最初は眺めているだけで良かった。
汗を流しなが懸命に練習に打ち込む姿や、仲間と馬鹿みたいに笑う姿。
時折私に微笑んでくれるその笑顔が余りに輝かしくて、こっちまで嬉しくなってしまう。
あの人の姿を見ているだけで、嫌な事も辛い事も忘れられそうな気がした。
それが今となっては胸を締め付けるだけで、呼吸さえ出来ないくらい苦しくて
考えたく無いのに、気付けばあの人の事ばかり想っている。
そう、24時間いつだって。
貴方は私の事、只の都合の良い女としか思って無いでしょうね。
分かっているからこそ、余計に想いが募る。
こんなに辛いなら貴方と出会わなければ良かった、最近ではそんな事すら思う。
きっと病気なんだと感じる。
世界が滅びて私とあの人だけの世界になればいいのに。
欲望が増して行く自分を止める術を知らない。
誰か、助けて―――。
夏休みに入って幾日か過ぎた頃、今日は特に日差しが強く、湿気と熱気、
それに加え男だらけのこの体育館はより一層暑さを増した。
誰一人暑いと愚痴を言わず、練習に打ち込む姿関心しながらも
余りの暑さの所為で倒れそうになるのを彩子は必死に堪えた。
マネージャーの、しかも動いていない自分が体調を崩すなんてメンバーに失礼である。
しかも明日は陵南との練習試合ともあり、全員気合が入っていた。
「おい、大丈夫か?」
気が付けば彩子はしゃがみ込んでいた。
頭上から声がしたと同時に顔を上げると、汗を流した三井の姿があった。
「ぁ…先輩…すいません。平気です。練習続けて下さい」
「そんな事言ってもマネージャーがこんな状態じゃあ、練習に打ち込め無いぜ」
苦笑いを浮かべる三井に心底困る彩子。
「いいです、平気です。明日は試合なんですよ?
練習試合と言えども相手は仙道率いる陵南ですからね…気にしないで下さい」
感情の無いセリフを並べた。
遠くからリョータの「彩ちゃ〜ん、保健室行きなよ〜〜!」という声がする。
どうして三井先輩がわざわざ来てくれたのだろう、とついつい深読みしてしまう。
そういえば、暑さの所為だけじゃ無い気がする。
朝から身体がだるかったが、素知らぬ振りをして家を出て来たのだ。
「みっちー、早くー!」
花道の声がした。
「はら先輩、桜木花道が呼んでますよ?ただ暑いだけですから…ホント平気なんで…」
成るべく側にいて欲しく無い、早くあっちに行って。
「ふぅ〜、本当素直じゃねーのな」
三井はそう言うと彩子の腕を無理に引っ張った。
男の骨ばった手と大きな手が彩子の身体を軽々と持ち上げる。
「せ、先輩…!な、な、何ですか!?」
「保健室?」
三井はそれだけ言うと戸惑う彩子を体育館から連れ出した。
背後で男達の声が聞こえる。
「三井さーん!俺が行きますよ!」とリョータが叫んだが三井は手を振った。
「37度8分…こりゃ完璧風邪だな…無理すんじゃねーよ」
保健室のベッドで無理矢理寝かされ、遂には体温計で熱まで測られた。
三井は呆れ顔だったが、この熱は風邪の所為じゃ無いかも、彩子はそう思う。
おかしい、おかしいに決まっている。
こんなに近くに彼を感じたのは初めてだったし、
どうしてこの人の前だと素直になれないのだろう。
目を合わす事すら恥ずかしくて、言葉を交わすのでさえ億劫になってしまう。
本当、狂っているんじゃないかと自分でも思ってしまう程で。
「す、すいません……こんな時に風邪なんて…明日までには絶対治しますから」
「ま、無理すんじゃねーよ。今日はもう帰れ」
三井はそう言うと彩子の頭をぽんぽんと撫で、保健室を後にしようとした。
「あ!先輩…!あ、あの…ありがとうございました」
「おう」
何気ない会話だが彩子にとってはとても重い一言。
布団に潜ると馬鹿みたいに顔がにやけ、先程撫でられた頭に触れてみた。
思わず、声を出して笑いそうになるのを必死に堪え、彼の顔を思い浮かべる。
あー…私完璧恋してるわ、三井先輩に。
どうしてだろう、何で彼なの?
