自分でもどうすればいいかわからない。
アイツの事はただの「後輩」だと思ってたから...
最近イライラしっぱなしだった。
マネージャーになった晴子ちゃんは、流川のプレイを毎日嬉しそうに見てる。
流川と言葉を交わせたとか、声を掛けてきてくれたとか、あたしに報告してくる。
最初は、そんな晴子ちゃんが可愛らしくて、微笑ましかったけど、ここ最近はそれが鬱陶しくて
仕方がなかった。
その理由が今日やっとわかった。自分の気持ちに気付いてしまった。
それは練習の休憩中、あたしはまたイライラしてて、一人になりたくて水飲み場でボーッとしてた。
急に人の気配がして振り向くと、流川が汗だくで立ってた。
「るっ、流川!水飲みに来たの!?すっごい汗じゃない。今日暑いもんねぇ。。。」
びっくりしたのと、急に早くなった鼓動のせいで、早口になってしまった。
「センパイ、何ビビってんすか?」
「えっ!?あ、べ、別に何でもないわよっ!」意味もなくムキになってしまって、何も言葉が出てこなくて、
そのまま俯いてしまった。
と、突然流川の細く、引き締まった腕が、あたしの頭に伸びてきた。
あたしの体が、反射的に強ばった。
「アタマに、葉っぱ、ついてる」
流川がそう言って、あたしに、取ってくれた葉っぱを見せてきた。
あたしは、髪に触れてきた流川の手とか、近づいてきた体から出る汗のニオイとか、思い出して
また、鼓動が早くなる。
なんとか平静を装って「アリガト」と、呟いた。多分顔は赤くなってた思う。
そんないつもと少し違うあたしを見て、流川は少し微笑んだように、
「ドウイタシマシテ」と言って体育館に戻っていった。
あたしは、そんな後ろ姿を見ながら、いつまでたっても戻らない鼓動の早さと、いつのまにかイライラを
感じなくなった自分に「あぁ、あたしアイツが好きなんだ」と呟いた。
休憩が終わってからというもの、あたしは流川から目が離せなかった。
自分でも気付かないうちに流川の事を目で追ってて、晴子ちゃんに名前を呼ばれてるのにも気付かなかった。
「彩子さん、彩子さん。」
「あっ、晴子ちゃん。ごめん、ごめん。それで何だっけ?」
「もう、彩子さんてば。あの流川くん好きな人とかいないのかなって。」
「えっ?」自分の胸がドキッとした。
「さ、さぁ・・・アイツにはバスケしか見えてないから」
自分で自分に言い聞かせてるみたいだった。流川のこと好きになったってしょうがないのに。心の中でそう呟いて、また流川を見る。
ふと、流川がこっちに気付いてあたしの視線とぶつかる。
目を逸らす事ができなくて、アイツも目を逸らさなくて、見つめ合ってしまう。
急に水飲み場での事を思い出して、顔が熱くなってくるのがわかった。限界を感じて、思いっきり顔をそむけてしまった。
”ヤバい。心臓に悪いわ。しかも何よ、この不自然な態度は!!”
あたしはその後なんとか無事に部活を終えることができた。
あの水飲み場での出来事以来、あたしは流川となるべく接しないようにしてきた。これ以上好きになりたくなかったから。
だから今も、なるべく早く明日の練習試合の用意を終えて、部室から出たかった。
今日は、晴子ちゃんは風邪でお休みだ。最近こういう仕事は晴子ちゃんに任せてたから中々思うようにいかない。
「えーっと、スプレーのストックはどこだっけ?」
独り言をぶつぶつ言いながらごそごそやってると突然部室のドアが開いた。
びっくりしてそちらに目をやると、そこには流川がいた。
「るっ、流川!アンタまだ自主練してたんだ。」
「うす」
流川が自主練してたの忘れてた。他の部員達は、明日が練習試合ということもあって今日はいつもより早く、練習を切り上げたんだ。
そーいえば、あの問題児3人も今日は早く上がってたっけ。
えっ?じゃあ、残ってるのは流川とあたし二人だけ?気まずくなって、
「あんた着替えるわよね、あっ、あたしまだ明日の用意終わってないから、とりあえず外にいるわ。
終わったら教えて。」流川の顔を見ないようそう伝えて、部室から出ようとした。
「手伝う」
「えっ」
「用意。手伝うっす」
「いっ、いいわよ。あんた疲れてるでしょ?それに明日は練習試合だから今日は早く帰って休みなさいよ。
それにこれはマネージャーの仕事なんだから。もう終わるとこだったんだし。」
「でも、これ」
