「・・・・・・」  
ぱたん、とラブは読んでいた雑誌を閉じ、自室のベッドに寝転がった。  
ここしばらく空は平和で、以前と違い、昼間から艦長が休みを取ることも容易になっていた。  
今日ものんびりと平和を満喫しつつ、  
以前はあまり見る暇の無かった、ごくありふれた若い女性向けのファッション誌なんて読んでいたところだ。  
ただ、何故かその顔は赤くなっている。  
彼女が先ほどまで熱心に読みふけっていたのはファッションのページでは無い。  
『☆特集☆ カレとの愛をもっと深めるために〜』  
要するにセックス特集である。  
(私も、いつか、・・・するんだよね)  
ラブは、幼馴染であり、恋人(を通り越して一応婚約者になるが)でもあるアースのことを思い浮かべた。  
「俺と一緒の墓に入ってくれ!!」  
恋人としての告白を飛ばして、いきなりのプロポーズ。  
それを受け入れ、満月の下でキスをして。  
あれからそろそろ一年が経とうとしている。  
何度か二人きりでデートに出かけもしたが、その後の進展は何も無い。  
一応艦長と部下という上下関係ではあるが、  
キャプテンを名前で呼び捨てる彼のことだ、  
そんなことを気にしているわけでは無く、単に手を出す度胸が無いだけなのだろう。  
(アースとだったら、私・・・)  
求められれば応える心の準備はとうに出来ているのに。  
その時が来たら、彼はどんなふうに自分を求めてくるだろうか?  
彼女はまだ未知の甘い甘い恋人との一時を妄想しはじめた。  
 
彼は時々、何の用事もなく部屋まで遊びに来る。  
ただ好きな相手といるだけで嬉しい、恋とはそういうものだ。  
それで、やっぱり深い意味なんて無いのだけど、じゃれついて抱きついてきたりして。  
もし人前でされたら恥ずかしくて怒ってしまうけれど、  
二人きりの時だけは素直にされるがままになる。  
好きな男に抱きしめられるのは、女にとってとても胸がときめくことなのだ。  
普段男勝りに空賊団を取り仕切るラブとてそれは例外では無かった。  
何かの拍子でいいムードになって、キスをして、「好き」ってお互いに囁きあって。  
今まではそこで終わりだったけど、今度は今まで触れられたことの無い場所まで手を伸ばされて・・・。  
プロポーズされた時みたいに、必死な・・・でもすごく真剣な表情で  
「ラブが欲しい」と言ってくれるのだろうか。  
そしたら、あの時と同じように、「いいよ」って応えてあげよう。  
(男の人って、やっぱりここが好きなんだよね・・・?)  
そっと、自らの手を胸にあて、服の上からやわやわと揉みしだく。  
その時が来たら、彼はこんなふうに優しくしてくれるだろうか。  
それとも、もっと荒々しく・・・?  
ブラジャーをずり下げると、大きな胸がぷるんと姿を現した。  
いつも露出度の高い服装をしていても、大事なところを人に見せたことはもちろん無い。  
いざ彼にされたら、恥ずかしくて顔を直視出来ないかもしれない。  
そんな仕草も、男にとっては気分を昂らせる要素になる、らしい。  
恥ずかしがる自分にはお構いなしに、彼はもっと胸をもみくちゃにしてくるのだろうか?  
刺激に反応して立ち上がった乳首を摘ままれて、こねくりまわされて。  
自分では指先だけしか使えないけれど、  
彼がするときは、口に含んで、舌先で転がして、軽く歯を立てて、また違った刺激を与えてくれるかもしれない。  
想像するとまた身体が熱くなった。  
それで、男が好きな胸を十分に堪能したら、  
身体中を丁寧に愛撫して自分を気持ちよくしてくれるだろうか。  
それとも、胸の次はすぐアソコを触って、準備が出来ていればすぐにでもしたがるんだろうか。  
もし、あまりしてくれなかったら、その時は可愛らしくおねだりなんてしてみようか。  
いやらしい女だと思われるだろうか。  
それとも求めてくれる事を喜んでくれるだろうか。  
それ以前に、恥ずかしすぎてそんなことを考える余裕なんて無くなっているだろうか。  
あるいは、指摘されて自分の技量の無さにへこんでしまうのかもしれない。  
頭の中で幾通りもシミュレーションしてみるが、  
結局はいざその時になってみないとわからないことだった。  
経過はどうなるかわからないけれど、最後にたどり着くところは決まっている。  
(最後までするなら、ここも見られたり、触られたりするんだよね・・・)  
ミニスカートの内側に手を入れ、ショーツの上から割れ目をなぞる。  
恋人との一時を想像して溢れ出した洪水は薄手の生地でせき止められるはずもなく、  
布越しでもしっとり湿っているのが丸わかりだった。  
ここを見つけた彼はどうするだろうか。  
そのままショーツ越しにじわじわと触ってくるだろうか。  
スカートをめくって、ショーツの中に手を侵入させて、  
あるいは股間の部分だけ横にずらして直接触ってくるだろうか。  
ショーツだけ脱がせて、頭をスカートの中にもぐりこませて、ソコに舌を這わせてくるかもしれない。  
(私、すごくいやらしいことばかり考えてる・・・変態、なのかな)  
一瞬、恋人との行為を妄想しながら自慰行為にふける自分を冷静に見つめるが、  
好きな異性への性的欲求は、年頃の若者なら、男はもちろん、女だって心の奥底では誰しも持っているものだ。  
誰の邪魔も入らない、艦で一番奥まった場所にある艦長のプライベートルーム。  
一度始めてしまった妄想は簡単には止まりそうにない。  
 
