『・・んっ・・う・・んっ』  
くもぐった声、低く漏れる息使い。  
始まったな。  
 
リナが自分でやっているのだ。  
 
リナにそう言ったコトを、教えて暫く経つ。  
トラブルに巻き込まれることの多い彼女は、返って何も無い日に退屈するのか、ここ数日続いた平和な日に体力が余ったのか、宿屋に泊まるとすぐ部屋に引きこもり、それを開始した。  
それを肴にオレは酒を飲んでいる。  
教えたとおりにやっているのか?少しは上達したんだろうか?  
自分の娘が大人になる寂しさとは、こういった感じなのだろうか。  
そんな事をつらつらと考えながら、酒を煽っていた。  
 
程無く、その声が止む。最後に声が高くなったり、息が大きくなったり、ベッドが軋んだりしなかったから、最後までイったりは出来なかったのだろうな。  
まあ、処女が自慰でそう簡単イきはしないのは解っているんだが、酒の肴としては、ちと物足りない。  
『またしたくなったら、何時でも言えよ。』  
そう言ってあるものの、本当に言われたことは無い。  
 
隣に部屋を取っているのに、我慢できないのだから、そうとう溜まっていたのだろう。声が再び聞こえだす。第2ラウンドの開始だ。  
リナの部屋の方の壁に凭れて、聞き耳を立てる。この壁のすぐ裏がベッドになっているらしく、シーツのずれる音まで聞こえる。その特等席に床にしゃがみこみ、その場で酒盛りを再開する。  
これで覗き穴でもあれば最高なんだけどな・・。それかオカズがオレとかで、名前呼んでくれるサービスとか。  
まだおっぱいの責め方を教えていないしなあ。初めて指突っ込むところは、直に見てみたいし。  
自分でもかなり親父臭い思考をしていると思う。壁を見渡して、穴がないか探したりして、くだらない事をしている自分を楽しんでいた。  
 
しかし期待に反して声はヤケにあっさり終わる。何も聞こえなくなった隣室の、息を殺した気配に、聞いている事がバレのかと少々ビビる。  
『なんで、なんで我慢できないのよぉ・・』  
嗚咽に似た呟きが聞こえる。自慰を覚えたての頃、そう言えば罪悪感みたいなものがあったような気がする。そして我慢できずに何回もしてしまう自分が嫌で、どっか可笑しいんじゃないかと思ったりもした。まさにリナは、今その只中にいて悩んでいるのだろう。  
保護者の出番が、やっと回ってきたかな。  
 
「リナ」  
座り込んだまま壁をノックし、呼びかける。こっちが事情を知っていることを、暗に示唆する。  
今リナが何をしていて、何に困っているのか、解っているから。  
助けてやるから、悩みを解消してやるから、もっと気持ちよくしてやるから。  
「こっちこいよ。」  
 
程無く、ドアの前に慣れた気配がした。ノックはない。  
「開いてるぞ。」  
迷っているであろうリナに、声を掛けて、あくまで自分の意思での入室をさせなければ意味はない。  
これからすることを、彼女に解っていてもいなくても、その性欲を否定されては何も教えようがないから。  
そして彼女は入ってきた。  
 
彼女自身に鍵を掛けさせ、手招きをすると、おずおず寄ってくる。  
「酔ってる・・の?」  
装備を外しただけの格好のまま、抱きすくめズボンの中に手を入れた。  
 
下着の中に入れた手は、素早く半起ちの突起を見つける。軽く摩ると彼女の身が指の往復に合わせてビクビク跳ねる。  
それ以上刺激せずにただソレを剥き出しにしただけで、手を抜くとリナは赤らんだ顔のままで不思議そうにこちらを見る。その彼女を立たせて、出窓の傍に連れて行く。  
本当は適当な高さの机があればいいのだが、部屋にはベッドのサイドテーブルしかない。彼女にはやや高めとなってしまうが、少し背伸びをさせ出窓の下、壁の角にソコが当たるように、しむけてやる。  
微かに当たっただけで、切なそうな表情に代わる。  
尻に当てた手で、補助するように2〜3度押し当てると、要領を得た体は勝手に動き出す。  
明かりを点けない暗い部屋で見る光景にしては、上等すぎた。  
 
「・・んっ・・んっ・・」  
押し殺した声を聞きながら、真横に腰掛け眺めながら酒を飲む。次第に動きが変化する。押し当てていただけが、上下や左右、仕舞いに円を描く動きになり、体が仰け反る。目が会うとフイと背けられ、暫く動きが大人しくなるが、また動き出す。  
「それだけでも、結構気持ちいいだろ?」  
返事はない。  
「足りる?」  
我ながら、意地の悪い質問だと思う。例え今一時満足したって、この年頃は何回でもするのは、仕方が無い。まして、絶頂に至ってないのだから、返って煽られることになる。  
 
