ゆっくりと開きそうになる瞼に必死で抵抗して、また眠りに就こうとする。  
それでも戻ってしまった意識はどうにも出来なくて、結局目が覚めてしまう。と、同時に激しい頭痛があたしを襲い、思いっきり顔をしかめる。  
寝ぼけているせいか、まだ意識がはっきりしていない。まだ起きたくなくて、目を閉じたまま反対側にゴロンと寝返りをうつ。  
すると自分の肩に何かがぶつかったのがわかって、手探りでそれに触れてみる。  
それは温かくて、柔らかくて、何かと思いゆっくりと目を開ける。  
「えっ?・・・」目の前にはどう見ても男の人の大きな胸。あたしは焦りながらも顔を上げる。  
「み・・三井先輩?」びっくりしながらもゆっくりと体を起こすと、掛けていた布団がずり落ちる。  
すると目に飛び込んできたのは、何も身に付けていない自分の裸。  
「はぁ!?・・・」自分に何が起こったのかわかって、冷や汗をかきながら必死で、着ていた服を探す。  
「・・・っんだよ・・・」不機嫌そうな声が聞こえ振り返ると、頭を掻きながら寝ぼけ顔の三井先輩が、ゆっくりと体を起こす。  
「・・あ〜頭いてぇ・・彩子起きたのかよ。なんだよ騒がしいなぁ?」  
「せ、先輩・・あたし・・」小声で呟くあたし声が聞こえなかったのか、先輩は枕元にあった目覚まし時計を手に取る。  
「はぁ!?まだ6時じゃねぇかよ!俺もうちょっと寝るわ」  
そう言って布団に入ろうとする先輩に、慌てて声を掛ける。  
「ちょっ、ちょっと三井先輩!!」先輩の体を思いっきり揺する。  
「あぁ!?なんだよ?うるせーなー」元不良の睨みをあたしに向ける。それでもあたしは食い下がらず、先輩の体を揺すり続ける。  
「なんだよじゃなくて!なんで・・・」あたしは何て聞けばいいかわからず、恥ずかしくて急に黙ってしまう。すると先輩が口を開く。  
「・・・っていうかお前さぁ・・・俺の事誘ってんの?」  
「はぁ!?」あたしの体をまじまじと見つめる先輩に、訳が分からず聞き返す。  
「だってお前さぁ、そんな格好で俺の体揺すってるから、胸がすげぇ当たってくんだよ。誘ってるとしか思えねぇよ」  
先輩の“そんな格好”という言葉で自分が裸なのに気づき、慌てて布団に潜り込む。  
「ちっ違いますよ!誘ってないです!・・・なんで・・こんな事になってるのかなぁと思って・・・」  
真っ赤になった顔だけを布団から出し、先輩に聞く。  
「あぁ!?俺とお前は裸なんだぜ?こんな状況で何があったかわかんねぇのかよ!?」  
「何があったのか位わかりますよ!そうじゃなくって・・・どういう経緯でこうなったのか聞いてるんです!」  
「はぁ!?お前覚えてねーのかよ?・・まぁ無理もねぇか。お前相当酔っぱらってたからな」  
「あっ・・・」先輩の言葉を聞いて、昨晩何があったのか少しずつ思い出す。  
「何だよ?思い出したのか?」  
「ちょっとずつですけど・・・」  
 
