スレイヤーズ  

「部屋が一つしか空いていないだと?」  
ゼルガディスの問いに宿屋の主人は  
「こんなことは滅多にないことなのですが…。」  
と困ったように繰り返すばかりだった。  

サイラーグでリナとガウリィと別れた後、  
ゼルガディスとアメリアの2人は方向が同じだったため旅路を共にしていた。  
次の街に辿り着けば別れるという街の森にさしかかった夕刻時突然の豪雨に襲われ、  
やっとのことで走りこんだ街に一つしかない宿屋で待っていた言葉がこれだった。  

溜息をついたゼルガディスが、  
「悪いがこいつだけその部屋に泊めてやってくれ。」  
と言い残し宿屋を出ようとした所、  
後ろからむんずとローブを掴まれて動けなくなる。  
「2人同じ部屋でお願いします。」  
と笑顔で宿屋の主人に告げているアメリアにゼルガディスは慌てた。  
「1人で泊まれ。俺はどこか他を探す。」  
「何を言っているんですか。外は酷い雨ですよ。他に宿屋はありませんし。  
そんな所にゼルガディスさんを放り出して私1人ぬくぬく部屋で寝るなんて正義に反します!」  
「お前さんの正義なんかどうでも良い。  
なんで俺がその正義とやらに付き合わないといけないんだ!」  
「大丈夫です。私は気にしません!」  
「気にしろ!お前が気にしなくても俺が気にする!」  
何の根拠があって大丈夫なのかはさっぱりなまま、  
宿を出るなら一緒に自分も出て行くと頑として譲らないアメリアに押し切られ、  
結局同じ部屋に泊まることになってしまったのだった。  

アメリアがバスルームを使う水音と外の激しい雨音を聴きながら、  
ゼルガディスは今日何度目かも分からない溜息をついた。  
部屋に着いた途端逃げ出すとでも思われたのか先に風呂に押し込まれたおかげで、  
先程まで濡鼠となっていた冷たい身体はホカホカと温かい。  
その間アメリアは身体を冷やしたままだったのだと思い当たり僅かに罪悪感が頭をもたげた。  
あれでも一応女だ。  
自分より先に風呂に入れてやるべきだったと思いまた溜息をつく。  

時間を持て余したまま先程の会話を思い出し、  
一体何が大丈夫なんだ何がと心の中で毒付いた。  
「俺が気にする」というのは別に冗談でもなんでもなく切実な気持ちだった。  
いつ頃からか芽生えていた自分の気持ちに一応自覚はある。  
ただし反面それは酷く現実味のないものだと思っていた。  
自分にとってはこの呪われた身体を元に戻すことこそが最優先事項であったし、  
そのために生きていると言っても過言ではない。他の事にまで手は回らない。  
ましてやアメリアはセイルーンの王女でありその立場がある。  
お互いの道は交わらない。  
だからこそこの気持ちを告げる気はなかった。  
それで良いと思っていた。  
自分とアメリアの道は明日再び分かたれる。  
なのにこの状況に嫌でも己の心を意識せずにはおられない。  
そんな事情を知らないからこそ、  
男と2人きりで泊まるなどということを選択したのであろうアメリアに、  
ゼルガディスは軽い苛立ちを覚えた。  

