夏休み、湘北バスケ部は合宿に来ていた。  
IH前という事で、練習試合で弱点を見つけ、それを強化するという目的で静岡に来ているがそれも今日で終わりだ。  
 
彩子はいつも通り朝早くに起きて干しておいた洗濯物をたたんだりスポーツドリンクを作ったりしていた。  
ふと窓の外を見やると灰色の雲が空を覆っている。部屋の中も陰気な感じがする。  
(嫌な天気ね……)  
ため息をつきながら作業を再開した。  
 
 
 
結局湘北は全国ベスト8の常誠に1勝1敗1分という好成績を残し全ての日程を終えた。  
 
バスに乗り込んでホテルに戻る。今日はもう遅いので一泊して明日発つのだ。  
朝からどんよりしていた空がさらに暗くなって大雨が降っていた。  
 
 
「あー疲れた」「俺風呂はいってもう寝よ」  
口々に言う1年生に彩子はおつかれさまでした、と声を掛けた。  
「うわっ!あ、彩子さん、ど、どうもっ」  
美人マネージャーといわれる彩子に声をかけられて顔を赤らめ口ごもる桑田を、彩子はあきれた目で見た。  
「もう、何だかいつまでたっても他人行儀ねぇ。ほら、シャキっとしなさい!」  
そう言いながらバシッと背中をたたく。  
 
「おまえ1年に怪我させんなよ」  
いつの間にか三井が彩子の後ろに立っていた。  
「!」  
驚いて彩子が振り向く。  
「…なんだよ?」  
あまりの驚きように、三井は「?」という顔をする。  
「し、失礼ですね。怪我させんなって、そんなに強く叩いてないですよ」  
「そーか?かなり痛そうだぜ、桑田」  
三井はからかうように笑いながら歩いていってしまった。  
 
 
(な、なに…なんなの?なんでこんなに…)  
心臓がうるさい位に高鳴っている。いきなり声をかけられて驚いたというのもある。  
しかし彩子は自分の顔がほんの少しだが上気しているのに戸惑った。  
話しかけられた瞬間、練習終わりの熱い身体が背中に少し触れたのだ。そして耳に感じた息もまた熱かった。  
その瞬間、彩子は急に、ただの先輩だった彼に「おとこのひと」を感じたのだ。  
今まで三井にそんな感情を抱いた事などなかったのに。  
 
旅館は古く、どんどんひどくなる雨は窓をたたき壊してしまいそうだった。  
この一団の中でただ一人の女性である彩子はもちろん一人部屋なのだが、風呂からあがって部屋に入ろうとして、一瞬ためらって  
しまった。天気が悪いという条件が重なってか、彩子の目にその部屋は不気味に映る。  
(なんか嫌な感じだわ…さっさと寝ちゃおう)  
そう思って布団に入るのだが、風と雨が窓を叩く音や近くに落ちる雷の音でなかなか眠れない。  
(あたしってこんなに小心者だったかしら)  
普段は自分でも感じない弱さを感じながら彩子は起き上がると、部屋を出てロビーへと歩いた。  
 
 
 
「あ、三井先輩…」  
「彩子。まだ寝ねーのか?」  
三井がソファの背もたれごしに振り向く。  
「はい。なんか眠れなくって。先輩もですか?」  
「おう、まぁそんなとこ。…座れば?」  
突っ立ったままの彩子を見て、三井は自分の横を叩いた。彩子は緊張している自分に気づかないフリをして一つはなれて座った。  
テレビからはローカル番組なのか見たこともない芸人がネタをやる声が流れている。三井も彩子も何も言わないのでロビーには  
空しい笑い声だけが響いていた。  
 
 
 
沈黙に耐えかねて彩子は口を開いた。  
「合宿お疲れ様でした」  
「あ゛?…あぁ」  
「疲れすぎると逆に眠れなくなったりしますよね」  
「まぁ、そうかもな」  
 
