「あっ…」
ちょっと前に歩いていた、背の高い男の人が鞄の中の何かを取り出した時に何かが落ちた。
すぐさまその何かの所に走って行った。
「…生徒手帳…え、これ…」
その生徒手帳には
―陵南高校 仙道彰―
と書いてあった。
急いで仙道の姿を探したがすでに彼の姿はなくなっていた。
(どうしよう…届けた方がいいよね…?)
生徒手帳には住所が書いてあり少し遠いが藤井はその住所の元まで届けに行くことにした。
*
季節はすっかり秋になっていて外は少し肌寒い。
寒くなってきたなぁ。と感じながらもこの空気好きだなぁ。と思いながら藤井は生徒手帳に目をやる。海岸付近を歩いているため潮の空気がしてくる。
藤井はしばらく生徒手帳を見入ってしまっていた。
生徒手帳に貼ってある仙道の写真に見入っていたのだ。
「試合の時は凄いプレイに見入っちゃって顔はよく見てなかったけど…顔も結構…」
そんなこんなしているうちに生徒手帳にかいてある住所の付近来ていた。
「あ、ここだ…」
目の前には二階建てのアパートがあった。
201号室がどうやら仙道の住んでいる部屋のようだ。
階段を登ろうとするが
藤井はためらった。
急に緊張してきたのだ。
やっぱり渡せない。帰ろうかなという気持ちが込み上げてきた。
でもせっかくわざわざここまできたのだ。
とっとと渡してとっとと帰ろう。
藤井は階段を急いで駆け上がりインターホンを押した。
ピンポーン
この微妙な待ち時間が藤井を苦しめる。
あ、そうだドアの前に置いて帰ればよかった。
とインターホンを押したことを後悔した。
なんでそんな簡単なことを気づかなかったのかと自分を責めた。
そうだインターホンを押しちゃったけどドアの前に置いて帰ろう。
藤井は生徒手帳をドアの前に置こうとした時
ガチャ
ドアが開いた。
「あ…」
「ん……?君は?」
仙道だ。
しかも入浴後のようで前髪がたれていていつもとは違う雰囲気を醸し出している。
それにほのかにシャンプーの香りが漂ってきた。
大人びた大きな瞳に前髪が垂れた少し濡れた髪、それにシャンプーの香りに魅了してしまった藤井は身体が硬直してしまった。
「あの…なんかようですか?」
そんな藤井に仙道は再び、声をかける。
ハッ!と我に帰った藤井は持っていた生徒手帳を仙道に差し出した。
「これ、今日道で歩いてたら落とされていって…住所書いてあったんで…」
「ウソっ?!マジで?危ねぇ。わざわざありがとうございます」
右手を頭の上にもっていき左手で申し訳なさそうな笑顔で生徒手帳を受け取る男。
近くで見るとこんなに大人っぽくてかっこいいんだなぁ
うちの学校の流川君よりも仙道さんの方が私はいいなぁ
と彼女は思った。
「いえ…それじゃあ…」
「わざわざ、届けてもらったわけだしちょっとお茶でも飲んでいきません?」
「で、でも…」
「どうぞ入ってください」
藤井は仙道に言われるがまま家に入れさせられる。
家の中は特に必要なもの以外は置いていない1ルームのシンプルな部屋だった。
「あの…家族の人達は…」
「いないよ。」
「え?」
「一人暮らしなんです。家族は東京に住んでいて…」
「え?なんでですか…?」
「うん、今通ってる高校にね、スカウトされてね。遠いからね、借りてもらってるんですよ」
「スカウトってバスケですよね?」
「え?!」
仙道は驚いた顔をした。
そりゃあ当たり前の反応だろう。
「あ…私、湘北高校に通っていて…友達の付き添いで…バスケの試合、見に行ってるんで…陵南との試合も…」
仙道はなるほど。と言う顔をしていた。
「何年生?」
「1年です」
「そう。」
仙道はやかんに火をかけた。
「レモンティーと緑茶どっちがいい?」
「あ、えっとじゃ、じゃあレモンティーで…」
「了解」
仙道はニコっと爽やかな笑顔を藤井に向けた。
この人本当に私より1つ上なだけなのか?
