もう日は落ちた夜も更けたこの時間、体からほかほか湯気を上げたあたしは、そのままベッドに倒れこんだ。  
くうぅぅっ!ベッドのふかふかあったか加減が、こんなにも愛しいとわ!  
ここ五日間ほど、護衛の依頼を引き受けた。  
この辺り一帯の領主が依頼人で、報酬がなかなか良かったからである。  
昼夜問わずのしつこい暗殺者の来襲に、うんざりしかけていたが、あたしの誠意ある説得に応じてか、  
黒幕の名前を言った暗殺者がいたので、解決に結びついた。  
護衛中はいつ襲撃があるかも分からず、適当な簡易ベッドですごしたので、今はこの懐かしい柔らかさを堪能しているのだ。  
「おお、先戻ってたのか」  
わしわしと自分の髪をタオルで拭きながら、パジャマを着たガウリイが入ってくる。  
それでも、あたしは起き上がることなく枕に頬ずり。  
「遅かったわね。お風呂混んでたの?」  
「ああ、あんまり風呂が広くなかったしなあ」  
そのままどかっとガウリイがベッドに座ったので、ベッドは大きく軋んだ。  
 
ええっと、まあお気づきだろーとは思うが、こうして二人で平然と一部屋だけを取っている、  
ということはそーゆーことなのだ。つまり、あれ、男女の仲ってやつだ。  
ガウリイと一緒の布団で寝るのも、久しぶりなのでどーも照れくさい。  
嫌だって訳じゃなく、この気持ちは、ただの相棒からちょっと関係が変化した日のくすぐったさ、あの感じに似ている。  
あたしは寝転がったまま、ガウリイの方をちらっと見上げる。  
ガウリイは、まだ頭を乱暴にタオルで拭いていた。  
その横顔といい、黙っていると、ハンサムさんである。  
口を開くと、のほほんとした感じがしてハンサムっぷりは多少かすむが、戦闘の時は逆にかっこよさは割り増し。  
普段のほわんとした感じはガウリイらしくて、そーゆーところも、その、えっと、あの、…好き…だったりするのだ。  
目を伏せて、そのまま伸びている金髪を指でもてあそぶ。  
それに気付いたガウリイは、タオルを脇の椅子にかけて、ランプの火を吹き消し、ベッドに上がってくる。  
ダブルベッドを占領していたあたしは、なんとなくごそごそと横を開けてガウリイのスペースを作る。  
たった五日間があいただけなのに、頭をなでる手がひどく懐かしい。  
「なあ」  
「ん?」  
「夜だけでも一緒じゃないのは、なんだか寂しかった。数日間だとしてもな」  
ガウリイは言いながら、空いている手の甲を自分の額に乗せた。  
「そーねえ。確かにこんだけ大きい人間が横にいなかったらすーすーするわ」  
ガウリイは苦笑してあたしを見る。あたしもガウリイを見る。こーゆー瞬間が、また照れくさい。  
だって、ガウリイはあまりにも優しくあたしを見るのだ。でも、照れくさいからって、目をそらしたりしない。  
 
ガウリイの指が頬をなぞって、あたしの唇をなでた。  
あたしは、唇を少しだけ開けて、節くれだった指をぺろっと舐める。  
すぐにガウリイに引き寄せられて、そっと唇を重ねる。啄ばむみたいに音を立て、くっつけては離す。  
ガウリイとキスだなんて想像しただけでも、昔は恥ずかしかったのに、これがまた不思議である。  
いまだに顔は赤くなってしまうのは否めないが、恥ずかしいどころか、ガウリイともっと近づきたくなるのだ。  
遊びみたいな口づけがだんだんと深くなって、すそからガウリイのがさっとした手が滑り込む。少しずつはだけていくパジャマ。  
心臓が痛いぐらいにドキドキして、世間一般で言うえっちな気分、ってゆーやつにだんだんなってきた。  
さっさと衣服は脱ぎ捨てて、ガウリイが覆いかぶさってくる。  
裸になって抱きしめあった。  
いたずらっぽい笑みを浮かべて、ガウリイがめちゃくちゃにあたしの顔や首にちゅっちゅっとキスする。  
ひゃうっ!くすぐったいってば!  
笑いながら身をよじると、ガウリイがあたしの指先を舐めはじめた。  
この柔らかくて少しざらざら舌が、体中を丹念に舐めると、はじめはくすぐったいよーな感じがして変な気持ちになる。  
でも、背中をそろりと弱く吸われたり、わき腹を舌の面で舐めまわされると、だんだんと気持ち良くなってきて、口からひとりでに声が出るのだ。  
体を貪るように舐めるガウリイが、あたしの顔を見つめると、お腹の中がうずく。  
その目の光が優しさを潜めて、噛み付かれそうなほど興奮した野獣のような瞳になる。  
 