何時の間にか目で追っていて、気が付けば気になり出して。
素直に想いをぶつけて来るリョータとは全く正反対で
ぶっきら棒で言葉使いも悪いけど本当は優しくて、頑張り屋で…しかもカッコいい。
ヤバイな…部活で恋愛なんて御法度みたいなもんなのに、練習に響かなきゃいいけど。
って!私何妄想してるんだろ、先輩は私の事なんて眼中無いだろうに。
「はぁー…こんなんじゃ熱下がらないじゃない…」
翌日、無事熱も下がり、彩子は元気に部活に顔を出した。
陵南との試合は2点差という接戦で、何とか湘北が勝利した。
「やっぱこの桜木花道のおかげっすねー、ね?彩子さん?」
「阿呆が…お前ほとんど試合に出てねーし」
「ふふふ…流川やきもちはみっとも無いぞ、やきもちは」
「勝手にほざいとけ」
やけに機嫌の良い花道と相変わらずの流川。
夕暮れ迫る帰路で不意に目を反らすと、嬉しそうに笑う三井の姿が彩子の瞳に写る。
彼の姿が彩子には眩しくて、思わず昨日の事を思い出す。
「何ニヤけてんの?彩ちゃん」
「え?あ?ははっ……つい嬉しくて」
リョータは鈍感だし、誰もこの想いに気付かなくていい。
自分の中にそっと閉まって置こう。
淡い恋心はいつしか開花していて、枯れる術を知らないだろう。
せめて先輩がいるまでは好きでいさせて――、夕日を背に彩子は心から願った。
それから何日か過ぎた日、相変わらず暑い日々が続き、男達の練習も同じように続いた。
彼にタオルを渡す時でさえ、緊張してしまい、心無しか震えているような気もする。
避けているつもりは無いが身体が反射的に三井を避けてしまうのだ。
好きだからこその行為に彩子自身も戸惑った。
本当はもっと話したいのにそれが上手く出来ない、そろそろ嫌気がさしてきた来た。
「なぁ?お前最近変じゃない?」
「え」
「なんつーか避けてない?俺の事?」
「え?何言ってるんですか?至って普通ですから」
ある日、練習の後、三井が尋ねて来た。
一瞬、心臓が飛び出てしまうのでは無いかというくらい彩子は驚いたが
平然を装い、素っ気の無い返答をする。
「…普通じゃねーって…俺何かした?…何かしたなら謝るけど」
「だから…普通ですよ…いいから、もう帰って下さい。先輩には関係無いですから」
思わず出てしまった言葉にはっとして口に手をやる。
無表情な上にこんなセリフ、誰が見ても怒っているようにしか見えないだろう。
内心は違うのに、こんな言葉言いたくないのに。
ただ彼が隣にいるというだけで鼓動がいつもの100倍早く鳴っているような気がした。
「……あ、そう…」
先程までとは違う明らかに低い声で呟くと、
三井は持っていたボールをおもむろに床に叩き付けた。
ビクっと彩子の身体が強張る。
静まる体育館は気が付けば、他の部員は誰もいない。
いつも彩子を待っていたリョータは今日は体調不良で練習に顔を出さなかった。
「別にどーでも良いけど、そんな態度止めた方がいいぜ」
すっと立ち上がり、彩子の前を通り過ぎた。
足早に体育館を歩くバッシュの音がスローモーションで彩子の鼓膜に響く。
胸が抉られたように痛む、きっと嫌われる。
いや、もうとっくに嫌われたかも知れない。
心臓が爆発しそうだ。
「ま、待って!!」
気が付けば、三井の手を取っていた彩子。
自分でも分かるくらい顔が赤く染まり、涙で視界が滲んで行く。
「違うんです…あ、あたし………なんです……」
「え?」
「す、好きなんです、先輩の事…ずっと前から…だ、だから……避けてたんです…
好きだから……あんな…態度しか取れなくて…すいません……」
一生閉まって置こうとした想いを伝えてしまった。
声は情けない程震え、足まで震えているのが分かる。
怖くて三井の顔を見る事さえ出来ない。
「あ、あはっ…ごめんなさい…忘れて下さいっ…」
「………そう…で?」
「で?って…だから……忘れて下さい…!」
「……俺も好きって言ったらどうする?」
「はい?」
訳が分からず、彩子は思わず顔を上げる。
その瞬間、視界が暗く染まった。
何が起きたのか理解出来ない、目を開けば三井の顔が触れるくらい側にあり、
大きな手がすっぽりと彩子の頬を覆っていた。
更に唇が塞がれ、息をする暇も無い激しい口付けへと変わって行った。