そう言って流川が指差したのは、早く終わらせたいのと、目当ての物が見つからないのとで焦って散らかした部室の一角。
「あっ・・・これは・・・」
あたしが言い終わる前に、流川はこっちに来て用意の手伝いを始めた。
「二人でやった方が早い」
「そ、そうね。ありがとう」
あたしは流川を説得するのを諦め、早く終わらせようと用意を再開した。
二人だけっていうのを意識しないように、流川に自分の気持ち気付かれないように、あたしは、明日の用意に集中した。
暫く沈黙が続いて、流川が口を開いた。
「センパイ」
「えっ、何、流川?」ドキドキする。
「最近オレの事避けてる」
「は、はっ?そんな事ないわよ、何言ってんのアンタ」
「イヤ、なんかおかしー」
「変な事言わないのっ!あんたはバスケの事だけ考えてればいいんだからっ!」
思いっきりあたしが否定したのを見て、流川の顔がムッとしたのがわかった。
「なんかあったんすか?」
流川があたしの顔を覗き込むようにして聞いてきた。少し心配そうな顔をして。
急に近づいてきた流川の顔に少し見とれてしまって、あたしは何も言えなくなってしまった。
胸が苦しくて、彼を困らせたくなくて、でも自分の気持ちはどーにもできなくて。
そんなあたしを見て、流川が「センパイ?」と声を掛けてきた時には、あたしは大粒の涙を流してた。
「センパイ」
その声で、あたしは涙がでているのに気付いた。ハッとして
「な、何でもないから!もうこんな時間だし、あたし帰るわ!これは、明日早く来てあたしやるから。
このままにしといて。ありがと。じゃあ、流川も早く帰るのよ!」
それだけ早口で捲し立て帰ろうとした。けどできなかった。流川があたしを抱きしめてきたから。
「ちょっと何してんのよ!!さっきのことなら何でもないから!あんたは気にしなくていーのよ」
「よくねー」抱きしめる力が強くなったのがわかった。
「あんたには関係ない事なのよ!」
「関係なくねー」
流川はそう言って、あたしの顔を見た。とても辛そうな顔をしてた。あたしは、止まったはずの涙がまた溢れてくるのがわかった。
流川の手があたしの頬に触れて、涙を拭う。あたしはこれ以上自分の気持ちを隠す事ができなくて流川にぶつけた。
「あたしアンタが好きなの」
流川は黙ったまま、ただあたしをジッと見つめている。
「でも、別にいいの。あんたの気持ちはわかってるから。あんたにはバスケがすべてだし。あたしの事ただのセンパイ
としか見てない事も。ごめんね、あんたのこと困らせるつもりはないから」
「センパイ、オレ・・・」
「返事とか欲しくないから」
流川の口から何か聞くのが怖くて流川の言葉を遮った。でも流川は続けた。
「オレ、バスケだけがすべてとかじゃないから!オレにだってタイセツなものある」
「そう、ごめん。あたしが言いたかったのはそれだけだから。」
あたしは早くこの場から逃げ出したくて話を切り上げようとした。でも流川は納得できないようで、またあたしを抱きしめた。
「オレの話聞いて。センパイはもう何も言わなくて言いから。・・・オレも同じ気持ちだから」
「流川?」びっくりして涙が止まった。
「ずっとセンパイのこと好きだった。センパイのことバスケと同じ位大切。だからセンパイの気持ち聞いてすっげーウレシイ」
「流川、好き」あたしは、流川の顔を見て、涙目のまま微笑んで言った。
その言葉を聞いて、流川はあたしの涙を舌ですくう。あたしはびっくりしたけどそのまま流川を抱きしめた。流川があたしをきつく抱きしめて
そっと部室の床にあたしの体を寝かせる。
流川の唇があたしの唇に重なる。あたしもそれに答える。最初はぎこちなかったキスも段々と熱を帯びて、濃厚なものに変わる。
舌を絡め、お互いの唾液が混ざり合う。息をする暇もなく、お互いの唇を重ねる。
空気が吸いたくて、お互い唇を離す。けど、またすぐに流川のキスがあたしの唇に落ちてくる。
そのままあたしの首筋にキスをされ、流川のさらさらの髪があたしの頬に当たってちょっとくすぐったい。
長くて綺麗な指があたしのシャツのボタンをはずす。下着だけの姿を流川がジッと見てる。
「な、何?」
「センパイすげー綺麗」あたしは流川の口からこんな言葉がでると思ってなくて、顔が真っ赤になる。
「ちょっと、何言ってんのよ!」声が裏返る。
「この前の時と同じ顔してる」この前って、水飲み場の事?コイツあたしのことからかってる!
