スレイヤーズ  

「じゃ、おやすみ、リナ」  
「うん、おやすみなさい、ガウリイ・・・」  

───あーあ、今日もナシ、かぁ・・・・・・  
ガウリイとお休みの挨拶をしてから、一人ベットの上で、あたし、何気なく  
そんなことを呟く。そして、口に出していたのを自覚し、どうしようもなく恥ずかしくなる。  
でも。  
でも、思わず独り言をいっちゃうくらいとても、寂しい───  
これというのも、ガウリイ、ここ一週間、あたしのこと抱いてくれない。  
一週間前までは、ほぼ毎日、夜明けまで・・・うああああ、なんか、あたし、  
ヤルことばっか考えてる女じゃないか。  
ひとしきり恥ずかしさと格闘したら、、胸の切なさだけが残った。  
・・・いつもなら、この時間はガウリイが側にいてくれる、のに。  
そんなことを考えてたら、一気に彼の感覚が蘇って───  
ガウリイの唇、優しいキス。思い出しながら、指で唇をなぞる。  
そして、その指で、いつもガウリイが触れる順番、耳、首筋、鎖骨、胸を辿る。  
───どうしよう、すごく、エッチな、気分、だ・・・・・・  
膝をすりよせる。  
スボンの中に手をいれると、あたし、かすかに湿っていた。  
そのまま、ガウリイの指づかいを思い出す。かきまわすんじゃない、こう、  
開いていくような・・・違う、こんな細い指じゃない、もっと、長くて、骨ばってて・・・。  

「・・・・・・んっ」  
秘めやかな音と、小さな嬌声。  
大丈夫、これくれないなら、隣室のガウリイに聞こえない、はず。  
息づかいが切なくなってゆく、だめ、止められない。  
火がついた、あたしの体はガウリイの舌のこと思い出していた。  
実は、あたし、舐められるのが一番───とまではいかないけど、かなり、好き。  
あの、なま暖かい感触は、絶対の快楽をくれたし、  
なにより、ガウリイは愛おしそうに舐めてくれた。恥ずかしくなるくらい。  
されてるとき、快楽で薄れそうになる意識のなか、ああ、なんか、ガウリイ、  
大好きなアイスクリーム舐めている子供みたいだ───なんて、馬鹿げたコト  
思ったっけ・・・。事実、ガウリイはあたしから溶けてゆく蜜を、逃そうとしなかった。  
「・・・ぁ、あっ・・・・・・がう、りぃ・・・」  
激しくなっていく指使いと共に、声、抑えられなくなってしまった。  
既に、指は愛液まみれで。  
この指が、ガウリイのだったらいいのに、と、思いながら、あたしは軽くイった。  

「・・・・・・はぁ」  
うう、この空しさはなんだろう。  
わかってる、一人でするのはどうしようもなく、ムナシイ。  
わかってながらも、しちゃう位、あたし、ガウリイが欲しかった。  
でも、この先、ガウリイ、抱いてくれるんだろうか・・・。  
不安になる、だって、自分の体はあんまり魅力的だとは思わないし、  
胸だって、小さいし、かといってテクニックがすごいだとかも、ない。  
・・・・・・。  
「ええいっ!女々しいぞ!リナインバース!」  
こんなの、あたしらしくないと、頬に軽く気合いをいれ、気分転換にお風呂を思い立つ。  

───キイッ  
蝶番がきしむ音と一緒に、ドアを開けると、丁度ガウリイもまたドアを開けかけていた。  
その姿、確認したとたん、あたしの顔は熱くなった。  
だって、さっきまで、あたし、ガウリイのコト考えながら・・・・・・。  
「どした?リナ、風呂か?」  
「あ・・・うん、お風呂、行こうと思って」  
「・・・・・・でも、顔、赤いぞ?大丈夫か?」  
ガウリイ、あたしのほうへ近付いてくる。それで、ますます顔が熱くなる。  
「なんか、あったのか?」  
「え、えっとね!運動!そう!ちょっと運動をしてたの!」  
動揺のあまり、説得力のないことを口走ってしまう。なさけなや・・・。  
「へぇ・・・運動ねぇ・・・どんな?」  
「ど、どんなって!なんでそんなことまでアンタにいわなきゃなんないのよ!」  
「だって───」  
「な、なによ」  
「だって、リナ、俺とやってる時と同じ顔、してる」  
図星をつかれ、顔の温度は火がふけそうなほどになる。  
「もしかして、一人でしてた、とか」  
「そんなこと!そんな───あっ」  
いつのまにか、あたし、壁に押しつけられて、指を舐められていた。  