「…ちょ…先輩……やだっ…止めてっ……」
三井のいきなりの行動に戸惑いを隠せない。
拒んでも拒んでも、止まないそれは余りに熱く、蕩けてしまいそうで
絡み合う舌と、頬を伝う唾液が大人の口付けだと思わせる。
支えきれない彩子は武舞台へ体重を預ける。
三井の舌が首筋へ這うと、ぞくっと鳥肌が立った。
「せ、先輩…!待って…!こんなの…嫌です!離して下さい…!」
心の底から三井を想っている、しかしこんな状況望んでいなかった。
それに三井の気持ちも曖昧で、自分の想いが純粋だからこそ彩子は余計拒んだ。
「……お前俺の事好きなんだろ?…俺も好き。何か文句あんのか?」
「え…嘘…ですよね?しかも文句あんのかって…
ただヤリたいだけなんじゃないんですか!?」
「あぁ!?細かい事言ってんじゃねーよ、犯すぞ」
「はぁ!?何言ってんですか!今真に犯そうとしてましたよね?」
「あー、うるせぇな…細かい事言ってんじゃねーよ!」
信じられない、絶対嘘だと思った。
だって先輩の表情はいつもと同じ、もし私と同じ想いならもっと顔が赤くなったり
恥ずかしがったり、どもったりする筈。
それでも、心の底で(あー、この人は無表情なんだ、
こんな表情してるけど本当は照れてるんだ)そう期待を抱くしか無かった。
それくらい好きだったから、ヤリ目なんて思いたく無かった。
三井は無理に彩子の手を引き、物置へと連れて行った。
微かに埃臭いそこはマットやボールがおもむろに置いてあり、
学生同士が情事を交わすのにはうってつけの場所なようにも思える。
三井はマットの上に彩子を組み敷くと、先程の続きを誘うように
首筋に舌を這わせ、服の上から乳房に触れた。
「ちょ…せ、先輩…ん…駄目…いやっ…」
「…ほんとは嫌なんかじゃねぇだろ?つーかお前初めてじゃないよな?」
首を振る彩子を見て、三井は驚いたように目を開いた。
「マジ?嘘っ…宮城とヤリまくりだと思ってたし。
ま、直ぐ良くなるから大丈夫だよ」
胸が軋むように痛んだ。やっぱりそういう目的だったのね。
それに、先輩は嘘を付いているから。
それでも、この一瞬を手放したくなくて、彩子は三井の背に腕を回した。
「先輩……好き…大好き…」
そっと呟いた声は三井に届かないくらいで、目尻から伝う涙が頬を濡らした。
三井の舌先が耳たぶを擽り、再び首筋をなぞる。
背筋にぞくっと悪寒が走り、彩子の白肌には薄っすらと緊張の汗が滲んでいた。
「…ん…ふ…ぅん」
擽ったいような、痒いような感触が甘い声となって漏れ出る。
しかし、心の奥は枯寂であった。
何人女を抱いて来たかは分からないが、その慣れた手付きが酷くそう思わせる。
何の感情も抱いておらず、ただやりたいような気がする上に
自分の気持ちを弄んでいるようにも見えた。
それでも彩子には三井を拒絶する事は出来ないのだ。
三井の骨ばった指がTシャツを捲り上げた。
「胸でけーな」
下着に包まれた彩子の胸は、仰向けになっているのにも拘らずその大きさを損ねていない。
三井は彼女の背に腕を回すと慣れた手付きでブラジャーのホックを取った。
「恥ずかしいから…あんまり見ないで下さい」
体育館の物置という薄暗い空間だが、彩子の白肌は浮き立つくらい良く見える。
ブラジャーを取ると豊満な乳房は更にその白さを強調し、三井の雄を煽った。
「ぁっ…」
人差し指でゆっくりとなぞり、きつめに揉みしだくと、彩子の口から甘い声が聞こえた。
三井の大きい掌でも包み込めない程大きく、それでいて余りに柔らかい。
恐らく誰も触れた事が無いであろう彩子の乳房が徐々に桜色に染まって行った。
決して盛の付いた犬のように貧欲では無く、落ち着いた様子で行為を進めていく三井。
それは彩子が抵抗を示さないからであろうが、どうせなら酷く抱いて貰った方が良かった気がする。
「……です。…三井先輩がこんな酷い人とは…思って無かったです…」
掠れた声でとぎれとぎれに呟いた。
彩子は三井の目を見る事が出来ず、自分が敷かれているマットの上に涙を流すだけだった。
665 名前:三井×彩子 投稿日:2006/07/13(木) 05:49:37 /E/qeoVL
今更、拒んでも意味が無いのは十分承知だし、
こんな風に抱かれようとしているのに心底拒絶していない自分がいる。