「いいお湯加減でしたね。」  
宿に備え付けの簡易バスローブ姿のアメリアが出てきたので、  
ゼルガディスは腰を降ろしていたベッドから立ち上がり狭い部屋の隅にゴロリと横になった。  
「そのベッドはお前が使え。」  
短く言ってさっさと目を閉じようとした所にアメリアが寄ってくる。  
ほのかな石?の香りがゼルガディスの鼻をくすぐった。  
「せっかく温まった身体が冷えちゃいますよ。ゼルガディスさんが使って下さい。」  
「お前さんはどうするんだ。」  
「丈夫だから床で大丈夫です。」  
見ればアメリアの手には彼女の分の毛布が握られていた。  
「そういう訳にもいかんだろ。」  
「じゃあ一緒にベッドを使いますか?」  
何故かそんな冗談を軽く流せる気分ではなかった。  
苛立ちが衝動となりそうで自制心に自信がなくなってくる。  
不意に身体を起こすとアメリアの手を掴み乱暴にベッドに押し倒す。  
小柄な彼女の身体はあっけない程あっさりと組み伏せられた。  
「こうなる事は考えていなかったのか?」  
これで2度とそんな冗談も言わなくなるだろう。  
明日の朝まで2度と自分に近づかずに大人しくしていてくれれば良い。  
なのに―  
「それでもいいと思ったんです。」  
枕元に一つしかない薄暗いランプの明かりのせいで表情はよく見えなかったが、  
確かに彼女はそう言ったのだった。  

自分達は何かを言い交わした仲でもなく、  
ましてや何か約束を交わしたという訳でもない。  
それでもこの愛と正義を信望する自分の信念に真っ直ぐな少女が、  
男に同情や憐憫の情で抱かれるなどということだけは決してないという揺ぎ無い確信があった。  
それは自分の勝手な思い込みかもしれないのに。  
圧し掛かった体勢のまま唇を塞ぐ。  
初めて触れるそこは柔らかくうだうだと考え続けるゼルガディスの思考を奪っていった。  
感触を楽しむように何度も啄ばむようなキスを続けると  
固く引き結ばれたアメリアの唇が苦しげに少し開く。  
その間に割り込むように舌を入れると、  
戸惑ったように引っ込められた舌にゼルガディスは自分のそれを絡ませた。  
「う…ん…んっ…」  
更に口内を蹂躙しながら服の隙間から手を差入れると、  
直接当たるその手の感触にアメリアの身体がビクッと反応する。  
ふと腕の下に押さえ付けた身体が強張って震えていることに気が付きゼルガディスは顔を上げた。  
「お前さん…初めてか?」  
薄明かりの中でもそうと分かるほどアメリアの顔が赤く染まる。  
「だっ、だいじょうぶです!  
経験があるかと言われればあったことはない…というか…その…ないんですけど…。」  
段々と消え入るように小さくなる声に何が大丈夫なんだと思いながら  
ゼルガディスの口元に苦笑が浮かぶ。  
「分かった。」  
一つ溜息を着いてから耳元に唇を落とした。  
「なるべく優しくする。」  

 

首筋に顔を埋めて唇を這わせてゆきながら、  
前を合わせた布をはだけさせると形の良い豊かな乳房が露わになった。  
肌が空気に晒される感触と恥ずかしさに  
思わずアメリアは顔を背けてぎゅっと目をつぶる。  
ゼルガディスは乳房の一つを手で包み込むと柔らかく刺激を与えながら、  
もう一つを口に含み突起の部分を舌で舐め上げた。  
「あっ…う…っ…」  
今まで感じたことのない刺激に肌が粟立ち  
必死に声を押し殺していたアメリアの唇から小さく声が漏れる。  
「我慢しないで声を出せ。」  
口を押さえていた手を押さえ付けさらに舌で包み込むようにして先端を嬲ると  
「っ…だめっ…です…恥ずかし…」  
涙の滲んだ目でゼルガディスを見上げながらアメリアが首を振る。  
「外の雨音で何処にも聴こえない。大丈夫だ。」  
そう言いながら二つの乳房をゆっくり揉みしだきながら  
指の先でその先端を摘み上げて捏ねる。  
また唇で貪り刺激を与えつつ軽く突起に歯を立てるとアメリアの身体が跳ねた。  
「や…っあ…ん、あぁっ…!」  
断続して襲い来る愛撫に与えられる  
初めて経験する快感の波がアメリアの理性を押し流してゆく。  
いつの間にかゼルガディスの動きに甘い嬌声を挙げさせられていた。  