冬休みに入り今年も後少しで終わるので、昨日はバスケ部で忘年会をした。  
両親が親戚の家に泊まりに行っていて居ないと言うので、場所は三井先輩の家になった。  
普段は受験勉強で忙しい赤木先輩と小暮先輩も誘って、忘年会は大盛り上がりだった。  
本当は駄目だけどお酒も用意した。赤木先輩は「酒は駄目だ!」なんて言ってたけど、みんなに勧められ結局は飲んでいた。  
そしてあたしは、懐かしいメンバーが揃い嬉しいのと、懐かしいのでかなりお酒を飲んでいた気がする。  
あたしが黙ったまま色々思い出していると、呆れ顔の三井先輩が口を開く。  
「はぁ〜、お前すげぇ酔っぱらっててよ、大変だったんだぜ。みんなが帰りだしても酒飲んでるし、桜木と流川と宮城は寝ちまうし」  
「えぇ!?じゃあその3人もまだここに居るんですか!?」  
黙ったまま話を聞いていたあたしは、3人がここにいたらどうしようと思い焦る。  
「あいつらは叩き起こして帰らしたよ。宮城はお前の事も連れて行こうとしてたんだけどよ、お前が嫌がってさ。  
で、お前ワインこぼしてよ、服着替えさせろとか言い出したから、俺の部屋で着替えて来いって言ったら全然出て来なくて、んで着替えて寝ちまったのかと思って部屋入ったんだよ。  
そしたらお前裸で寝てんだもん。俺マジ焦ったよ」  
「えぇ?先輩・・まさか・・無理矢理・・」  
「ばっ、馬鹿言うなよ!!俺は、服着ろってお前の事起こしたんだぜ?そしたらお前いきなり抱きついてきてよ、  
お前ほどじゃねぇけど俺だって酔っぱらってたし、裸の女が抱きついてきたら男なんだしよ・・・」  
先輩は、恥ずかしそうにそのまま黙ってしまう。  
「あの・・・先輩・・すいませんでした・・・」あたしは、酔っていたとはいえ先輩に申し訳なくて俯きながら謝る。  
「あぁ、別に謝る事ねぇよ。俺だって悪いし、お互い酔ってたんだからしょうがねぇだろ?まぁ事故みたいなもんだから、あんま気にすんなよ。  
もちろん宮城には黙ってるし。ていうかバレたら俺殺されるよ」  
“事故”と言われ、あたしは少し胸が痛む。別にショックとかじゃないけど、何だか胸が痛い。  
「お前なんて顔してんだよ?元気だせよ。今なんか飲み物持ってきてやるから」そう言って、あたしの頭をポンポンと軽く叩く。  
先輩の大きな手は温かくて、あたしは少しドキドキしてしまった。  
その後ワインで濡れた服を洗濯して乾かしてもらい、自分の家に着く頃にはもうお昼を過ぎていた。  
母親には、泊まるなんて言っていなかったのでかなり怒られた。でもあたしは、先輩の温かい大きな手の感触が忘れられなくて、その事だけを考えていた。  
 
冬休みも終わり、新学期が始まった。三井先輩は、ウィンターカップが終わってから受験勉強に専念するということで、部活にはあまり顔を出さなくなっていた。  
あの出来事があってから、あたしは三井先輩に会うのが気まずかったので少しホッとした。それでもチームのムードメーカーだった先輩がいないのは寂しいし、  
あの日“事故”と言われてショックだった事とか、先輩の温かい大きな手の感触とかを思い出して、色々と考え事をする事が多かった。  
「おい!彩子!」  
「えっ?あっ、はい」  
大きな声で名前を呼ばれ、びっくりして振り返ると、そこには少し怒った顔をした三井先輩が立っていた。  
「はいじゃねぇーよ!お前何ボーッとしてんだよ。何度も呼んだんだぞ?」  
「あ、すいません。全然気づきませんでした」  
あたしがそう言ってその場から立ち去ろうとすると、先輩があたしの腕を掴んだ。  
「ちょっと待てよ」あたしの鼓動はどんどん速くなっていく。  
「な、何ですか?」  
「ちょっと話があんだよ。こっち来い」  
「はぁ?今練習中ですよ?話があるならここでしてくださいよ」  
「いいからこっち来いよ。すぐ終わるからよ」  
三井先輩が真面目な顔をして言うので、あたしはそれ以上何も言えず、おとなしく先輩に従った。  
 