むしろ、好きな男に抱かれるのを何処かで喜悦している。
そんな自分が酷く汚らわしい気がして。
「酷い……私の気持ち…弄んでるんですね……」
抵抗している様を少しでも見せたかったが、その考えもまた汚く思えた。
三井の手が一瞬止まるが、それも直ぐだった。
「何言ってんだよ…、弄んでなんかいねーよ。さっきも言っただろ?好きだって」
「やめて…嘘付かないで…!」
「……嘘じゃねーってば。…好きだよ、彩子」
どの言葉も脆い鍍金のように剥がれ落ちてしまいそうだ。
外見だけ着飾っていても、中身まで偽る事は出来ない。
しかし分かっていても、耳元で囁かれる甘い嘘に悦びを感じてしまう。
罠だと分かっているのに、自ら嵌って行く愚かな自分が酷く情けなく思えると同時に
それでも三井が好きという気持ちはやはり不変だという事を嫌でも思い知らされる。
ごつごつとした骨ばった指先が髪を擽り、頬を撫で、唇をなぞる。
その優しい手付きが彩子を何処までも翻弄させた。
「ひゃっ…」
指先が徐々に下へ降りて行く。
三井は甘い言葉を囁きながら、彩子の柔肌に指を這わせた。
脇腹をなぞると、くすぐったいのか彼女の声が上擦り、千房を口に含むと更に声は大きくなった。
恥辱の所為か、恥じらいを見せるように僅かに腰をくねらせ、三井の肩をきつく掴む彩子。
「お前本当初めて?めちゃくちゃ感度良くねー?」
舌先で乳首をつつきながら、三井はからかうように言った。
余りに恥ずかしくて、彩子は頬を紅潮させながら首を振るうだけだ。
この男はずるい。
私が拒めないのをいいのに、好き勝手して。
このままだと永遠にこの男の言いなりかも知れないわ。
それでも、少しでも私を見てくれるならそれでいいかも知れない―――。
徐々に下がって行く三井の指がいつしか太ももをなぞっていた。
緊張と、この蒸し暑い空間で彩子の肌は熱を帯び、湿っている。
同じように三井の肌も濡れていた。
先程まで練習で汗だくになっていたのに
その汗は引いていて新しい汗が浮かんでいるように彩子には見えた。
「ぁ…そこは」
太腿を通り、短パンの裾から指を侵入させる。
閉じられている最奥に下着越しから指でなぞった。
「濡れてるぜ」
三井の言葉はどれも卑猥にしか聞こえなかった。
耳元で囁かれる声は普段より低く掠れており、
電流が走ったように背筋がぞくっとなり、鳥肌が経つような快感を覚えてしまう。
「ぁ…駄目…やだ…」
三井の指が下着越しにいやらしく触れられる。
自分でも濡れているのが嫌でも分かった。
「嫌なんかじゃ無い癖に」
僅かに口角を上げて妖しく笑う様が憎たらしい。
楽しそうに彩子の短パンを下着ごと脱がせると、三井は閉じている脚を無理にこじ開けた。
「やっ…見ないで下さい…やだ」
恥辱の余り、手で顔を覆う彩子。
薄暗くても目が慣れた所為で良く見える。
彼女の秘所は幼い少女のように美しい桜色をしており、それでいて厭らしく濡れている。
鼻腔を刺激するその香りは女特有のモノで一気に欲が滾った。
「お前、普段は強気な癖に……めちゃくちゃそそる」
柔らかい肉襞に指を這わし、突起を指の腹で刺激すると彩子は猫のように鳴いた。
指に絡み付く液体がどろっとしていて、余りにも淫猥である。
三井は彩子に見せ付けるように目の前に指を差し出した。
「ほら…すっげー濡れてる」
「やめて…」
厭らしい笑みを零すと、再び見せ付けるように三井は指を口へ運んだ。
真っ赤な舌をちらりと覗かせながら、それを舐める仕草は酷くエロティックに見えた。
(もう…やだ…本当だめ…恥ずかしい…耐えられない)
思っていても最早言葉は出て来ない。
全てが斬新すぎる。
それでいて、普段の三井からは想像出来ない様に彩子は戸惑いを隠せない。
しかし、それに興奮を覚えているのは事実であった。
「甘い」
耳元で囁かれる卑猥の言葉にかぁっと顔が熱くなる。
こんな恥ずかしいセリフ良く言えるわね、と思いつつも彩子の胸は熱くなるばかりで。
ずっと見れなかった三井の瞳をおそるおそる見てみると、
普段より優然としている割に何処か憂いの色を帯びている気がして、
こんな状況なのに切ないくらい彼を愛しく感じた。
投下遅い上にやたら長くてすいません!