一番敏感な部分を自分の指で夢中で擦ると、段々と身体が熱く、息が荒くなってきた。  
彼はここを見つけて、気持ち良くしてくれるだろうか。  
けれど、彼は自分以外の女性と付き合ったことは無いはずだ。  
女の身体は知らないだろうし、多分、言わないと分からないだろう。  
言うのは恥ずかしいけれど、気持ち良くしてほしい。  
そんなジレンマにおちいるのだろうか。  
けれど、女にとっては一番感じるところだけれど、  
胸と違って男にとっては触って気持ちいい部分では無いだろう。  
そもそも、敏感な部分を探そうとすらしてくれないかもしれない。  
濡れているのだけ確認したら、すぐにコトにおよぼうとするかもしれない。  
こっちの気持ちなんて知らず、早くやりたくて、ショーツをずらされて  
局部だけ露出して、すぐにでもアレを入れてくるだろうか。  
それとも、じっくりとスカートのベルトを外し、ショーツもブラジャーも脱がせられて、  
彼も裸になって、ゆっくり焦らしながら肌を触れ合わせてくるだろうか。  
初めての時は、服越しじゃなく、直接お互いの温もりを感じ合いたいな、なんて漠然と考える。  
それで、脚をつかまれて、恥ずかしい体勢をさせられて。  
(私のココに、アースのアレが、入ってくるんだよね・・・)  
想像しながら、自分の指を一本、中に滑り込ませる。  
受け入れる準備の整ったそこは、指一本くらい簡単に飲み込んだ。  
けれど、本物はもっと大きくて、硬くて、熱いはずで。  
指一本だけではとても代わりになりそうもない。  
もう一本指を増やすと、十分濡らしていても少し痛みがあった。  
(初めての時は痛いっていうもの。きっと、もっともっと痛いんだよね)  
痛がったら、彼は優しく気遣ってくれるだろうか。  
それとも、自分の欲求を満たすことに夢中で、こっちの言うことなんて聞いてくれないだろうか。  
彼は結構大雑把だけど、必要な時には優しくしてくれる・・・と、思いたい。  
多分これでも足りないはず、と三本目を入れようとするが、入り口が狭くてなかなか上手くいかない。  
勢いよく突き入れると、無理やり広げられた入り口にきりきりと痛みが走った。  
(嫌っ、やっぱり痛いっ!)  
痛みに耐えかねて、指を抜き、はぁはぁと息を整え、  
仰向けに寝転んで気分を落ち着かせる。  
ぼんやりと天井を見上げていると、自然に部屋の高窓が視界に入った。  
窓の外は綺麗な青空。  
行為に夢中の間は気付かなかったが、さわやかな風も心地良く吹きこんでいる。  
(昼間っから何をやっているんだ、私は・・・)  
冷静になると、先ほどまでの自分が急に恥ずかしくなってきた。  
(ここ最近はずっと平和だったし、気が緩んでるのかな・・・)  
乱れた衣服を整え、頬を手のひらでパンパンと叩いて気分を入れ替える。  
(とりあえず、汗かいちゃったから、お風呂に入ろうかな)  
 