 
誰もいない渡り廊下はとても静かで、あたしの胸は緊張のあまり張り裂けそうになっていた。  
あたしは張りつめた空気に耐えられずに、先輩に話しかけた。  
「それで、話って何ですか?先輩」  
「あぁ。お前さぁ、何か悩み事でもあんのか?」  
「へっ??」  
「さっきもボーッとしてたしよ、宮城も言ってたぜ“最近ずっとあんな感じなんです”って」  
「べ、別に何もないですよ!たまたまボーッとしてただけです!」  
「ったくよぉ、しっかりしてくれよな。これからはお前達2年がバスケ部を引っ張ってかなきゃいけないんだぜ?  
そんなんで大丈夫なのかよ・・・」  
「先輩、男のくせに心配しすぎですよ〜。大丈夫ですって、任せて下さい!」  
暗い気持ちを隠す為に、あたしはいつもより声が大きくなってしまう。  
「そうか?・・・ならいいんだけどよ」  
先輩は少し納得していない様な顔をしていたけど、あたしは早くこの場から離れたくて先輩に声を掛ける。  
「じゃあ、あたし練習に戻りますからね!」そう言ってあたしが体育館に戻ろうとすると、先輩が口を開く。  
「もしかしてよぉ・・・お前、あん時の事気にしてんのか?」  
一番聞かれたくなかった事を聞かれ、あたしの鼓動はドンドン早くなる。“あの時”の意味はわかっていたけど、あたしはわざとわからないふりをした。  
まだはっきりとしていないこの気持ちを、三井先輩に気づかれたくなかったから・・・  
「えっ?あん時って?」  
「だっ、だからあん時だよ!・・忘年会の時の事だよ!お前もう忘れたのかよ!?」  
速くなった鼓動を落ち着かせる為、あたしは軽く深呼吸する。  
「忘れてないですよ。ちゃんと覚えてます・・・」  
「お前さぁ、あんま気にすんなよ。あれは事故みたいなもんだって言っただろう?  
俺とお前がああなった事に意味なんてないんだからよ。悪かったな、お前に嫌な思いさせちまってよ」  
“意味なんてない”先輩にそう言われて、あたしの頭の中は真っ白になった。別に期待なんてしてなかったし、  
自分の気持ちもよくわからないけど、でも胸がすごく痛かった。  
「先輩何言ってんですか!?あたし、全然気にしてなんかないですよ〜。こっちこそ先輩に迷惑かけちゃってすいませんでした。  
ほんと何でもないんで、大丈夫ですから!もう練習戻らないとリョータがうるさいんで、あたし行きますね」  
本心とは違う事を言いながら、自分の目頭が熱くなっていくのがわかった。  
「おぉ、悪かったな仕事の邪魔して。俺はもう帰るからよ、また来るわ」  
「はい、じゃあまた」  
先輩の顔をなるべく見ないように挨拶して、あたしは体育館へ走り出す。  
体育館の入り口に着く頃には、あたしの目には涙が溢れていた。  
 
 
 