続きはまた今度。
「ん…ぁっ…」
ぬるぬるとした液体が太腿を濡らしているのが分かる。
下半身がじんわりと熱を帯びて来たのだ。
三井の指がねっとりとした動きを見せ、彩子の肉壁を弄る。
決して激しく無いその動きは、確実に彩子を快楽へと導き、
徐々に染まる頬と上がる吐息を隠せない。
今まで体験した事の無いその快感に、彩子の思考は奪われそうだった。
いやらしい水音が木霊しているかのように鼓膜に響く。
この静まり返った物置だからこそ、その音は余計強調された。
「あぁ…っ――」
僅かな痛みが秘部に走る。
彩子の指の倍の太さはあろう、筋くれ立った男の指。
ごつごつとしたその骨ばった指が彩子の膣内を弄った。
「はぁっ…ぁ…ちょ…やだ…先輩…やめて…やっ…」
膣内の肉を押しのけるように進む異物に彩子の身体がしなる。
痛みの中に生まれる快楽を求めて自ら腰をうねらせいるようにも見え、
口から出る否定の言葉とは似付かぬ姿であった。
「嫌だなんて思ってねーんだろ?身体は正直だな」
「違う…んぁ…あっ…やだっ…こんなの…」
指を増やされ、襲ってくる快感に更に腰をよじる彩子。
三井は楽しそうに愛撫を続けながら、彩子の千房を口に含んだ。
既に硬くなっている先端を強く吸われると、下半身から来る快感と相まって痺れるように熱くなる身体。
肌が敏感になっているのか、三井の髪が喉や鎖骨に触れるだけでも身体が熱くなり、鼓動が乱れる。
「おいおい…もうびちょびちょじゃねーか…
それにお前、相当エロイ顔してるぞ。そんなに気持ちいいのか?」
三井の声が笑っているのが分かる。
好きじゃなかったら顔面に蹴りを入れたいところだ。
しかし、今はそんな事を考えている余裕さえ無いくらいで、
愛撫が徐々に激しくなるにつれ、喘ぎの声が艶を増した。
「はぁ…ぁ…先輩…?」
重なっていた三井の身体が一瞬離れる。
軽くなった自分の身体と離れていく熱に名残惜しさを感じながら
瞳を開いた瞬間、鋭い痛みが下腹部に広がった。
「ぁ…――――っ!!」
それはまともに声も出せないくらいの痛みで。
一瞬何が起こったのか分からなかったが、
先程の指よりも遥かに大きい質量で体内を突かれているのが分かった。
「あ、言うの忘れてた」
悪びれもせずに素っ気無く呟くと、三井はゆっくりと腰を突き上げる。
徐々に侵入を果たすそれは、酷く熱く体内が焼かれているのではないかと錯覚する程だ。
「あぁっ…!いや!痛いっ…!やめて!!お願い!!」
あまりの痛みに涙を流しながら彩子は懇願した。
結合部分へ目をやると悲痛にも破瓜の血が愛液と共にマットを汚している。
嗚咽を漏らし震える彩子も見て、流石に三井も身を引こうとしたが、
ここまで来ては身体が止まらない。
それに加えて、女を無理に犯すという征服感に僅かながら昂揚している自分がいるだ。
今まで女に不自由した事は無かったが、ここまで泣き叫ぶ女もいなかった。
まるで悪魔に取り付かれたように、三井の中で膨れ出す加虐心は
彩子が泣き叫ぶ度に徐々に煽られて行く。
「我慢しろよ、痛いのなんか最初だけだ」
優しく彩子の髪を梳かし、口付けをすると
最奥まで届いていなかった自身を思いきり突き上げた。
「いやぁ―――!!」
肉が割れる音が聞こえるかのようだった。
彩子は嗚咽を漏らし、ただ泣き叫ぶだけで。
そんな彼女を見て見ぬ振りをし、
三井は彩子の身体が壊れるのでは無いかというくらい何度も腰を突き上げた。
「処女って久しぶりなんだけど…すっげー」
自身を締め付ける肉壁は余りにも気持ちがよく、彩子が身体を捩る度にそれは収縮され、
痺れるような快感と蕩けてしまいそうな熱が全身を襲う。
粘膜の擦れる音と肌がぶつかり合う乾いた音が、
煩いくらい響いているこの空間では全てが無駄に感じられた。