「雷、ひどいですね。雨も強くなってるし、明日電車動きますかね…?」  
「さぁ…まぁ動くんじゃね?」  
「天気も悪いし、すごく不気味なんですよ、部屋が」  
「へぇ?それで寝れねーのか」  
「いや、それでって訳でも…ないですけど」  
「結構恐がりなのか?」  
「そんな事ないですよ」  
少し語気を強める彩子に三井は口の端をつり上げて笑った。  
 
しかしもう話題がなかった。再び沈黙が訪れる。  
 
 
 
「彩子」  
「は、い…?…!」  
気づくと二人の間にあった一席分の空白はなくなっていた。三井がその空白を詰めていたのだ。  
「今日はやけに饒舌だな?」  
「そ、そうですか?」  
「人が喋りすぎるときってどんな時かわかるか?」  
「…わかりません」  
「緊張してる時。………なぁ?なに緊張してんの」  
三井が彩子の耳元で囁く。触れられたわけでもないのに彩子の身体がカァっと熱くなる。  
やばい、彩子は瞬間的にそう思った。  
「もう寝ます!」  
彩子が立ち上がってロビーを出ると三井も後からついてきた。  
「何でついてくるんですか…」  
「いや、俺の部屋もこっちだし。」  
三井が目を細めて笑う。妖しいその笑顔にまた身体に衝撃がはしるのをおさえられなかった。だが彩子は必死にそれを隠した。  
しかしそんな事などお見通しなのが炎の男である。  
 
「私、この部屋なのでおやすみなさい」  
彩子が戸を開けてお辞儀をすると、三井はおう、と言った。そして彩子が背を向けた瞬間その背中を力一杯押した。  
 
「わっ!!」  
思わず畳に膝をついて倒れ込む彩子を尻目に三井は部屋に鍵をかけた。  
「な、何するんですか。痛いじゃないですか」  
彩子は三井を睨みながら立ち上がろうとしたが、すぐにまた横の布団になぎ倒されてしまった。手首はがっちりとつかまれている。  
「み、三井先輩…」  
彩子は頭の中が真っ白になった。  
今、何がおこってるのだろう?どうして?なんで…なにがなんだかわからない。  
「な、なに…してるんですか…」  
組み敷かれて動揺し、今にも涙が出てきそうな女の顔を見て、ドSの男の血は煮えたぎった。  
「なにって、わかるだろ?言わせんのか?」  
「…!!い、いや!!やめっ!やめて下さい!」  
彩子は暴れたが、強気な女と言っても女子高生の力なんてたかがしれている。バスケで鍛えた大男にかなうわけ無いのだ。  
 
