「テーピング用のテープも買ったし、コールドスプレーも買ったし…これで全部ね」
彩子は部活を晴子にまか備品の買い出しに、数が豊富な少し遠めのスポーツ用品店にきていた。
「まだ明るいけど、こんな時間かぁ…」
時計は18時をまわっていた。
夕焼けがきれいな海沿いの道を歩いていると、たまにしか来ないせいか新鮮さを感じる。
赤城、小暮が引退し宮城率いるバスケ部は桜木も戻り活気にあふれている。
「晴子ちゃんも入ってくれたし、がんばらなきゃ!」海を見ながら清々しい気持ちで改めて思った。
「あれ?」
向こう側から知ってる顔が歩いてきた。
「ん?」
相手も気づき立ち止まる。
「牧…さん」
あぶなく呼び捨てにするところだった。
「湘北の…」
「…こんにちわ」
久しぶりに見る顔。とはいえ、特に親しくないため、立ち止まったところで次の言葉がうかばない。
「買い出し?」
「あ…そうなんですよ。備品の。」
「ずいぶん遠くまでくるんだな」
牧の醸し出す、オーラのような雰囲気にのまれそうになる。
試合で見た彼とは全く違う雰囲気だったが、ひとつしか年が違わないとは思えない雰囲気だ。
「今帰りなんですか?」
「そう。」
彩子は海南がこの付近だったとようやく気づいた。
「あ…じゃぁ…また…」
ぎこちなく会話を終わらせ、歩きだした。
「あのさ、」
声に振り返る。
「時間ある?」
「はい?」
いきなりの問いに戸惑う。
「学校に戻る?」
「あ…いえ。戻りません」
とっさにそう出てしまった。
「じゃぁ、ちょっとついてきて」
歩き出す牧。
なに、なんで?!
大して話したこともないんだけど!
彩子は混乱しつつもついていく。
5分くらい歩くと、そこは見晴らしのいい場所だった。
「あのー」
「ほんとについてきた」
「は?」
キョトンとする彩子に気にせず牧が続ける。
「ここにくると息抜きって感じなんだよな。普段はなかなかこれないけど。」彩子は意図が全く読めず、芝に座る牧を見る。
静かな海をみつめる牧の横に彩子も座る。
全く訳はわからないがなぜか自然に座っていた。
「すごくいいところですね」
「だろ?」
不意に見せた牧の笑顔にドキっとした。
なんで? いろいろ疑問は湧くが、なんだかすごく落ち着く。
特にたくさん会話をするわけではなかったが、彩子は心地よさを感じていた。
「いつもは一人で来るんだけど、あんたの顔みたら誘ってた」
「そうですか」
もう理由なんかどうでもいいや……
………
「遅くまでひきとめちゃったな」
「え?あっもう8時?」
ゆっくりとした雰囲気ですっかり時間を忘れていたが、もう暗くなっている。
「じゃあ、あたしはこれで…わっ!」
牧は立ち上がろうとした彩子の腕を引き寄せ、そのままキスをした。
またしても彩子は状況がのみこめず、ただ驚いた表情しかできない。
そしてもう一度。
理解はできないが、抵抗しようとも思わない。牧の雰囲気は心地よく、理由なんていらないと思わせるものだった。
そのままキスをして、牧の手は彩子の胸に…
ワイシャツのボタンを外しスルリと中に入ってくる。
「…はぁ」
もう彩子は完全に体をあずけていた。
触られる部分は全て敏感に感じてしまう。
意外にも優しい扱いがまた心地よかった。
自分でもわかるほど、濡れてしまっている部分にゆっくり指が入る。
「ぁ…んっ…」
だんだん早くなる指に意識は遠くなりそうだった。
そして指が抜かれ…
「ゃあっ…」
「痛い?」
中がすごく熱い…
やはり最初はひかえめだったが、だんだんと強弱がついてくる。
彩子は牧にしがみつき、その快感に耐えていた。
「我慢しなくていーから」
その一言で彩子は耐えきれず、絶頂を感じた。
だが、それでもまだ強弱は続く。
ほんと…やばい…
何度も突かれ感じすぎる。
熱い液がかかるころには、彩子はほとんど動けなかった。
「平気?」
ぐったりとしてる彩子に牧が問いかける。
さすが…タフ…
彩子は牧を見上げた。
「平気になったら駅まで送るから」
サバサバと冷たい感じだが、なぜか嫌な気がしない。
「変なの」
思わず口に出る。
牧がまたフッと笑う。
あぁ、この笑顔があるから許せるんだな…
「じゃぁ気をつけて」
「あ、はい」
駅まで送ってもらい、牧とわかれる。
「また今度な」
そのセリフにドキっとしつつ彩子はホームに向かった。
神奈川No.1か…
あの人には勝てないわ…
電車から海をながめ、彩子はまたいつもの日常にもどった
END