暑い夏が過ぎ去ろうとしていた。
湘北バスケ部がIH初出場を果たし、王者山王を倒すという快挙を成し遂げた夏。
藤井は、恋をした。
そこで活躍をした、二つ上の先輩である三井に。
バスケ部の応援に毎日のように通い、IHでは広島までわざわざ足を運んだ
彼女を三井自身も気づかないわけがなかった。
そんな二人は、ごく自然と惹かれあい、そして恋をした。
夏休み明け、まだまだ残暑厳しい校舎内。
藤井は移動教室のため、晴子と松井の後を付いていくように歩いていた。
両手で抱きかかえるように教科書を持って。
そんな彼女の片腕を、急に掴んだ手。
通り過ぎた教室から伸びたそれは、力強く藤井の腕を掴んで中へと引っ張り込んだ。
「きゃっ!」という叫びと共に床に教科書が落ちた音。
驚いて振り返った晴子と松井の耳にそれだけを残し、藤井の姿はそこにはなかった。
藤井は壁に押し付けられて唇を奪われていた。
叫びも口の中に閉じ込められ呼吸もままならない。
舌ごと奪うような激しいキスに、目を白黒させる。
身に覚えのある感触、そして匂い。
恐怖で強張らせていた身体の緊張を解く。
でもふとここが学校で、薄い壁の向こうには友人たちがいることに気づく。
名を呼び自分を探す声が聞こえる。
慌てて彼の逞しい胸板に手を当て突っぱねると、名残惜しげに熱い唇は離れていった。
「ハア、ハア・・・三井、せんぱい・・・
も、何でこんなとこで、するんですか・・・っ!」
「藤井・・・悪ぃ、でもよ・・・もう、我慢できねえ。
今すぐお前が欲しい」
唇同士がすぐ触れ合いそうな近距離で発せられた三井の言葉は、
熱い吐息と共に切なげな声音で自分を求める言葉が紡ぎだされた。
そんなことを言われて、気持ちの揺らがない女の子なんて、いるわけない。
また近づいてきた唇。
うっとりと目を瞑り受け止めそうになる。
でも理性が、ここは危険だと教えそれに従い藤井は拒否する。
「だめ、です・・・!ここ学校ですよ」
「かまわねーよ、んなの。
・・・・・・な?分かるだろ?」
藤井の腹部に押し付けられた三井の下半身。
硬く熱く主張したその象徴に、快楽の味を覚えだしたばかりの藤井の秘部が、じゅるりと潤う。
「で、も・・・」
埋めた首に舌を這われて、ぞくりと身体が震える。
押し付けた腰をゆっくりと動かされ、藤井の身体にも火が点る。
やわやわとブラウスの上から胸を揉まれ、あ・・・と藤井の口から小さく甘い声が漏れた。
突然始業チャイムが流れる。
藤井はビクッと体を跳ねさせ、胸の上で妖しく動く三井の骨ばった大きな手を弱々しく掴んだ。
その停止を無視し三井の手は布越しの乳房を遠慮なく弄る。
舌を出しながら唇に吸い付く。
互いに密着した肌がしっとりと汗ばむ。
布越しではなく直に触れ合いたい欲望が高まる。
三井の口から漏れる熱い息が、荒く藤井の鼓膜に響く。
忙しくたくし上げたブラウスとブラジャーから、ぷるんと乳房が飛び出した。
先端が赤く色づきピンと立っている。
「体は、正直だな・・・っ」
片方の手で乳房を忙しく揉みながら、もう片方の乳房に顔を寄せ間近に見た
三井が、興奮したように低く呟く。
熱い息が敏感な部分に掛かり、藤井の胸が高鳴る。
そしてそのあからさまな言葉に恥ずかしさでかあっと顔が熱くなる。
「そんなこと、ない・・・っ」
「んじゃこれなんだよ?」
太ももを切なげに撫でていた掌が、藤井の足の付け根を掠める。
じわりと濡れたショーツの感触に、三井はニヤリと口角を上げた。
「俺が欲しいんだろ?」
片方の乳首を口に含まれ、もう片方は指できゅっと摘まれて、
藤井は「あんっ・・・!」と体を跳ねさせ切なげに啼いた。
硬く主張した先端を、飴玉を楽しむように口中で転がしそして吸う。
そうしながらもう片方の乳房を掌全体で揉み上げ指先で乳首を転がしその感触を楽しむ。
三井は藤井の胸が好きだ。
彼ははっきり言えば胸フェチなのだが、藤井の決して豊満とはいえない
小振りともいえる乳房が好きだった。
適度な弾力と柔らかさを持つその乳房はとても滑らかで先端は淡い色合いだった。
彼女自身を体現しているかのような控えめな印象を持つその胸は、
雑誌で見かけるグラビアアイドルのような豊満で男の目を引く主張するような
派手さのまったくない、ごく普通のサイズだった。
それでも三井を充分興奮させ、感触を楽しませそして満足させてくれる。
詰まる所三井は藤井自身にベタ惚れなのだ。
若さ故の、性欲を解消できる存在だからだとか、身近で気軽にヤることのできる
彼女だからだとか、そういった下世話な事情なしで三井は藤井を大切な存在だと思っていた。
だから彼女の胸は三井にとって愛しさ倍増だった。
「せんぱ、いっ・・・!
