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裸マントシチュ  
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空き家なのだろう。頭上に位置する窓は硝子が嵌まっていない。  
リナは外壁に押さえつけられ、かろうじて唯一、その身に纏っていたマントをめくり上げられた。  
夜風にさらされた素肌が羞恥をそそる。  
リナはかすかに息を飲み。状況から目を反らせた。  
明りの術をかけられた街の灯。その光に浮かび上がってゆらめく金髪が目の端に入る。  
これが人気の無い林や街道脇等では無く、ホンの僅かでも声を上げれば、他人が飛んで来る様な町中である事が意識された。  
まだ物陰に隠れるようにこの行為が、なされているのであれば、もうちょっと救いもあったのだろうが……。  
 
現状を認識すれば認識するほど、その頬は困惑と羞恥の色に染まらずにはいられない。  
ゆったりと口付けていた男は、彼女のそんな様子に笑い。片手をマントの下のその細い腰に周すと、引き寄せる様に爪先立ちにさせ、支えた腕はそのままに、ほっそりした彼女の全身が見下ろせる位置へと回った。  
 
「恥ずかしい、か?」  
言いつつ男は顎先からゆっくりと、少女の下腹部を目指して指先でなぞっていった。  
その触れるか触れないかといった、優しい様な微妙な感触に少女はマントをつかむ事で耐える。  
「い、ま、さら」  
今更だと強がっても、恥ずかしいのには変わりがない。快楽に潤み始めた目で睨みつけても、相棒は嬉しげに笑うだけだ。  
 
ゆっくり辿る指が鳩尾を通り、彼女はじゅわりと濡れた。  
臍間際で勝手に躯が反応し、ビクリとはねるのを感じる。リナは目を閉じ息をつめて男の指が、彼女の最奥に届くのをまった。  
だが、密やかな部分を覆うしげみを擽り、快楽の部位に触れるその手前でガウリイは手を止めた。  
不意に抱きかかえられ、何事かとリナが見上げると、見上げたその目は良い事を思いついたという風に、笑っていた。  
 
「丁度良いモノがあったな」  
その視線の先を辿れば、真新しく見受けられる大きな酒樽があった。  
男の長い腕でもゆうに二抱えはあるその樽は、高さ自体はそれほどでも無く、リナの腰骨辺りしかない。  
壁際におかれるでもなく、中途半端に放置されたソレは、少女の今の状態を具現化してるようだった。  
これにどんな意味があるというのか、問いかけるまでも無く頭に浮かんだ答えに、リナは怯んだ。  
 
剥ぎとられたマントを拡げた樽に、腰を掛けさせられ、両の足をその縁におかれた。  
その身には既に両手のグローブと靴しか纏っていない。なのに。  
「開いてみろ」  
自分で足を開けというのか。  
深夜とは言え、屋外で。それも誰が通るとも知れない街角の袋小路で。淫な行いを自発的にさせようとするのだ。  
リナは目元が一層熱くうるむのを感じた。  
膝頭をゆっくり開く。  
靴のかかとを左右に僅かに滑らせ、躊躇いがちに開いた。  
「もっと」  
だが彼は容赦無く、全てをさらせという。  
目をつむり、思い切って開く。  
 
別に何かされている訳でもないのに、息が上がる。  
男の視線を感じた部位が、またもやじゅわりじゅわりと濡れだしている。きっといまにも滴り落ちそうなくらいだ。  
観られていると思うだけで興奮して、あそこがひくつくのが恥ずかしい。  
「ホントにリナは見られるのが好きだよな。もうあふれて来たぜ」  
その言葉通り、溢れて零れるそれに羞恥がまし、また熱いものがあふれ出すのを堪えようと、無意識に腰が蠢くのを止められない。  
「触ってやろうか?」  
大きな掌が右の膝骨を包む。  
「それともなめて欲しい、か?」  
喘ぐ様に、男を呼ぶ。  
「ガ、ウリイ」  
降参だ。耐えられ無い。  
なのに、男は意地悪く笑う。  
「どんな風に弄って欲しいのか、言う迄このままだ」  
 
リナはマゾヒストではないし、ましてや露出狂などではさらさらない。  
ないはずだ。  
なのに、この男に命令されれば、何故かイヤとは言えない。  
イヤと言いたいのかどうかすら、リナの中で曖昧になる。  
 