どうしてこんなに大人っぽいのだろう。
藤井は白い半袖のTシャツに膝までの黒いダボっとしたズボンを履いている仙道の男らしい後ろ姿を見ながら思っていた。
「あ、ごめん名前聞いてなかったね。なんて言うの?」
「藤井です。」
「藤井さんね」
「はい」
「ねぇ、藤井さんも流川を応援してる人達のメンバーなの?」
「え…!!!!?ち、違いますよ!な、なんでですか…?」
藤井は驚いて早口になってしまった。
「いやぁ、試合見に来てるって言ってたからさ。湘北の女の子達は皆、あそこで応援してるのかなぁ?って」
「ち、違います!わ、私は赤木さんの妹の友達で一緒に見てるだけです…」
「へぇ」
仙道は沸騰したお湯をコップに注ぎ藤井の元に運んできた。
「ありがとうございます」
「いいえ」
仙道のあの優しそうな笑顔をみるたびに藤井の胸はドキっとなる。
やばい。ドキドキしている。
どうにかなりそうだ。
なんて色っぽい人なんだろうか。
「どうした?顔赤いよ?藤井さん」
仙道は藤井の顔を覗かせて問い掛けた。
「あ、赤くなんかなってません!!!!!!!!」
すぐさま仙道から顔を背ける。
顔が見れない…。
変な人だと思われたらどうしようか。
藤井は頭の中がこんがらがった。
しばらく沈黙が続いた。
何か話さねば。
「せ、仙道さんって…髪下ろしてると凄くセクシーなんですね…凄く…いつもと違って…色っぽいです」
「え?」
仙道は目を丸くしている。
「え?ぁ……!」
とっさにでてしまった言葉だった。なんでこんなこと口にしてしまったんだろう
藤井は今、この世が終わった。と思った。
「ななな、なんでもないです……!!忘れてください!!!!!……」
「藤井さん。」
「は、はい!?」
「誘ってる?」
「え…?」
「だって…そのかっこうにさっきの言葉。誘ってるとしか…」
藤井は自分の体制を見た。
膝は付いてふくらはぎだけ全開に広げた状態で座っている体制でスカートの中が見えている状態だった。藤井は一気に羞恥心が込み上げてきた。
「ハッ………!!
あ、わ、私帰りますね。レモンティーご馳走様した……」
藤井はとにかく今この場から去りたいと言うことで頭がいっぱいだった。
藤井は立ち上がり
「お、お邪魔しました…」
「あ、藤井さん!」
藤井は全力疾走で仙道の家をでた。
「ハァハァハァ…」
普段の自分じゃ考えられない。
どうしてあんないやらしい事ばかり考えて…。
しまいには口にだしちゃうし。
信じられない。
それにあんな体制…。
どうかしてるわ、本当に私。
仙道さんを困らせちゃって…私って最低よ。
しばらく歩いていると藤井はあることに気づいた。
「か、鞄……………忘れてきた……………」
また、戻るの?
それはできない。
気まずい。
でも鞄がないのわ…。
藤井は諦めて仙道の家に戻ることにした。
**
インターホンをゆっくり押した。
ガチャ
ドアが開いた。
「おかえり」
仙道はニッコリと変わらない笑顔で迎えた
「あの、鞄忘れちゃって…」
「うんうん。さっき持っていこうとしたら藤井さんすでにいなくてさ。明日、湘北にもっていこうと思ったよ。 はい、鞄」
「ありがとうございます……」
藤井は終始仙道の顔を見ずにそのまま立ち去ろうとする。
「送るよ」
「いや、いいです!!!!!!大丈夫です……!!!!!!」
これ以上、仙道さんと一緒にいたらおかしくなってしまう
「ダメだよ。藤井さんみたいな可愛い子、暗いのに一人で帰させられない」
「え?」
藤井は仙道の顔を見た。
「やっと顔見てくれた」
仙道の大人びた眼差しでこちらを見つめてくる。
藤井は再び顔を背ける。
「見れません」
「え?」
「そんな目で見つめられたら…見たくても見れないです」
「藤井さん…」
仙道が今、どんな顔をしているかどうかはなんとなくわかる。
きっと困ってるのだろう。
仙道は家をでて鍵をしめて藤井の頭をポンっと優しく叩き
さぁ、いこうか。
と眉を落としたちょっと困ったような顔で彼女に言った。
「仙道さん…」
「ん?」
「ごめんなさい」
「な、なにどうしたの?いきなり」
「私、仙道さんの事、困らせてばかりです」
「そんなことないよ?」
何かされたっけ?
