この子は、初対面からそうだった。  
警戒心なく笑って、話しかけてくる。  
人懐っこいその笑顔の前では、  
リーゼントや短ランなんて、全く意味を持たなくなる。  
 
「洋平くん、聞こえてる?」  
 
むしろ聞いてなかった。  
まぁ、あの兄の免疫か。とか、考えていた。  
 
「それでね、桜木くんてば、お誕生日パーティーをしたことがないっていうのよ。  
聞けば日にちも近いし、みんなで・・・集まれないかな?」  
「花道に誕生日ぱーてぃー・・・ね」  
 
正直、似合わなすぎて苦笑が漏れたが、  
花道が異常に喜ぶであろう姿は確信できた。  
 
なんてったって、あいつの大好きな晴子ちゃんからの提案なんだから。  
 
「いいねー、やろうか」  
その返事を聞いたとたん、練っていたプランを滝のように話し出す晴子を、子犬のようだと思いつつ、水戸洋平は聞いていた。  
 
 
 
「そんなら、洋平んちはどーだ?」  
高宮が、何杯目かのコーラの合間に、そう発言した。  
 
放課後、花道がいつものようにバスケット部に行くのを確認してから、  
桜木軍団プラス晴子は、こっそりとファミレスに集まっていた。  
『晴子ちゃんプレゼンツ☆どっきどきの花道BDパーティーby大楠』の企画の為だ。  
 
驚かせたいのでこっそり準備を始めたい、呼んでもあやしまれないところがいい・・・。  
晴子の要望に、一人暮らしの洋平の家はぴったりの場所だった。  
 
「それだ!」  
 
間髪入れずに出た野間の賛同と共に、わきあいあいと広がっていく案の前には、  
洋平のツッコミは届かなかった。  
 
「洋平くん」  
 
自分に影を落とす人物が晴子であると確認するのが遅れたのは、逆光のせいだ。  
決して、今までの授業中ずっと、居眠りをしていたからではない。  
隣の席で大きな背中を丸めている花道は、まだ夢の中のようだった。  
 
「昨日はありがとう。それでね、今日の放課後も・・・」  
「ムニャムニャ・・・ハルコさん・・・」  
「いいよ。花道起きるから、晴子ちゃんの教室で待っててよ」  
「あは。しーっ・・・ね。」  
 
人差し指を口に当てて楽しそうに去ってく晴子を見て、今度は、いたずら中の子どものようだと洋平は思った。  
時間差で、丸まっていた大きな背中がむっくりと起き上がった。  
 
「ふぬ・・・?今、ハルコさんの声が聞こえた気がスル・・・。」  
 
起き抜けに、姿無き晴子を必死で探す花道の行動は、  
自分にはない純粋さに見えて、そんな恋心だからこそ、応援したくなる。  
 
バスケじゃ力になれねぇしな・・・。  
 
改めて、花道が喜ぶ姿を想像するのを、その時の洋平はほほえましく感じていた。  
 
教室で待つ晴子に、声を掛けるのを一瞬ためらったのは、その真剣な横顔のせいだった。  
 
確かに、整っている顔立ちではあったし、その笑顔を可愛く感じたこともあった。  
しかし、何かを真剣に考えている晴子の表情は凛々しく、  
差す夕陽が落とす紫色の影と、真っ白ではない健康的な象牙色の肌とのコントラストも、  
美しさを際立たせる演出のように錯覚でき、洋平は息を呑んだ。  
 
「あっ、洋平くん。オードブルに、こんなのどうかしら?」  
目の前で開かれた料理本で我に返り、問いに返事をしてはみたが、  
自分の中で、「いつも笑顔」の晴子でなくなった事に、洋平は少し戸惑っていた。  
 
晴子ちゃんって、あんな顔もするのか・・・、と。  
 
「さっきね、友達も誘ってみたのよ。でも、み〜んな忙しいんだって。  
ホントはお料理手伝ってもらおうと思ってたんだけどなぁ、残念。」  
「ああ、そりゃ来ないよ」  
「えっ?」  
 
