「ひぃっく……」
ソファに腰掛け、1人泣きじゃくるわたし。隣には、困り果てた表情のゼルガディスさん。
ここは殺風景なむき出しの岩肌に囲まれた、簡素なリビング風の部屋。
「そんなに泣くな、アメリア……」
ぽつり、と彼が、声を漏らす。
わたしとゼルガディスさん、リナさん、ガウリイさんの4人は、とある洞窟へ来ていた。
ここはかつて人間と魔物の融合などの研究をしていた魔道士が居住していた場所らしい。
でも、その魔道士は自らが作り上げた人と魔物のキメラや、魔物同士を掛け合わせたキメラに殺され、この洞窟は近隣
の小さな村で語り継がれるのみとなっていたようだった。
セイルーンで巫女としての執務をこなしていたある日、酒場に訪れた冒険者から話を聞いた警備兵が、もしそのキメラ
達が村を襲いでもしたら、と視察隊を派遣して欲しいとの嘆願書を出してきた。
その話を聞いたわたしは真っ先にゼルガディスさんを思い浮かべた。
キメラの研究をしていたなら、彼の体を元に戻す手がかりもあるかもしれない、と。
そこで方々に手を回し、彼ら3人を集め共にこの洞窟を訪れることに。
でも、この洞窟に残されていたものは、人命を弄んだ、憐れな魔道士の成れの果て。
自らが作り出したキメラ達に襲われ、弄ばれ、挙句ギリギリ殺さずの状態でそのドアの奥に閉じ込められていたと言う。
動けなくなった魔道士の目の前で全てのキメラ達は、あるいは砂となり、あるいは泥となり、原型を留めずに朽ち果てて
いったと。
そして、何年を経たか判らない今、前に現れたリナさん達に、命を絶ってくれ、と懇願してきた……。
わたしはリナさんから止められ、ガウリイさんと共に待機していたのでその場面は見ていないけど。
かなり来るものがあったんだろう。
対面したソファに座ったリナさんの表情は、いつもの生命力が溢れんばかりの生き生きした表情ではなく、暗く沈んでいた 。
「前にもこんな事があったわ……。あの時も、こんな嫌な気分になった」
ぽつり、とリナさんが言う。わたしと出会う前の話だろう、聞いた事が無いから。
ガウリイさんは何も言わず、ただリナさんの頭を引き寄せ、撫でていた。
「キメラなんてものを作り出す事がどれ程愚かなのか、それを我が身で十二分に感じただろうさ。
結果人に殺してもらわねばならない、惨めな話だ」
その声を聞いて、はっ、とゼルガディスさんを見る。
「あ……ごめんなさい…………わたし……」
元に戻す方法すら見付からず、挙句嫌な気持ちにさせてしまう結果になるなんて。
余計なこと、考えなければ良かった。
視界がぼやける。泣きたいわけじゃないのに、目頭が熱くなって涙が浮かんできた。
「おいおい、アメリア泣くな」
ゼルガディスさんが困ったような声で言う。
でも、わたしは申し訳なくて、情けなくて。浅はかな考えだった自分が、馬鹿のようで。
「別にまぁ、またのんびり探すだけであってだな、お前が自分を責める必要なんか……」
「あれ?」
空気を割って、呑気な声がガウリイさんから発せられる。
「どうした?」
「ひぃっ……く?」
「リナ、寝ちまった」
がくっ、とゼルガディスさんが項垂れる。
「精神的にきちまったんだろうなぁ。こういった事にはメンタル面、弱いからな、こいつ。
確か寝室あったよな?ちょっくら寝かせてくるわ」
ひょいっ、とリナさんの小柄な体を抱きかかえ、軽快に移動するガウリイさん。
ドアを出て行く直前に、意味深な一言を残して。
「お邪魔虫は退散しないとなっ♪」
「ふん、くだらん」
ゼルガディスさんは意にも介さない感じで、それをやり過ごす。
わたしは何も言えず、ただ止まらない涙を流していた。
そして、冒頭のシーンへ戻る。
「そんなに泣くな、アメリア……」
どれくらいそうしていただろう。涙は納まったけどしゃっくりが止まらない。