あれからあたしは、三井先輩の事を考えるのは止めようと決めた。特別な感情を持つ事を。  
今まで通り、後輩として接しようと心に決めた。  
今日はいつもより早く授業が終わり、あたしは1番乗りで体育館へと向かっていた。  
すると、なぜかボールの音が聞こえてくる。部員が来るには、まだ少し時間が早い。  
「おかしいわねぇ?あたしが1番だと思ったのに・・・」  
不思議に思いながら、体育館の扉をそっと開く。するとそこには三井先輩がいた。  
2週間ぶりに見る先輩は、3Pを練習していた。綺麗なフォームに、ネットに吸い込まれていくボール。  
あたしは先輩に見とれてしまっていて、気づいたら胸が高鳴っていた。  
「おぉ、彩子か。何やってんだよ、そんなとこに突っ立って」先輩があたしに気づく。  
「え?あぁ、先輩最近来てなかったからちょっとびっくりしちゃって。先輩こそどうしたんですか?  
やっと勉強する気になりました?」あたしは少し冗談ぽく先輩に聞く。  
「いや、俺がいたら宮城がやりにくいんじゃあないかと思ってよ。  
他の部員達も気使うだろ?俺はもう部員じゃないわけだしよ・・・」  
「だからみんなが来る前に練習してるんですか?」  
「まぁな。授業もほとんど無いしよ、それに毎日バスケやってないとなんか変な感じなんだよ」  
「みんなに気使っちゃってどうしたんですか〜?らしくないですよ」  
あたしは先輩をからかうように言った。  
「バッ、何言ってんだよ!俺はこう見えて結構気ぃ使う方なんだぞ!」  
「え〜?だってこの前までぶっ潰すとか言ってたじゃないですか〜」  
先輩をからかうのが楽しくてあたしが冗談ぽく言うと、先輩が突然真剣な顔をした。  
「・・・先輩?」  
「俺があんな事したのによ、みんなは俺を受け入れてくれてすげぇ感謝してんだよ。  
でも俺は何もできないまま引退したから・・少しでも部員の奴らの邪魔にならない様にと思ってよぉ・・・」  
いつもと違う真剣な表情の先輩に、あたしの胸がまた少しずつ高鳴りだす。  
「そんな事ないですよ。先輩がバスケ部に戻ってきて、みんな本当感謝してるんですから。  
あの夏はホント最高の夏でしたよ!あたし先輩がいてくれて良かったなって思ってます」  
あたしが笑顔で言うと、先輩の表情も和らいでいくのがわかった。  
「そうか?彩子、お前ってイイ奴だなぁ〜」  
 
その日からあたしは、授業が終わってから急いで体育館に行くようになった。先輩に少しでも会いたかったから。  
先輩は、相変わらず部員達が来る前に練習してたから会える時間なんて少ししかないけど、それでも嬉しかった。  
あたしはもう自分の気持ちに気づいていた。三井先輩が好きだって事に。  
先輩はシュート練習して、あたしは部活の準備をする。  
会話を交わす事なんてそんなにないけど、もうすぐ卒業してしまう先輩と同じ時間を過ごしていられるので満足だった。  
 
「三井さん大学決まったんだって。彩ちゃん知ってた?」  
「えっ?」  
「東京の大学に決まったらしいよ。バスケ続けるから通いも大変だし、寮に入るんだって。  
だから今色々と準備で忙しいみたい。でもあの人もすげぇよな。バスケで入学決めたみたいだよ。・・・って彩ちゃん聞いてる?」  
「え、あぁ聞いてるわよ。お祝いしなくちゃね。それよりリョータ、まじめに練習しなさいよ!あたしちょっと部室に行ってくるから」  
あたしはリョータにそう言って、部室へ走った。頭の中が真っ白で、何が起こったのか理解できなかった。  
先輩が卒業するのは覚悟してた。でも東京の大学に行くなんて、寮に入るなんて考えてなかった。  
それに今日も先輩には会ったけど、そんな事一言も言ってなかった・・・  
あたしは溢れ出しそうになる涙を必死でこらえながら部室まで行く。  
 
 
部室のドアを開けると、そこには三井先輩がいた。  
「おぉ、彩子か。どうした?」  
「あ・・・部誌を取りに来たんですけど、先輩こそどうしたんですか?」  
「俺か?俺はロッカーの荷物まだ全部片付けてなくてよ、もうすぐ卒業だし、片付けに来たんだよ」  
先輩から「卒業」という言葉を聞いて、あたしの心は焦りだす。  
もう先輩には会えなくなる。先輩の事を好きなんだって気づいてからは、自分の気持ちを伝える気なんてなかった。  
先輩に会えるだけで満足だった・・・でも、後悔したくない。先輩にちゃんと自分の気持ちを伝えたい。  
あたしは心を決めて、先輩に話しかける。  
「あの・・・先輩?ちょっと相談があるんですけど、時間ありますか?」  
「あ?今日か?時間はあるけどよ・・・お前今部活中だろ?」  
「はい、だから練習終わった後がいいんですけど」  
「俺も今から担任と進路の事で話があんだよ。それ終わってからなら平気だぜ。それよりなんだよ、相談って」  
「その時話しますから。じゃあ、練習終わったらここで待ってます」  
「おぉ、じゃあ後でな」  
不思議そうな顔をする先輩に別れを告げ、あたしは早足で体育館へと向かう。  
胸に手を当て呼吸を整えようとするけど、なかなか落ち着けなくて大きく深呼吸してから練習に戻った。  
 
