「今日は一人・・・?」  
「!?こ、こんにちは」  
 
チエコスポーツの店内。  
一人でバッシュを見ていた晴子に声をかけたのはヒゲ店長だった。  
「今日は桜木君は一緒じゃないの?」  
「・・・桜木君は今リハビリ中なんです・・・。インターハイの山王戦の時の怪我が原因で・・・。」  
「そうだったのか。・・でも彼は若い。すぐに良くなるよ。」  
「はい、ありがとうございます。」  
「インターハイと言えば・・・今そこに全国2位の学校の主将が来てるよ。」  
店長の指さしたほうを見ると、そこには海南の牧紳一がいた。  
 
「こんにちは。赤木晴子といいます。」  
「赤木って・・・もしかして湘北の?」  
「はい赤木剛憲の妹です。」  
「・・・似てないな・・・い、いや、すまん。」  
「いえ、気にしないで下さい。」  
そう言って軽く微笑んだ晴子は愛らしかった。  
(ゴツイ兄からは、とても想像がつかんな)  
牧の眼には晴子の可憐さがとても眩しく映った。  
 
「オレは海南の・・・」  
「牧さんですよね。だって有名ですもの。『帝王』ですよね。それに兄がよく牧さんの話をしてましたから。」  
「ほう、どんな?」  
「湘北と海南が戦う所を毎晩思い描いていた、と。」  
「そうか・・・。赤木はどうしてる?」  
「受験勉強に頑張ってます。でもホントはバスケがしたくてウズウズしてるんですよ。」  
そう言ってコロコロと笑う晴子は可愛らしかった。  
(彼女と、もっと話しがしていたい)  
牧は心からそう思った。  
 
「もし・・・迷惑じゃなければ、晴子さんの家に行ってもいいかな・・・?」  
「え・・・?あ、そうかお兄ちゃんに会いにですね。」  
「い、いや、そのだな・・・」  
「いいですよ。お兄ちゃんもきっと喜びます。」  
(・・・赤木じゃなく晴子さんと居たいだけなんだがな・・・)  
 
「さあどうぞ。」  
「お邪魔します。」  
牧は晴子に促され、リビングに通された。  
「座って待ってて下さい。今お兄ちゃんを呼んで来ます。あ、コーヒーでいいですか?」  
「う、うむ」  
そう言って晴子はパタパタと出て行った。  
ソファに腰掛けた牧は何だか落ち着かず、柄にも無くソワソワしていた。  
(出来れば、赤木が居ない方が・・・な、何を考えているんだオレは)  
少しして晴子がトレイにコーヒーカップを二つ乗せてやってきた。  
「ごめんなさい、お兄ちゃんまだ学校から帰ってきていないみたいで・・・」  
カップをテーブルに置く。  
「そ、そうか。」  
牧は内心喜んでいた。これで晴子と二人っきりになれると。  
「ご両親は・・・?」  
「ウチは共働きなんです。まだ仕事から帰っていません。」  
 
(こ・・・これはチャンスでは・・・?)  
目の前に居る晴子は、まるで小動物のようだった。  
可愛らしくて清楚で・・・  
牧だってオトコである。バスケとサーフィンに時間の大部分を取られてはいるが、人並みに彼女が欲しいと思っている。  
ましてや、こんなにカワイイ子を前にしたら・・・  
「お兄ちゃん、もうすぐ帰ってくるとはおもうんですけど・・・。」  
「待たせてもらっていいか?」  
「はい、いいですよ。」  
 
「晴子さんは好きな男とか居るのか?」  
「・・・はい、片思いなんですけどね。」  
そう言って頬を赤らめた。  
その表情を見た時、牧の中に黒い感情が沸いてきた。  
「それはオレの知ってるヤツか?」  
「は・・・はい。」  
そう答えた晴子の顔はまさに「恋する乙女」というものだった。  
その時牧は分かったような気がした。自分の中に沸いてきた黒い感情の正体を。  
嫉妬  
まさか自分の中にその様な感情が起こるとは思わなかった。  
ついさっき会話を交わしたばかりなのに・・・告白したわけでも交際してるわけでもないのに・・・  
 
(オレのものにしたい)  
牧は強く思った。  
晴子を、可憐な少女を、出会って僅かの時間で己の心を虜にしてしまった少女を。  
 
「あの、どうかしたんですか・・・?」  
何時の間にか押し黙ってしまった牧を気遣うように晴子がこえをかけた瞬間・・・  
 
晴子の瞳は天井を向いた。間髪を居れずに覆いかぶさる牧の精悍な顔。  
晴子は何が起きたのか、とっさに理解できなかった。  
「・・・牧さん?」  
「キミがいけない・・・」  
「え・・・?」  
「オレを狂わせたから」  
晴子は牧が何を言ってるのか分からなかった。  
「まさかオレが一目ぼれをするなんてな・・・」  
「・・・誰が誰にですか?」  
「オレが晴子さん、キミにだ」  
「!」  
 