「ひっく……ひぃっっ……く」
「いい加減落ち着いたか?」
呆れたような声で、隣で困り果てていたゼルガディスさんが言ってきた。
「は……っく、い」
「大体、なんでお前が泣くんだ……」
チクリ、と彼にとっては何気ない言葉が胸に刺さる。
なんでって、それは……。
「ごめんなさい……」
思わず、しょぼんとして謝ると、今度は憤慨でもしたかのように
「別に俺はお前に謝って欲しいわけでもない」
と言う。もしかして、今度は怒らせてしまったのだろうか。
「ごめ……あ、いえ……その」
「何故俺の事でお前がそこまで思い詰めなきゃならん。確かに話を持ってきたのはお前だが、それに乗ったのは俺だ。
お前に非があるわけでもあるまい」
ぶっきらぼうでも、優しい言葉。
気にしなくて良いんだ、と隠して言ってくれているのが解って、嬉しくてまた泣けてしまう。
「また泣く…………」
「だっ……て、ふぇっ……」
くしゃ、と頭を撫でられる感触。
顔を上げると、困ったような、居場所がないようなそんな顔のゼルガディスさんと目が合う。
たまらず、ゼルガディスさんにしがみ付いてしまう。
「アメッ……???」
「ごめんなさい……ごめんなさい!」
慌てふためくゼルガディスさんに抱き付きながら、なきじゃくりながら、必死に言葉を紡ぐ。
「わたし、ゼルガディスさんが一生懸命元の体に戻りたがってるのを見ていて、早くその願いが叶って欲しくって……
わたしにでも、何かゼルガディスさんの為に出来ることがあったら、お役に立ちたかったんです」
手をばたばたと動かしていたのが止まる。寧ろ、硬直したと言っても良いかもしれない。
「な……」
「わたし……ゼルガディスさんの事が…………」
「それ以上言うな」
厳しい声が私を制する。その後に続く言葉は解ってる。私が王族だから。身分が釣り合わないから。
でも、わたしはそんな身分なんてどうでも良かった。
こうして逢えた時に言わなきゃ、伝えなきゃ、次はいつ逢えるか解らなくって。
「嫌です」
「アメリア!」
「好きなんです……ゼルガディスさん」
突然発せられたその言葉。
胸元には、大きな瞳を潤ませ俺を見詰める愛しくてたまらない少女が居る。
若さゆえの純粋さなのか。曇りの無い真っ直ぐな眼差しで俺を見ている。
「ゼルガディスさん…。大好きなんです」
繰り返し、もう一度囁くように。
今まで保っていた自制心が、たったそれだけで吹き飛ぶかのような感覚が俺の全身を駆け巡る。
思わず、宙に浮かせていた手をアメリアの背中へ回す。
駄目だ。このままじゃ駄目だ。
アメリアを想うならば、俺の居る場所へ引きずり落とすような真似はしてはならない。
頭の奥でもう1人の俺が警告する。
「大好きです。ゼルガディスさん」
きゅっ……と、アメリアの腕に力が入り、俺の胸に顔を埋める。
柔らかい感触。今、確実に其処に在るのだと存在を俺に知らしめている。
誰が抗えようか。
今まで何度も頭の中で汚したいと、求め、求められたいと思っていたその相手が腕の中に居るというのに。
「俺は……キメラだ」
「知ってます」
「お前のような地位も名誉も何も持たない、お尋ね者でもある身だ」
「関係ありません。それでも……ゼルガディスさんはゼルガディスさんで、私の大好きな人です」
ふっと俺の胸から顔を外し、頬を赤らめ微笑む。
「わたしは、ゼルガディスさんがとても優しい人だって知ってます。
ゼルガディスさんが、痛みを解れる人だって知ってます。
ゼルガディスさんが、温かい人だって知ってます」
今度は俺が赤くなる番だった。どうしてこいつは、そういう事を何の臆面もなく言えるんだ。
「負けたよ…」
アメリアの顎に指をかけ、上を向かせ、ピンク色に艶めくその唇にそっと唇を重ねる。
「んっ…!」
「お前の気持ちは解った。だが、言葉はやれない。俺はお前に此処まで落ちてきて欲しいとは思わない。