自ら大きく開いたその奥は、ガウリイの命令に、早く従えと言わんばかりに、濡れ滴り、興奮と期待で切なく疼いていた。  
 
「ど、どんな風って……」  
 
思わず男の顔を見る。  
 
「イロイロあるだろ、コイツの」  
言って、敏感な突起が軽くはじかれる。  
「さきっぽを、舌で舐めて欲しいとか、人差し指と親指でいじりまわして欲しいとか」  
 
男の卑猥な発言に、まさかもう、奥の奥まで入れて、昨日の昼間、散々イかされたように中と外からグリグリと、指で刺激して欲しいとも言えず。  
リナは思い悩んだ。  
 
「ゆ、ゆび。ゆび、で、」  
 
指と単に口に出しただけだというのに、どんどんあの一幕を思い出して行く。  
些細なことを盾に、お仕置きだと称して、見晴らしの良い、人気のない街道のど真ん中で、ガウリイはリナに全裸を強制した。  
理由は些細なつまらない事で、リナでさえもう忘れてしまったのだから、ガウリイなら尚更だろう。  
 
とにかく今となっては、何が原因だったのかは分からないが、ほのかに暖かい石畳の上で、リナは四つん這いになって、ガウリイの指の悪戯を受け入れた。  
中をグリグリされる前に、全身をしつこく舐められて、息も絶え絶えだった事も思い出す。  
ぼたぼた音をたてて、リナの涎と体液が石畳に染みを作り、ひどく決まりが悪かった。  
幌馬車が通り掛からなければ、そこで最後まで行為は行われていたかもしれない。  
長く続く石畳の道のど真ん中で、二人して繋がる姿を想像し、リナは鼓動を跳ねさせた。  
実際は、車輪の音が耳に届く直前に、街道脇の木陰に連れ込まれて押さえこまれ、彼のモノを挿入されたのだったが。  
 
木に押し付けられ背後から容赦なく動かれ、爪先立ちで必死に声を堪えると、なおさらむちゃくちゃに突き上げられた。  
おかげであの時は、リナの意向に反して、馬車の連中に彼女のよがり声を、盛大に聴かせてやるはめになった。  
それは信じられない位、恥ずかしくて気持ちよかった。  
今、あの刺激が欲しくてたまらなくて、はあはあと息をつく。  
 
「ゆび、で、いじっ、て」  
 
街灯の灯りに濡れ光る彼女のそこに息を吹きかけながら、ガウリイは言う。  
 
「聞こえ無いぜ、もう一度言ってみな、リナ」  
 
そんな訳は無い。  
彼女の声は小さく震えがちであったが、彼の耳なら、聞き落とす事など有り得ない。  
だが、リナは繰り返した。  
 
「お願い、ゆ、指で、さわって」  
それでも、男は動かない。  
「どこをだ?」  
問い掛ける声は、非情な程、優しかった。  
リナは男から目をそらし、手で顔を隠すようにして、囁いた。  
「そこ」  
「どこだって?」  
今にも泣き出してしまいそうだ。  
 
 
身体の一部分における、直接的な用語を口にするのは容易い。  
だが、同時にひどく難しくて、樽の縁に立てて広げさせられている腿を、意識せずにはいられない。  
恥ずかしいのに、興奮しきっている自分が浅ましい。  
なのに、そこはもうひどく疼いて、少しでも彼に触って欲しくてたまらない。  
 
「ガウリイが」  
「オレが?」  
「いま、見てる…」  
その呟きは、今までで一番小さかった。  
「そこ。」  
一層強く視線を感じて堪え切れず、熱い液体が溢れる。  
 
「ああ、ここか」  
長い指がスッと動き、リナのその部分をなぞれば、押し殺した高い声と、湿り気がくちりと音を立てた。  
 
 
そこから先は夢心地だった。  
優しく上下する指先が、するすると絶え間なく快楽を送り込んでくる。  
 
「あ、ああん、あん、ああん」  
零れて溢れるそれを、快楽の突起に塗りつけて摘んでこねまわし、そうかと思えば入り口を優しく撫でまわす。  
リナは目を閉じ息を荒げ、その手の動きに、感じ入った。  
 
リナの真珠の産み出す快楽は、容易く彼女の意識を屈伏させた。  
頭の中が真っ白で塗りつぶされてゆくのが、心地好かった。  
ガウリイは彼女のいい所を誰よりも良く知っていて、容赦がない。  
花弁の弱い所をそっとなぞりながら、快楽の粒の裏を表を、リズミカルにこすり上げられ、リナは全身を揺すって、その快感を表現した。  
唾液が溢れ、無防備に晒された喉元を伝い落ちる。  
 