「リナの、味がする」  
もう、声をあげることもできない、ココからどうにかして逃げられるか・・・・・・  
それしか考えられなかった。でも、どう足掻こうにも、ガウリイにしっかりと腕を捕まれて、  
身動きができない。そのまま、ぐい、と引っ張られ、あたしの部屋に押し込まれる。  
それを、理解するかどうかの時間すらも与えられず、貪るようなキスをされ、  
あたしから、逃げる気力も、抵抗する気力も彼は吸い取った。  
「俺のこと、考えながらしたの?」  
キスの余韻にひたってると、ガウリイが耳元で囁いてきた。あたしの大好きな、声で。  
「・・・・・・」  
恥ずかしくて、答えられるわけ、ない。  
無言のままでいると、ガウリイ、また、あたしの指を口に含んだ。  
今度はさっきより、丁重に。指って、こんなに感じるものだったの!?  
「んっ・・・ぁっ・・・」  
「なに、感じてるんだ?・・・なぁ、知ってたか?  
リナのって、サラサラで、甘くて、少し苦いんだよ」  
責めるわけじゃない、けど、その言葉はあたしを確実に追いつめていく。  
「もう、一回だけ、聞くぞ?一人で、した?」  

聞きながら、ガウリイ、背中をゆっくりとなで回す。  
キスという媚薬で燻りだしたあたしの躰は、そんな何気ない動作ですら  
愛撫に換えた。もっと、もっと、さわって。認めたら、もっと、キモチイイことしてくれる?  
理性は必死で止めようとしてるのに、本能があたしのクビを縦にふった。  
「・・・・・・イイコだ」  
楽しげな視線と口調。  
もしかして、あたしが我慢できなくなるのを待ってた・・・?  
「どんな風に、したの?」  
「───え」  
残りの理性があんまりなその質問をシャットアウトする。  
「え?じゃない、どんな風にしたか聞いてるの?指、それとも、なんか使った?」  
「そんなことっ!言える、わけ・・・」  
「俺は、リナに悪いと思ってしなかったのに、なぁ・・・」  

誰に言うまでもない、その言葉は、私にトドメを刺した。  
滲む涙。  
どうしてこんな目に───思考とは裏腹に、さっきから、躰のあちこちをなで回す  
無骨な手になよって、躰は歓喜していた。引きずり出された。淫らなあたしが全て、残らず。  
もう、ハメられたとしても、構わない。好きにして、どうなってもいいから───。  
「・・・・・・で、し・・・たの」  
「ん?何?聞こえないよ?」  
「ゆ、び・・・でしたの・・・」  
「・・・指で?どんなカンジに?」  
「───っ!・・・いつも、ガウリイが、してくれる、みたく」  
「へぇ・・・こんな風に?」  
「・・・ふぁあああああっ!」  
前触れもなく、ガウリイが、あたしのスボンのなかに手をいれ、割れ目に指をはわせた。  
間をおかずに、クチュクチュといやらしい音があふれで、あたしを熱くする。  
「すげぇ・・・なんでこんなに、濡れてるの」  
思わず感嘆するガウリイ、それほどまでに、あたしは───  
「だって・・・ガウリイが・・・さわって、くる・・・からぁっ・・・」  
「俺ほとんど、ふれててないじゃん、リナがエッチなんだろ?」  
「ち、ちがっ・・・あっ!・・・ぁあっ」  
「───ほら、また、溢れた・・・・で、俺の指より気持ちよかった?」  
「・・・・・・ばかっ!」  

答えにとまどっていると、ガウリイ、動きを止めた。あたしのナカで。  
あんまりな焦らし方に、どうしようもなくなる、腰を動かそうとしても、押さえ込まれて・・・。  
早く、動かして。早く、イカせて。お願い。  
「ほら、リナ、答えないと、ずっとこのままだぞ?」  
「・・・ガウリイの・・・ほうが・・・キモチイイっ・・・だから、はやくっ・・・」  
「よくできました。でも、リナ、指より好きなものあるだろ?」  
「あう・・・」  
どこまでも、見透かされてる、あたし。  
「指じゃ、物足りないだろ?リナ」  
「・・・なめて・・・ほしぃ・・・」  
もう、我慢できないよ。  
「素直でかわいいな、今日の、リナ」  
どーういうイミよそれって!いつもなら、そう言い返すとこなんだけど、そんな余裕すらない。  
気づけば、ベットに横たわられ、服を脱がされていた。  
覆うモノがなくなった脚の付け根に、ゆっくりと顔を近づけてくるガウリイ。  
「もっと、見えるように、脚、開いて」  
「やっ・・・恥ずかしい・・・」  
口ではそういいながらも、あたしは、開いた。奥まで舐めて、欲しくて。  

───ぴちゃり・・・  
「ああっ・・・はっ・・・ぁあん」  
「・・・リナのココ、いまにも溶けてきそう・・・」  
本当に、溶けてもいい。ガウリイなら、あたしを残らず舐めとってくれるんでしょ?  
沿うようにガウリイの熱い舌が蠢く。そのたびに、体中を駆けめぐる、甘いしびれ。  
与えられる快楽を受け取るのに精一杯で、腰が動くのを止められられない、  
ガウリイに、押しつけ、ねだる。どんなやらしい女だって思われてもいい。  
「ぁふっ・・・ガウリイ・・・もっと・・・あっ・・・おくっ」  
蜜があふれ出るソコを、舌がはぜわった。  
「やっ・・・もう、あたしっ・・・」  
限界は、もう、もう近い。ゆっくりと確実にあたしは、ソコへ向かおうとしていた。  
身構え、シーツをつかもうとした、時、予想もできない程の、快楽が。  
ガウリイが芯を強く吸った、から。  
「あああああああっ!」  
「───っく!」  
急にきた、電撃のような絶頂に、あたし、身構えることができず、  
ガウリイの顔、太股ではさでしまった。  