「恋愛は理屈じゃない。何時の間にか好きになってた。」  
「で、でもわたしには・・・」  
「好きなヤツがいたって構わない。奪い取るまでだ。」  
「そ・・・そんな」  
晴子の声は、かすかに震えている。  
本能で感じ取ったのかもしれない。  
恋に飢えたオスがメスに何をするのかを。  
 
「きゃあぁ」  
晴子は精一杯の抵抗をした。しかし力で牧に敵うはずもなく・・・  
身に着けているものは、すでに服とは呼べないような、ただの布切れになっていた。  
露わになった白い肌。怯える小動物の様な晴子の姿は牧のオスの部分をさらに煽り立てた。  
「お願いです・・・止めてください」  
「すまんが止められないな。」  
そう言うと牧は晴子の胸の膨らみを揉み始めた。  
まだ幼さが残る晴子の乳房は牧のゴツイ掌で激しく揉みしだかれた。  
「・・・んん・・」  
晴子は少しづつだが、身体が熱くなっていくのを感じていた。  
 
「・・あぁん・・あっ」  
晴子の小さな乳首にそっと口付ける。  
舌でゆっくり嘗め回す。  
「だめ・・・だめよう・・・」  
晴子は切なそうにそう言う。ささやかな抵抗を試みては見るものの、じょじょに快楽の方が強くなってくる。  
牧はそんな晴子の言葉を遮るように深く口付ける。  
深く深く・・・そして舌を晴子の口内に侵入させる。  
今、牧の中にあるのはオスとしての本能だけだった。好きな女を奪いたい、自分だけのものにしたい。  
ぴちゃぴちゃ  
卑猥な音が響き渡る  
「ん・・はぁん・・」  
腕の中で頬を染める晴子が愛おしくてたまらない。  
深いキスと乳房への愛撫  
その手はやがて、ゆっくりと下へ滑り降りていった。  
 
ちゅくっ  
「・・・!」  
晴子の敏感な部分に牧の黒い指が触れた  
「だ、だめ・・・そこは・・・」  
晴子の言葉を遮るように牧は指を動かし始める  
柔らかで薄めの陰毛  
そっと掻き分けワレメを上下に擦る  
「い・・いやぁ・・」  
晴子は快感と恥ずかしさから身をくねる  
優しく挿入するつもりだった・・・その言葉を聞くまでは。  
「助けて・・・流川くん」  
 
「流川だと・・・」  
「!」  
「晴子の好きな男と言うのは流川だったのか!」  
「ずっと・・・ずっと好きだったの」  
牧の心の中は嫉妬で一杯になった  
(流川になど渡すものか。晴子はオレのものだ)  
牧は乱暴に晴子の両脚を広げた  
「!!」  
晴子は恥ずかしさのあまり声も出ない。  
まだ充分に濡れていない膣に己の猛り狂ったイチモツを激しく挿入した  
「きゃうぅん」  
初めてオトコを受け入れる上に牧のモノはかなり大きかった  
「ふっ・・むぅ」  
「や・・・やめ・・ん・・」  
牧は乱暴に己を押し進める  
(身体が裂けてしまうかもしれない)  
あまりの痛みに晴子はそう思った  
だが痛さと共に今まで味わった事のない何とも言い知れぬ感覚がムズムズと沸き起こってきた  
くすぐったい様なウズウズするような  
膣とペニスが触れ合う感触  
「あ・・・ん・・あぁぁん」  
晴子は荒い呼吸をする。それは牧も同じだった。  
「う・・うおおっ!」  
牧は激しく腰を動かす。晴子はその度に身体が大きく揺さぶられる  
カーペットの上で絡み合うオトコとオンナ  
「は・・・あぁん・あんっ」  
「くっ・・うぉぉ」  
晴子の心の中にあった流川の顔が、だんだん薄ぼんやりとしてくる。  
(わたしは今この男性に抱かれているんだ)  
目の前にある牧の顔は精悍で『オトナの男』という感じだった  
(帝王と呼ばれるこの人が私の中に居る)  
晴子の中にうまく言葉では言い表せない感情が生まれた  
 
 
 
「うおぉぉっ」  
「あぁん・・あんっ」  
 
牧は晴子の中に熱い精液を放って果てた  
ハアハアッ  
しばらくの間ふたりは言葉が出てこなかった  
 
やがて牧が重い口を開く  
「・・・・すまない」  
「・・・・」  
「無理やり抱いたのは謝る。だが決していい加減な気持でこんな事をしたわけじゃない。」  
晴子の大きな瞳が牧をじっと見つめている  
「オレを嫌いにならないでくれ、頼む。こんなことをして怒っているのは分かっている。だが・・・」  
「牧さんなんか・・・」  
晴子をじっと見つめる牧の眼は、飼い主に許しを請う大型犬のようだ。  
「牧さんなんか知りません」  
そう言ってプイとそっぽを向く晴子  
「は、晴子・・・いや、晴子さん」  
その様子が可笑しくて、牧に顔を見られないようにして晴子はそっと笑った  
晴子は決して本気で怒っているわけではなかった。不思議と怒る気にはならなかった  
(何故だろう・・・?)  
 
晴子の牧に対する、その感情が恋の始まりだということに気付いたのはもう少し後のことだった  
 
 

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