という顔でこちらをみている。
「なんか…よくわからないです…。」
「それじゃあ、わからないよ」
子供をなだめるような顔をしてこちらを見ている。
「仙道さんといると変な気持ちになっちゃうんです…さっき言ったようなこととか考えちゃったり私、どうかしてるんです。今も一緒にいるとどうにかなっちゃいそうで…。やっぱり一人で帰ります。ありがとうございました」
軽く仙道にお辞儀をし、
帰ろうとした。
がすぐに女の細い腕を男の大きい手が掴んだ。
「よし、家に戻ろう」
「え…?」
強引に、仙道にひっぱられ再び家に戻ってきた二人
「どうしたんですか…?」
突然、抱きしめられる。
何が何だかわからない。
今、一体ここで何がおこっているのか。
仙道は片手で藤井のサラサラの髪の毛を撫でる
「藤井さんって可愛いね」
小さく呟く仙道の低い声が耳に触れる。
腰が抜けそうだ
「こんな顔してエロい事ばかり考えてるっぽいし」
「そ…そんな…こと…」
次の瞬間、藤井は身体全体が熱くなった。
生暖かい感触が耳を刺激した
耳を刺激させられただけなのにすでに身体はとろけそうになる
初めて体験するこの感覚
どうにかなってしまいそうだ
「ん…はぁ…」
その生暖かい感触は耳からゆっくりと首筋に移っていく
「だ…だめです…」
「何が?」
「や…やっぱり…私…」
藤井は俯く
「………うん。わかった、やめよう。ごめんね、家に戻させちゃって。
帰ろうか」
仙道はドアを開けようとする
「ち、違うんです…」
ドアノブを握ったまま
藤井の顔を見る
「その…このまま続けたら…壊れちゃいそうで…身体に力が入らないし…なんか…声もでちゃうし…私…おかしいんでしょうか…?」
そのまっすぐな純粋な目で仙道の目を見つめる
「まいったな…もう無理だ」
「キャっ」
お姫様だっこをされ
ベッドまで連れてかれて押し倒される。
次の瞬間、藤井の唇は仙道の唇によって塞がれる
自然と口をあけると舌が
入ってくる
最初は舌をだしたり入れたり
唇を甘噛されたり
そして段々強引に仙道の舌は彼女の口内を掻き乱していく
身体は熱くなり全てがとろけそうだ
「もうとまんないよ?」
彼女はコクッと頷いた。
再びキスをし始める
強引なのに優しいキス
二人は舌を絡ませながら
大きくてゴツゴツした手が制服のボタンをゆっくり外していく
シャツは開けブラジャー姿になる
藤井は思わず手で胸元を隠す
「は、恥ずかしい…です…」
そんなことされたらもっとぐちゃぐちゃにしたくなる。
「藤井さん…マジで可愛い」
そういうと彼女の額に優しくキスをする
そしてブラジャー越しから優しく揉みあげる
ホックを慣れた手つきて外しあげると
小柄だが形のよい膨らみが現れた
優しく最初は優しく段々強めに揉んでゆく
ゆっくり乳房の方に指を近づけていく
「はぁ…」
優しく乳首に触れると
ビクンっと彼女の身体は疼いた。
今度は舌の先でそこを転がしていく。
「あっ…ん」
そのまま強引にしゃぶりつき、スカートをめくりあげ太ももをゆっくりと撫で回していく
「ゃっ…は…ぁん…」
「藤井さん凄い敏感だね」
「や…ぁ…」
「だって下着がもうこんなに濡れてるよ?」
「見ないで……………くださ…い…」
ニヤっと男は笑みを浮かべパンティーの上から優しく触れる
クチュ…
いやらしい音が部屋に響いた
「やらしーね。藤井さん」
「な、なんか………溢れてくる感じがして………」
泣きそうな顔で男を見つめる女
男は容赦なく徐々に強めに摩っていく
「あっあぁん…あん」
指はゆっくりとパンティーの中に入っていく
そして指を熱い穴の中に入れ、ゆっくり中を指でついてゆく。
その度にクチャクチャといやらしい音が響いていく
段々激しく中を掻き乱していく
「あ、ぁあんはぁあ、あんあぁっ」
もう少しで絶頂を迎えようとした時に指を止め、抜き出した。
「はぁはぁ…」
「今、イキそうだったでしょ?」
「え…?」
「まだ、イかせないよ」
そう言うとパンティーを脱がせ彼女の股に顔を近づけるとすかさず股を手でおおう