「っあ・・・ごめん・・・」  
あわてて、謝るあたしに、ガウリイ、ニヤニヤと笑いながら言う。  
「いいよ、リナの太股、キモチイイから」  
「んっ」  
いいながら、太股をなぞるガウリイ。  
そんな行動すら感じてしまうのしっててやってるんでしょう?  
「なぁ、リナが上になってよ」  
「・・・ムリ・・・よ」  
「一人、じゃできるのに?」  
「・・・もう、わすれてよ・・・」  
きっと、、今、ものすごい赤い顔してるんだろうなぁ・・・・。  
何も言わず、また、ニヤリと笑って、みつめてくる。  
あたしのこと、思い通りにしたつもり?  
「そんなに、見ないで・・・」  
バカね、とっくに、あたし、ガウリイの思い通りなんだよ。  
目をあわせないように、顔を伏せ、あたしはガウリイ勃立してものにゆっくりと身を沈めた。  

 

ぬぷっ・・・  
「んっ・・・はっ」  
あたしのナカが、ガウリイで満たされていく。  
これが───これが、ホントは、一番、欲しかったの。  
動きもしないうちから、生まれて来た、快感にどうしようもなく、ガウリイにすがりついた。  
「リナっ・・・もっと・・・腰つかえよっ」  
「やっ・・・うまくっ・・・うごけないよっ・・・あっ」  
ガウリイのが、全部はいってきて、苦しいくらいなのに。  
それに、動こうとするたびに、繋がれた場所から起こる、ニュプヌプとあたしとガウリイの  
欲望が混ざる音や、そこからもれそうになる、あたしの愛液、なにより、はっきりと見える  
くわえ込んだあたし自身が、恥ずかしくて、上手く動けなかった。  
「ったく・・・しゃあないな」  
「きゃっ!・・・・・・あああっあっやあああ」  
ガウリイに組み敷かれた───それを理解しないうちに、最奥をガウリイに何度も何度も  
激しく突かれ、あたし、喘ぐことしかできなくなる。  
「ああっ・・・やっ・・・っあ・・・くっ・・・あふっ」  
壊れちゃうんじゃないかって位、ガンガンと突き上げてくるガウリイ。  
「がうっ・・・りっ・・・そんな・・・うごかさなっ・・・あああっ」  
「一週間もっ・・・我慢してたんだっ・・・とめられるっ・・・くっ・・・わけないだろう!?」  
「やっ・・・だめっ・・・いっちゃう!ああっ」  
奥まで、突かれ歓喜した躰はいともあっさりと果てた。  

かなり締め上げてしまったのし、あたしのナカのガウリイは堅いまま。  
やけに、形や、大きさがわかるのは、気のせい?  
「リナ、そんなんじゃ、朝まで、もたないぞっ・・・」  
再び動きだすガウリイ。  
「ああっ・・・ふっ・・・あっ」  
ぐったりとした躰を休ませる暇もなく、あたしは、また波にのまれた。  
痛いほど、疼いていた胸のとがりをきつくすわれ、仰け反る喉。  
「はああっ・・・んっんっ」  
嬌声をキスでさらわれ、口腔を舌で侵される。上と下の口を同時にガウリイに  
侵され、あたしは、両方からいやらしい涎を垂らした。  
シーツが快楽の色で染まってゆく。  
なにかを求めるように、あたし、ガウリイの首をかき抱いた。  
サラリとした髪の感触。くすぐったくてキモチイイ。  
流されそうになる意識のなか、ふとそんなことを思う。  

「リナっ───!」  
嬉しいくらい切なげな声であたしを呼ばないで。瞼を開くと、眉根をよせ快楽に  
耐えている愛しい人がいた。嫉妬したくなるくらい色っぽい。  
ねぇ、感じてくれてるの?あたしと一緒に。  
ガウリイの腰の動きが早くなる。  
「ああっ・・・ガウリイっ───」  
「───くうっ」  
ぐちゅぐちゅに掻き回された、あたしのナカを、熱いモノが駆けめぐった。  
それに押し出されるように、あたしは気を失った。  

気づいたら、あたし、しっかりとガウリイの腕にかかえこまれてて。  
「で、今度から、二人部屋だな」  
「はぁ?なにいってんのよ」  
「だって、リナに一人でされるわけにはいかないし」  
まだそれをいうか・・・こいつは・・・。  
「それに、あんな声で呼ばれたらたまんないしなぁ」  
「──────!!!きききききいて!」  
「ばっちり」  
言葉にならないあたしに、満面の笑みで答えるガウリイ。  
「だから、覚悟してろよ、リナ」  
「できるかっ!ぼけぇー」  
逃れきれない腕のなかで、悔しくて悔しくて、あたしは堅く復讐を誓った。  
少し、嬉しいのは気のせいなんだから───