「……お前さん、俺を誘ってるのか?」
「え…?」
盗賊いじめの帰り、雨に降られてしまった――。
楽しみにしていたお宝も乏しいものがなく、泣きたいような気分で宿に帰ったリナ。
考えてみると、今日は朝からついてなかった気がする。今朝の目覚ましはレッサーデーモン。たいした敵ではなかったが20体は如何せん数が多すぎだ。
森の中を移動しつつなんとか全滅させた頃にはすっかり迷ってしまった。
動物並みのガウリイの勘に任せつつ、やっと街についた頃はもう夕方。なんだかお祭り騒ぎで溢れ返る人込みを抜け、訪ね歩いた宿は何処も満杯。
最後にあたったちょっと高そうな宿では『ひと部屋なら御用意出来ますが…』と言われ、渋々承知したリナ達が通された部屋は…スイート。
「も…どうでもいい…疲れた…」
本当に。思考力が麻痺するほど疲れていた。ダブルベットに倒れ込むと『ショルダーガードぐらい外せよ』と言うガウリイの声がぼんやりと聞こえる。
けれど…リナは目をあける事が出来なかった。
目を覚ますとベットの中だった。部屋の窓からはまだまだ賑やかな人込みが見える。と、言う事はまだそんなに長く眠っていた訳ではないようだ。
枕元にはショルダーガードを含めたリナの装備一式。ベットの脇にブーツ。自分で外した覚えがないと言う事はガウリイがしてくれたのだろう。
「ガウリイ?」
広い部屋を見回すと、ソファアから大きな身体をはみ出して寝こけているガウリイが居た。
(ダブルベットなんだからここで寝ればいいのに…)
そんな自分の考えに赤面する。
よくよく落ち着いて見回せば、いかにも新婚さん向きの部屋である。バスルームが付いているし、二人っきりでディナーを楽しめる立派なダイニングには豪華な花が活けてある。普段の旅でこんな所に泊まる事は2度とないだろう――。
ふと、満たされない焦燥感に襲われる。一度考え出したらもうどうしょうもなくなってしまった。何か――もっと別の事を考えないと泣きそうだ。
別の事…。リナはいそいそ装備を整え、そのまま真直ぐに窓まで足を進めた。
「窓からお帰りとはな…」
ずぶ濡れで帰って来たリナに、開口一番怒気を孕んだガウリイの声。――かなりの御立腹だ。
「…あ…ガウリイ…あの…」
「風呂…入れるようにしておいた」
「…うん…」
リナはバスルームに向かった。
普段なら敏感に気配を感じ取ってリナの盗賊いじめを阻止するガウリイだったが、今日は珍しく気付かなかった。ふと目を覚ませばリナはいないし、だんだん雨は激しくなるし…。この雨だからさすがにさっさと引き上げてくるだろう、当然ずぶ濡れで――。
静かな部屋の中、バスルームから聞こえる水音。ガウリイは大きく嘆息した。
すっかり身体をあたためたリナは洗濯した服をかごに入れてリビングに入った。
ショート丈の真っ白いバスローブは小柄なリナが着ると膝丈になる。
「明日までに乾くかなぁ…」
きょろきょろと当たりを見回し洗濯物を乾かせる場所を探す。リナはダイニングの椅子に洗濯物を一枚ずつ掛けた。下着は上着に隠れるように気を使ってみたりしながら。
「リナ…お前なんて格好だよ」
ガウリイの言葉にハッとする。洗濯物の事で頭が一杯だった自分のとんでもない格好。
そして冒頭に至るのだ。
「そんな格好で出て来たら、普通そう思うだろ」
「だって、着替え持たないでお風呂に直行したし…」
ガウリイは静かに立ち上がり、リナの横に回りこんだ。
「ガウリイ?」
「…リナ」
「なっ…なに?」
ガウリイはリナの手を取り自分の股間へと押し付けた。
硬くて熱い感触にリナは赤面を通り越し湯気が出そうになる。