ぼんやりとしていて咄嗟に本音が出てしまった。不安そうな晴子に洋平は茶化して続けた。  
 
「なんてったって、こわ〜いおにいさんたちのアジトだからね」  
「全然こわくなんかないわよう」  
「晴子ちゃんは免疫があるからだよ」  
「免疫?わからないけど・・・。とっ、とにかく、怖くなんかないわ。  
洋平くんたちって、友達想いの良い人ばかりじゃない。  
昨日もわたし、とっても楽しくて、帰ってからもわくわくしちゃった。  
みんなとのパーティー絶対楽しいわよう。楽しみだもん。」  
 
晴子のペースは独特だった。ぼんやりとしているようで、意外に押しが強い。  
自分のまわりにはいないタイプで、なんだかいちいち新鮮だ。  
避けられる事に慣れていた自分たちに、偏見無く笑って話しかけてくる女の子。  
そんな晴子ちゃんの提案だから、あいつらもノッたのかもな。  
 
「飾りつけしよっか。晴子ちゃん、買い物付き合ってよ。」  
 
こんな言葉が出るなんて自分も浮かれてんな、と、洋平は思った。  
 
パーティーの準備が進むにつれ、晴子と親しくする時間が多くなっていた。  
もちろん、高宮たちがいることもあったが、2人でいることもよくあり、  
今も、洋平の部屋に2人きりだ。  
 
部屋で女と2人・・・というのは初めてじゃない。  
だけど、「友達の好きな女の子」というだけでなく、晴子自身の持つ雰囲気、  
子犬のような、子どものような、爽やかな無邪気さを見ていると、  
どうにかできる状況でも、どうにかしようなんて気は起きずにいた。  
 
可愛いな、晴子ちゃんは。  
 
過す時間が多くなるにつれ、優しい気持ちでそう見つめることが多くなっていた。  
それは、花道の純粋さを応援したくなる気持ちと似ていた。  
 
 
 
だからこれは、夕陽が差した罠だったのかもしれない。  
逢魔ヶ刻とは、よく言ったものだ。  
 
 
 
 
 
きっかけは、小指の先だった。  
 
ちょきちょきと折り紙を切っていた晴子は、その軽快なリズムのまま小指も少し切ってしまった。  
じんわりとにじむ赤い血をこすっていると、隣の部屋から救急箱を持った洋平が現れて、  
晴子の左手をふんわりと手に取ると、傷をよく観察してから、小指の手当てを始めた。  
洋平の気の利いた一連の動作と、あまりの顔の近さに、晴子はどぎまぎしていた。  
 
「大丈夫?あんまり深くはなさそうだけど」  
「えっ・・・あああっ、だいじょうぶよ、この位。」  
「ばい菌入ると痕になるからな。せっかくきれいな手なんだから・・・」  
「そっ、そんなことないわよう!バスケでいっぱい突き指したりして、ぼろぼろよ」  
「ははっ。きれいだよ、晴子ちゃんは。」  
 
そう言ったとたんに目線を上げると、赤くなってうつむいている晴子がいた。  
からかい半分で出た言葉であって、にこにこ笑って受け流すであろうと思っていた洋平は、  
その意外な反応を前に、逆に固まってしまった。  
 
「やべー、俺、変なこと言っちまったかな?」  
「・・・うっ、ううん、違うの。ごめんなさい、わっ、わたしが変よね」  
 
ますます真っ赤になる晴子に釣られて、自分も赤くなっていくのがわかる。  
差し込む西日の直当たりな、この部屋のせいだけではないはずだ。  
 
 
「きれいなんて・・・言われなれてないから・・・」  
「でも」  
 
 
顔をあげた表情に、洋平の知っている晴子はいなかった。  
 
 
「でも、晴子ちゃんは、きれいだよ」  
 
 
言い終わると同時に、その唇に吸い寄せられてることに気付いた。  
 
 
 
