「おつかれしたっ!」  
湘北バスケ部の練習は、その日も20時過ぎまで行われていた。  
 
「結局最後まで見学しちゃったね」  
「最近、全国大会近いし、すごい熱気あふれる練習だから見入っちゃうよねー」  
春子と藤井と松井は、その日練習が終わるまで見学していた。  
「春子さーん!!」  
「あ、桜木くん!おつかれさま!」  
 
春子と桜木が話している横で藤井は周りを眺める。  
宮城と彩子、赤城、小暮、流川…  
「あれ?」  
 
探した姿は体育館内にいない。  
 
藤井は春子たちの元を離れ、体育館からでた。  
 
 
ジャー…  
水の音がしている方に近づく。  
渡り廊下の水道に人の気配。  
そっと覗くと、そこに探していた姿があった。  
 
「…おつかれさまです…」  
「おわっ?!なんだよ!びびったー!」  
 
男は驚いた表情で振り返る。  
「気配しなかったぞ!ってかこんな遅くまで見学かよ。好きだねー。」  
 
「なんか見入っちゃって…あれ?三井先輩、足ケガしたんですか?!」  
 
三井は右膝を水道の水で冷やしていた。  
「いや、古傷。今日ちょっと調子悪かったからな。」  
「大丈夫ですか?」  
 
藤井はここ最近、春子につきあって練習を見学している時に、三井のことをいつも目で追ってしまっていた。  
 
バスケ部に乱入したとき…バスケがしたいと泣きくずれた姿、翔陽戦の三井が忘れられなかった。  
「まー大丈夫。あ、流川帰っちまうぞ!」  
「え?」  
どうやら藤井も流川目当てと思っているようだ。  
「じゃーな」  
 
そう言い残し三井は部室の方へ歩いていった。  
 
 
「違うんだけどな…」  
小さく呟く。  
「藤井ちゃん!帰らない?」  
春子が体育館の入り口から声をかけた。  
「あ、うん!」  
慌てて体育館にむかう。三井のことが気になっていることは春子や松井にも伝えていない。  
 
3人で校門までいくと  
「春子さーん!一緒に帰りましょう!」  
桜木が走ってくる。  
 
「…桜木くんは自分の気持ちに正直でいいな…」  
藤井は思わず独り言を言う。  
 
松井がそれに気づき、  
「藤井ちゃんも素直になってみたら?」  
と言った。  
 
「えっ?」  
「まだ、部室にいるんじゃない?」  
松井はそう言ってニコっと笑った。  
 
「え?素直にって?」  
「春子は鈍感だからいーの。」  
二人のやりとりを見て春子と桜木の鈍感コンビはキョトンとしている。  
 
「わ、私、ちょっと忘れ物っ」  
藤井は校舎にむかい走り出した。  
 
 
部室の前まで来たが、そこからどうしていいかわからず部室の前で待つことにした。  
 
なんか勘違いされてるしなぁ…  
やっぱり帰ろうかな…  
 
「ぅわっ!!!なんだよ!またか!」  
ドアが開き、三井がでてきた。  
「2回も驚かしやがって…俺やなんだよ、夜の学校…」  
思わず笑ってしまう。  
「先輩、怖いの嫌いですか?」  
「怖かねーよ!!ってかもう誰もいないぞ」  
 
「…三井先輩のこと待ってたんです。」  
「あん?」  
 
言っちゃったー!ドキドキする!  
 
緊張で少し震えながらうつむく。  
 
 
「なんで?」  
 
そう言われ、何も言えず涙が出てくる。  
やっぱり私には無理。待ってなきゃよかった!  
 
「泣いてる?!いや、なんでって理由聞いただけ! 言い方きつかったよな!わりぃ!」  
三井が慌てて言い直す。  
「ちがっ、先輩はなんにも悪くないです!私が…」  
うまく言葉にならない。元々、積極的な方ではない藤井にとって、こんな状況をどう乗り切ればよいかはかなり難しい。  
 