舌は、敏感なところはわざと避けてるってゆーのに、あたしは何度も軽くイってしまった。  
これは、あたしのこらえ性がないのではなく、ガウリイが一枚上手だからなのだ。うみゅ。  
「…んねぇ、ガウリイ」  
「どーした?」  
「あたしが…んっ…今度は、ガウリイに…はぅっ…したげ、るっ」  
あう、うまくしゃべれない。  
力が抜けかけた体をむち打ち、あたしは無理やり体を起こした。  
まだ舐めて欲しい部分は正直いっぱいあるのだが、してもらいっぱなしは嫌なのだ。  
と言っても、し始めた頃は、そんな事は思いこそすれ、ろくに実行に移す事は出来なかった。  
まあ、人には絶対に言わない思い出話みたいなもんである。  
押さえつけようとするガウリイからなんとか抜け出し、  
「ほら、ガウリイ寝て!」  
「リナまだ最後までイってないだろ」  
ガウリイは焦っているが、それは本心からではないと知っている。  
 
あたしをもう一度寝かそうとするガウリイ。その腹筋に、手を這わせて、ガウリイを上目づかいに見る。  
「だって、あたしがガウリイに触りたいの」  
か細く言うのが、ポイントである。  
ごくりと生唾を飲む音。  
してやったり!  
あたしは、ガウリイをあっさり押し倒すことができた。  
ガウリイの顔に背を向けて、あたしはお腹の辺りにちょこんと座る。  
ほとんどたち上がってるガウリイのそれは、とりあえず置いといて。  
太ももをやわやわと撫でる。  
彼の太ももは、あたしのなんかと比べ物にならないくらい力強い。きれいでもない。  
ガウリイがやってくれたのを思い出しながら、おもむろに、舌の先っちょや裏を使って舐めてあげる。  
時折、顔が足の付け根に近づく。  
その度に、あたしの頬に熱いものが触れて、ガウリイの呻き声が聞こえて嬉しくなる。  
腰を浮かせて、腹筋も舐める。  
あたしも十分に腹筋はついているのだが、ガウリイには負けてしまう。  
 
舐めつづけたので、ガウリイの足からお腹まで、てらてらと光っていた。  
うーみゅ。どことなく、ヤらしい感じである。  
ガウリイの茂みの広がる皮膚を指先で撫でると、  
「リナ…それ…」  
わかってる。ガウリイは、これに触って欲しいんでしょ。  
天井を刺すようにそりあがっているガウリイのモノを、そっと手に取る。  
まずは挨拶がてら、手の中でぴゅくぴゅくするそれに、優しくキス。すると、また大きくなって熱くなる。  
これだけ反応するってことは、あたしに興奮してるってことだ。素直で、よろしい。  
根元を握って、片手を上下させる。  
初めの頃は不気味な形だと思っていたのだが、慣れてみれば結構かわゆい。  
触れるか触れないかの距離で、舌をはわすと、こらえるようなガウリイの呼吸が伝わってきて、  
ますます焦らしたくなる。  
 
散々遊ぶと、ガウリイ自身の体液で濡れてきた。  
それを確認して、あたしは大胆にくわえ込む。  
息を飲む音がして、ガウリイの体がぴくりと反応する。  
根元の刺激は止めないまま、じゅぷじゅぷと唾液の音を立てながら、  
あたしは口を上下させてガウリイをしゃぶる。  
経験の少なさから、確かにあたしは上手な方とは言えないだろう。  
だから、とにかくガウリイの反応に沿うよう、口を使うことにしている。  
混じりあった唾液と体液で濡れた片手を、  
しゃぶっているモノの下についている袋にまわし、撫で回す。  
「……あっ…!」  
大きく跳ね上がるガウリイの体。  
ふむふむ。前々からにらんでいたのだが、ここがどーやら弱いらしい。  
ガウリイを愛撫しようと、根元を握っていた手は動かし続けるが、口は離す。  
あたしは袋を舐めまわすことにした。  
押し隠さずに、はあはあ言いだしたガウリイを、もっといじめたい♪  
調子に乗りはじめたら。  
はうっ!  
思いがけない刺激に、あたしは口も手も止めてしまった。  
 