 
 
頭の中で警鐘が鳴っている。誰かがストップを掛けてるのもわかる。  
だけど、触れた唇も、握った左手も、離すことができない。  
 
ふと触れたのをはずみに、そのまま胸のふくらみを手でなぞる。  
大きく、晴子の身体が揺れた。しかし、離れないようにきつく引き寄せて、  
ブラウスのボタンを片手で、ひとつふたつと外していく。  
 
こんなことだけ手馴れていて、自分でも嫌になる。勝手な話だが、晴子が抵抗してくれるのを待っていた。  
一言、「いや」と口に出してくれれば、まだ止める事ができる。  
唇を離し、様子を見る為に顔を覗く。ブラウスの前ははだけて、ピンクチェックのかわいいブラが見えていた。  
反応を少し待ってみたが、目を閉じて小さくなったままじっとしている姿を見ていられず、  
背中にまわり、後ろから抱きしめた。晴子の髪から、ふわんと、甘い香りが漂ってくる。  
 
「あっ・・・」  
 
ブラの中に手を入れて、乳首を人差し指でこする。指の間で先端が、ぷっくり固くなるのがわかる。  
少し退けた晴子の腰に腕をまわして白いうなじに軽く歯を立てた。  
 
その時、洋平の手の甲を雫が濡らした。  
晴子の頬をつたって落ちてきた、涙だった。  
 
「ごっ、ごめん!!」  
 
頭から水を掛けられるという感覚を、洋平は初めて体感した。  
解かっていた。自分がこんなことをしていい女の子ではない。  
そして、自分も望んでいた訳ではないはずなのに。  
 
洋平は、自ら開けてしまったブラウスのボタンをそっと閉めた。  
 
「「「はっぴーばーすでーーー花道!!!」」」  
「ぬおおっっ?!!おめーらっ!あっ、ハルコさんまで!!」  
「うふふっ、おめでとう!桜木くんっ!」  
 
クラッカーの開始音とともに、花道のBDパーティーは計画どおり行われていた。  
あの日から、晴子と目線や会話を交わすことは無かったが、高宮たちを通じて準備は遅れることなく進んでいた。  
 
洋平の想像以上に花道は喜んでいた。なのに、もう洋平はその姿をほほえましく見つめることも、  
側で笑っている晴子を無邪気と思うことも出来なくなっていた。  
これが終わったら、2人から距離をおこう。はしゃぎながらそればかりが頭に浮かんでいた。  
 
 
ぽつん・・・と、一人残された部屋は寂しく感じられた。  
それはあの騒がしい連中が、一気に帰ったというだけでは無い事が、洋平には解かっていた。  
高宮、大楠、野間の3人は、飲み足りないとハシゴしに行き、晴子は・・・もう遅いからと、花道が送っていった。  
散らかった部屋の大まかな掃除はいつの間にか晴子がしてくれた様だったが、片付けを理由に洋平は残った。  
ベッドから天井を仰ぐと、暗い部屋の四隅がぎゅうぎゅうと音を立てて迫ってくるようだった。  
なんで・・・あんなことをしたのか。  
あれ以来ずっと、その疑問が頭から離れることはない。直接謝ることすら、罪のような気がしていた。  
 
「ごめんな・・・晴子ちゃん・・・」  
「よっ・・・洋平くん?」  
 
びっくりした。  
 
花道と一緒に帰ったはずの晴子が、いつの間にかベッドの傍らに座っていた。  
 
 
 
「なっ・・・、なにしてんの?晴子ちゃん」  
「あっ、あのねっ、は・・・話したくて。お兄ちゃんが迎えに来るからって、桜木くんには帰って貰ったの。」  
「え?むかえにくんの?」  
「・・・嘘なの。」  
 
