リハビリを終え、湘北バスケ部に再び現れるようになった桜木花道…以前と違ってそこに三井以外の三年の姿はなかった。しかし彼にとって変わった事と言えばそれだけではなかった。  
 
一つは、見学客といえば流川親衛隊などの流川目当ての客ばかりで、花道と言えば、『赤毛猿』『レッドヤンキー』などと呼ばれ、目の敵にされていたのだが、今は花道目的の観客が増えていることである。(流川親衛隊は相変わらず同じ態度だが)  
もともと顔は整っているし、確かに乱暴で恐い感じもあるが有名になるにつれて、それだけではないと言うことを、皆わかり始めたのだ。  
そして、初めこそ浮かれていた花道だが、告白をされる回数が増えるにつれて、そして相手の気持ちが強ければ強いほど『ごめんなさい』を伝えるのは、大変なんだとわかった気がした。昔の自分んからしたら贅沢な悩みである…  
 そしてもう一つ花道にとって変わったこと、それは花道を見つめる彩子の視線だった。  
鈍い花道はそんなこと気づいていないけど。  
 
湘北高校に花道の姿がない間、彩子は何ともいえない喪失感のようなものに悩まされていた。  
それが何故なのか、その原因に案外早く彩子はきずいた。  
そう、体育館に行っても桜木花道がいないのだ。  
毎日毎日、彼女は花道の基礎を見ていたから、物足りなさを感じるのは仕方のない事なのかもしれない…  
なんせ、宮城や三井も時折『やっぱあいつが居ないとちょっと寂しい気もすんな、静かでいいけど。』  
などと言っているし、あの流川でさえ口には出さないがなんだかつまらなさそうなのだ。  
 
しかし、と、彩子は考えた。  
それだけなのだろうか?違う気がする…それだけではこの、胸にぽっかりと穴のあいたような感覚は説明できない気がする。  
例えば、居なくなったのが流川や宮城、三井だったなら寂しくは思うが毎日ため息ばかりついてしまう程の虚しさは感じないだろう。  
そして宮城、三井、晴子と共に見舞いに行ったとき、それは確信に変わった。  
皆が来てくれた事に嬉しそうな笑顔をむける花道、その笑顔にどうしようもなく心が満たされたのだ。  
しかしそれもつかのま、晴子を見て真っ赤になってはにかむ姿を見て今度はもやもやとした気持ちになった。  
嫉妬というのはこれか…と、彩子は心の中で呟いた。  
 
「桜木花道!お待ちかねの基礎の時間よ!!」  
彩子の大きな声が自分を呼んでいる。リハビリを終えてから、技術のだいぶ落ちてしいまった花道は、また彩子と共に練習ごの基礎に取り組んでいる。  
「毎日毎日、ほんと飽きないっすね彩子さんは…」  
「誰のためにやってると思ってんの!」  
すっとぼけた事をいう花道にハリセンで制裁をくわえる。そんなことにさえ幸せを感じている自分を自覚してニヤけてしまいそうなのを誤摩化すように花道を引っ張ってゆく。  
「桜木君、基礎は大切なのよ、毎日見てくれる彩子さんに感謝しなくちゃ。」  
横から可愛らしい笑顔で晴子が話しかける。  
「そーすか?この天才にはもう必要ないっすよ、ハッキリ言って!」  
「だめよー、お兄ちゃんだってまだ桜木君には基礎が必要だって言ってるわよ。」  
「ぬ、ゴリめ、余計なことを…」  
二人で楽しそうに話す姿を見て彩子はさっきまでの幸せな気分はどこえやら、ムカムカと腹の底からわいてくる怒りと嫉妬に狂いそうなのを堪えていた。  
晴子は流川が好きなはず、なのに何故花道にまで気を配るのだ?せっかくの二人の時間を邪魔しないでほしい。  
晴子がこの学校から居なくなれば、しかし敵は晴子一人じゃない。いっそ花道をどこか自分しか知らない場所に閉じ込めておけたら…  
「余計な事喋ってないでさっさと初めなさい!それから晴子ちゃんも桜木花道の気が散るし、もう暗いんだから早く帰りなさい、友達も待ってるんでしょ…」  
ついきつい口調で言ってしう。自分は同年代の人間より大人なほうだと思っていたがどうやらそうではなかったようだ。  
彩子は花道への恋に自覚してから、自分の新たな一面を知る事になった。  
嫉妬深くて、独占欲が強い…さばさばしてると思っていたが、もしかしたらそうではないのかもしれない…  
なんだか自分を嫌いになりそうだった  
 
