静かな日曜日の学校。いつもとは違う静かな部室にふたりはいた。
「いやぁ〜、すみません。わざわざ休日に。」
「いいのよ、暇な時部室の整理もして置きたかったし。」
大会前でもない平日の今日。普段にぎやかなバスケットボール部の部室も、今は彩子と花道だけである。
坊主頭が中途半端に伸びてきてうっとおしがっていた花道に、
「散髪しようか?」と、彩子が提案したのだ。
顧問の安西と部長の赤城の許可を請け、部室の掃除を名目にして鍵を預かり、
ふたりで部室の床に、がさがさと新聞紙を轢いている。
「上半身だけでも脱いでおいた方がいいわよ。髪の毛散るからね。」
「ういっす」
着ていたTシャツを脱ぎ、敷いた新聞紙のど真ん中に花道はどすっとあぐらをかいた。
準備のいい彩子は、その間にコンビニの袋から大型のゴミ袋をとり出し、同じく買ったばかりのハサミを入れて、大きな長方形を作った。
それを、座ってる花道の後ろからふわっとかけると首の後ろをガムテープで止めた。
「おお、ケープがわり。頭良い、アヤコさん」
「フフフ。はじめるわよ〜」
ふたたび静かになった部室に、リズムの良いハサミの音が響いた。
5分たったであろうか、ふと顔を覗き込み話しかけようとしたら、
鼻ちょうちんを出しながら花道は眠っていた。
半端、呆れた彩子であったが、すぐにふっと笑みをこぼし、
午後の日差しの入る暖かな空気の中、もくもくと髪を切り続けていた。
柔らかい感触を感じ、心地よさの中うつらうつらしていると頭の上から声が聞こえた。
「おっ、起きたか。」
起き抜けで状況がつかめずにいた花道だったが、何回か頭を撫でる手を感じられるようになった頃、
ようやく自分の置かれている状態を把握した。
彩子にひざまくら。
声にならない声を出し、天井にぶつかるのではないかと思うほど高くジャンプをして飛び起きる。
その様子を見てけらけらと笑いながら、彩子は説明を始めた。
「あんた、座ったまま寝れんのね。あたしが掃除終わってもずっと寝てたわよ。大仏か。」
花道の髪を切った後、部室の整理を始め、更に散らかった髪の毛や敷いていた新聞紙も片付け始めた時、
新聞紙をずらした拍子に、花道の身体がしゃがんでいた彩子に倒れこんだのであった。
さすがに重く、何度も頭をポカポカ殴り抵抗はしたのだったが、ついには諦め、
切ったばかりで手触りの良い髪の感触を楽しんでいたところだった。
「すいません!アヤコさん!ついうとうとと!!」
真っ赤になって弁明を始める花道の目の前に立ち、彩子は片手をあげた。
咄嗟にぶたれる!と思い目をつぶった花道であったが、その手は意に反し、また頭を優しく撫で始める。
「いい感触よね、これ。短いのも似合うわね。」
戸惑いながらその顔を見ると、満足気になでなでする彩子の表情に、複雑に懐かしいものを感じた。
「アヤコさん、ハハオヤみたいっす…」
「あら。あんたのお母様、あたしに似てんの?」
ふと返した言葉であったが、花道の表情が強張り目線を下げたのを彩子は見逃さなかった。
「あら、リョータ。」
「ふぬっっっっ!!!!!違うんだリョーちん!!これはっっ!!!」
「嘘よ。」
首が折れそうなほどの鋭い瞬発力で思いっきり振り返った花道は途端に力が抜け、そのまままた座り込んでしまった。
ふたたびけらけらと笑い出しながら謝る彩子であったが、花道はふてくされて後ろを向いたままだった。
急に花道を鹹かったのは、話を切り替え空気を換えようとした彩子なりの配慮であったが、少し冗談がきつかったようだ。
その後ろ姿の大きな背を黙ってしばらくみつめていると、彩子にだんだんと不思議な感情が沸いて来た。
…なんか、かわいいヤツ。
ちょっかいを出したいという、いたずら心にも似たその衝動を彩子は抑える事が出来なかった。
「ぬ?」
花道が違和感を感じた時にはもう遅かった。彩子は後ろから花道を抱きしめ、右耳を噛み始めた。
「ちょ…!!!!アヤコさんっっっ??!!!」
焦る花道はおかまいなしで、彩子の甘噛みは続く。耳たぶを吸い、耳の穴に舌を入れてきた。
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!!!」
ますます焦る花道であったが、未知の刺激にどうしてよいのかわからずギュッと拳を握って小さく身体を丸めてしまった。
…やっぱり、かわいい。
唇を離し、自由になった耳にフッと軽く吐息をかけるとビクン!と反応した花道。その前に回りこみ、顔を覗いて表情を確かめる。
髪色に負けない位真っ赤になって俯く姿に、なんだかときめいてしまい、今度はその大きな左手を手に取ると、そっと自分の唇に当てはじめた。
「あっ…アヤコさんっ???」
わけがわからないという風に彩子を見る花道に目で笑いかけると、指の1本1本を丁寧に舐め始める。