さっぱりわからない。この子は何を言ってるのか。ほんと、いつの間に入ってきたのか。  
もしかしたら、鍵が開いていたのかもしれない。声を掛けたけど自分が聞き逃したのかもしれない。   
でも、そんな事より、『話』というのは、きっとこの間の事だろう。  
洋平は、慌てた気持ちを落ち着かせようと深く息を吐いて、体勢を整えた。  
 
「晴子ちゃん!こないだは・・・」  
「洋平くん!ごめんなさいっ!」  
 
え?と思った瞬間、目の前にいた晴子は頭を下げていた。  
 
「わたし、泣いちゃって・・・。それから、洋平くんのこと、避けたみたいになっちゃって・・・」  
「待って、晴子ちゃんが謝ることじゃないだろ。あれは俺が悪いよ」  
「悪くなんか・・・」  
「ごめん・・・謝ったからって、それですむ問題じゃねぇよな・・・」  
「ちっ、ちがうの!」  
「ちがくねーよ、あれは俺が・・・」  
 
「気持ちよかったの!!」  
 
側にあった洋平の枕をすばやく手に取り、顔を押し付けながら晴子はそう叫んだ。  
 
 
「嫌だったんじゃないの・・・。なんかね、気持ちよすぎて涙が出ちゃったの。  
それでもうわたし、洋平くんのこと見るの恥ずかしくって。  
ごめんなさい、変な子だって思わないで・・・。」  
 
身体から、力が抜けていくのがわかる。気持ちよすぎてって・・・。  
 
「なんだ・・・。すっげぇホッとしちゃったよ。俺、晴子ちゃんに合わせる顔がねーってなってた・・・」  
「・・・ごめんなさい。」  
「いや、ほんともう謝んないでくれよ。」  
「洋平くん・・・」  
「なに?」  
「続き・・・してほしいの。ああいうこと、もっとわたしにして」  
 
返事を待たずに晴子の唇は、洋平の言葉を塞いだ。  
 
 
 
 
家の人が心配するから連絡を入れておいた方がいい。その言葉に晴子は、もう言ってある。と、答えた。  
「今日は藤井さんたちとカラオケオールだから、心配しないで。」と。  
ついさっき脱がせたブラとショーツが、おそろいの刺繍の入ったレースのものだったのを思い出し、  
晴子がどんな決意で、自分の部屋に戻ってきたのかを、改めて確信した。  
 
キスをし、全裸の胸を触る。小ぶりではあるが、きれいな形だ。  
「ひゃ・・・あっん・・・」  
乳首を舌でなぞると、可愛い喘ぎ声がもれた。少し歯を立て、軽く吸う。  
その刺激をたやさぬまま、ヴァギナに手を延ばす。  
 
「びちょびちょだね」  
「・・・やだ」  
「気持ちいいの?」  
「・・・うん」  
「どんな風がいいか言ってね」  
 
そういうと、指でクリトリスの刺激を始めた。最初は、優しく上下にこする。  
それから、軽くつまんではじく。そして、円を描くようになぞった。  
初めての刺激に、晴子はまるで打ち上げられた魚のようにしなやかにはねた。  
 
「自分ではどーゆー風にすんの?」  
「やだ・・・」  
「教えてよ」  
「〜〜〜っ・・・、洋平くんと・・・このまえ会った後に1回、触ってみただけよ・・・。」  
「・・・俺に触られたかった?」  
「うんっ・・・あっ、きもちいいよぅ・・・」  
「ちょっと手を離して」  
晴子のしがみついていた腕を離し、そのまま自分の身体をずらした。  
「足、開いて。もっと。」  
「そんな・・・」  
「開けよ、力ぬいて」  
ぐっと太ももにかかる体重に、抵抗する力は晴子にはなかった。快感を貪っていた場所は、  
てらてらとした粘液で濡れているのが自分でもわかり、晴子の羞恥心を掻き立てた。  
 