「あ、や、やぁぁ。」  
 
街中の屋外だというのに、喘ぎ声が止まらない。  
思考が快感で埋め尽くされ、もう、何もわからない。  
 
「だめぇ、もう、もう。」  
もう少しでどこかにたどり着けそうだとリナが思ったその時、指の動きが止まり快楽が止まった。  
 
「あ、いやぁ」  
反射的に、腰を彼の大きな手に押し付けるようにしてこすりつける。  
たちまち、気持ち良さで全身がとろけた。  
「あはん。あ、ああ、ああん」  
リナは、喘ぎ声が高まって行くのを感じたが、狂ったように動いてしまう腰が、声を堪えさせてくれない。  
どこかに行き着くまでは、自分ではもう、止められなかった。  
もう少し、もう少し。  
説明の付かない焦燥感が、リナを包む。  
もう少しで行き着くそこに、辿り着けるまでは、と。  
だがしかし、ある一定以上に快感が高まると、不意にその快楽が薄くなってしまう。  
そこに行く最後の一線を渡る刺激を、ガウリイの手は与えてくれない。  
もどかしさで、ぼろぼろと涙を流しながら、リナはようやく気づいた。  
 
常に彼の手が彼女のそこに軽く当たる位置に来るよう意地悪く、ガウリイは腕をリナの腰の動きに沿わせ動かしていたのだ。  
だが、それを知りながらも、リナは泣きながら一層腰を振った。振るのを止められなかった。  
 
「いやぁ、もう、もう」  
どれくらい激しく腰を振っただろうか、リナは泣き声でガウリイに救いを求めた。  
 
「あ、やめ」  
 
手が離され、悲鳴が上がる。  
思わず、離れてゆく太い二の腕にしがみつく。  
 
「もう、止めるか」  
「やぁ。止めないでぇ」  
 
はあはあと、喘ぎ泣きながら懇願する。  
 
「じゃあ、触って欲しい所、もっとちゃんと見せてみな。」  
 
今日の彼は意地悪だ、もっと淫らになりふり構わないリナの姿を見せないと、満足してくれないらしい。  
 
戸惑いながらも、つかんでいた彼の腕を放し、リナは体勢を替えた。  
尻の下に敷いた漆黒のマントが濡れそぼり、肌に冷たかった。  
 
いまだこんこんと湧き出る泉の襞に、震える両手の指先を伸ばし、期待の籠もった視線の先に、その濡れた紅色を自ら曝す。  
「早く。早く、……お願い」  
その囁きは、酷く高く響いた。  
 
「あっっ」  
指の一本が浅く入るのを感じ、リナは声を挙げた。  
足がガクガクして、姿勢を保てない。  
樽から転がり落ちるのが怖くて、ガウリイのみっしりと筋肉のついた首にしがみつく。  
大きな体は、小柄な彼女の体重を軽々と支え、行為を続けた。  
 
「すげえ濡れてる。」  
敏感な耳元で言われ、思わず首を竦めて見上げれば、愛しい男の欲情した目が、リナの顔を見つめていた。  
「あああん」  
無意識に身体が反応して、そこが指を締め付けた。  
「指、気持ちいいか」  
 
優しく問い掛けられ、浅く抜き差しされ、思わず頷く。  
「あ、あ、い、いい。」  
気持ち良くて、気持ち良くて。  
リナは答えずには居られなかった。  
「指、いい。いい、よう。」  
 
耳を甘噛みされ、またもや、熱い液体がリナの奥深くから溢れ出てくる。  
一度中に触れられると、もう、そのことしか考えられない。  
「もっと?」  
ガウリイが器用に中の指を動かしながら、入り口の外の敏感なひだを揺する。  
 
「もっと、指、もっと」  
「中は、触らなくていいのか」  
「あ、あん。中も。中も。もっといっぱい。もっと」  
長い指が、とろけきった中を探る。  
一本だった指が、二本、三本に増え、軽く曲げられ、抜き差しされる。  
粘液の立てる水音が、喘ぎ声の合間に聞こえる。  
 
そこがすっかりほぐされ、もっと太くて硬い何かが、早く欲しくてたまらない。  
リナがそう思い始めた頃だった。  
指の動きを止めないまま、ガウリイはごそごそと衣服の隠しを探った。  
彼女の手首の半分程の太さであろうか、短めの短剣を取り出して樽の上に置く。  
腰が攫われ、樽の上に立たされる。  
いまだに絶え間なく動くガウリイの手に、頭の芯と膝を震わせながら、リナは彼が片手で器用に短剣の鞘を払って、彼女の両足の空間、マントの生地の上から樽に、それを根元まで突き立てるのを見守った。  
 