練習が終わって、一緒に帰ろうと言うリョータに何とかいい訳をして先に帰らせてから、誰もいない部室であたしは先輩が来るのを待っていた。  
すると急に大きな音をたてて、部室のドアが開いた。  
「わりぃ、彩子。待ったか?」先輩は少し息が上がっていて、急いで来てくれたのがわかった。  
「いや、全然大丈夫です。それより先輩こそ大丈夫でした?」  
「あぁ俺は別に大した事ねぇよ。それより彩子、相談てなんだよ」  
「あ・・・その前に、先輩大学決まったみたいですね、おめでとうございます」  
あたしは素直にお祝いの言葉を口にした。すると先輩は少し困った顔をしながら、頭をポリポリと掻いた。  
「あぁ、ありがとな。これで俺も心おきなく卒業できるぜ」  
そしてあたしは、疑問に思っていた事を思い切って先輩に聞いてみた。  
「あの・・・先輩」  
「あ?なんだよ・・・」  
「なんで・・・教えてくれなかったんですか?大学決まった事・・・」  
先輩はバツの悪そうな顔をしながらゆっくりと口を開く。  
「どうせ・・・宮城から聞くと思ってたしよ・・別に言う必要もねぇかと思って・・・」  
「でもっ、先輩東京に行っちゃうんですよね?寮に入るって・・・。だから一言だけでも言ってほしかったなって・・・」  
あたしはそう言いながら、視界が滲んでいくのがわかった。  
こんな姿を先輩に見られたくなくて、あたしは下を向き、必死に涙を堪える。  
「おい、彩子?・・・どうした?」  
肩を小刻みに震わせ、下を向いたままのあたしを心配して先輩がゆっくりを近づいてくる。  
(ちょ、ちょっと!やだ!先輩にこんな顔見られたくない・・・)  
「おい彩子、こっち向けよ・・・」  
先輩の声が優しい気がした。それでもあたしは顔を上げることが出来ない。  
「彩子・・・どうした?」  
「なっ・・・なんでもないですっ・・・」あたしは下を向いたまま涙声で答える。  
「なんでもなくねぇだろ?いいからこっち向けよ」  
そう言って先輩はあたしの顎に手をかけて、顔を自分の方に向かせる。  
「あっ・・・」あたしは突然の事で目がテンになる。  
すると先輩は少し困ったような顔をして口を開く。  
「全然なんでもなくねぇじゃん。どうしたんだよ、急に泣き出して」  
いつもと違う優しい声の先輩に、あたしは唇を少し噛んで心を決める。  
(ダメよ!しっかりしなきゃ。ちゃんと、自分の気持ち言わなきゃ・・・)  
あたしは先輩の顔をしっかりと見ながら、ゆっくりと口を開く。  
「・・・先輩。あたし先輩の事が好きなんです。ただ、それだけ伝えたくて・・・急に泣き出したりしちゃってすいません。  
なんか先輩が遠くに行くんだって思ったら寂しくなっちゃって。相談があるって言ったのこの事なんです。ほんと迷惑かけちゃってすいません」  
なんとか笑顔を作って、先輩に気持ちを伝えた。三井先輩の顔がびっくりしているのがわかった。  
これ以上ここに居たら、またきっと泣いてしまう。  
あたしはそう思って、「じゃあ、大学に行ってもバスケ頑張ってください」と先輩に声を掛け、部室を出ようとした。  
 