ある日の屋上  
「最近女の子に対する見方が変わったんじゃねーの、花道。」  
そう言ったのは洋平だった。  
「ぬ、なんでだ?」  
「なんでって、昔のお前なら、とっくに誰かと付き合ってそうじゃん…正直、晴子ちゃんより可愛いこもいたんだろ?」  
「だ、だって相手の女の子は真剣なんだぞ、それなのによくわかんないまま付き合うなんて…だめだ」  
「それだよ、変わったのは。ほんとのところ、晴子ちゃんのこと今はどう思ってんの?」  
「う〜ん…好きは好きだけど、前ほど付き合いたいとか、そんなは無いかも…」  
やっぱり、と、洋平は呟いた。  
最近花道の口から晴子の名前をめっきり聞かなくなったのだ。  
「洋平、俺…思ったんだけど、もしかしたら前まで女の子のこと見た目しか見てなかったかも…」  
なんだかしょんぼりしながら言う花道に『今更気づいたのか!』とツッコミを入れるようなヘマはしなかったが、良い意味で「純粋で純情」、裏を返せば「鈍感で餓鬼!」な親友に呆れてため息をついた。  
「まっ、それに気づいただけ成長したってことだよ。今のお前ならすぐにいい人見つけられるって、なんせ天才なんだろ?」  
「やっぱり!!ふふん、洋平もたまには良い事言う!」  
洋平の言葉に気分を良くした花道はさっきまでのしょんぼり気分はどこえやら、自作の歌を歌い始めた。  
やっぱりこいつは単純王だな、と洋平に思われているなんて知りもしないで。  
 
今日も基礎の時間がやってきた…  
花道は最近この時間が嫌でしかたがなかった。  
なんだか彩子の機嫌が悪いことがとても多い気がする。  
昔からこんなだっただろうか?違うきがする…もしかしたら自分は嫌われてしまったんじゃないか?  
そんなことばかり考えて、失敗し、また彩子に怒鳴られる…それの繰り返し。  
相変わらず彩子はハリセン片手に花道を見つめている、というか睨みつけている、ように花道には見えた。  
しかし今日の彩子は実は上機嫌だった。  
なぜなら、今体育館で花道と二人きり…今日に限って皆用事だとかで流川すら早々に帰っていったのだ。  
 
「ちょっとトイレ行ってくるから、その間休憩してなさい」  
そういって彩子は体育館から出て行った。  
花道は疲れて重い体を壁際までよたよたと移動させると、その場に座り込んだ。  
 
彩子がトイレから戻ると壁に凭れていた姿勢は崩れて体を曲げるようにして床に寝転んでいた。  
近寄ると気持ち良さそうに寝息をたてている。  
彩子は起こそうと思って体を揺すったがいっこうに起きる気配がない。  
彩子はこのまま起こすのが勿体ない気がしてきて、その寝顔をのぞき見る。  
 
起きて動いてるときより幼く見える。『愛しい』という感情がどんどん膨らみ、胸がきゅぅーと切なく痛む。  
この気持ちを伝えたい…同じように自分を愛しいと感じてほしい。  
彩子は花道の頬をつまんだり、赤い髪を触ったりしながら見つめ続けているうちに自分も眠くなってきた。  
「なんであんたなのよ…」  
そう呟いて彩子も眠ってしまった。  
 
どれくらい眠っただろう…花道は覚醒する意識の中、そんなことを考えながらなんだか暖かいものが自分の体に乗っかっていることに気づいた。  
「ぬあっ!あっアヤコサン!!」  
「ん…あら…私も寝ちゃったんだ…て、やだ!」  
彩子は花道にもたれ掛かるように寝ていたことに気づき、慌ててどいた。  
花道は顔を真っ赤にして、恥ずかしいのを誤摩化すように彩子に話しかけた。  
「もっ、もう十時っすよ!体育館電気ついてんのに誰も気づかなかったんすかね?」  
「ほんとね、急いで帰んなきゃ。あんた、待ってあげるから早く着替えてらしゃい。」  
 