あたしが文句の一つでも言おうとしたら、流川があたしの鎖骨に口づけてきた。
「はぁっ、・・ん」思わず声が漏れる。流川があたしの胸に強く口づける、赤い跡ができる。
「これでセンパイ、オレだけのもん。ぜってぇー誰にも渡さねー」そう言って、あたしの胸の先を口に含む。
「あぁ・・はぁ、ル、ルカワ、好きよ・・」それを聞くと流川は、胸に触れながら先を舌で転がす。
声が大きくならないよう必死で耐える。そんなあたしを見て、流川は「かわいい」と呟く。
あたしは、押し寄せてくる快感のせいで突っ込むことができない。流川が体を起こし、自分のTシャツを脱ぐ。
流川の体に見とれてしまって、あたしも流川を誰にも渡したくないって思って、体を起こし抱きつく。
流川の手が背中に回される。あたしは、片手で流川の大きくなったモノを短パン越しに触れる。
ビクっと動いたのがわかった。そして、彼の手がスカートの中に入ってくる。流川の指が下着越しにあたしの
敏感な部分をなぞる。
「んんっ、はぁ、あ・・」あたしのアソコはもうビショビショに濡れてる。
あたしも短パンに手を入れ、流川のモノに直に触れる。流川から吐息が漏れる。
「セン・・パイ・・オレもう我慢できねー」流川があたしの下着をおろしながら言う。
「あたしも・・」流川の短パンと下着をおろす。
流川はあたしを寝かせ、自分のモノをあたしのアソコに擦りつける。
「センパイ、いい?」あたしが頷くと、そのままキスをして流川があたしの中にゆっくりと入ってきた。
「あっん、きもちいい・・ん、ん・・」
「あぁ、センパイ・・すげぇイイ」流川のモノが奥まで届いてあたしの腰も自然に動く。
「はぁ、はぁ・・センパイ・・オレもうイキそー」流川の腰のスピードが早くなる。いやらしい音がする。
あたしももう我慢できそうになくて流川に頷く。
「あんっ、る・・流川・・イッ・・いっちゃう」
「イク・・んんっ」流川のが放たれたのと同時に、あたしも絶頂を迎えた。
流川はそのまま倒れ込んで、あたしの胸に顔お埋めた。あたしは、流川の頭を抱きかかえ、二人で呼吸を整えた。
あたしは流川の胸に顔を埋めて、流川はあたしをしっかりと抱きしめてて、すごい幸せを感じた。
ちょっと前までは、胸が苦しくて堪らなかったのに。
目の前にいる無愛想な後輩がとても愛おしく感じて。頬に軽くキスした。
流川は目をまん丸にしてあたしを見つめてる。
「うふふ、なんか幸せだなぁって思って」あたしはそう言って、服を着ようとした。が、突然流川に手を掴まれた。
「オレもシアワセ。センパイのことタイセツにする」
あたしは嬉しくって、恥ずかしくて、また流川の頬にキスする。「あたしも」と呟きながら。
けど、流川は腕を離してくれなくて、「何?」と聞いた。
「もう一回してー」
「はっ?何言ってんのよ!明日は練習試合なのよ。それに守衛のおじさんが来ちゃったらどうすんのよ。もうこんな時間だし」
時計の針はもう8時半を指していた。
「だってセンパイが、んなことゆーから」流川はふて腐れたように言った。
「ダメなものはダメ!また今度ね。練習試合の前に体力使ってどーすんのよ!」
「じゃ、明日。終わった後。」
「えぇ??試合の後?疲れてて無理でしょ?」
「へーき。それとこれとは別。」呆れて断る気にならなかった。それにあたしも流川と一緒にいたかったし。
「じゃあ、明日、仙道に勝ったらね。そしたらいいわよ」
「ぜってぇー負けねぇ」あたしは「うふふ、がんばってね」と言って制服に着替えた。
帰りは、「あぶねぇーから」と言って流川が自転車の後ろに乗せてくれた。「平気だから」って断ったけど、
「彼氏だから」と言って無理矢理乗せられた。
でも、流川の後ろに乗る方がよっぽど危険だと思った。
あいつが漕ぎながら何度も寝そうになるので、あたしは家に着く頃には疲れ果てていた。
「じゃ、明日ね、流川。気をつけて帰るのよ。」
「うす。また明日。」
そしてあたしの無愛想な彼氏はフラフラになりながら帰って行った。