どしゃ降りの為にあたしとガウリイはもう三日も同じ街に足止めをくっていた。
まあ、特に急ぐ旅でもなし、ちょうどこの街にはまだ食べていない名物料理がいくつかあり、
街の魔道士協会にも興味深い蔵書があったりで、あたしはそれなりにこの雨の数日を楽しんでいた。
今日も今日とて、名物料理でお腹はいっぱい。
ベッドの上に胡坐をかいて座り込み、あたしは新しい魔道書に目を通していた。
「リナ、ちょっと気になることがあるんだが、いいか?」
武具の手入れも終わり、退屈そうだったガウリイが声をかけてくる。
「気になること?」
本から目を話さずに答えるあたしは、後ろのガウリイの動きにはさして気を止めていなかった。
?!
背後から回ってきた手に胸をがっしと掴まれて、あたしは思わず硬直する。
「もうちょっとボリュームが欲しいよなー」
「なななななにやってんのよこのっ、ディル…んあっ、やめっもむな〜〜〜!」
呪文で吹っ飛ばそうとしたところへ胸を掴んでいた手がいやらしい動きを始めて、詠唱は中断されてしまう。
「こうすると大きくなるらしいぞ。このあたりを刺激するとな…」
「えっ、大きくそれホント?…じゃなくてっ。そこは胸とは関係ない、あんっ」
“胸が大きく”の言葉に思わず反応してしまった自分がなんだか悔しい。
なんていってる場合でもなかった。
ガウリイの片方の手は根拠があるんだかないんだかわからない説明と共に、
胸とは関係ない下の方を触っている。股と豊胸と関係あるかボケーーッ!
「まあ、細かい事は気にするな。」
開き直りにも似た事を言いながら、ガウリイは服の中へ手を入れてくる。
「気にするし細かくないっ!だからやめっ…はうんっ」
抗議してみたが、ズボンの中に入ってきた手に感じやすい場所をなぞられて身体が反応してしまう。
数回動かされただけで、自分の中から潤んでくるのがわかった。
ぞくぞくとした切なさも背筋を駆け上がってきて、唇を噛み締める。
「すごく気持ち良さそうだし、ここもこんなになってるのにやめていいのか?」
「…う。」
こひつは〜〜〜!あんたがそんなことするからでしょーが!それにやめる気なんか絶対ないくせに。
悔しさがこみ上げるものの、くちゅくちゅという音が下の方からやけに響いて聞こえて、
あたしは言葉を詰まらせた。
「じゃあもっと気持ち良くして胸も大きくしてやるからな」
黙ったのを肯定と取ったのか、元々押し切るつもりだったのか、ガウリイはそう嬉しそうに言った。
「…もうどうにでもして。」
半ば自棄になったあたしは脱力気味の口調でこう答えていた。
後ろから抱きしめられたまま、前に押し倒され、あたしは膝と両手で体重を支える。
四つん這いのその格好でズボンを引き下ろされると、後ろからガウリイが入ってきた。
前戯などほとんどしていないのに、あたしのそこは抵抗なく受け入れ、気持ち良さを感じていた。
ガウリイはすぐにゆっくりと動きながら、あたしの残っている服を巻くりあげ、胸を揉んでいく。
完全には脱がされていない状態で、あたしもより強い刺激を欲して腰を揺らしていた。
鼻にかかった吐息を抑えることが出来ない。
大きさが気になっている胸はもうもみくちゃに潰され、形を変えられているけれど、
そんなことはどうでも良くなって、あたしはただ気持ち良さだけを求めていた。
後ろから打ち付けられる腰の動きも次第に強く速くなっていく。
ちょっ…激しすぎ…
思うけれど言葉になどならなくて、あたしは追い上げられるまま空気を求めて喘いだ。
やがて声にならない声をあげて仰け反ったあたしの奥で熱いものが弾ける。
弛緩して、シーツに横たわるあたしの耳には、まだ激しく降り続ける外の雨音が遠く聞こえていた。
それから程無く、第2ラウンドが開始されてしまったのは、あたしにはちょっとした悲劇。
次の日、晴れ渡った空をあたしはどんなにありがたいと思ったことか。
そして、あたしの胸が大きくなったかどうかは…正直微妙である。
<了>