・・・ん?パソコンだわっ!さっすが社さんっ♪  
 早速ネットをつなげて・・・あれ、電源が入らない・・・。えーと????  
 ・・・こ、これ、壊れてますぅ・・・敦賀さん・・・」  
 
涙目で蓮を見あげるキョーコ。  
 
「で、でも、次はきっとちゃんとしたものが・・・っ!あっ!!これはモー子さんからだわっっ!  
 こ、これは期待できそうっ!モー子さんありがとうっ!!!!  
 ・・・って、これ・・・なあに・・・?くすりだわ・・・。何のくすりかしら。  
 えーと、毎日朝起きたら一錠ずつ必ず飲みなさい、ですって・・・。体温計もあるし。  
 ・・・役にはたちそうだけど・・・」  
 
「も・・・いいよ・・最上さん」  
 
蓮はキョーコの肩をポンと叩いた。  
 
「とりあえずお腹すいたし、何か作ってくれる?簡単なのでいいから」  
「はい・・・そうです、ね・・・敦賀さん・・・何が食べたい、ですか?」  
 
「とりあえず、君がいい」  
 
とは言わない決心をした蓮だった。  
 
絶対絶対絶対社長の思惑にのってやるもんか・・・!!!!!  
そう心に誓いながら、怒りで肩を震わす蓮なのである。  
 
 
・・・・ま、2時間後にはあえなく決壊するんですけどw  
 

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