2〜3日前に、盗賊達を軽くのした後、  
お宝の部屋で浮かれて品定めをしていたお前さんが、要らないものを投げて壁に当たって、棚を揺らし落ちてきたものをつい手を伸ばして受け止めただけで、  
それをつい持ってきちまったのは、何も考えてなかったからだし、  
ここが山小屋なのは天気がいいと言って、昼寝を始めたおまえさんが思ったより長く寝てしまって次の町まで辿り着けなかったのが、原因だし。  
二人っきりなのはいつものことで。  
 
「・・・だからって・・ンっ・やぁ、はっ・・」  
瓶開けたのは、お前さんだし。  
「コレ何って・・やン・・差し出されたら、あっ、開けるわよぉ・・」  
で、気付いてあわてて放り投げて、二人揃って吸っちまったんだよな。  
 
もう顔がニヤケきってどうしようもない。  
盗賊がわざわざ棚の上に置いていたのも頷けるほど、良い効き目だ。  
媚薬さまさまだな、全く。  
部屋に充満している匂いは、荒い息を繰り返す度に吸収される。今ならどんな体勢をしても、リナは拒まない。やりたかったことを、ひたすらやっていく。  
抜かずに2度放出して、やっと自分に落ち着きが戻る。放出した直後にもかかわらず、息を数回深く吸っただけで回復してくる。リナの体を横向きに寝かせ足を持ち上げると、入れたまま捻じる感触もリナを責めているようだ。  
持ち上げた足を真直ぐにして、ふくらはぎにむしゃぶりつく。  
ほぼ直角に開かれた股間は、いつもより深く刺さり、長いストロークを可能にする。速度を上げて緩めて、更に上げて止める。  
 
リナの中は、本人に似ていて、表情がよく変わる。急に締め上げだしたり、入れるのを拒むのかと言うほど、上からおさえつけられたり、出すのを嫌がるように吸い付いてくる。  
こうして動きを止めても、オレを貪ぶるために蠢いている。ひくつき始めたのを感じて、最奥にいれたまま今度は、オレが体の位置を変える。  
リナの喘ぎが悲鳴のように細く長く上がる。  
「まだだ、リナ」  
背後に密着して横になり、入り方が浅くて物足りないが、これはでリナの中の最も弱いところを責められる。尻を掴み振動を与えて、ココを責めるぞと予告のような浅い刺激だけを送る。  
「ほら、ココ、好きだろ?」  
本当ならもっと色々言って、苛めたい。今リナの体がどれだけオレを欲しがっているかとか、いやらしく腰が動いている様や、いつもよりクリトリスがすっかり剥けてしまっていることを、並べたてて恥ずかしがらせて、くねらせたい。  
だがオレもすっかり追い立てられていて、息が上がってしまっている。  
今度はリナだけにこの薬を嗅がさねば。  
「ほら、擦ってほしい?」  
「・・はぁっ、あっ・・」  
もう限界ぎりぎりらしく、顎までもが痙攣し始めている。何かを言える状態じゃない。不意に亀頭が痛いほど締め付けられる。勝手にイかれるのは、普段の道中だけで充分だって言うのに。そのままの体勢で急激に腰を動かした。  
オレの方がエラを使って責めているはずなのに、それに浸けこんでイボイボした壁がエラを捲り上げる。駄目だ。また持っていかれちまう。  
膣壁全体がきつくしまってきた瞬間に、力一杯押し込んで、のけぞってきた背中を胸の中に、リナの中に3度目を吐き出した。  
 
立て続けの3発は、さすがにきつく、オレはようやくリナの中から自身を抜いた。  
リナはまだ余韻の中を彷徨っている。行為の後、リナの腹をさするのはもう癖になっている。子供が欲しいと願い、中に居る自分の分身にがんばれと声援を送る。リナを失うかもしれない恐怖や、リナを置いていくかも知れない恐怖。  
似たような感情はリナの中にもあって、それがずっと一緒に居よういう約束に、頷いてくれない理由なのも知っている。だから―――。  
やがて生まれてくる子供は、一人残されることも、一人残すことも失くす、救世主のようなものに想える。  
ずっと一緒に居るという約束そのものになってくれるだろうから。  
 
