「バカモノがぁ!!!!!」  
 
ゴンッ━━━  
 
「ぬ゙ぅ゙…ゴリめ…」  
 
あーあ…  
さっきから赤木と桜木はあんなん。流川はバスケ以外はやる気ねぇみたいだし。  
 
俺はといえば、机に並べられた真っ白いプリントと教科書の山をただボーッと見ていた  
 
……見ていた?  
 
いや、俺が見てんのは仲良くじゃれ合ってる彩子と宮城だ。さっきからスゲー気になる  
 
「おい、おめーらもっと静かにやれよ」  
 
「何キレてんスか三井サン」  
宮城がムッとして俺を睨む  
 
「だからぁ!!二人してグチャグチャうるせーんだよバカ!!!!!!」  
 
「はぁ!?俺達はただ勉強してるだけスよ???」  
 
 
(…俺達だぁ?!)  
 
「まぁまぁ二人共。三井先輩ごめんなさい、私達もう少し静かにやりますから」  
 
 
(…私達って…)  
 
 
「ふん」  
 
俺は二人に背を向けて白書のプリントに目をやった。こんな場所で勉強なんか出来るかバカヤロー  
 
━━俺は多分、彩子に惚れてる。きっと今まで知らないフリしてたんだな…好きな筈ない、ただの勘違い、マネージャーとして。  
 
…何で三年のこの俺が?  
…わざわざ宮城が惚れてる女に?  
 
 
ねーよ。絶対。  
 
そのくせ他の部員(特に宮城)と一緒に居るの見ると苛立って見ないようにする。  
 
 
「三井先輩??」  
 
「おぉあ゙?!何だッ?!!」  
 
「勉強終わりました??」  
 
「…いや、まだだけど」  
 
「もうリョータ見終わったし私が見てあげましょっか?!」  
 
ニンマリと笑って俺の白紙のプリントをヒラヒラと靡かせる彩子  
 
「いッいらねーよッ!!大体俺三年だぞ?!!何で二年のお前に…」  
 
「はいはい。ごめんなさ〜い」  
 
 
こんなやり取りで  
気分舞い上がってる俺は相当バカだと思う  
 
「三井先輩の弱みって安西先生と勉強ですね」  
 
 
「ぁあぁ゙?!!!」  
 
俺をからかってクスッと笑うその表情を見て思わず  
 
「あと、お前な」  
 
と、小さく呟いたけど彩子には聞こえてなかったようだ  
 
 
…多分、惚れてる?  
 
 
いや  
 
 
 
すげぇ惚れてるわ  
 
おわり  
 

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