「やぁだ・・・汚いよ、見ないで」  
「きれいだっつーの。きれいなピンク色してる」  
 
指で、ふっくらとした丘を広げ、クリトリスさえも丸見えにする。無防備に剥けたばかりの初々しい蕾を  
ソフトクリームをなめるより優しくゆっくりと、舌の先端で下から上へと何度もなぞる。  
「あっぅうん!うぁっっっはっ・・・はうっっっ!!」  
それはもう可愛い喘ぎ声ではなく、泣き声に似ていた。溢れてくる蜜は洋平の唾液と混ざって晴子の尻をつたい、  
ベッドのシーツに濃厚な染みをつくっていた。もう閉じることを忘れた脚から手を離し、  
ひくひくと厭らしく濡れて、侵入を待っている小さな穴に、中指を立てた。  
 
「きゃあっ!」  
「痛かったか?」  
「痛く、ないけど・・・なんか・・・」  
「指入れたことねーの?」  
「ぜんぶ・・・洋平くんがはじめて・・・」  
「・・・そっか。だいじょぶだから。集中してて。」  
 
言われたとおり、集中するために目を閉じる。教わったわけではないのにこうすると、洋平のくれる快感が  
身体全体をめぐることを、晴子の身体は知っていた。  
中指は自分の体内の壁を擦りながら動き、ときおり曲がる関節の固さに、身震いした。  
 
 
・・・スプリングはどこまでも沈み、その隙間に落ちてしまう。  
 
 
そんな感覚におぼれながら、晴子は果てた。  
 
晴子の頬に付いた涙の跡を、優しくなぞって洋平は言った。  
 
「もう、おしまい。寝な、起きたら送ってくよ。」  
「え?」  
 
ぼんやりとした意識のまま、洋平の言葉の意味を必死で探した。掛けられた布団は今までの行為を隠し、  
晴子の熱くなった身体を冷ますようにひんやりとしていた。  
 
「どっ・・・どうして?」  
「ごめんな、俺、晴子ちゃんとは付き合えねーから」  
 
これ以上はしない、という意味だ。拒否された・・・と、いうことだ。  
急激に冷えていく身体とはうらはらに、頭がガンガン熱くなっていくのがわかった。  
 
「かっ・・・帰るねっっ!!」  
 
恥ずかしさとやるせなさで、晴子は消えてしまいたかった。急いでベッドから飛び出そうと動かした身体を、  
強い力で引き戻され、抱きとめられた洋平の胸からは、激しい鼓動が聞こえてきた。  
 
「・・・晴子ちゃんはさ、好きなヤツとちゃんと付き合ってから、こーゆー事しろよ。  
男は、すけべだからさ・・・。ごめんな。」  
 
おなかのあたりで、洋平の固くなっている熱を感じた。その熱さからどれだけ洋平が我慢をしているかがわかり、  
触発されたとは言え、自分の軽率な誘惑を申し訳なく思った。  
 
「晴子・・・。」  
 
抱きしめる洋平の腕に隠れるように、晴子はそっと目を閉じた。  
 
「じゃあ、俺はここで。」  
 
踏み切り途中で、洋平は止まった。ずっとうつむいていたままだった晴子が、顔をあげる。  
 
「洋平くん、ごめんなさい。でも、わたしきっと洋平くんのこと・・・」  
 
 
・・・カンカンカン。丁度そこで踏み切りが鳴り出し、晴子の言葉を消した。  
 
 
「ホラ、じゃあね、行って。また学校でな」  
「洋平くん!」  
 
声に振り向くと、踏み切りの向こうで晴子は、微笑みながら手を振っていた。  
来た電車にかき消された顔は泣いているようにも見えて、眩しく感じていた色々な表情の晴子を思い出したが、  
振り払うように崩れたリーゼントを掻き揚げると、背中を向けて洋平はそこを去った。  
 
 
「・・・初恋は実らないってやつだろーな。」  
 
 
 
良い天気を思わせる日差しの眩しさを感じながら、憧れていたことに洋平は気付いた。  
 

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