「そんな近くで…見られたら…恥ずかしい…です…」
男は指についた女の
粘液を女に見せる。
綺麗でかつ長い指についた白い蜜はとてもいやらしい
「これ、藤井さんの中からでてきたんだよ」
「これ………って…なんな…」
「尋常じゃないほどにね」
藤井の言葉を遮って低い艶のある声で女の耳元で呟いた
それは藤井にとって少し恐く感じられた
彼女の手が緩んだのを見た一瞬のすきに音をたてながら女の熱い泉の中に舌をいれ掻き乱していく
「あっあっはぁ…んあっあっはぁ…ああん」
舌はゆっくりクリトリスに近づいていき
舌の先で優しく舐める
「ん!?ぁあはぁん!!」
そこは先程とは違うよくわからない感覚でどうにかなりそうだった。
クリトリスと穴を同時に責め合げていく
「はぁ、ああんはぁあああああんっ!!!!!!!!!!!!」
ビクンビクン…
「はぁ…はぁ…」
全身に力が抜けた気がした。
力が入らない。
今の感覚はなんだったのだろう。
凄く気持ちがよかった
「はぁ…はぁ…せ…仙道さん…私いったい…」
「イっちゃったね」
これが『イく』という感覚なのか
もっときてほしい
そんな感情が彼女を襲った
「あ、やべっ」
「…!?」
仙道は突然慌てだした
「まいったな…」
「どうしたんですか…?」
いったい何があったのだろうか。
仙道は申し訳なさそうな顔をして藤井を見ている
「ごめん…藤井さん…。ちょっと買ってくる!」
「え…?」
ベッドから降りようとする仙道
「あの…仙道さん…?」
「ん?」
「私の鞄とってもらってもいいですか…?」
?とおもいながらも彼は彼女に鞄を渡した
「ありがとうございます…」
彼女は鞄の中を荒っぽく漁っている
それを男はベッドに座って不思議そうに見ている
「あ、あった…。これですよね…?」
彼女が持っている手の先にはきらしていたコンドームだったのだ
「あ…あ…えっと…友達がもっとけ…ってくれたのが………あったの思い出して………」
「ありがとう」
仙道はいつもの優しい笑顔で彼女に微笑みかけた。
彼が笑ってくれると自然と自分も笑顔になっている
不思議な笑顔だ
彼が服をぬぎ、それを身につけている時間はちょっと気まずい
独特な香りが部屋中充満していて生温い空気が漂ってくる
「ごめんね」
この沈黙を破ったのは仙道だった。
少しばつが悪そうにしている
「全然、大丈夫です…」
首を横に振り笑顔で答えた
その顔がとても愛らしい
優しく微笑んだ彼は彼女に優しくキスをする
「いれるよ」
女は小さく頷いた
仙道のものがゆっくりと
藤井の中に入ってくる
自然に力が入ってしまう
「力抜いて…」
眉をしかめてしまう
がすぐに平然とした顔をした
初めてだって言って
仙道に迷惑をかけたくないから…。
そしてゆっくりと突かれてゆく
「あっあっんッッッ!!!」
やっぱり痛い
けれども段々激しくなっていくうちに麻痺をしていき痛みは消えて
痛みは快楽に変わっていく
「あんっはぁっあっ」
いやらしい音が生温い部屋に大きく響いている
「あっあっはあっんっせ…仙道…さん…………も…もうだ…」
快楽に満ちた二人は同時に果てた。
「すっかり外は寒いですね…」
冷たい秋の夜風が吹いている。
「仙道さん、バスケも上手いけど………………えっと…………その…そっちの方も…上手いんですね…………」
仙道はそんな彼女を見て静かに笑った
「だって…私…初めてだったのに全然痛くなかったですし…………」
「え!?初めてだったの????」
仙道は驚いて目を丸くしている
まさかとは思ったが
あんなにエロすぎる反応に悲痛な顔をしない藤井を見てやっぱり違うと思っていた
「ごめんね。初めてにはみえなくて…」
「私、仙道さんが初めてでよかったです」
「え?」
二人は駅についた。
「駅降りたらすぐ家なんで。ここで…ありがとうございました」
彼に深くお辞儀をして
小走りで改札口を渡っていった。
彼女はゆっくり後ろを振り向いた。
彼はニコッと私の好きなあの優しい笑顔をしながらこちらに向けて優しく手を振った
私もそれに笑顔で小さく手を振った
END