この地方の蒸留酒の樽の蓋に使われている木材は、分厚い。  
薄ければ割れたり、刺した短剣がグラグラしそうなものだが、その心配は無さそうだ。  
リナは、快感に震えながらも、あっと思った。  
その短剣には見覚えがあった。  
一昨日の夜にも似たような格好、外套と小物だけで街中を連れまわされた際に、怪しげな小店で、買わされたアレである。  
もちろん支払いに使われた財布は、ガウリイのものだったが、精算を行ったのは、彼女自身だった。  
 
多少不格好だが、普通の短剣に見えたし、他の小物が、余りにもあからさまで、恥ずかしかったため、ろくに見もせず、言い値で支払った訳だが。  
 
「中に入れてみな、見ててやるから」  
そう囁かれて初めて、その短剣の使用方法に思い当たった。  
道理で妙にゴツゴツとした、変わったデザインの握りだと思った。  
表面はどこかフワフワした柔らかな手触りの癖に、どういう仕組みか、ほんの僅か、力を込めるとたちまち数々の小さな突起が、次々と現れるのだ。  
 
それは、決して彼女の身体を傷つけるような造りのものではなかったが、リナは逃げ場を探して、目をさ迷わせた。  
 
別にガウリイは、リナを強制的に縛ったりしている訳ではない。  
逃げようと思えば、何処にだって呪文で飛んで逃げられる。  
だが以前、本当に我慢が出来なくなり、衝動的に逃げだした時の事を思い出す。  
 
あの時は本当に大変だった。  
なんとか宿の近くまで闇夜に紛れて戻りついたものの。  
窓の鍵をあける小道具どころか、身を隠す布切れ一つない状態では、気まぐれな誰かに窓の外に立つ自身の姿を目撃されるのが怖くて。  
呪文どころか、物音一つ立てられなかった。  
結局、明け方近く、ガウリイに探し出して貰うまで、守ってくれる保護者もなく全裸で、闇の中、人の気配に怯えて過ごしたのだ。  
 
だが、ガウリイが一緒なら、そんな心配は無用だ。  
可笑しな事だが、リナはそんな風に考えている自分に気づいた。  
どんなあられもない姿を曝しても、ガウリイの前なら、彼の腕の中、彼の庇護の下なら、なにも怖くはなかった。  
 
リナはガウリイの手に促されるまま、膝をつき、短剣の柄頭に腰を落とした。  
 
それは思ったより短くて、ガウリイのものより大分細かった。  
腰をぺたんと落としても、物理的にはまだまだ余裕があった。  
そして、余裕があったのは、サイズだけだった。  
体内に収めて直ぐは、問題なかったが。  
だが、一呼吸、二呼吸する間に、リナは自分の間違いに気づいた。  
「う、うごいてる?!」  
柄に散りばめられた、突起が震えているのだ。  
「あ、いやあ」  
 
「どうだ、リナ。すごいだろ。  
水に浸けると動き出す、なんとかいう草の種が、表面に埋め込まれてるんだぜって、聞いてないか」  
 
どんどん早くなるその動きに、リナは腰を浮かせ、マントの縁を掴んでこらえた。  
ポトポトとこぼれる愛液で、柄が根元まで濡れそぼる。  
愛液を吸った種は、リナを快楽で狂わせるべく僅かに膨張し、ますますその動きを早くしていった。  
「あぅ」  
背後から伸びてきたガウリイの腕に、リナは身を捩った。  
 
彼の右腕は、彼女の脇腹、腹部、鳩尾、乳房を撫でまわし、乳輪を優しく撫でた。  
左手は、喉を撫で、反対側の乳房を揉みしだき、臍をくすぐり、淡い和毛をかき分けて、柄の収まっているその直ぐ上。  
リナを簡単に酔わせる、快楽の釦をさすり上げた。  
「ぅああぁん。あ、ああ」  
ガウリイの手が動く度、リナの中はぐいぐいとくわえ込んだものを締め付け、柄に埋め込まれた、震える突起をその都度露出させる。  
反射的に腰を引こうとしても、そのたびに、ガウリイのガッチリした腕がそれを阻む。  
リナの締め付けによって突出させられた震える種子。  
それが、中の感じるそこここにダイレクトに食い込み振動し、リナはますます愛液を溢れさせ、感じ入って締め付けた。  
「結構上物だからな、しっかり味わうんだぞ」  
そんなリナを喜ばしげに見つめ、ガウリイは呟いた。  
 