 
「彩子・・・」すると後ろから先輩に呼ばれ、あたしは振り向く。  
「はい?」  
「宮城は・・・宮城の事はどうしたんだよ・・・」  
「は?リョータは関係ないじゃないですか」  
「関係なくねぇだろ?あいつはお前の事好きなんだぜ?」  
あたしは、勇気を出して告白したのにそんな事を聞いてくる先輩に腹が立った。  
「だからって、あたしは先輩に告白しちゃいけないんですか?リョータの事は好きですよ。  
でもそれは友達としてで、あたしが好きなのは三井先輩なんです。  
あんな事があって、あたし戸惑っちゃって・・・でも気づいたら先輩の事すごい気になってて。  
そしたら先輩が“事故みたいなもん”とか“意味なんてない”ないとか言うから、あたしすごいショックで、先輩の事諦めようと思ったんですよ!  
でも東京の大学行くって聞いて、気持ちだけは伝えようって、でなきゃ絶対後悔すると思ったから・・・  
なのになんでリョータが出てくるんですか?・・・信じらんない・・・」  
あたしは涙目になりながらも自分が溜め込んでいた事を口にする。  
「わ、わりぃ・・・でも俺が何も考えてないみたいな言い方すんなよな」  
「だって実際何も考えてないじゃないですか」  
「いいから聞けよ。俺だってな、色々考えたんだぞ。お前に手出しちまって、宮城には会いづれぇし、  
お前がショック受けてんじゃねぇかと思って心配だったしよ。だからお前があんま気にしないようにああいう風に言ったんじゃねぇかよ。  
・・・それに俺は、事故なんて思ってねぇよ・・・あの時は確かに酔ってたけど、俺は好きな女としかやらねぇよ・・・」  
「え?先輩それって・・・」びっくりして涙が止まった。  
「お前は宮城の事が好きなんだと思ってたから、我慢してたんだけどよ、好きな女に裸で抱きつかれたら理性なんて働かなくなるだろ?  
あの後お前様子がおかしかったから、すげぇ悪りぃなぁって思ってて、お前の事早く忘れようって。  
そういうのもあって部の連中が来る前に練習してたんだよ。でも俺も楽しかったぜ、お前と二人で体育館にいる時間が」  
「すいません・・・」先輩の事誤解してた自分が恥ずかしくて、素直に謝る。  
すると先輩があたしに近づき、あたしの頭をポンポンと軽く叩く。  
「お前が謝る事じゃねぇだろ、お互い誤解してたんだしよ」  
先輩の温かい手が心地良くて、その温かさをもっと感じたくて、あたしは先輩に抱きつく。  
「お、おい!何してんだよ!」先輩の鼓動が速くなるのがわかった。  
「だって先輩の手ってすごい心地良いんですもん。なんか離れたくなくて」  
「・・・お前、また俺の事誘ってんのかよ?」  
先輩はそう言いながら、あたしをしっかりと抱きしめる。  
「えぇ!?ち、違いますよ!ただ、先輩も同じ気持ちなのが嬉しくって、先輩の手が温かくて、なんか離れたくないなぁって思っただけですってば!」  
あたしは顔と耳が熱くなるのがわかって、一生懸命抵抗するけど先輩の力が強くてかなわない。  
「もうおせぇよ」  
 