だから、リナのアソコからオレの出したものが溢れ出てくるのを目にした時、なんとなく手で押さえてしまったんだ。  
「・・・んっ・・」  
なんて鼻にかかった甘ったるい息を出したのは、まだ媚薬の効果が残っている所為なだけだが。  
男として惚れた女にそんな声出させて、そのままにしておけない。  
剥けたままのクリトリスを見た後に、目に飛び込んできたのが、まだ半分以上残っていた例の瓶だ。  
そうなると、思いつくことは一つ。  
 
「いやぁ――っ!何したのよ、ばかぁー!!」  
身を捩じらせて叫ぶ姿に、改めて薬の偉大さを感じた。  
 
「いやっ!だめっ!」  
咄嗟にアソコを押さえたその手が、逆効果を起こしているのに止められずにいる。  
足を閉じ身を丸めて、少しでも隠そうとしているが、太股の間から生えた手が淫靡で、おもわず覗き込む。  
「んっ、んっ・・」  
足に力が入らなくなったのを見計らって、両足首を高く掴み広げ、もっとよく見えるようにする。  
最初粒を弄っていただけの筈の指は、2本も深々と抜き差しされ、白くふやけかけている。  
その光景は何よりの即効性の薬で、オレはその効き目を甘受した。  
 
 
翌朝、体が疼いてあまり眠れない。リナに無理をさせすぎた。いつもは2回でもう触るなと言ってくるのに、昨日はさすがに言わなかったから、始めたのが日没後すぐ、止めたのが日の出後だから、半日ヤリ通しだ。  
ぐったりとしているのに、息だけが甘い。換気をしようにも彼女は全裸のままで、扉や窓を開け放つのも躊躇われ、彼女の体を清めて服を着せることが、最優先に思えた。  
小屋の裏にあった井戸はまだ使えそうだった。だが当然風呂などはなく、近くにあった洗濯用のたらいに水を張る。行水ならできるか。辺りに人の気配はない。  
リナをここに連れて来て、魔法で湯を沸かして貰って入れてやれば、少しはマシになるだろう。その間に換気と洗濯、着替えを先に出してやらなきゃ。  
 
「リナ、起きられるか?」  
う〜んと薄目を開けて、肯定とも否定とも取れる返事をする。  
「裏行って、体洗おう?今なら近くに誰も居ないから。」  
床に撒き散らかした服の中から、バンダナを取り出し髪を纏め、裸のままの彼女を抱え、外へ出た。  
 
「朝だ〜・・」  
まだ紅く火照った体のまま、力なく呟く。体中に先程までの名残が甦る。  
たらいの水を見つけた途端、魔法の火球で湯に変える。そこにゆっくりとリナを降ろした。  
それほど大きくないたらい、お尻がつかるぐらいのお湯、伸ばせない足は立てられ、奇妙に儚さを醸し出す。  
背中に手で掬った湯をかけると、びくんと体が反応した。押さえていた疼きが大きくなる。  
「あ、あの、自分でするから・・」  
オレの反応を感じたリナは、自分の反応の所為もあってか、顔を背けながら言う。  
「服、着てよ!」  
夜の闇の中では、平気でさらけ出すことができた欲望が、朝日の中ではやけに恥ずかしい。  
 
小屋に戻って換気や片付けを始める。オレって良いダンナさんになるよな〜などと一人ごちていて、結構幸せな気分を味わっていた。  
 
「・・・・・・」  
微かにリナの声がした。ああ、そうだ。着替え持っていってやらなきゃ。  
もう終わったんだろうか、たいして深い考えもなく窓から、リナを見た。  
どういう訳かそれだけで、今リナが何をしているのか、解った。  
 
こちらに向けられている背中とうなじは、さっき運んだときよりも紅く、二の腕の向こうに見える膝頭がときどきピクリと震える。時折もれる押し殺した甘い吐息。  
オレがあんな所に媚薬を塗りこんだ所為なのだろう。  
湯を使った所為で、肌に残った薬が揮発したのかもしれない。  
だがそんな事はどうでも良かった。  
その姿から、目を逸らしたり、見なかった事にしたり、見ていない振りをしたりは出来なかった。  
 
視姦していた。その腕の動きで指が辿るところを想い、その息で体の熱を抱きしめた。  
オレは気配を消してはいない。視線を隠してはいない。  
だのに止めないんだな。  
 