そして俺も、其処まで上がる事は出来ん。お前を俺に縛る事は、俺が許せんのだ」
一瞬悲しそうな顔をしたが、この聡明な少女の事だ。それも想像のうちだったのだろう。
軽く首を左右に振り、ふっと笑った。
「良いんです。言葉を貰えなくても。その代わり、気持ちを下さい。」
そう言うが早いか、俺の右手を取り柔らかな膨らみに這わせる。
「お願いします……」
今度はアメリアから、俺の唇に口付ける。
微かな体の震え。精一杯の勇気を振り絞っているのだろう。
女にここまでさせて、俺は一体何をやっているんだ……。
背中に回していた左腕に、ぐっと力を込めた。
「んっ……ふぅっ、んん…っ」
甘い香りがする、柔らかい唇。俺は無心にそれを貪る。舌を咥内へ侵入させ、アメリアのそれと絡ませる。
唇の端からはどちらともつかぬ唾液が零れ、アメリアの顔をいやらしく濡らす。
右手は絶えずアメリアの乳房を撫で、時には先端の突起を軽く弾いてやると、アメリアの口からやや艶を帯びた吐息が漏れた。
「感じてるのか?」
唇を離し、少し意地悪なセリフを吐いてみせると、アメリアは顔を益々赤らめ抗議するような目線を俺に向ける。
ヤバい。かなりそそられる。
「はぁ…デリカシーないです、ゼルガディスさんっ」
「そりゃ失礼……」
言いながら、アメリアの胴衣を裾からたくし上げる。邪魔なベルトは既に外してあり、俺の侵入を阻むものは無い。
「あっ!いつの間に…」
ぷるん、とその年齢と幼い顔立ちには似つかわしくない、大きな乳房が顔を覗かせる。
綺麗なお椀型をした胸と、ピンク色の乳首。
「立ってる」
アメリアの背中をソファの背もたれに押し付け、やや硬さを増してきたその先端に唇を寄せた。
「はぁっぁあっ……!!」
舌先で転がすように乳首を嘗め回し、ちゅぅっと音を立てて吸い立てると、アメリアの体はびくんっとしなり背中を浮かせた。
空いている方の胸には手のひらをあてがい、回すように揉む。
あまり強くすると壊れてしまいそうなほど柔らかい…。
「っあんっ!ゼ…ルガディス、さん……なんだか…体が、熱いですぅっ……!」
「くっ……。そんな声で鳴かれてそんなセリフ、まるで催促でもされてる気分だな」
「な……ぇっ!?」
アメリアはソファに座らせたまま腰の下に手を差し入れ、一気にズボンを膝まで引き摺り下ろす。
膝の間に体を差し入れ屈み込んで見ると、アメリアの秘部を包む下着には、既に溢れて来た蜜で染みが作られており
まだ男を知らないのであろう。あのくらくらするような女の匂いはしない。
「やっ……見ないで下さい、いやっ!」
「残念だが。抵抗の言葉はもう聞き入れられる状態じゃない」
下着の上から割れ目に舌を這わせる。
ちゅく…ちゅくっ
「あぁっふっ……ぁ…あぁあはぁっ!!」
いやらしい音を立て上下に舌を動かすと、アメリアの腰はその都度びくっびくっと反応を示し
俺の顔に更に腰を押し付ける形になる。
「いやらしい腰だな。そんなに嘗めて欲しいのか?」
にやり、としながら問うと、喘ぎ声の混じった非難が発せられる。
「違いっ……ますぅ!っあ……、ゼルガディスさんが、ふぁっ、そんな事、するからですぅっ!」
ぞくり、と胸の奥から何かが込み上げる。
どうやら俺は、こいつにそういう事を言われるのがたまらなく好きらしい。
更に下着越しに、一番敏感な部分を弄る。布の下で、そこが既に硬くなり、顔を覗かせているのが解った。
「ひゃぁあっぅうんっ!!はぁ…ゃあっ、なっに…っ!?」
何をされたのか解ってないのだろう。経験も無いのだから無理もないが。
重点的にそこを責立てる。舌先で突付いたり、円を描くように嘗め回したり、ちゅぅうっと吸い付いたり。
「あっあっあぁっ、ゼル…ゼルガディス、さっ……あぁああっなにか、あぁっ」
イきそうなのか?