制服に着替えて出てきた花道とともに彩子は歩き始めた。スカートは寒いので彩子はジャージのままである。  
彩子は花道を見上げて頭が寒そうだなーと思った。最近また髪を切ったのだ。  
「頭寒そうね、もうリーゼントはしないの?」  
黙って黙々と歩くのが勿体なくて彩子が話かける。  
「いや、もう面倒っすから!朝なんもしないですむから楽っすよ。」  
花道は気まずいのを紛らわせれて、ほっと息をついた。  
「てゆうか、あんた家こっちだった?」  
「もう遅いのに彩子さん一人で帰らせられないっしょ。」  
「あら、紳士なのね」  
彩子は素っ気なく振る舞いながらも内心嬉しかった。  
好きな人が自分の身を案じて行動をしてくれている、そんな事に心がときめいている。  
 
「お腹すいたわね、帰ったらなに食べるの?」  
「う〜ん、今日はハンバーグ弁当と、あと〜なんにしよっかなー」  
「家の人帰ってないの?」  
「うち、親いないんすよ」  
あっけらかんとそんなことを言った花道に彩子は驚いて振り返った。  
「あんたって一人暮らしだったの?」  
「まあ、そうっすね」  
彩子はこれ以上聞いてはいけない気がして、少しだけ話題をずらした。  
「ご飯は作らないの?」  
「いや〜全然したこと無かったから」  
「ふーん、じゃあ今度作ってあげる」  
 
「作るって彩子さん料理できるんすか?」  
「失礼ね、こう見えても得意なんだから!」  
「へ〜」  
「あんた信じてないんでしょ!だったら証明してあげるから、待ってなさい!明日は土曜日だし、練習終わるの早いからちょうどいいは、てことで明日あんたの家でね、楽しみにしてなさい!」  
「えっ、ちょっと彩子さん!」  
花道の声にも振り返らずに彩子は走っていってしまった。  
花道はしばし呆然としていたが、仕方が無く家に帰った。  
 
一人の家に帰って、コンビニでかった弁当を食べながらも花道の心は高鳴っていた。  
それは、明日突然ご飯を作りに来るといった彩子のせいに違いない。  
自分の家に女性が来るのなんて初めてなのだ、ていうか、明日学校でちゃんと断らなければ。  
彩子は大好きな先輩の思い人なのだ、こんなことはあってはいけない気がする。  
でも念のためにと部屋を片付けることいした。  
 
ほんとのところ嫌われてるかも、と思っていたのが違っていたという嬉しさ、そしてもしかしたら明日は一人でご飯を食べずにすむかもしれないという、期待があったのだ。  
 
花道は不意に今日みた彩子の寝顔を思い出した。  
起きているときと違って静かな印象、元々美人だが、いつもと違う美しさのようなものがあった。  
それに対して何かがわき上がりそうで、花道はとっさに別のことを考える事にした。  
なんだかわからないが、それがなんなのかを知ってしまったら大変なことになる気がしたのだ。  
 
もともと難しい事を考えるのには向いていない脳の持ち主、『桜木花道』である。  
悩み事には蓋をして寝る努力をする事にした。  
 
土曜日の朝、相変わらず湘北バスケ部は、皆必死になって練習に取り組んでいる。  
その様子はまるで、この世はバスケが上手いか上手くないかだと言わんばかりの熱中っぷりだ。  
そんな中、一人練習に集中できずにいる者がいた。  
いわずもがな、花道である。彩子に話しかけるタイミングをずっと伺っているのだ。  
そのせいで失敗ばかり…  
とうとう現キャプテンのリョータに体育館の隅での基礎を命じられてしまった。  
しかし好都合、もちろん付くのは彩子だ。  
「彩子さん…昨日の話っすけどきょうは「材料買ってきたから楽しみにしてなさい!」  
だが花道のいわんとすることなどお見通しの彩子に途中で遮られてしまう。  
 
花道は困った顔をしたが、実はちょっぴり安心していた。  
あっさり、やめとくと言われてしまうのはなんだか寂しいし、やはり期待もあったのだ。  
なんせ小学生のとき母が出てったきり、誰かが作ってくれたものを食べるなんてことはほとんどないのだ。  
実際、手料理は晴子の焼うどんが最後である。まあ食堂を除けばであるが。  
 