見ていろという事なのか、見るだけにしろという事なのか。  
何故オレを呼ばないのか。  
熱は毒のように、体の中に澱む。  
まだ、足りないんだな、リナは・・・  
 
わざとらしく足音を立てて近づく。  
まだ止めない。  
「なあ、どうしたい?」  
甘い息で、違うと言う。  
「してやろうか?」  
熱の篭った表情で首を横に振る。  
右横に座り込み、朝日の中に晒される淫靡な行為を見る。左手は乳房を揉み、右手は陰部に当てられていた。  
「じゃあ、もっと見せて・・・」  
 
右膝の裏を持ち上げたらいからはみ出させ、陰部も朝日に晒す。中指だけが挿入されていた。  
力の入らない体をくねらせ、オレから離れようとするのを、肩を抱き寄せ引き止める。  
「それじゃあ、イけないだろ?」  
無造作に乳房を掴んでいた手の位置をずらし、したから揉みあげるようにする。人差し指と中指で乳首を挟んで露出させる。  
「そう、そうやって時々人差し指をずらすと、乳首も責められるだろ?」  
オレはいったい何をやっているのだろう。  
リナは媚薬に苦しんでいるだけだと言うのに。  
「クリトリスとオマンコは、どっちがいい?」  
頭を振りイヤイヤをする彼女の、唇を指で辿り羞恥を煽る。  
「ああ、別の穴がいいんだ、リナは。」  
そう告げて、彼女が反応する前に、口の中に指を差し込む。アナルを責められると思ったのだろう。不意の攻撃に驚いてなされるがままだ。舌の下に指を入れ撫で回す。辛そうな顔に恍惚としたものが浮き出す。  
「やらしい顔するな、リナは。」  
指を増やしてもまだ、蹂躙したりない。肩にまわしていた手の指も入れる。本当に苦しそうだ。  
だのに―――。  
指を全て引き抜いて、代わりにオレ自身を口に突っ込んだ。  
リナは本当に苦しそうで苦しそうで、何かを言おうとしているのか、ロクに動かせない口を必死でモグモグさせている。  
その刺激すら気持ちよくて、彼女の小さな頭を押さえつけて腰を揺すった。  
「噛まないでくれよ。」  
苦しそうに動かされる舌が、筋を刺激する。余りの苦しさから、彼女の体から離れた手が、オレの足の付け根に当てられ、突っ張ろうとする。その様子に彼女の意識がオレのモノに集中しているのが解る。  
「ほら、これがいつもお前さんを気持ちよくしてるモンだぞ。どうだ?」  
「お前さんのマンコがぐじょぐじょに涎を垂らして、咥えこんで放さない、大好きなモンだぞ。」  
言いながらオレは、勝手に興奮し突っ込み、射精した。  
 
リナは咳き込みながら、喉に詰まった精液を吐き散らす。  
まだだ。まだリナをイかせていない。  
背後から胸を揉みしだき、まだたらいの外に投げ出された足の根元とたぐる。  
さっきリナにさせた格好の続きだ。  
「どうやってたっけ?指、一本?2本?」  
 
「ん――っ、・・もう・・いや・・」  
「なんで?自分でやっていたじゃないか、オレに隠れてまで。」  
湯の中でまさぐっているのに、湯ではない液がはっきり解る。迷わず2本突き刺した。  
いきなりでキツかったのか、リナは目を見開いて背中を反らし硬直した。  
イったか?  
そう思うのに、指は止まらなかった。指だけでなく、反らされたことで突き出された胸に、舌を這わせる。  
勃起した乳首が舌先に気持ちいい。舌全体を這わせ横に倒れたにもかかわらず、舌が途切れるとピンと起つ。舌先で乳輪を撫で回すと、それに吊られて乳首の角度が変わり刺激していた筈の舌が、刺激される。  
もどかしくて乳首全体を乳房に押し付けるのに、その柔らかな肉の中で尚、存在を主張しオレを煽る。  
それだけでなんでこんなに愛しいのか。たまらず吸い付いて乳頭を舌で嬲る。口が二つあったらいいのに。そうしたらもう片方の胸も一緒にできるのに。  
くだらない事を思いつつ、指の動きを変える。それまで、膣壁を円を描くように撫でていたのもを、指で挟むようにする。ぬるぬるのソコはまともに挟めるはずもなく、リナそのもののように捕まえかけては逃げられる。  
幾度となくそれを繰り返していると、壁は緩やかにひくつき出す。  
「イきそう?」  
リナからの返事はない。  
「どうしたい?言って、リナ」  
乳首から口を離せば顔を見られるものを、それが出来ずにまるで乳首に訊いているような感じだ。  
「・・イかせて・・」  
微かな声。でも、初めてのリナからの台詞。  
その声にオレは、指を入れたまま逆の腕で腰を取る。たらいの縁に手を着かせて腰を上げさせ、一気に挿入する。速度はもう加減しなかった。リナの甘く柔らかい悲鳴が上がり、二人一緒に果てた。  
 