目線を上げアメリアの表情を伺うと、硬く目を瞑り、頬を真っ赤に染め上げ、熱さからか流れた汗がいやらしい表情を映えさせている。
そこですっと唇を外す。
「……ぁ…………?」
ぐったりと体をソファに埋め、何が起こったか判らないような表情でぼんやりとしている。
「まだ、イかせてやらんよ」
体をずり上げて耳元に顔を寄せ、ふぅっと息を吹きかけながら囁く。
「んっ……」
びくっと体をのけぞらせる。
「耳も感じるのか?」
「知りませんっ……」
恥ずかしさからか顔を背けるアメリアを見て、また俺はほくそ笑んだ。
「俺を見ろ。お前の顔を見せてくれ」
「ゃぁっ…」
耳朶に噛り付き、軽く歯を立てる。
「ひぁっ……」
ちゅう…ぴちゃ、ぴちゃっ
丹念に嘗め上げ、吐息を吹きかけアメリアの反応を確かめていく。
どこが感じるのか、どこを触れられたいのか、一つ一つ己の脳裏に刻み込んでいく。
次に触れられるのが、いつになるか判らないから。触れる事が出来るのかも、判らないから。
「全てを、見せてくれ…」
そう言いながら手を背中に這わせ、その柔肌を出来るだけ傷つけない様に、そっと撫でる。
「ゼルガディス、さん…好き…っ」
俺の背中に腕を回し、服を握りしめるアメリアの肌はしっとりと汗ばんでおり、俺の岩のような肌であっても吸い付くような
感触に眩暈を覚える。
――――今だけは、全てが俺の物なのだ。
その華奢な体も。柔らかな乳房も。揺るかなカーブを描くその脚も。甘ったるい吐息を交えつつ喘ぐその声も。
そして、幼さの中に徐々に女を目覚めさせてきたその顔も。
思考を廻らせると、胸の奥から衝動が込み上げてくる。
今までずっと、どうせもう手に入りはしないのだから、と押さえ込んでいたものが壊れそうになる。
手を下腹部へ滑らせる。臍の窪みに触れたとき、また体が跳ねた。
耳元を弄っていた唇を、今度は胸元へと落とす。
鎖骨、乳房の周辺、鳩尾、脇腹と丹念に赤い花を咲かせ、俺の物だという標しをそこに刻み付ける。
これが愛しさなのだろうか?俺には判らない。
ふと、ゼルガディスさんの手の動きが弛んだような気がした。
それまでは、絶え間なく与えられる快楽にただただ翻弄され、あられもない声を上げるしか出来なかかったけど
今は優しく、わたしの体に唇を寄せ、口付けてくれている。
わたしに触れてくれるその指がすき。
わたしを貪るその唇がすき。
わたしを見詰めるその瞳がすき。
わたしを求めてくれるその心がすき。
貴方の全てがすき。だいすき。
何をされているか解らなくっても、意地悪なことを言われても、わたしの胸の中では、知らなかったゼルガディスさんを知った悦びが溢れ出す。
叶わない想いだって解っていたの。きっと貴方は受け入れてくれないって知っていたから。
だけど、今。こうしている間は、貴方はわたしを受け入れ、求めてくれる。
わたしはそれだけでもスゴク嬉しいんです。ゼルガディスさん…。
幾つもの赤い花をアメリアの白い肌に咲かせ、下着の腰紐に手をかける。
それまでは緩い動きをしていたので安心していたのだろう、急にアメリアの体が強張った。
安心させるために、太ももの内側に口付ける。
裏側からつうっと舌を這わせ、唾液で筋を作りながら強く吸い付き、また赤い花を咲かせる。
「はぁっ……ん…」
意識をそちらに集中させ、手早く下着を剥ぎ取りソコが潤んでいる事を確認する。
「いやらしいな…こんなに濡らして、もうびしょびしょになってる」
「ゃぁあっ!!だって、ゼルガディスさんがたくさん触るからですっ!」
顔を両の手のひらで覆い隠し、イヤイヤをするようにかぶりを振るのが可愛く、いたづら心でふぅっと軽く息を吹きかける。
「ひゃぅっ!?」
くちゅっ…
「あぁあっ、あっ、なっ…にを…!?ふぁっ」
急に与えられたソコへの刺激に、思わず力を込めたのだろう。左右の脚に顔を挟まれる形になった。
「なんだ、もっと嘗めて欲しいのか?髪が刺さる…力を抜け」