夕方になって練習が終わると二人はそそくさと基礎を済ませて帰路についた。  
花道はリョータに見られやしないかとドキドキしたが、彩子はたいして気にした様子は見せなかった。  
「なに作ってくれるんすか?」  
「カレー」  
「ほう、カレー」  
カレーなんてもしかしたら自分でも作れるんじゃないかと思ったがそれを言ったら自分がどんな目にあうか花道はわかっていたので、口には出さなかった。  
 
家に着くと花道は座布団を彩子によこして自分は風呂場に向かった。  
練習でたっぷり汗をかいたのですぐにでも流したかったのだ。  
花道が部屋から居なくなって、彩子は部屋を見回した。  
 
散らかってもないが、片付いてる訳でもない。  
その部屋を眺めながら考えた。  
毎日、たった一人、この部屋で眠るのはどんな気持ちなんだろう…  
 
その様子を想像して彩子はどうしようもない恐怖に襲われた。  
まるで花道がたった一人で、どこか遠い世界に行ってしまうような、そんな恐怖。  
彩子は知らずうちに自分の体をさすっていた。  
 
「あーさっぱりした」  
後ろから呑気なこえがきこえた。  
振り返ると花道があがってきていたのだ。  
彩子は花道の姿を見て、さっきの恐怖が消えて行くのを感じていた。  
 
「はい出来たわよ!」  
「うわー、ウマそー」  
いただきますと元気よく言ってカレーをもりもり食べる花道。  
「これウマいっすよ彩子さん!!」  
「そりゃよかったわ」  
本当にオイシそうに食べる花道を見て彩子は嬉しくてたまらない気持ちになった。  
このコにはやっぱり笑顔が似合う。  
彩子は花道が可愛くて仕方が無かった。しかもかっこいいのだ!恋するフィルター越しには何をしていても輝いて見えるらしい。  
これも、この恋で知った感情の一つ。  
 
ニコニコと自分を見つめる視線に気づき花道はまたドキドキしていた。  
普段はどなってばかり、そしてときにはケラケラ笑って人をからかう。  
花道の知っているどんな女性とも違う、でもどんな女性よりも可愛いという事に気づき始めたのだ。  
外見しか見てこなかった以前の彼には気づけなかったこと。  
 
でも花道は猛烈に後悔していた。  
昨日感じた大変なことはこれだったのだ。  
気づいてはいけなかった、でも気づいてしまうととまらなくなる、好きという気持ち。  
 
「どーしたの?顔赤いわよ…」  
「い、いや、別に」  
しかし明らかに自分から赤い顔で目をそらす花道に彩子の勘が働いた。  
もしかしたら相手も同じ気持ちなんじゃないか…  
彩子は決意した!いまここで気持ちを告げよう。  
「私、桜木花道が好きなの…」  
「はあ…へっ!」  
「好き、どうしようもないくらいあんたが好きなの、愛してるの!」  
「あっあの!彩子さん!?」  
「ねえ、あんたの気持ち聞かせてよ」  
「いや、でもりょーちんは彩子さんのこと好きなんすよ!」  
 
「今はあんたの気持ちを聞いてるの!リョータは関係無いでしょ!」  
「いやでもりょーちんは前から彩子さんの事」  
それでもまだリョータの話を出す花道にとうとう彩子が切れた。  
「なによっ!私はりょーたと付き合わないといけない決まりでもある訳!?それってなんで!?リョータが私のこと好きだから!?好きって言ってくれる人とは絶対に付き合わないといけない決まりでもあるの!?  
だったらあんたは大変ね!最近はずいぶんもてるみたいだし!!私はそんなのごめんだわ!考えただけでうんざりよ!!」  
「そんな言い方したらりょうちん可哀想っすよ!」  
「なによ!そんなにあいつが好きならあいつと付き合えばいいじゃない!!馬鹿同士お似合いよ!!」  
「なっなんでそうなるんすか!!」  
一気にまくしたてたせいかぜいぜい肩で息をしながら睨みつけて来る彩子に花道はただただ戸惑いを感じていた。  
 
好きな人からの初めての告白、しかしそれはあってはならない。  
なぜなら大切な先輩の思い人なのだ。  
しかし目の前の彩子の表情が怒りから悲しみに変わる。  
「なによ、そんなにあんたが好きって思うことっていけないこと?あんたの気持ち知りたいと思うのは駄目?」  
涙をこらえながら訴えて来る彩子。  
こんな顔をさせたい訳じゃなかった。  
「俺だって…彩子さんが好き、スゲー好きっす。ほんとにいいんすか…俺で?」  
突然彩子を抱きしめてそういった花道の言葉に驚いて顔を見上げる。  
「じゃなきゃこんなこと、言う訳ないじゃない…」  
とうとう彩子は涙を流して花道の背中に腕をまわした。  
 