「・・ワ、ワカンナイ・・」  
暫く後に返ってきた返事は、ひどく正直なものだった。そりゃあ、一度もイったコトがないのだから、解らなくて当然だよな。  
 
指でイかせるのが、一番簡単だろう。けれど、どうしても勿体無い気がしてしまう。  
成長の速度は、ゆっくりでいい。  
 
「ムネは、いつも触らないのか?」  
その問いに、片手で服の上から乳房全体を揉みだす。多分普段からやっているのだろうけれど、動きが大まかな上に、服・あて布の上からでは、たいした感覚はないだろう。もう片手は不安定な体を支えるために、出窓の下に着いている。  
横から手を伸ばし服の前を少し肌蹴け、そこにリナの胸に当てられた方の手をとって差し込む。自分では触れないでおく。  
入れた手は戸惑いも無く服の下で蠢いていて、淫靡さが少しだけ増した。  
「乳首起ってる?」  
返事は無いが、それまで乳房全体を無造作に揉んでいた手の動きが止まり、胸の先端付近で指先とおぼしきものがもぞもぞしている。  
「その先っぽ、擦って。」  
服の陰影で、彼女が言う通りにしているのを確認すると  
「乳首の周りも、感じやすいトコだから、なぞってみるといい。」  
 
ビクッと一瞬、体が硬直したように見えた。  
軽く達したような動きだった。しかし胸から手を外そうとはしていない。下半身の動きだけが止まっている。  
胸に気を取られすぎて、下の動きを加減できず思わず強くしすぎたといったところだろう。  
 
「あんまり乱暴にしたら、擦り切れちゃうだろ。」  
大事な、デリケートなところなのだからと説明しようとしたが、その前にリナから呟きが漏れる。  
「だって、止まんないんだもん。ずっと、何回やっても、すぐしたくなっちゃうんだもん。」  
 
そうだったな。  
「どっか、オカシイのかな、あたし・・。」  
真剣に悩んでいるのに不謹慎だが、あまりのかわいらしさに心が騒ぐ。頭を撫で、顔を覗き込みながら、おかしくないを連発する。  
「リナぐらいの年なら、当たり前なんだ。体がオトナになってきている証拠だから、幾らでもすればいいんだ。」  
この身長差だから仕方ないが、リナが上目遣いにオレを見る仕草は、華奢な外見と相俟って本当に儚げなものになる。普段の威勢の良さが嘘のようだ。でもこれも間違いようも無く本当のリナだ。  
「そうだな、大事なトコだし、デリケートなものだから、もっと柔らかいものでしようか?」  
 
そう言って再び下着の中に手を入れ、ワレメをなぞる。未発達のソレを指で開いただけで、また手を抜く。  
そしてそっと、オレの片足を股間に入れ、角の代わりに押し当てた。  
「痛いか?」  
首が横に振られる。  
少しだけしか開けなかった上着の前を、全て肌蹴させリナの両手をそれぞれの乳房に当てさせ、それぞれの人差し指の先を、乳首の先に当てる。  
その状態のまま抱きしめ、少しだけずり上げてやると、オレの太股が服の中で開いている恥部全体に当たる。リナは少し爪先立ちながらも、上手に擦り付けている。  
顔を髪に埋め  
「ほら、こうすれば見えないから、恥ずかしくないだろ?好きなだけすればいい。」  
 
心と体のアンバランスが、この年頃の最大の魅力だと思う。だけど当事者にはそんなことわかる筈もない。  
ごめんなさいと言いつつ、腰を動かすその揺れに身をまかせて、いくらでも付き合うからと何度も囁いた。  
達することのない動きだが、それでも腕の中の体温は上昇していき、息も速くなる。軽い硬直を幾度か繰り返し、彼女の腰が完全に止まったとき、オレは足を揺すり出した。  
「やっ、あっ・・」  
戸惑いに満ちた声、戸惑いに満ちてしがみ付く腕。  
初めて自分の意思でなく、強引に与えられる快楽。乳房も乳首も責め、背中も尻も首も耳も一気に責めたてる。あっさりと彼女が全身を硬直させ、ぐったりとなった。  
「したくなったら言えって、言っていたのに守らなかったから、お仕置き。すごかった?」  
これ位でもう動けなくなる彼女は、バカな質問にも、素直に頷く。  
「いつでもしてやるし、いくらでのしてやる。もっとスゴイコトもしてやれるぞ。だから何時でも言って。」  
力なくオレに身を任せたままの彼女の耳元で、彼女がそのまま眠りに落ちてからも、囁きつづけた。  
 

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