まったく今日はついてない。  
今日はあたしの20の誕生日だというのに街道を歩いている途中に急に吹雪いてくるとは…  
おかげで街につくのが大幅に遅れ、体もすっかり冷え込んでしまった。  
しかも、その上!  
宿屋にはお高いツインの部屋が一つしか残っていなかったなんて!  
く、く、く、くやしーい!  
 
「おいリナ、いつまで苦々しい顔してるつもりなんだよ」  
あたしの旅の連れであるガウリイが暖炉に火をつけながら話しかけてくる。  
「だあってぇ、この部屋普通のシングル二つ借りるより高いのよ!  
…まあ確かに暖炉があるし、温泉からお湯をひいてきているお風呂が部屋についてるけど」  
「ムネくらべられなくていいじゃないか♪」  
すぱんっ!すっぱーん!  
とりあえず足元にあったスリッパ二つを投げつける、まったくレディに失礼なやつなんだから。  
「すまんすまん、部屋温めとくから先に風呂であったまってくれよ」  
「あたりまえよ、女の子は冷えに弱いんだからね」  
 
 
…うむ、脱衣室もなかなか立派じゃない  
大きな化粧台の備え付けられた脱衣室で服を脱ぐ、  
化粧台の三面鏡にうつる自分の裸体をちらと見てみる。  
たしかに…いまだに小さいけど形はいいと思うんだけどなー、  
先っちょも我ながらきれいな色してると思うし。  
「けど、ガウリイからしたら物足りない感じなんだろーな」  
思わず口にして赤くなる。  
もうだいぶ長い間一緒に旅をしているが、あたしとガウリイは相変わらずの関係を保っている。  
ゼフィーリアについたらなにか変わるかもしれないと思ったけど特に何も変わらなかったし  
…へくちっ  
そんなこと考えてる間に冷えた体がさらに冷え込んでしまったみたい、あたしは急いで浴室に入ることにした。  
 
「あー気持ちいー♪」  
少しぬるめのお湯はゆっくり浸かれて本当に気持ちいい、うーんこりゃ芯まであったまれるわ。  
備え付けの石鹸もいいやつだったし、これは高くても正解だったかも。  
湯質もよくておはだもすべすべ♪んもーりなちゃんいい女になりすぎっ  
お肌を撫で回している手がふと胸の辺りに来たとき、ふとさっき考えてきたことを思い出した。  
「がうり…あたしこんなにいい女になったんだぞ…」  
あたしの手のひらでもほとんど包めてしまうあたしの胸  
無造作にむにむにと揉んでみる。  
ちっちゃいとはいえ、昔みたいに硬くはなく一人前にやわらかくなったと思う。  
「でも…こんな胸じゃいつまでもお子様あつかいかな…」  
はあ・・・  
そんなため息をついていた時だった  
がらっ  
浴室の扉が開いたと思ったら  
・・・・がっがうりい!  
そこにはなんと腰にタオルを巻いただけのガウリイの姿があって…て、ててててて!  
混乱しているあたしをよそに何事もない感じでかけ湯を済ましたガウリイは  
あたしと向かい合うように浴槽に浸かってきた。  
そして、まるで盗賊いじめに行くのをとがめるような口調で  
「りーなー、いつまで待たせるんだ?オレだって体冷え切ってるんだぞ」  
え?いや、それは悪かったけど、なんで、なんで、あんたここにいんの?  
 

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