「先輩お願い!やめっ…!っっっ!!」  
彩子の唇は三井の唇でふさがれた。三井はすこし厚めの柔らかい唇を乱暴に犯した。  
「ふっ…う、ううぅ…」  
舌を無理矢理ねじこむと、彩子の抵抗はいっそう強くなったがそんな事など関係なかった。  
彩子は益々何も考えられなくなっていった。割と勝ち気で、彼氏がいた事も何度かあったし、『姉御』なんて呼ばれたりして  
友達からは経験豊富に思われていた。しかし実際彩子は未経験だったし、知識はあったがこういう事にも疎く、何をしていいのか  
わからなかったのだ。  
三井は自分の舌に彩子の舌をさんざんからめて口内を犯した後、身体を起こした。  
彩子がホッとしたのもつかの間、次は首筋に舌をはわせる。  
「…ひ…っ!!!」  
少し汗ばんだ首すじに吸い付いつかれ、彩子は悲鳴を上げた。三井は丹念に首筋からはだけた浴衣からのぞく鎖骨にかけて舐めた。  
ピチャピチャという音に彩子は真っ赤になる。  
「せんぱ…や、やぁ…やめてくださ…」  
涙声で彩子が言う。しかし三井はやめない。浴衣の上から形の良い胸を揉み出した。  
「い、…嫌!!嫌!さわらないで!」  
「なに言ってんの?嫌じゃねぇだろ。俺だって本当に嫌がってる女、無理に犯したりしねぇよ」  
「な…?わ、私、さっきから…」  
「いい声出してるぞ?」  
「いっ!いいこえって…、、、あ、あ!だめ!」  
三井がはだけた浴衣に手を差し込み胸の突起をつまんだ。長い指で優しくクリクリと揉む。彩子は開いた手で三井を押し戻そうと  
したが押し寄せてくる感覚に、力がはいらなかった。  
「今日はどうしたんだよ、おまえ。俺の事ずっと見てたし、そのくせ目が合えばそらすし、顔赤くしちゃってよ、誘ってんのか  
と思ったぜ?」  
乳首を指の腹でさすりながら三井は彩子の耳元で囁いた。  
「ち、ちがっ…!あ!だめ!見ないで、せんぱい!」  
「気持ちいいんだろ?」  
「そんっ、な事なっ…」  
彩子は頬を上気させ、されるがままになっていた。  
「気持ちよくしてやるから、ちょっと黙れ」  
三井は彩子にキスしながら浴衣を脱がせていった。  
「んーー!!んっ!」  
「綺麗だぜ?おまえ。ずっといい女だとは思ってたけど」  
完全に露出した彩子の乳房を見て、三井はニヤリと笑った。彩子は真っ赤になった。誰にも見られたことがないのに、さっきまで  
ただの先輩だった人に見られている。それなのに動悸と身体の疼きが止まらないのだ。  
彩子の胸の突起はピンクではなく薄い褐色だった。しかしその色っぽさがまた三井を興奮させる。  
「乳首たってんぞ?感じてんだろ?」  
「ぁあっ!!!」  
三井はキスをする場所をその突起にうつした。彩子の身体がビクッを震える。未経験の彼女に経験豊富な男の愛撫は耐えられ  
なかった。舌で優しくなめ回し、そして軽く噛まれると、彩子は自分でも信じられないような声を出してしまった。  
「やらしいな、彩子」  
「だっ、だって…」  
「もっと気持ちよくしてやるよ」  
三井はまた首筋にキスを落としながら手を下の方へのばしていった。  
 
秘部に三井の指が触れると、彩子はは甘い疼きこみ上げてくるのを  
感じずにはいられなかった。しかしそれと同時にもの凄い羞恥心がおそってくる。  
「せ、先輩…」  
「ん?」  
三井は下着の上からそこをこすりだした。  
「……ッあ!!」  
「うわ、すげぇ…濡れてんじゃん…」  
「言わないでください…」  
恥ずかしくて死にそうな彩子の羞恥心を煽るように三井は言った。器用な手つきでパンツはあっという間に脱がされてしまった。  
「だ、だめ…ぇ…っく」  
肉芽をさぐりあてられて、彩子は息をのんだ。三井はその突起をギュッとつまみあげた。  
「ン…ッ!!う、せ、先輩、そ、だ…駄目っ…」  
三井は十分に濡れそぼったソコに指を入れながら、クリトリスをしごきあげる。指はぬるりと飲み込まれた。三井は器用に指を  
動かしながら自分の服を脱いでいった。  
「い、いっ…ンぁあっ」  
「気持ちいいだろ?」  
「そん、な…事っ…」  
「じゃあ、これは?」  
「や…!!」  
三井は指を2本に増やした。  
(…痛い!!!!)  
彩子は瞬時にそう思ったが快感がそれを勝っていた。  
「嫌なの?やめてもいいぜ?」  
「い…や」  
「何?聞こえない」  
「やめない、で…下さいっ…」  
三井は不敵な笑みを浮かべると指を出し入れしながら肉芽を強くもみしだいた。  
 