「と、とりあえず、お前中入れ!」  
三井が部室のドアを開け、藤井を中に入れる。  
 
 
初めて部室に入り、すすめられた椅子にすわる。  
 
「だいじょぶか? ってか原因は俺か…」  
三井は突然の藤井の涙に焦りを隠せずにいる。  
 
「あ、部室くせーよな?」立ち上がり窓を開けた。  
初夏の夜の風がふわっと部室に入ってくる。  
 
「…ごめんなさい、急に…」  
「いや、だいじょぶ。で、なんで俺を待ってたん?」  
 
「先輩のスリーポイント…」  
「ん?」  
「先輩のスリーポイントシュートがすごくて…スパッてきれいにゴールに、吸い込まれていくみたいで。」  
 
藤井はゆっくり話した。  
「最初はすごいなって見てたけど、いつのまにか、試合でも練習でも三井先輩のこと目で追ってて…」  
 
「だけど先輩は私も流川くんがいいと思ってるし、だから自分の気持ちに素直に、桜木くんみたいに、えっと…あれ?なんかグチャグチャになってきた…」  
 
うつむく藤井を三井は思わず抱きしめた。  
 
「じゅうぶん、伝わってるからだいじょぶ。」  
「せ、先輩っ」  
 
緊張で少し震えながらも一生懸命話す藤井を、三井は驚きながらもかわいく感じていた。  
 
 
「そんで、待っててくれたわけか。」  
 
「そ、そうなんですけど、話すことなんて、なんにも考えてなくて」  
 
三井に抱きしめられている自分に意味がわからず、藤井は余計に混乱していく。  
 
「あらかじめ、考えてない言葉の方が本当っぽくていいよな」  
 
「あ、わりぃ!つい。」  
 
三井がパッと体を離す。  
「そんなふうに俺のことを見てくれてる奴がいるってのは、うれしいよ。…俺はすげーバカなことしちまったのに…」  
 
「だけどっ!先輩はあの時もバスケが大好きだったんですよね?!だからあんなふうになっちゃっただけで!」  
 
「ありがとな。ほれ、帰るぞ」  
 
三井がフッと笑い、荷物を持ち立ち上がる。  
 
藤井も立ち上がり、部室を出ようとする三井に声をかけた。  
 
「先輩…もう一度だけ、ギュッてしてもらえませんか?」  
 
 
「え?」  
 
顔を赤くしてうつむく藤井を三井がみつめる。  
 
「おまえなぁ…そんなこと男に言うと、どうなるか知ってんの?」  
 
そう言いながら藤井を抱きしめる。  
 
「わ、私もよくわかんないけど、なんかつい…」  
 
「知らねーぞ」  
 
そう言って三井は藤井にキスをした。  
 
そのままキスを続け、長椅子の方へつれていく。  
わ、どうしよ…  
藤井の頭はもう何も考えられなくなっていた。  
 
三井の手は止まらず、制服のボタンは外され、胸が露わになる。  
 
「待って先輩!は、はずかしい…」  
「ダメ。待たねー」  
 
三井はそのまま胸に顔をおとす。  
「ゃんっ!先輩…」  
 
初めての感覚に戸惑う。  
 
 
三井の手はスカートの奥に入り、器用に下着の中に入る。  
 
くちゅ…  
 
「すげーエロい…」  
「やだっ…」  
 
一番、敏感な部分を触られ、どんどん濡れてしまう。  
 
「わりぃ、我慢できねー」  
三井が手を止め、中に入れてくる。  
 
「いっ…痛っ!」  
 
「だいじょぶ?すげーきつい」  
 
入るときの痛みは想像以上だった。  
だが、ゆっくり様子を見ながらしてくれるため、痛みは徐々にやわらいでいる気がしてくる。  
 
ゆっくり動かされ、思わず声が出る。  
 
「中すげーな。やっべ…」  
少しスピードがあがる。  
 
 
「あっ…先輩っ…はぁ…」  
痛みと快感でぐちゃぐちゃになりながら、三井にしがみつく。  
 
「はぁ…気持ちー…痛いのはわかるけど…」  
 
そう言って三井は一気にスピードをあげた。  
 
「あっっ…まって…!!」  
待つわけもなく、そのまま突き続け  
 
藤井の胸に精液がとんだ。  
 
 
「…はやかったな。わりぃ。部活後だからなって言い訳みたいだな」  
 
藤井はキョトンとする。はやいなどの基準はわからない。  
 
「ほら…ごめんな」  
三井が胸にかかった部分をふいてくれる。  
 
「あ、自分でやります…」  
藤井は急に恥ずかしくなった。  
 
 
帰り支度をし、ふたりで学校をでる。  
 
「だいじょぶか?」  
 
「はい。けど、先輩手慣れてましたね」  
 
「ばっ!手慣れてねーよ!」  
 
藤井が笑う。  
三井も藤井をみて微笑む。  
 
初夏の夜の風はあたたかくも、涼しさを感じさせ心地よくふいていた。  
 
END  
 

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