 
そう言って先輩の顔が近づく。とても優しいキス。  
何度も何度も唇を合わせ、先輩の舌が侵入してくる。深いキスだけど先輩のキスは優しくて、頭がボーッとしてくる。  
するとあたしの唇を指でなぞりながら、先輩が口を開く。  
「お前、いい唇してるよな」あたしはまた顔が熱くなる。  
「ちょっ、何言ってんですか!?それより誰か来たらどうすんですか?」  
「大丈夫だって、誰も来ねぇよ・・・」  
先輩はそう言って、部室の明かりを消してあたしにキスする。あたしのブラウスのボタンをはずし、あたしを机の上に座らせる。  
ブラを外して、あたしの胸を先輩の舌が舐める。  
「あっ・・・」  
「あんまでかい声出すなよ」  
先輩はそういいながら、胸の突起物を口に含む。下でコロコロ転がしたり、軽く噛んだりしてあたしを刺激する。  
その度に出そうになる声を我慢して、先輩の肩に顔を埋める。すると先輩の手がスカートの中に伸びてくる。  
あたしのアソコはもうすごく濡れてたから、先輩に触られるの恥ずかしくて、あたしは咄嗟に腰を引く。  
「なんだよ?嫌なのかよ?」少し不安そうな顔をして先輩が聞く。  
「・・・そうじゃなくて・・なんか恥ずかしくて・・あたしすごい感じちゃってるみたいで・・・」  
すると先輩は少し笑いながら、あたしの頬や瞼にキスをする。  
「良いじゃん。もっと感じてるとこ見せてよ」  
先輩はそのままあたしの下着の中に指を入れる。すでに濡れているそこは先輩の指を簡単に呑み込んでしまう。  
「あぁ!」快感に背中を反らすと、先輩があたしの腰を掴み指を奥深くまで入れてくる。  
クチュクチュと卑猥な音を立てて、あたしの中をかき回す。  
「はぁ・・・んんっ」先輩の手は速度を増し、ズンズンとあたしの奥を突いてくる。  
「あぁ・・・先輩・・・イヤ・・ダ・・・ダメ・・・」  
あたしは先輩の手を掴み、止めようとするけど先輩は止めてくれない。  
「イキそうなんだろ?イっていいよ」  
「あっ!んん・・あぁ!」  
絶頂を迎え呼吸を整えていると、先輩があたしの腕を掴むと床に寝かせる。スボンと下着をおろし、あたしの頬をそっと撫でる。  
「彩子いいか?」あたしが頷くと、先輩はあたしのスカートを捲り、下着をおろす。  
先輩の大きくなったモノがあたしの割れ目をなぞり、中がヒクヒクするのがわかった。そのまま先輩は腰をすすめ、あたしの中に入ってくる。  
「あぁ・・・はぁぁ!」  
「うぅ・・・彩子・・温けぇ・・・」すると先輩は腰の動きを速め、あたしの胸に顔を埋める。  
「はぁ、はぁ・・・」  
「彩子・・・すげぇ・・いいよ・・・」  
「先輩・・・好き・・・」  
先輩はあたしの片足を自分の肩に乗せ、深く腰をおとす。速く深く突かれ、あたしは限界が近くなる。  
「あぁ!先輩・・・あたし・・もうダメです・・・」  
「あぁ・・・俺も・・イキそう・・」先輩が更に腰を速く振り、二人で絶頂を迎える。  
「あぁ!!」  
「う、あぁ・・・」  
先輩の白い液体があたしのお腹の上に出される。すると先輩は近くに置いてあったスポーツタオルで、あたしのお腹を拭く。  
「ちょっと!先輩なにやってんですか?」あたしはびっくりして体を起こす。  
「は?何ってなんだよ。お前の腹汚しちまったから拭いてんだろ?俺の優しさに文句つけんのかよ」  
「そうじゃなくって!それ誰のタオルですか?」  
「あぁ?わかんねぇよ。・・・しょうがねぇだろ?適当なのがなかったんだからよ。後で捨てとくよ」  
「捨てとくって・・・」あたしが小さく溜め息をつくと、先輩があたしの腕を掴みあたしを抱き寄せる。  
「え?先輩?」  
「お前さぁ、もうちょっと余韻に浸ったりできねぇのかよ?」先輩があたしの頭を優しく撫でる。  
「だ、だって先輩が・・・」  
あたしは照れて何も言えなくなってしまう。  
「さっきは泣いてたくせによ」ハハハ、と笑いながら先輩が言う。  
「それは!」あたしは先輩から体を離し、先輩と向き合う。  
すると先輩は真剣な顔をしていて、ゆっくりと口を開く。  
「彩子、俺お前とのことちゃんと宮城に言うつもりだから」  
「え?」  
「お前との事ちゃんと考えてるから、宮城には俺の気持ちちゃんと言いたいんだけどいいか?」  
「はい・・・あたしもちゃんと言うつもりですから・・・」  
「それと・・・宮城の原チャのケツには、もう乗るなよ」そう言って三井先輩は、あたしにキスをした。  
 
 

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