「もうダメだ…押さえられん…」
「えっ…あっ…ん…んん…」
リナの戸惑いを無視し、ガウリイは激しく彼女の唇を貪った。
そしてそのままリナの身体をゆっくりとベットに押し倒して行く――。
「は…ん…んんっ…」
息が苦しい…リナはガウリイの胸板に手を当て押し返そうとしたが、頑丈な彼の身体はリナの力ぐらいではびくともしなかった。
ガウリイの舌が差し入れられる。歯列を割ってまるで蹂躙するかのようにリナの舌が絡め取られた。
激しい口付けにリナの身体から徐々に力が抜けていった――。
「…リナ」
耳元で囁かれる優しい声…。
軽く耳たぶを甘噛みされリナの身体がピクッと震えた。
バスローブの合わせ目からガウリイの手が侵入して来る。
羞恥にローブの合わせ目に手をかけるリナを押さえ込み、彼女の小振りな膨らみを揉みしだく。
胸の先端を擦られ、痺れるような快感が背筋を通って上がってきた。
ガウリイの指がローブの結び目にかかり器用に外される。リナは布の端を掻き合わせ抵抗を試みるがあっさりとはだけられてしまった。
ふだん剣を握るその指が驚くほど繊細にリナの身体を撫で上げていく。
ゆっくりと円を描くような動きで乳房を揉まれ、切なげに隆起した乳首をきゅうっと摘まれる。
「あんっ…!」
思わず上がる嬌声――。
「感じ易いんだな…リナは」
ガウリイはそう呟くとリナの身体に視線をおろした。
触れていない方の乳首もきつく立ち上がり、リナの呼吸に合わせてゆるやかに上下している。
たまらない愛しさが沸き上がり、ガウリイはその頂きを口に含んだ。
(ちゅっ…くちゅっ…)
わざと音を立てて吸い上げるとますますリナの喘ぎが大きくなる。
「リナ…もっと…」
舌で乳首をくすぐりだす。もう片方の乳房は大きな手の中で嬲られていた。
時に軽く歯を立て、時に摘まみ上げ容赦無くリナを攻める。
「あっ…ガウリイ…あたし…もう…」
縋るような涙目でリナはガウリイの肩に手を掛け身体を押し上げようとした。それに答えるように身体を起こしたガウリイはリナの髪を梳きながら瞼に口付けを落とした。
「ガウリイ…」
「リナ…可愛いな」
「…天才美少女魔道士だもん…」
ガウリイは苦笑して視線を下に落とした。下半身に注がれている視線に気付いたリナは思わず身体を捩る。
そんな小さな抵抗も叶わず、ガウリイの手で元の体勢に戻されてしまった。
ガウリイの両手がリナの両膝にかかる。
「やっ…」
リナは足を開かせまいと両膝に力を込めた。
「…リナ」
膝の間に手を割り込まそうとしたガウリイはふ…と動きをとめた。そのまま両足首を掴み、ぐいっと持ち上げる。
「きゃあっ!」
持ち上げた足の下に身体を滑り込ませ、膝をリナの胸に付くほど深く押し付けると、しっとり濡れた花びらが顔を出した。
ゆっくりと顔を近付け、舌で力を込めてなぞり上げる。
「あぁぁぁっ!」
突然の激しい刺激にリナが仰け反った。その瞬間、わずかに膝が開く。その開いた隙間に手を差し込み、力を込めるとあっけなく開かれた。
ガウリイはもう一度花びらに顔をうずめると、何度も舌を上下させる。
すっ――と伸びて来た指が花びらを掻き分け、敏感な蕾をさらけ出させた。
唇をあてがいきつく吸い上げる。
「やあぁ…んっ!あんっ…んっ…あぁっ…!」
リナはガウリイの頭を押し戻そうとしたが、全く力が入らない。
唇で蕾を挟み器用に擦りながら、ガウリイはゆっくりリナの中に指を侵入させた。
何度も抜き差しをくり返すと、淫媚な水音とともに密が溢れてくる。
溢れた蜜がガウリイの手首を伝ってシーツにジワッと染みを作った。