脚に手をかけ、無理矢理開かせる。つぅ……と、赤い一筋の線が秘部に向かって走った。
「ち、違ぃますぅっ!!あっ!?はぁあぁっあん!ゃっ、あぁあ!ゼルガディス、さ…!」
ぴちゃ、ぴちゃ、ちゅるるっと、わざと音を立てて吸い上げる。
「ぃやぁっ…やぁ、あぁあっ!」
口の中へ一杯に蜜が溢れてくる。じっくりとその味を楽しみ、喉の奥へと流し込む。
唇を離し、ゆっくりと指先を入り口にあてがい、何度か上下に軽く動かしアメリア自身の蜜で湿らした後に
少しずつ中へと侵入させていく。
「んゃあぁあぁっ!!!」
「すげ…きゅうきゅう締め付けて来る。キツイな……」
びくんっと跳ね、一気に体が強張る。
緊張を解す様に入り口のあたりでゆっくりと出し入れし、太腿や腹部へ口付けを繰り返してやる。
「はぁん…ぁあ、あはっぁあん……」
次第にアメリアの声が艶を増し、喘ぎ声に変化していくのが解ったので、少し奥へと指を進めた。
「あぁあ……はぁ…、あ、つい……っ」
締め付ける力が弱まったのを見計らい、指を2本に増やし、ゆっくりと中で動かしていく。
納まっていた蜜が再び溢れ出し、肉壁が指に絡み付いて来るかのようにぐねぐねと動いている。
ぐちゅぐちゅ、と卑猥な音を奏で、緊張が十分に解れた事を伝えてきた。
「どんどん溢れてきてるぞ。そんなに気持ち良いか?」
「ぁ…は…ぃっ……」
素直な返事に少々面食らいながらも、くすりと微笑む。
「随分素直だな。……悪い。そろそろ我慢が利かんようだ」
「はぇ……?」
ぐい、とアメリアの両足を抱え上げ、痛いくらいに硬くなっていた自身の先端を入り口に当てる。
「あっ……!」
先端からは既に先走りの汁が滲み出ており、濡らす必要もないくらいだったが、何度か焦らすようにくちゅくちゅ、と軽く擦り付けた。
「ぁ……」
「入れるぞ……少し痛いかもしれんが、我慢しろ」
ぐっ、と力を込める。
「っ……!!!」
わたしのまだ誰も知らないソコへ触れたゼルガディスさんのソレはとてもひんやりとしていて。
でも、熱が通っていることをはっきりと示すように硬く膨張しているのが解った。
そして彼の言葉どおり、わたしの中へと挿入って来る。
「ふぅっ……んんんっ、あ……っあはぁあっ…!!」
ゆっくりと、少しでも痛みを感じさせないようにと、顔中に優しくキスを降らせてくれながら。
それでも、物凄い圧迫感。
ソファの背もたれに体を預け、首を後ろへ仰け反らせ、極力力を抜くように心がけてるけど、苦しい。
必死に腕をゼルガディスさんの方へ伸ばすけど、アソコからのくらくらする痛みと繋がる事が出来た嬉しさで前が見えず、上手く掴めない。
わたしの腕をゼルガディスさんの手が掴み、肩へと導いてくれた。
「痛いか……?」
ふっと顔を上げると、とても心配そうなゼルガディスさんの瞳が見えた。
「だいじょう、ぶ……ですぅっ」
本当です。だって、とっても嬉しいから。
「だか、ら……ちゃんと、動いてください…。もっとちゃんと、ゼルガディスさん、を…感じたい、んです」
わたしの言葉を聞いて、少し困ったような微笑みを浮かべ、解った、とゼルガディスさんが呟いた。
「っくぅううぅっんん……っ!!!」
ぐぐぐっ!と、更に深くゼルガディスさんのモノがわたしの中へ入ってきた。
「全部…入ったぞ…」
苦しそうな声。きっと、わたしの中が狭いから窮屈なんだ…。
「っはい…っ。どうしたら、気持ち良くなれますか……?」
「!?」
思ったことをそのまま口に出しただけなのに、ゼルガディスさんはまるで鳩が冷氷弾をくらったような顔になった。
「これはこれは……。随分と大胆な巫女様だな。正直、驚いた」
「え?」
言ってる意味が解りません、ゼルガディスさん…。
「そんなに気持ち良くなりたいのか?」
どうやら、どうしたら『わたしが』気持ち良くなれるのか、という意味に受け取られてしまった模様。