どーやらあたしは腰を浮かせたままでいたらしく、むき出しになったあそこを、ガウリイの指がいじったのだ。  
覗き込むと、あたしは足の向こうにガウリイが見える。  
丁度そのタイミングであたしの中から、光った蜜がとろりとガウリイの体の上に垂れていく。  
いやらしい光景に、カアッと熱くなる体。  
「ガウリイ、今はあたしの番なのよっ」  
「誰の番なんて決まってないぜ。ほら、リナも続けて」  
こりは、絶対、先にガウリイに、イってもらわなければ!  
対抗心を燃やして、もう一度、ガウリイの竿を口に含んだのだが。  
一番敏感なところをガウリイにいじられて、そちらの方に集中してしまう。  
さっき体中を舐められた時の名残か、ガウリイを舐めて興奮していたからなのか、  
ずっと感じやすくなってるらしい。  
半分開いているだろう入り口に、指が何度も浅く抜き差しされる。  
それだけじゃ、物足りない…っ。  
耐えきれず、あたしはガウリイの顔にとろとろになったそこを押し付ける。  
くわえていたガウリイの熱いものは、握るだけで精一杯。  
「ひゃうぅッ!」  
ぴくんと体が動いて、思わず、声が出てしまう。  
ガウリイはじゅるじゅると音を立てながらあたしの気持ちよいところを攻め立てるだけじゃなく、  
お尻と太腿もさわさわと撫でてくる。  
やだぁっ!止められなくなっちゃう!  
「がうりい!いやぁっ…だめ…だよぉっ!」  
「りな…いいから…」  
嬉しそうに言うなぁっ!  
くぐもって聞こえてきたその声と共に吐き出された吐息が、あたしを更に熱くさせた。  
 
四つんばいのまま、無意識のうちに、一番気持ちいい場所をガウリイの顔にすり付ける。  
この体制じゃあ、あたしとガウリイの体格差がありすぎて、  
ガウリイを口で愛撫してあげることができない。  
気持ちよくってこすり付ける腰を緩めないまま、  
あたしは硬くて大きいモノと、その下の袋も、唾液が乾き始めた手で刺激する。  
後ろの穴も優しくさすってあげる。  
「…ぅぁっ…りなぁ…」  
意識が飛びそうになるけど、ガウリイも感じてくれるらしい。  
低くうめく度、濡れたあそこに吐息がかかって思わず、  
張り詰めたガウリイを可愛がる手を止めてしまう。  
流されちゃうっ!  
「ああっ…がうりっ!」  
上りつめて、あたしはまたイってしまった。  
でも、まだガウリイは張り詰めたまま。  
ぐったりとしたい気持ちを振り切り、お尻を上げる。  
開放してくれと言ってるあたしのガウリイを、再びしゃぶりあげた。  
「おいっ!」  
ガウリイが何を言っても聞かずに、愛してあげる。  
ここからガウリイの顔が見えないのが残念だ。  
 
「…う…はぁ…っ!」  
やがて、ガウリイの掠れた声が聞こえて、びゅっくんと律動したそこから熱い液体が、  
口の中に注ぎこまれる。  
全部逃さないよう、あたしは吸い尽くした。  
口の周りをぬぐって、振り返る。  
息を上げているガウリイが手を伸ばしてきたので、指を絡めると、引っぱられてすぽんとガウリイの胸に収まった。  
ガウリイの心臓が、あたしの下で早鐘みたいに鳴っている。  
「リナ、まだ足りない」  
言いながら、ガウリイはあたしの脚に、アレをすり付けている。  
「うん、あたしも」  
自分の脚を早くしたり遅くしたり動かして、ガウリイのをまた硬くて熱くする。  
「…ガウリイ、キスしよ」  
かぶりつくように、唇を覆われて。  
口の天井をつついたり、歯茎を味わったりしていると、期待する心がますます膨らんでいく。  
くちゅくちゅと唾液を飲みあっていたら、あたしはガウリイの下に組み敷かれた。  
顔を離したガウリイは息が乱れて、最高に野性的な目で射抜く。  
あたしだって、変な風に呼吸して上手く落ち着くことが出来ない。  
何度もイったけど、あんなものじゃない、一番の快感が欲しい。  
ガウリイが欲しくってしょーがないのだ。  
 