するすると衣服を脱いでいくと、また彼との一時にはどうされるか、頭をよぎる。  
その時が来たら、どんな風に脱がされるだろう。  
身につけている全てのものを、少しずつ剥ぎ取られてゆくだろうか。  
興味のあるところだけ露出させてさっさと進めるだろうか・・・  
(って、だから、こんなこと考えてる場合じゃない、私!)  
湯船に浸かってのんびりしても、また彼のことを思い出す。  
(そういえば、アースが「俺と一緒の風呂・・・」なんて言いかけていたっけ)  
二人で一緒の風呂に入る光景を想像しかけて、  
ハッと、またさっきまでのくり返しになりかねないことに気付き、  
ぶんぶんと頭を振って必死で別のことを考え出した。  
 
数時間後。  
「あっ、ラブ。ご飯一緒に食べようぜ」  
 食堂でいつもと変わらず話しかけてきた彼に対して、ついラブはドキっとしてしまう。  
「きょ、今日はそんな気分じゃないんだっ」  
「・・・・・・? 俺、何かまずいことしたっけ?」  
「いやっ!? アースが何かしたわけじゃなくて!  
 むしろ何もしないから、その・・・」  
 アースにはわたわたと手をふり挙動不審の彼女が腑に落ちない。  
「何だそれ?? だったらいいじゃん?」  
 まさか『数時間前にあなたを思い浮かべながら一人エッチしてたのでバツが悪い』とか  
『どうしてエッチしたいって誘ってくれないんだろうって考えてました』などと正直に言えるはずも無く。  
「とっ、とにかく、今日は部屋で一人で食べるから!  
 お前も隊長になったんだから、たまには部下との親交を深めるようにっ!」  
 慌てて適当な理由を作って言い捨てると、ラブは手早くお盆に食事を乗せて、ささっと自室へ引き返していった。  
残されたアースはわけもわからず呆然と立ち尽くす。  
「やーいやーい、振られてやんのー」  
 一連の流れを見物していた団員達から、はやし立てる声がする。  
「うるさいなっ。ほら、今日は俺と食えってさ。艦長命令だぞ」  
 しぶしぶ偵察隊の団員達に声をかける。  
話の内容はわけもわからず振られた愚痴が多めだったそうだが、  
部下との親交はそこそこ深まったらしい。  
 
(アースが悪いわけじゃないのに、ちょっと酷かったかな)  
自室で食事を取りながら、ラブは考える。  
机の端には、先ほど読んだ雑誌が置かれたまま。  
大好きな彼との、愛の行為。  
想像だけでも、胸がきゅんとなった。  
それが現実になれば、一体どれだけ幸せな気分になれるのだろうか?  
(あっちから何もしてくれないなら、こっちからしないとだめかな)  
女から男を誘惑する方法も、雑誌に載っているだろうか?  
けれど、普段キャプテンとして勝気に振舞っている分、アノ時くらい、女らしく甘えたい。  
何か自然に彼をその気にさせる方法はないだろうか?  
(そうだ、来月アースの誕生日だっけ)  
想いを馳せるその姿は、すっかり恋する乙女のものだった。  
 

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