舌頭で指の腹を刺激し、爪には軽く歯を立てた。指の間をはむはむと唇で噛み、次の指へと刺激は続く。
薄目で真剣な表情の彩子を見下ろしているうちに、花道の中にもふつふつと湧き上がってくる感情が出てきた。
…アヤコさん、エッチだ。
おずおずと彩子の髪を撫でてみたら、視線がぶつかった。
目で微笑まれながら、指にちゅ、とキスをされる。
たまらず花道は彩子に覆い被さり、豊満な胸に顔を埋めた。
しばらくそのまま動けずにいた花道の頭を、また優しく撫でてから、両手でくいっと首を上げさせた。
「見たこと、ある?おっぱい。」
「ないっす。」
ブルブル首を振って即答する花道に笑いかけると、彩子は寝転んだまま両手でブラのホックを外した。
それから、花道の片手を取り、服の裾から自分のわき腹辺りに手を置かせた。
直接触る彩子の肌に緊張しながらも、その手をゆっくり上にずらし、服を持ち上げる。
露わになる艶めかしい乳房。日が暮れて暗くなっているこの部屋では眩しいくらいの肌色。
恐る恐る触ってみると、柔らかく指先が弾力で埋まる。
「やわらかい…。」
両手で鷲掴みにし、もみもみと感触を確かめていた花道であったが、
痛がる彩子の声でいつか桜木軍団みんなでみたアダルトビデオからの乏しい知識を絞り出した。
ぱっと手を離し、変わりにもう固くなっている乳房の頂点に舌を這わせる。
ぎこちない動きに、はじめはくすぐったさを感じていたが、花道のあたえる快感が、どんどん強くなった。
たまらず声を出すと、感覚をつかんだのか、強弱をつけて舌の上で転がしてきた。
「…きもち、いい。」
自分の与える刺激で感じてくれる彩子に、花道は止まらなくなり、スカートの中に手を入れ始めた。
柔らかい、女の子の太腿。その感触も素通りしてたどり着いた、そこ。
1枚の薄い布切れすら歯がゆく感じ、指は隙間をすべっていき、薄い茂みを掻き分ける。
じめっとしたその場所は想像していたよりずっと柔らかく、ただ触れているだけでもなんだか厭らしい。
首に腕を絡ませ、こすって。と言う彩子の囁きにより、触れていた指を上下にこすってみた。
「あっ‥やん……、あぁっ気持ちいぃっ……」
花道は知らなかったが、指は見事にクリトリスを刺激し、彩子の秘所からはどんどん愛液が溢れてきた。
それがまた指のすべりを好くするのを手伝い、くちゅくちゅと厭らしい音を立て始める。
最初はからかい半分であった。だけど、ふたつの若い欲望はもう制御することが出来なくなっていた。
「アヤコさん、もう…。」
あ、挿れられちゃう。そう思った時にはもう、彩子の片足は花道の肩に乗せられ、力強い、、熱い衝撃が身体を突いた。
一瞬息が止まる程の圧迫感を感じ、今までにない拡げられ方をされた大きな楔に痛みを感じたが
眉間に皺を寄せ心配そうに覗き込む花道の顔を見たら力が抜けて、ゆっくり…。と小さな声で呟いた。
その言葉を聞き、従順にゆっくりと腰を動かし始める。
前戯でたっぷりと愛液がでていたおかげで、その動きを円滑に助けた。
暖かなヒダに包まれる初めての体験に花道は限界寸前であったが、いつもよりちょっと高い彩子のかわいい声を、もう少し聞いていたいと願った。
「もっと…、もっとして。ね、もっと深くきて…。」
紅潮する頬、口元に置かれた手、揺れる乳房、そして自分の与える快感に答える彩子の身体。
すべてのことに花道は感動し、そのおねだりを叶えてあげたいと深く、強く突いた。
「あっ!!そこダメぇ!いっちゃうぅっっっ…!!!!」
…上の方でなにかにこすった。花道がナカでそう感じたと同時に秘所はきゅっと締まり、ふたりは同時に果ててしまった…。
「すっかり日が暮れちゃったわね。」
そう話しかける言葉に返事はなかった。花道はまた、後ろを向いて小さくなっている。
静かに手を伸ばし、また花道の頭をしばらく撫でていたら、急に振り返り彩子を抱きしめた。
「けっ…、ケッコンしましょう!!!!アヤコさんっっっ!!」
その言葉に面食らい、大きな目を更に大きく開けた彩子だったが、耳まで真っ赤になってる花道を見上げ
一度ぎゅっと背中に手を回した後、ぽんぽんと叩いてきた。
「あら、晴子ちゃん。」
「ふぬっっっっ!!!!!違うんですハルコさん!!これはっっ!!!」
「嘘よ。」
またもや、首が折れそうなほどの鋭い瞬発力で思いっきり振り返った花道はそのまま座り込んでしまった。
彩子はけらけらと笑いながら手を差し伸べ、
「結婚は、いちばん好きな人としなさい。」
と、言ってにっこり笑うと、ばつの悪そうな顔をした花道を両手で起こした。
…ホントかわいいヤツね。
明日からまたがんばんのよ。と、言って校門を去る彩子の後姿を見送りながら、かなわん。と、花道は思った。
でも、今日のことはずっと忘れない。とも思った。