「…リナ」  
かすれた声、あたしの足を広げる熱い手のひら、と感じる限りのガウリイに反応して、  
背中とお腹の中にぞくりと何かが駆けぬけた。  
「…ぁは…いれ、て……!」  
にゃぁっ!思ったこと、そのまま口走っちゃったよぉー。しくしく。  
あたしのあそこがぴくぴくしているのが、ガウリイにも分かってしまったのだろーか。あぅ。  
「行くぞ」  
ぐっと熱くて大きな塊がぐっと押し入ってくる瞬間、目の前に白いものが弾けてあたしは息が詰まる。  
「あぁァっ!」  
「…くっ…ぁっ…」  
すごく、気持ち、イイっ…!  
呼吸を忘れてしまうほどの快感は、ガウリイと何度体を重ねても新鮮に感じる。  
あたしのために、こんなにもおっきく、熱くなってくれてるのだ。  
もう、恥ずかしいなんて、言ってられない。  
いっぱい、ガウリイと気持ちよくなりたい。ガウリイにも、たくさん気持ちよくなって欲しい。  
 
あたしが馬鹿みたいに腰を動かすと、ガウリイはそれよりももっと激しく突いてくる。  
体液が滴るぐらい混じり合って、ぐちゅにゅちゅとたつ音に、あたしたちは煽りたつ。  
「…あぅッ…んにゃはっ…あっあっあっ…!」  
絶えず鳴き続けるあたしの半開きになった口から、涎が出てきてしまう。  
それを、軽く息を乱したガウリイが思い切り舐めるものだから、あたしの口もガウリイの口もベトベトだ。  
「リナ、かわいい…」  
腰を小さく動かしたまま、あたしのまぶたや頬にキスを落とす。  
みゅー、ガウリイに言われるとこんな時でも嬉しいってゆーのは内緒。  
あらためて見ると、熱に浮かされて目をとろんとさせたガウリイは、とても色っぽい。  
ガウリイは、獣みたいにギラギラした目になったかと思うと、こーやって最後にはうっとりとした目になるのだ。  
 
一度ずるりと抜き取られて、あたしはまた四つんばいになる。  
力が上手く入らない。  
これまでに激しく動いた分ってゆーのと、  
こんな動物みたいな体位に対する恥ずかしさもまだあってか、  
体を支えるあたしの手足は勝手にぷるぷると震えた。  
つられて震えるお尻を、微妙な力加減でやわやわと揉まれて、  
力が抜けそうになるのをなんとか耐える。  
こらっ!早くするっ!  
ガウリイはまだまだ平気そうなのが、非常に悔しひ。  
「リナ、これからだからな」  
ささやいたかと思うと、すぐにガウリイが後ろから入り込んでくる。  
勢いよくぶつかる肌の音と、ぬめった水がはぜる音。  
片手はあたしの腰を支えているとゆーのに、  
もう片方はあたしのすっかり固くなった胸の中心を刺激する。  
「んもうっ、がうりっ…の…ぁっ…ばかぁっ…そこはぁ…んあっ!」  
って、そっちに行くんじゃない!  
今度はガウリイはつながった上の部分の、充血したあたしの赤い実をこねくり回す。  
敏感になった体には、かなりきつひ。  
止めようとして太い腕に手をかけたが、爪を立ててしまい、まるですがりついてるみたいになる。  
 
のけぞったあたしの喉に、ガウリイが後ろから軽く噛み付いてきた。  
イきそ…!  
すると、ぴたりとガウリイが動きを止めた。  
荒い息のまま、あたしは顔を後ろに向けて。  
「ちょっとぉ…」  
「そんな顔で、にらむなよ…。さっき、ダメだって言ったぜ」  
そのまま、身を乗り出してぷちゅっと口付けてくる。  
ん!その唇のやわらかさと、わずかに動いたガウリイの熱いものに、また体が火照る。  
今度はガウリイがねっとりとした動きになって、それにあわせてあたしもゆっくりと腰を動かす。  
激しいのも良いが、こーやってもどかしくなるような動き方も、また、たまらない。  
顔を後ろに向けたままだったから、ガウリイの手が頬を支えてくれた。  
舌を出しあって、舌先と舌先とをつつきあったり、絡めたり。吐息だって、絡めあう。  
 