わざと音を立てながら胸を舐め回し  
脇腹を撫で上げる様にして手を下にずらしていくと、  
それを察したアメリアが思わず足を閉じようとする。  
が、その前にゼルガディスが身体を間に割り込ませて膝を割る。  
小さな布越しに無造作に指を這わせるとそこはもうしっとりと濡れていた。  
「―――っ!」  
アメリアが身を捩ってその手から逃れようとするのを縫い付け、  
割れ目の部分に指を這わせなぞり上げるようにして動かす。  
「んっ…ふっ…ああ…ん」  
「…嫌なのか?」  
「…っ…違います…でも…っ…あぁっ!」  
布の間から直接指を侵れられアメリアの身体が強張る。  

クチュ  

「ここは快いみたいだがな。」  
すっかり熱を帯びたその部分を無骨な指で撫でられる。  
クチュクチュと水音を立てられる羞恥がアメリアを翻弄した。  
「や…あっ…あ…あぁ…っん…」  
自分の意思とは関係なく反応してしまい、  
あまりの恥ずかしさと急き立てられる様な昂揚感に  
アメリアの身体からはだんだんと力が抜けていった。  

乱れた息を繰り返す身体から最後の布を取り払うと、  
ゼルガディスは柔らかい太股を手で押さえ付け足を開かせ頭をソコに埋める。  
「やっ…そんな…だめっ…だ…め…です…っ…!」  
驚いたアメリアの手がゼルガディスの頭を押し戻そうとするが、  
その手を片手で捕らえると構わず舌で割れ目の部分を舐め上げた。  
「っ…あ…っん…」  
ピチャピチャと舌を這わせつつ一番敏感な部分を逃さず探り当てる。  
その部分を舌で捕らえて擦るように捏ね回し愛撫し始めた。  
「あああぁっ…んっ!」  
舌使いに反応して徐々に固くなってゆくソコを舌で弄りながら吸い上げると、  
アメリアの背中が弓なりに反り手がシーツを強く掻き抱く。  
「…だめっ…だ…め…あああぁっ!」  
熱に浮かされたように底知れぬ快感に追い詰められて、  
アメリアは訳も分からないまま頂点に達した。  

荒い息の下ぐったりと力を無くした身体を見下ろして、  
「大丈夫か?」  
と言いながらゼルガディスの指がそっと足の付け根の内側をなぞる。  
つい先程まで愛撫を繰り返され敏感になった身体はピクンと反応し、  
アメリアはトロンとした焦点の合わない表情のまま小さく頷いた。  
再び身を屈めて唇を重ねると今度はおずおずとアメリアも舌を絡ませて来る。  
「ふぁ…んっ…んんっ…!」  
何度も音がするほどお互いの舌を絡ませ合い深く深くをキスしながら、  
足を上げさせて下にずらした指をアメリアの奥へと差し込む。  
一度意識を手放したアメリアはゼルガディスにされるがままだった。  
「っ…ううんっ…」  
ヌルリとソコはアメリア自身から出たものに助けられ  
さほど抵抗なく指の侵入を許した。  
柔らかな肉壁の間を少しずつ出し入れするようにしながら掻き混ぜると  
新たな液体が次々と溢れ出してその動きを助け水音を辺りに響かせる。  
クチュ…クチュ…クチュッ…  
「あっ…あ…あぁ…っん」  
再び熱を帯びた身体に挿れられた異物のその動きにあわせて  
波のように襲う快感にアメリアが身を捩る。  
ソコを充分に濡れさせ慣らしてから指を引き抜くと  
ツーッと透明な液体が糸を引いた。  
ゼルガディスが身体をひくつかせるアメリアの耳元で囁く。  
「…いいか?」  
返事の代わりにアメリアは  
ゼルガディスの首に手を回してぎゅっとしがみ付いた。  