「えっえっえぇえええっ!?ちっ、違いますっわたしじゃなくってっっ!!」
言い終わるが早いか、繋がってる部分の少し上。
先刻ゼルガディスさんからたっぷり苛められた所に刺激が走った。
「あぁあうっん!!」
「仰せの通り、もっと気持ち良くしてやろう」
そう言いながらも指はソコをやわやわと刺激してくる。
指の腹で押し潰してきたり、くるくると円を描くように撫で回したり……
その一つ一つの動きにわたしはいちいち反応してしまって。
「ふぁっ、ああぁあっ!ひぁ…あ、はぅうっんんぁああ!!」
じんじんとソコから刺激が広がり、アソコが熱を持ってきて、ゼルガディスさんは全く動いていないのに
勝手にわたしの腰はいやらしくくねりながら前後へと動き出す。
その動きで少なからずゼルガディスさんのモノが、わたしの中を出たり入ったりして、それで更にわたしは声を荒げてしまう。
どうしよう…すごく気持ち良い。
ぐじゅっぐちゅっずぷ、くちゃっ
「あぁ、ああぁあっ、は、んあぁああっ、あん、ゃあっ…あん、あああっ!」
「くくっ……やはりいやらしいな、巫女様は。
自分で腰を振って俺のモノを咥え込み、よがってるなんてな」
きっとわざとそんな事を言うんだ。わたしを恥ずかしがらせたくて、意地悪な事を。
「ゼルガディスさん…意地悪です……っ」
俺が意地悪だって?それは仕方の無い事だ。
お前があまりにも愛おしい事を言うから。
そんな真っ直ぐな眼差しで、俺の心を射るから。
狂おしいほどに腰を突き動かしたい衝動に駆られるが、まだ駄目だ。
もっと乱れるアメリアを、俺の心に刻み付けたい。
妄想の中でしか得られなかった、快楽に溺れる愛しい少女の表情を焼き付けたい。
アメリアの俺を締め付けるその動きをじっくりと味わいながら、且つ指の動きを休めずに、アメリアを昂ぶらせて行く。
「ひゃぁあっは、あぁああああっ、ぁ、はあぁっ、ゼルガ、ディスさぁあっ…!」
秘部の先端へと繰り返し与えられる刺激と、自らの腰の動きで繰り返される膣内への刺激でアメリアが限界に近い事が伺われた。
「今度は、ちゃんとイかせてやる」
「は……?あぁああぁぁあぁぁぁっや――――――――ぁああっっ!!!!!」
きゅうっとソコを指先で摘み数回こねてやると、散々焦らしてやったからかあっさりと絶頂を迎える。
俺の肩をきつく握り締めて汗に光る全身をぶるぶるぶるっ、と震わせ、恍惚の表情を浮かべたままソファに深く沈みこんだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
「お前、声大きいな……。ガウリイ達に聞こえたかもしれんぞ」
そう言うと、はっ!と緊張に身を強張らせ、表情が硬くなる。
「だって…ゼルガディスさんが、凄いから……」
しょぼんとしてぶちぶちと文句を言うその姿が、また俺の胸の奥を燃え上がらせる。
もし狙ってやってるんだとしたら、大したもんだ。良くもここまで俺のツボを心得てるなんて、な。
「今度は抑えてくれよ。俺の番だ」
「はいっ!?」
ぐいっとアメリアの背中を抱え、向かい合って抱き付く格好にする。
勿論まだ繋がったままだ。
「ひぁあうっ!」
くるり、と身を反転させて、俺がソファに腰掛けその上にアメリアを乗せ、両腕を首にしがみ付かせる。
「あっ、まだ……そんなっぁ」
まだ先ほどの余韻が体に残っているのだろう。
アメリアの後ろ頭に左手を添え、抗議の言葉を吐こうとした口を強引に塞ぐ。
「ふむぅ……」
そしてアメリアの腰に右手を回しぐっと押さえつけ、ゆっくりと腰を回し更に深く深く、アメリアの中を掻き回す。
「むぅっ……んんんっ、んっふぅうっ!!」
本来ならば肩に噛み付かせてやりたい所だが、俺のこの肌ではアメリアの歯を折りかねんので仕方ない。
それ以前に、もっと乱れる声を聞きたいのが本心だが…。
この声を聞くのは俺だけで良い。
こういうのが、独占欲とでも言うのだろうか?