…ッッッ!!!」  
彩子の身体が大きくふるえ、ぐったりとした。息は荒かった。達したのだった。  
「イったな」  
「…」  
羞恥心と疲労で何も答えられない彩子に三井は覆い被さった。  
「そろそろ俺も限界。…入れるぞ」  
彩子の心に新たな恐怖心が沸いた。目の前には初めて見る男性器があった。  
(大きい!あんなのはいったら壊れる…!)  
「む、無理です!、そ、そんなの入らない…!」  
「大丈夫だって。入る。つーか入れる」  
「!や、こ、怖い…」  
「大丈夫だって。優しくするから。な?」  
三井は優しくしようなんて微塵も思っていないような意地悪そうな顔をして彩子の両足をつかむと、左右に大きく広げた。  
「?!や、やっ!!せ、先輩電気消してください!」  
「電気?だめだ」  
あわてて閉じようとするが三井の身体はもうその間に入り込んでいた。  
「すっげぇ、いやらしいにおい」  
粘液を指ですくって、それをクリトリスにぬりつけながら三井は彩子の耳を甘噛みした。  
ぞくり。  
彩子の背筋に戦慄というか、快感というか、なんともいえないものがはしる。  
三井自身の先端が彩子の入り口に擦りつく。粘液が絡んでぬるぬるしたそれは、秘部の割れ目を上下しながらゆっくりと  
沈んでいく。  
「…っ!いっ!痛いぃ!!!…いっぁぁあっ…」  
彩子の目に涙が浮かぶ。  
「悪ィ、…もしかしてはじめてか?」  
「は…い…っ」  
痛みに耐えながら彩子は三井を睨んだ。意外にも三井は一瞬すまなそうな顔をして、その後は彩子が痛いと言えば動きを止め、  
痛みを紛らわすように何度も甘いキスをした。  
「ゆっくりに、して、先輩…」  
「ああ、わかった」  
 
ズブ、ズブ、と段々入ってくるその感覚に彩子はぞくりと鳥肌をたてた。  
「い、痛いですっ、い、いや…」  
「ごめんな。でもあとちょっとだ。入れるぞ」  
「…はい…っ」  
「うっ…」  
三井が少しうめいた。全部はいったのだ。  
「ヤベ、俺、もう…駄目…」  
切なそうな声を上げて、三井が腰を打ち付けてきた。  
「い゛っ…い、せ、せんぱ、痛っ…も、もっとゆっくり…」  
「わかってんだけどっ…ごめんっ、彩子っ…」  
 
そのうち、彩子の快感が痛みを凌駕しだした。なかに三井の肉茎をうちつけられるたび、 身体が痺れ、痙攣し、締め付けた。  
「あ、ひっ……!」  
三井が自身を引き抜くと、とろりとした液が 糸を引く。そしてまたそれを差し込む。  
「や、ぁ…っ」  
 
「もう、我慢出来ね…」  
 
三井が容赦なく腰の動きを早め、叩きつけるように彩子を求めた。ぐちゅグチュという淫らな音が、室内に響く。  
 
「せん、ぱ…」  
「っつ…先輩じゃなくて…名前で、呼べ…」  
「はぁっ…はぁ、は…ひ、さし…っ、寿っ…」  
「彩子っ…」  
「もう、だめっ……私、また…」  
また、イきそう、そう言う前にもう、絶頂は訪れてしまった。  
「ひぁ、ぁあぁああああ」  
 
三井はは彩子の奥を限界が近い肉茎で激しく突き上げた。  
「あぅっ、や、激し…っ」  
「う、くっ…………!!」  
三井は自身を抜き取ると、彩子の無駄な肉がない白い腹に、欲望を吐きだした。  
 
 
 
 
 
 
 
あの日の事はなかったかのように、彩子と三井はただのクラブメイト、先輩後輩としてつきあっていた。  
しかし彩子は思う。ふと目があったときのあの妖しい笑みに身体の奥で何かがふつふつと沸くのを感じてしまう私は、もう  
先輩から逃れられないのだ、と。  
 
 
 
―END―  
 

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