いったい何度、その短剣で、イっただろうか。  
気がつくと、リナは震える粒々が気持ちいい場所に当たるように。  
自ら腰を弾ませそこをこすりつけ、僅かな革製品のみを身に着けたあられのない姿を、よがり声を上げて短剣の上で踊らせていた。  
しかし、その短剣の柄は、覚え込んだガウリイのものより若干短く、太さが全然足りず、何度達しても切なく身体が疼いた。  
 
だが、ますます大きくなる中の震えに、わざと押し付けられ、グリグリと肉の珠をガウリイの手で弄ばれると、涎をこぼして悦ばずには居られない。  
乳首の尖りを解すように弄りまわされ、ますます声を上げて喘いだ。  
どれだけそうしていたのだろうか。  
それは、唐突だった。  
 
いや、リナに取っては唐突だったかもしれないが、ガウリイはタイミングを計っていただけかもしれない。  
とにかく、唐突にガウリイに抱き上げられ、リナはぎょっとした。  
当然のように体内から快楽の源である、短剣の柄が易々と引き抜かれる。  
かと思えば、マントと樽から短剣の刃が引き抜かれ、無造作に樽の陰に落とされた。  
マントに頭まですっぽり包み込まれ、樽に腰掛けた金髪の恋人の膝に跨らせられる段になって、ようやくリナは、遠くから向かってくる、不規則な足音に気づいた。  
 
どうするつもりかと、ガウリイを見れば、にやっと笑われた。  
「声立てるなよ」  
そう囁かれる。  
当たり前だ、リナはそう思ったが、マントの端を加えさせられたかと思えば、また指が挿入される。  
 
短剣では届かなかった奥深くを優しくマッサージされ、リナは呻いた。  
リナの一番好きな所を、トントンとされ、誘うように腰がくねった。  
足音はどんどん近づいて来ていて、もうじき袋小路の入り口だ。  
唐突にリナの入り口付近の敏感な突起が指で挟み込まれ、何度も何度も揉み込まれる。  
必死で、くわえたマントを噛みしめ首を振ってやり過ごす。  
足音は独りで、酔っぱらいのようだった。  
幸いこの酔っぱらいは、脇道の奥で行われているこの行為には興味がないようで、そのまま通り過ぎる様子だが……。  
もしこの男が、気まぐれに右手に目をやったとしても、金髪の男が壷か何かを布で包んだ包みを大事そうに、抱きかかえて休んでいるようにしか見えなかったろう。  
 
しかし、その包みの中では今大変な事が起ころうとしていた。  
敏感な肉の粒を内と外から、長い指で挟みこむようにして刺激され、リナは彼の腕を握る指に力を込めた。  
大きな掌で、両方の乳首を捏ね、同時に転がされると、下の指の効果が増長された。  
 
ぽとぽとと愛液が、ガウリイの手首を伝い落ち、彼の服を濡らす。  
マントから口を外して、もうやめてくれとガウリイに言いたかったが、喘ぎ声を聞いた通行人に足を留められるのが怖くて、目だけでガウリイに制止を訴え掛ける。  
願いが聞き届けられたのか、中の指がゆっくり抜き取られた。  
宥めるように優しく粒を撫でられて、リナは安堵のため息を洩らした。   
酔っぱらいの姿が完全に建物の陰に隠れ、内心ほっと息をついたとき、不意にガウリイが中に押入って来た。  
まだ足音はそこらでもたもたしているというのに。  
 
太くて大きな物をゆっくり抜き差しされ、リナはしっかり噛み締めているはずの口の端から、唾液がぽたりぽたり零れ落ちて行くのを感じた。  
 
どうしても我慢が出来なくて。  
マントだけを身につけ街中を連れ回されていた時から、ずっと擦って欲しかった箇所。  
そこに、彼のモノをこすりつける。  
気持ち良かった、恥ずかしかった。  
心おきなく乱れ狂いたかった。  
が、まだ酔っぱらいの足音は聞こえている。  
 
股を掴まれ、大きく開かされた。  
うながされるまま、素直に彼の腰に両足を巻き付ける。  
恥ずかしさは、何度も突き上げられているうち、訳がわからなくなった。  
足音が聞こえなくなりしばらく待って初めて、リナはマントから口を離した。  
 
「ガウリイ、ガウリイ」  
泣き声が零れる。  
優しく口づけられる。  
「愛してるぜ、リナ」  
そっと囁かれ、マントを剥ぎ取られて抱き締められると、もう正気では居られなかった。  
 
 
街中で。酒樽の上で。  
誰かに目撃されてもおかしくない屋外で。  
声を上げて、リナはガウリイという快楽に、乱れ狂った。  
 
 
(終わり)  
 
 

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