身体起こし、ゆっくり引き抜いた指をリナの目の前まで持っていく――と、ガウリイはそれを丁寧に嘗めとった。
「そろそろ…かな…」
熱に浮かされたようなリナの表情がその呟きで少し曇る。
「こわいか?…リナ」
もし、全く別のシチュエーション――そう、例えばこれから戦闘に向かう――なら
『こわくなんかないわ!』と、リナは言うだろう。しかし…。
リナは叱られた後の子供のような顔で「…こわい…」と呟いた。
可愛いひと――。
内から沸き上がってくる愛しさに、ガウリイはたまらずリナを抱き締めた。
「優しくするから…な?」
「…うん…」
口付けを一つ落とし、ゆっくりとリナをベットに横たえる。
服を脱ぎ捨てそっと彼女の足を開かせるとガウリイは身体を滑り込ませた。
はち切れそうになったモノを秘所にあてがう――。
しっかりと両手で細い腰を押さえ、前のめりになりながらぐっと力を込めた。
「い…痛…」
まだほんの入り口であるにも関わらず、リナは眉をしかめた。
少しづつ、少しづつ突き込んでゆく。
「うっ…あ…痛い…」
裂かれるような痛み――。きつく閉じた眸から生理的な涙がこぼれた。
「もう少し…もう少しだからな」
「痛いよぉ…ガウリイ…」
痛みに人一倍弱いリナ。そのリナが必死に耐えている。早く楽にさせてやりたくて、中程まで入った所で、一気に貫いた。
「あぁぁぁぁ!!!」
まるで悲鳴のような声―――。
「リナ…大丈夫か?」
ガウリイがリナの頬に手を当てた。その手に自分の手をそっと重ねてリナはガウリイを見上げる。
「痛かった…まだ痛い…ズキズキする…ねぇ、全部入ってるの?」
「うん…リナの中に全部入ってるよ」
ガウリイはリナの背中に腕をまわし彼女の身体を起こした。そのまま抱えるように持ち上げると、あぐらを掻いてそこにリナを座らせる。リナの足はガウリイの胴体を抱え込むような形だ。
「んっ…」
「こうするともっと深く入るんだ」
リナの顎に手を掛けて上を向かせる。
「リナにキスしたいな」
「――して…」
繋がったままでお互いの口腔を貪るように求め合う。唾液がリナの口元から滴って、首筋を伝う――。リナの下半身から大分痛みが引いていった。
「そろそろ動いてもいい?」
コクリ…と、リナが頷いたのを合図にガウリイはもう一度彼女の身体をベットに横たえた。
ゆっくり腰を動かすと、ほんの一瞬だけリナが眉をしかめる。
「大丈夫だから…ガウリイのしたい様にして――」
そのセリフに彼のモノは堅さを増した。
ガウリイが突き込むたびに、リナの秘所から蜜が滲み出る。
痛みはすっかり鈍くなり、代わりに訪れた痺れるような快感に喘ぎを止められない。
「あぁっ…はぁっ…」
腰を打ち付けながら、リナの乳房を揉みしだく。押しつぶすように乳首に指を立てると
リナの喘ぎがひときわ大きくなった。
その手をそのまま滑らせ茂みを掻き分ける――蕾を摘むように嬲られ、喘ぎが悲鳴にかわった。
「あぁっ…!もう…あたしっ…」
「――ああ、俺ももう持ちそうにない…」
ガウリイは腰の動きを速める。
リナの身体の芯から、熱い何かが昇って来る。ふわぁっ――目の前が真っ白になり、ビクビクッと中が痙攣した。
その締め付けに、耐えきれずガウリイも精を放った――。
「…リナ?」
ガウリイの身体の下でリナがくったりと目を閉じている。
――どうやら失神したようだ。
(ちょっと激しかったか?)そう思いつつ視線を動かすと、バスローブが彼女の下敷きなっている。そこにいろんな液にまみれて赤い染みが付いていた。それをそっと抜き取り、リナに布団を掛ける。
可愛い恋人の寝顔を見ながら、
――ああ俺は世界一の幸せもんだ――と、呟いた。