すっかり高くなった太陽の下で、リナを抱えて、性懲りもなくまた無理をさせてしまったと思いつつ、満足で幸せな眠りに落ちていった。  
 
 
疲れ果てて腕の中で眠るリナを、そっと抱えて小屋に戻る。  
寝かせる寝具も無く、板張りの上に直接は可哀想に思えてオレの服を広げて横たえた。さすがに顔には疲労の色が濃く、本当に本人の意思とは別に薬が作用していたのだと、改めて知る。  
オレの方は今の居眠りで少しは動けるようになったものの、かなりへろへろになっている感じだ。かろうじて下着を身に着け戸締りをして、リナにマントを掛け眠ろうとした。  
 
甘い声が、確かに聞こえた。  
 
体に付いていた薬も洗い流した筈だし、換気も出来ているはずだ。何より同じ部屋に居て、オレには何の反応もない。だが、マントの下でもそもそと動き出した彼女の体は、はっきりと欲情していた。  
 
「リナ、リナ」  
寝ぼけたまま自分の体を慰める手を押さえつけ、呼び起こす。どう見てもこれ以上は、体に負担が掛かりすぎる。止めさせなければ。  
うっすらと開いた瞳は熱に濡れていて、オレを呼ぶ声も熱に犯されていた。  
「もう、ヤダ」  
何故こんなにも、薬が効くのか。媚薬は普通、達するか一晩立てば消えるものなのに。部屋に充満していたときならいざしらず、体に負担が掛かりすぎるほどのものなんて、ありえない。  
拷問用のものや調教用に作られているものは、精力剤の作用も兼ね備えている上に、正常な思考を奪うため麻薬などが混入されていて、今の彼女のように、イヤだとはっきり意思表示はしないはずだ。  
それになにより、何故オレはなんともない?  
 
「ガウリイはなんともないの?なんでぇ?」  
手を押さえたまま、何も仕掛ける様子のないオレに恐る恐る問いかけてきた。  
乱れたマントを掛けなおし、流石にもう起たないからと告げると、安心したのか機嫌を損ねたのか、手を振り解きマントの中に潜り込んだ。  
堪えているのか、肩が小さく震えている。握り締めているらしく、マントからはみ出たオレの服は何本もの皺を寄せていく。  
そっとして置くべきなのか、さっさと済ましてやるべきなのか、判別がつかない。当て身を入れて気を失わせたところで、この様子では長くは休めないだろう。  
肩に手を掛けるとそれだけで、ビクッと反応する。触らないでと泣きそうな声が訴える。小さく丸めた体が更に縮こまる。  
「どうだ?我慢できそう?」  
言ってしまってから、リナにくらげと言われてしまってから、質問の酷さに気付く。おかしくなりそうだと、弱々しく彼女が付け足す。  
「どっかおかしくなってたら、ガウリイの所為だからね!」  
そう言いきり、彼女はオレをマントの中へ誘った。  
 
真っ暗なマントの中で口付けを繰り返す。  
中はもう彼女の甘い匂いでいっぱいで、彼女の手がオレの頬を捉えなぞる動きも、捉えた舌が唇の間で蠢くのも、たまらなく官能的だった。静まりきっていた熱が高まる。  
 