「あああぁぁあっ!!」  
少しずつ押し入ってくる熱いモノの指とは比べものにならない圧迫感と  
メリメリと身体を引き裂かれるかのような鋭い痛みに  
アメリアは声にならない悲鳴を上げてゼルガディスの背中に爪を立てた。  
「―――くっ!」  
ゼルガディスもまた己のモノを喰いちぎるかのようにきつく締め付けられ、  
直ぐにでも達しそうになる快感から歯を喰いしばって耐える。  
苦しそうに絶え絶えに息をするアメリアの頬を伝う涙に口付けながら髪を梳く。  
「はっ…あっ…痛…!」  
「アメリア…力抜け…大丈夫だから…」  
少しずつ息を整えるアメリアを落ち着かせようと何度も何度も髪を撫でて口付ける。  
「…大丈夫か…?」  
「……だいじょう…ぶ…」  
しばらくして裂かれるような痛みがなんとか和らぎ  
息を落ち着かせたアメリアが小さく頷く。  
それを見て取ると試すように少しずつゆっくりとゼルガディスは腰を動かし始めた。  

ドクンドクンと脈打つ熱いモノが自分の中で脈打つ感覚に、  
アメリアは今まで感じていたひきつるような痛み以外のものを感じ戸惑う。  
「あっ…あぁ…っん」  
脈打つ熱に急かさるような感覚と  
なるべく痛みを伴わないようソレが中でそろりと抜き引きされる微弱な動きに  
アメリアの唇から甘い声が漏れ始めた。  
その声に促される様にゼルガディスが少しずつ動きを速める。  
グチュ…グチュッ…グチュ…ッ  
「…あっ…あ…んっ…ああっ…っ!」  
一方咥え込まれた自身を絡みつくようにきつく締め付けられ、  
乱れるアメリアの表情に煽られるように  
ゼルガディスの快楽もまた押し上げられた。  

「悪い…ちょっと…我慢できそうにない。」  
そう言って身を起こすと貪るように唇を重ねて一気に腰を突き上げる。  
「ふあっ…やっ…あっ…ああっ…んっ、ゼルガディスさん…っ!」  
そのまま腰を打ち付けられながら  
胸も下の敏感な所もゼルガディスの手で弄られて―  
いつしかアメリアは早急な動きに痛みよりも快楽を与えられ  
無意識に自ら腰を淫らに動かし昇りつめていった。  
「あああぁぁあっ…!!」  
頂点に達したアメリアの身体が弓なりに仰け反りゼルガディスにしがみ付くと  
急速に中のゼルガディスのモノも締め付けられる。  
「―――くっ!」  
同時にゼルガディスが己のモノを引き抜きアメリアの上に熱い液体をぶちまけた。  

「はあ…っ…はあっ…はあ…」  
おそらく自分が無理をさせた。  
荒い息を繰り返し  
グッタリと動けないでいるアメリアの身体を引き寄せる。  
髪を手で梳き、しばらく逡巡した後―  
初めて触れるかのようにそっとその額にゼルガディスは唇を落とした。  

「……好きだ…。」  
ずっと言うつもりのなかった言葉を小さな声で呟いた。  

街のはずれにのびる2つの道の手前でアメリアが立ち止まった。  
一方の道をアメリアはセイルーンへ、そしてゼルガディスはもう一つの道を行く。  
「ここでお別れですね。」  
「ああ。」  
「―ゼルガディスさん、この道は2つに別れていますよね。  
でも世界中の道はどの道も全て何処かで一つにつながっているんですよ。」  
「…」  
目を見張るゼルガディスを真っ直ぐな目でアメリアが見上げる。  
「私はこの道を行きます。セイルーンで自分の成すべき事をして  
ゼルガディスさんにもリナにもガウリィさんにも  
ちゃんと胸を張れる自分でいるように頑張ります。  
だから―」  
そう言ってアメリアは右手を差し出した。  
少し泣きそうな顔で、でも強い意思を宿した瞳は揺るがないで。  
ゼルガディスもまた右手を差し出す。  
「また…な。」  
「はい!」  
満面の笑顔を浮かべてアメリアは嬉しそうに大きく頷いた。  

それから振り返らずに彼女はセイルーンへの道を歩き出す。  
ゼルガディスもまたもう一つの道に足を踏み出した。  

終わり  

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