この俺が、そんな事を思うとはな。全く滑稽な話だ。
目の前にあるゼルガディスさんの瞳は、いつものような冷たい輝きではなく、熱を帯びて潤んでいて、わたしを捉えて離さない。
唇の中に差し込まれた舌は、まるでそれだけが意思を持っているかのようにわたしの咥内を動き
わたしのそれに絡み付いたり歯列を嘗め上げたり……
それと同時に腰は絶え間なく動き、最初はゆっくりと膣内を擦るように回っていたのに、いつしか突き上げるような動作に変わっていた。
眉間に皺を寄せ、目は閉じられている。
ゼルガディスさん、気持ち良いですか?
聞きたいのに唇を塞がれていてそれすらも出来ない。
ただただ、小さく喘ぐ事しか。
ぎゅうっ、とゼルガディスさんを抱き締めると、手のひらに伝わる服の感触に気が付いた。
素肌を感じたい。けれど、わたしの肌を傷付けないようにしてくれているんだろう。
やっぱり、とっても優しい……。
わたしは愛しさが溢れてきて、もっときつく抱き締め体を密着させる。
そして自分からも舌を絡ませ、彼の口の中へ持って行き唾液を絡め取りごくり、と飲み下す。
目を開けると、やっぱり驚いたようなゼルガディスさんの顔。
わたしがこんな事するなんて、信じられませんか?
でも、それくらい愛しいんです、好きなんです。……貴方が。
ふ、っと彼の瞳が細まった。
全く、驚かせる事ばかりする奴だな。そんな事をされたら狂ってしまいそうだ。
もっと味わいたくて果ててしまいそうになるのを懸命に堪えているというのに、一挙一動で俺を昂ぶらせる。
時折目を開け、俺を熱っぽく見詰めるその瞳すらも俺以外の誰にも見せたくないほど、譲りたくないほどになっているというのに。
どうしてここまで俺を虜にするのか。
言葉に出してしまいたいと、俺から離れられないようにしたいと願いたくなってしまう。
どうやら俺は、自分で自分を追い込んでしまったらしい。
戒めのためにも、これ以上苦しめないためにも。
俺は更に激しく、深くアメリアを下から突き上げ、絶頂を迎える事にした。
「ふぅうっ!!」
急に動きが荒くなったからか、アメリアの呼吸が乱れる。
またイきそうなのか、膣内が締まり俺自身をきつく締めて来る。
「はあっ」
唇を離し、正面から見据えて言う。
「一緒にイこう」
そう言ったゼルガディスさんの瞳は、今までに見た事が無いほどに切なそうで、消えてしまいそうな光を浮かべていた。
きっと、これが最後だと。2度目は無いんだ、とわたしに訴えているかのように。
それでも良いんです…。
今この瞬間に、わたしを愛してくれるなら。
これ以上望むのは、きっと貴方を苦しめるだけだって解るから。
でも、例え次が無くても、胸の中で想う事は許してくれますよね……?
そう思った瞬間、一層激しく下から突き上げられ、頭の中が真っ白になっていった。
「はぁっ……ゼルガディス、さぁんっ……好き…好きぃっ!!」
「っくぅ……っ!」
果てる瞬間にアメリアの体を抱え上げて抜き出し、白い肌の上に解き放った。
くたり、と俺の肩に頭を乗せ全身を預けてくるアメリア。腕も下にずり落ち、気を失っているようだ。
初めてだったのに、ちと激しすぎたか…。
少しばかりの後悔を胸に、その華奢な体をソファに横たえ腹の上にぶちまけたものを処理して、マントを羽織らせる。
「すぅ……すぅ……」
浅い呼吸を繰り返し、幸せそうな表情をしているのを見ると、本当に良かったのだろうか、と不安が襲う。
仮にも相手はセイルーンの王女であり、聖なる巫女なのだ。
求めてこられても拒絶するべきだったのではないか。
自分の中に、まだこれほどまでに人間らしい感情が眠っていた事に気付けなかった、俺の落ち度なのだろう。
きっと、次は無い。そう願う。
もし、次があれば……俺は、これ以上コイツ相手に自分を抑えられる自身が無い。
手放したくないと願う気持ちが芽生えてしまったから。
他のなにものにも代え難く、貪欲に欲してしまいそうだから。
だが、それは互いのためにならぬ事を、俺はもう知っている。
この洞窟を出たら、また1人で旅立とう。
俺はまだ、留まるわけにはいかないのだから――――――。
***END***