違和感を覚えたのは、その時だった。息を吸い込むたびに明確になる回復は、間違いなく媚薬によるものだ。どこだ?マントか?  
彼女に舌を差し出し好きにさせる。その隙にマントを剥ぎ下敷きにしていたオレの服も遠く投げやる。  
どちらかかも解らぬまま、熱の上昇が収まった。だが、リナは既に体中に熱を回らせ、オレの舌を甘噛みしている。  
昨日今日と散々したせいか、リナは余り恥ずかしがらずに行為を続ける。  
「まだ無理?」  
そっと尋ねるリナは、妙に積極的だった。  
媚薬で得た快楽に溺れて自制が効かなくなったのか。正直、それはどうでも良かった。彼女がおかしくなると言うのなら、一緒におかしくなればいいのだから。  
 
顎先を舐め喉元を舐め、小さな手がオレの胸を弄る。  
「どうすればいい?」  
リナがオレを煽ろうとしていた。  
 
「リナが気持ちいいと思ったコト、やって。」  
リナがオレの乳首を舐めながら、上になる。  
その舌が耳・項・瞼・頬・鼻・唇を舐め、手が喉・胸・肩・腕・腹を、臍を撫で回す。  
開いた足の間に身を置き、小さな体を伸ばし、オレの腹に自分の腹を擦り、オレの胸に自分の胸を擦り、起ちかけのソレを柔らかな太股で刺激していく。  
たどたどしい、しかし全身を使った愛撫は、返ってリナを追い詰めていく。  
下腹から更に下に降りた手が、中心にぶつかる。  
「ココ・・も?」  
そうだ。いつもオレがリナにしているようにしてくれればいい。  
 
亀頭が、ゆっくりと熱い掌に包まれた。指が動き鈴口を撫でる。  
低い喘ぎ声が口から漏れる。  
亀頭から鈴口に向かってゆっくりとのの字を描き、じわじわと追い詰められる。身を起こしたリナのもう片方の手が袋に添えられ、薄く刺激される。  
そしておずおずと唇が添えられた。  
 
確かにそれは、オレがリナを責めるやり方だった。クリの先を責め、根元をほぐし、皮の剥けたソレを甘噛みする。尻に手が回され、ほぼ回復を遂げたソレはより一層リナの口の中へ飲み込まれる。深く咥えたところで吸われ舐められ擽られ、嬲られた。  
もし体力が残っていれば、もう何回も射精しているような光景。だがあれほどの回数をこなした後では、一応の勃起は見せるものの、いつもの硬直はない。オレも媚薬を吸うべきだったのかも知れない。  
挿入したい気持ちはこんなにもはっきりあるのに、追いつかない体が恨めしかった。射精できないソレが苦しかった。  
 
尻に回った指が菊座を責め出したのは、その時だ。  
「リナッ!!」  
リナが嫌がるのを承知でやっていた事だった。指で穴を突付き皺を拡げ、足を担ぎ腰を浮かせ、舌で陵辱するのだ。  
そしてリナは、それを実行した。  
刺激、というより衝撃だった。衝撃が快感を伴い一気に頭まで襲いくる。尻肉を広げ舌が体内に入って、中で蠢く。もう喘ぎではなく叫んでいた。尻を犯される生暖かい感触。  
菊座を舌に空け渡した手は、前に回り竿をしごき、溢れ出した先走りが滑りストロークを長くする。びくびくとリナの手の中で身震いを起こしかけた。ようやくリナの顔が外された。  
体を伸ばして、荒く息をするオレにそのまま深く口付けをしてきた。その口は確かに臭く、その舌は確かに苦く。それらが彼女がオレのアナルを責めたのだと、証明する。  
 
自分がどれ程のことをしたのか、解ってないのだ。ただ、いつもオレがやっているようにやっただけなのだ。  
 
オレはリナの腰を掴み、お互いの熱い部分を数回擦り合わせ、その腰をオレの上に落としていった。  
下になったまま、腰を揺する。自分の腰を止め、リナの腰を上下させる。腰から手を離しても彼女の動きは止まらない。自ら動き望んでいた快楽を貪る。  
開いた口からは絶え間なく喘ぎが漏れ、涎を垂らしよがっている。自分で膣の中の気持ち好い部分を自分で見つけ、自分で擦る。  
首を振り髪を乱し背を伸ばして、身を快感に委ね切り、自ら高みに達しようとした。その跳ねる腰を掴み、引き抜いた。  
 