胸ばっか触るの、やめてくだ、さい・・・」
「・・・他も触れってか?」
「ち、ちがっ・・・!」
「お望みとあらば・・・」
ニヤリとサディスティックな笑みを口元に浮かばせながら太ももを撫で上げ、
短いスカートに手を忍び込させる。
他の部分よりもいっそう熱くなった箇所に辿り着くとそこは先程以上に濡れているのが
下着越しでも分かった。
隙間から差込んだ指を割れ目に沿ってゆっくりと這わせば藤井から熱い吐息が漏れる。
二三度擦っただけで指はあっさりと秘部へと飲み込まれていった。
んん・・・ときつく目を閉じ快感に耐える藤井が可愛い。
きゅうきゅうと指を締め付ける熱い内部に、ゴクリと喉を上下させる。
どの箇所が感じるかはもう分かっている。早急に擦り上げ内部を解していく。
ビクビクと跳ねる肢体と赤く色づいた唇から漏れる甘い声に気は急くものの、
二本三本と指を増やし自分を受け入れさせる準備を怠らない。
充分潤い柔らかく解れた秘部から指をスッと引き抜く。
ふやけた指をぺろりと舐めると独特の味が口内に広がった。興奮が深まる。
その行為をぼんやりと眺めた藤井は、惚けた表情だった顔にサッと朱が走った。
「いや、です・・・それ」
「お前の味、ちゃんと確かめねーとな」
「センパイ・・・悪趣味」
「言ってろ・・・んな憎まれ口、言えねェように今からしてやる」
ニヤリと口角を上げ素早くスラックスの前を寛がせると、藤井の片足を持ち上げ、
興奮で既に反り返った熱い欲望を宛がいゆっくりと沈めていった。
うっとりと瞼を閉じ息を潜めてその快感に耐える。
根元まで埋まるとしっかりと互いの体に腕を回して抱きしめ合う。
そのうち自然と腰が動き出す。
立ったままなせいか思うように腰を打ち付けられない。
もどかしくなった三井は藤井を抱え上げふっくらとした臀部を掴んだ。
慌てて藤井が三井の首に腕を回す。
ぴったりと密着し合い奥深くまで繋がり合う。
まだ足りないとばかりに噛みつくように唇を求め舌を絡め合った。
ピチャピチャと上下の結合部から漏れる卑猥な水音が誰も居ない教室に響く。
獣のように夢中になって貪り合う。
授業中のひっそりとした校舎内。
とはいえいつ誰が不審に思い覗くかもしれないそんな状況で。
ただただ互いに夢中になって絡み合う。
激しい律動はやがて終わりへと向かう。
「んっ、あっ・・・ああっ!」
「・・・っ!」
小刻みに痙攣する体をきつく抱きしめ、欲望をドクドクと奥深くへと注ぎ込む。
恍惚とその快感に身を委ねていた三井は、ハッとして顔を蒼くさせた。
「あ、わり・・・中で出しちまった・・・」
「・・・ 。
・・・っ!」
無理な体勢だったこともあるし、がっついたせいでもある。
ちゃんと準備する余裕もなかった。
行為の激しさに脱力し放心状態だった藤井が、同じく蒼ざめ声を発することもできずに驚いた。
「ど、どうしよ・・・」
おろおろと眉尻を下げて泣きそうな顔の藤井を横目に
逡巡するように無言でいた三井は、意を決したように真剣な眼差しを彼女に向けた。
「・・・だったら俺はもう、逃げねえよ」
バスケの時のように、もう逃げることはしない。
大切なモノの前から、逃げることはもう、絶対にしない。
「だから、ちゃんと責任は取る・・・はずだ」
小さく付け加えられた言葉はともかく、その気持ちが嬉しくて、
藤井は泣き出しそうだった顔に笑みを浮かべた。
「本当、ですか・・・?」
「おう・・・だから、もう一回」
「・・・。えええっ!だ、だめですよ!」
「別にいいだろーが・・・ ・・・なあ」
甘く低い声で囁きながら再び唇を近づけてくる三井に、
藤井は困ったように眉尻を下げながらも、
そっと目を閉じて胸を高鳴らせながら落ちてくるはずのキスを待った。