ガウリイが小刻みに動き始めると、あたしはその気持ちよさに、舌でつつくことすらままならなくなって、  
腰を高く上げたまま、顔をベッドに押し付ける。  
悲鳴を抑えてシーツを噛んでいると、急にまた抜かれて感じるあそこの喪失感。  
もっと、入れていて欲しいのに…っ!  
不満の声を上げようとすると抱きかかえられて、座ったガウリイの上にぐいっと落とされる。  
「んあああーッ!」  
はうっ!良すぎて、頭がおかしくなっちゃいそーだ…!  
座ったまま向き合うと、また深々と刺さって。  
「リナの顔、見ていたい…っ!」  
こーして、お腹の奥の奥まで、ガウリイが入っている。  
ガウリイだけが、あたしの秘密の場所に入って来られる。  
そー意識すると、あたしの中は引きつるように、ガウリイ自身を思い切り締め上げた。  
ガウリイが吐き出す、体の奥から出てくる切ない溜息に、更にきゅんとなるあたし。  
下から容赦なく突き上げてくる動きになんとか合わせて、腰をくねらせ、あたしは甘く叫び続ける。  
「ガウリイっ!あたし、そろ、そろ!ああッ!」  
「もーすこし、もうすこしだから」  
無意識のうちに、ぽろぽろ涙が出てくる。  
いつもガウリイとえっちしていると、こーやって最後には泣いてしまうのだ。  
生理的なもんだと分かっていても、優しくなぐさめてくれるガウリイ。  
 
きつく抱きしめられて、ガウリイが頬をすり寄せてくる。  
あたしも少しでも近づこうと、出来るだけ体を伸び上がらせて首に巻きつく。  
すると、つながった部分がもっと深くなってあたしとガウリイは同時に声を上げた。  
あたしとガウリイは夢中になって、最後の高みに行こうと、体中を使って動く。  
唇の先だけでキスもして。  
「きもちいーよぉっ!もう、だめぇっ!んぁっ!」  
「くぁ…オレも、イイっ…!」  
甘くて切なくて、目まいがするほどの強い痺れ。  
あたしとガウリイは、今完全に一つになっている。  
それが、例え一部、いやらしいところって言われたとしても、この充足感は他の誰とも共有できないのだ。  
安物のベッドが軋む音が、遠くになっていく。  
「ン!ぁあああッーーー!」  
押し上げてくるこの上もないほどの快感に身を任せ、  
あたしは甘ったるい悲鳴を上げて、筋肉を硬直させる。体がしなって、絶頂に達した。  
「…リナ、リナ!」  
余韻を引きずったままひくひくと痙攣するあたしの一番奥底に、  
ガウリイは眉をひそめて吐精する。あたしの中が、ガウリイで満たされる。  
しばらくの間、部屋の中には荒い息をつく音しか聞こえなかった。  
 
呼吸がおさまっても、ガウリイにもたれかかる。冷えかけた汗でくっつく肌と肌。  
鼓動が静まったら、湿らせたタオルでお互いの体を拭きあう。  
ぎゅうっと抱きしめられて、ガウリイはあたしを抱えて、ぼすっ、とベッドに倒れこんだ。  
ちうと額を吸われる。  
「リナ、すっごく良かった」  
目じりでちゅっと音がする。  
「いつまでも、こーして一緒にいような」  
「ん、そーね」  
頬をちゅうと吸う唇。  
んにゃあ!あんたはいちいちキスしないとしゃべれんのかっ!  
いや、本当は、そのう、嬉しいのだ。  
 
「かわいくって食べちまいたい」  
とろけそーな顔で言って、ガウリイはふざけてかぷっとあたしの肩に噛みつく。  
「はいはい、もーわかったてば」  
あんまり可愛がられると、さっきのことを色々と思い出して恥ずかしくなる。  
あれは、ちょびっとやりすぎたかもしれない。  
背中をなでるガウリイにされるがまま、なんとなく、もじもじしながら、  
目の前の裸の胸に爪あとをつける。意味は全くないのだが。  
そのまま、ガウリイの腕枕の硬さを味わっていると、うつらうつらしてきていた。  
「おやすみ、リナ」  
ささやかれて、あたしはこくんと頷いて、おやすみと返した。  
なにしろ、しっかり動いて心も体も満足したので、眠気が襲ってきたのである。  
朝はもう一度お風呂入んないといけない。  
明日はふたりでどこへ行こうか、ね、ガウリイ。  
あたしたちはすき間なくくっついて、それから眠りに落ちたのだった。  
 
 
 
(おしまい)  
 
 

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