「いやぁーっ!!」  
悲鳴を上げ、尚オレにしがみ付こうとする。それを無視して押し倒し、動く腰を押さえつけ、股間の突起に舌を這わせる。さっきして貰えなかったコト、して欲しかったコト、それらをその突起に施していく。  
根元を押さえ裏を嘗め回し指と舌とで責めて行く。もう喘ぎ声しか出せない彼女を焦らし、して欲しければこうしてみろと、何度も体に教え込む。声が一定のリズムを刻み出したのを見計らって、彼女の体を跨ぎ舐めてほしいトコロを、唇になすり付けた。  
ねっとりと舌が這い裏筋をなぞるのに任せ、リナの手を取り掴ませる。亀頭を口に与え、竿のしごきをその手で数回行うと、恍惚とした表情のままそれを続ける。オレは手を後ろに回し、クリへの責めを再開させる。  
物足りない時には手を止め、気持ちいい場所は、リナを気持ちよくさせる。それを繰り返し繰り返し、オレの限界が近くなったときにようやく膣へと攻撃を開始する。指を入れただけで彼女は大きく喘ぎ、口から亀頭が外れる。  
その開いた口に竿まで突っ込み、膣の中の指を2本に増やしストロークを開始すると、リナも合わせて頭を動かしストロークを開始する。頭を動かすだけでなく、口の中で舌を擦り付けられると、オレも合わせて、膣だけでなくクリも指で擦る。鏡のような行為だった。  
 
程なくリナが限界を迎える。収縮する前のひくつきを始めたソコから指を抜き、先程同じようにリナを上にする。  
彼女は自分からオレのモノを掴み差し込んで動き出す。最初から勢い良く動き出した腰を捕らえて、ゆっくりと前後や左右に動かしてみる。  
収縮する肉を押し広げ、擦りつける感覚は、オレ自身への焦らしのように思えるが、リナの飢餓感はそれを上回っているようで、少しでも奥へ入れようと腰を落としてくる。強い力だった。  
リナの体重がもし重ければ、負けてしまっていたかも知れない程だった。  
突っ張るオレの腕をどうにも出来ないで、リナは泣きながらこちらを見る。  
「ど・・どうしたらいいの?・・」  
 
何でもするからと、言外に含まれたその台詞に、気が遠くなるような充足感を得る。  
何を望もう?  
イロイロサセテ? イツデモサセテ?  
「何でもする?」  
体を起こし組んだ胡坐の中に彼女を降ろし、耳元で尋ねる。  
「する、するから、早く・・」  
クセのように首に回された手が、しっかりオレを掴んだのを確認して、両膝の裏を抱えいつでも開始できるようにして、止める。  
「ホントに、何でも言うこときく?」  
「きくから・・お願い・・」  
 
自由の利かない体勢に、自分からなっているのにそれに気付かない。高い位置の首にぶら下がらずにいれば、こんな約束をせずとも、自分で動けたのに。  
 
「じゃあ、約束だぞ。」  
考えることも、回数も期間も後回しにした約束。リナをオレの好きにさせる約束。  
契約の口付けを交わしながら、持ち上げた体を降ろし、激しく突いた。  
 
奥までオレ自身を届けただけで、リナは達する。間断のなくなった喘ぎが細く伸び、膣内も同じように細められていく。リナ自身も知らないその圧力と伸びを、  
味わいながらオレもリナと同じ処へ向かう。  
急に高くなった声が、締め付けられる先がオレを急かせる。同じ処へ行くのなら、二人一緒がいい。先だけだった締め付けが全体におよび、締め上げ、オレが吐き出すのと同時に絞り上げられていく。  
互いの名を叫びあいながら、二人で果てた。  
 
リナは背中を反らせそのまま、がっくりと糸が切れたようになる。それを胸に抱きとめ呼びかけた時には、彼女の意識はもうなくなっていた。  
繋げたまま後ろに倒れ込み、今度こそ長く眠るであろう彼女に、何を約束させるかぼんやりと、もう半分以上寝ている頭で考えていた。  
なかったコトにされる前に、言いくるめられる前に、言い切ってしまわないと。  
『ずっと一緒』だと。  
 
居てくれではなくて、居させてくれでもなくて。  
期限も限度もない、何一つ制限するもののない約束。  
そんなのも本当にあるのか、本当にできるのかも解らないけれど、それでもオレは彼女にそれを信じさせたかった。  
 
 
 

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