「彩子さん…何も今日じゃなくても…」  
「私は今日がいいの、今すぐあんたのものにしてほしいの…」  
二人は布団の上で向かい合って座っている。  
「ええと、俺初めてだし、どうしたらいいかあんましわかんないんすけど」  
顔を真っ赤にして言う花道  
「わたしだって!」  
しかしいつまでたっても動こうとしない花道に焦れてとうとう彩子が動き始めた。  
「ちょ、彩子さん!!」  
彩子が花道の服を脱がそうとしたのだ。  
「じ、自分で脱ぎます!」  
「ふつうこういうのは男がリードするもんでしょ!」  
「わ、わかったすよ!」  
花道は自分の来ていた上の服を脱ぐと、彩子の服も脱がせ始めた。  
ぎこちなく服を脱がす大きなてが素肌に触れるたびに彩子の体はひくりと反応を示す。  
そして彩子の身に纏っていたものを全て取り去りそれを見つめた。  
「女の子の体…見るの初めてなの?」  
あまりにじっと見るので恥ずかしくてそれを誤摩化すように花道に訪ねる。  
「その、ビデオとかもちょっとしか見たこと無くて、でもスゲーきれいっす!」  
そういって彩子を抱きしめた。  
   
花道は彩子の胸や腰を優しくなでながら彩子にキスを落としていく。  
「ふっん、ふあ」  
彩子から漏れる甘い声に花道もたかまっていく。  
彩子は花道のぎこちない愛撫に身を任せるだけじゃ物足りなくなっていた。  
 
花道にも感じてほしい…わきあがる嗜虐心、彩子は花道のズボンに手をかけた。  
「うっ、彩子さん!」  
「こんなに大っきくなってる」  
彩子は花道のズボンを下着ごと脱がすと、それを上下に動かした。  
「気持ちいい?」  
花道は顔を真っ赤にさせて彩子を見つめる。  
そのまま頬にキスをして耳をしゃぶる、そして手の動きを速くした。  
 
「はっ、彩子さん、もう!」  
花道は彩子に握られたまま熱い精を放った。  
花道は彩子に手でいかされたことと、一部始終を見られたことが恥ずかしくて、涙目になっている。  
「可愛い、花道」  
彩子は好きな人が自分の手で感じてくれたことがたまらなく嬉しいらしい。  
花道は悔しくなって、今度は彩子を布団に組み敷いた。  
「んん!やっ、ちょっとまっ、はあ、」  
彩子のそこに指を入れたのだ。  
「濡れてる…」  
「そんっなこと…言わなくても わかって、やあぁ!」  
触れば触るほど濡れてゆくそこに、そしてどんどん高くなる彩子の声に、放ったばかりのそこに、血が集まる。  
 
「彩子さん、もう、いい?」  
「きて、花道…」  
指とは比べ物にならない質量に彩子は悲鳴にもにた声を上げた。  
初めての女性のなかの感覚に花道はうっとりとした。暖かくて優しくつつまれるような。  
 
こなままこの人と一つになりたい。どこまでが自分でどこからが相手なのかわからない、そんな錯覚に二人で落ちていった。  
 
薄暗い朝焼けのなか、不意に目が覚めた花道。  
隣に温もりを感じて安心感を覚える。  
寝顔を除き見てたまらなく愛しさを感じる。  
この気持ちをどうすれば伝えられるだろう…きっと言葉なんかじゃ伝えきれない。  
花道の胸に切なさが広まる。まさか体育館で彩子も自分の寝顔を見て同じことを思っていたなんて、花道は知らない。  
 
そして今度は罪悪感に苛まれる。  
自分は大事な先輩を裏切ったのだ。  
でも花道にどちらかなんて選べない。この恋は二人だけの秘密にしなければ。  
たとえ許されることじゃないとわかっていても、大事なひとを失う悲しみはもう味わいたくない。  
全部自分のわがまま…  
だけどやっと手に入れた幸せを、少しでも長く感じていたい。そう願わずにいられなかった。  
 
 
 

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