暮れも押し詰まった頃、夜遅く連れ立って仕事から帰る途中、懐かしいものを見た。
「火のよ〜おじん!」カチ、カチ。
最近は物騒だから、夜回りを始めた自治体も多いらしい。
連れが目を丸くして聞いてきた。
「リナ、あれなんだ?」
相変わらず物知らずである。
「あれはね、夜回りと言って・・・・。」
そのついでに年末年始の行事についての薀蓄を少々聞かせてやった。
それをきれいサッパリ忘れているならまだいいが、変なところだけ覚えて
誤解しているので困ってしまう。
「ちょっと、ガウリイまだする気なの!?」
もう疲れ果てているあたしに圧し掛かりながら、爽やかな笑顔でボケをかます。
「だって、108回するんだろ?
今年の煩悩を消化するのに。」
「へ?
も、もしかして除夜の鐘のこと?
バカあれは消化じゃなくて昇華・・・・って、理解できないか。
とにかく一晩に108回もできるわけないでしょっっっ!!!」
「そう言われればそうだよなあ。」
そのくらいの常識はあったらしい。やればできるとか言われたらどうしようかと思ったが。
しかし、わかったらどいてと言うより先に。
「あ、そうか、108回撞くんだったな!!」
不吉な言葉とともに、あたしの足を大きく押し広げ、まだ潤んでいるところに押し入った。
「ひぃ〜〜〜〜〜っっっっ!!」
「いち、にい、さん、・・・・・・」
「あっ、あっ、あっ、・・・・・・」
ちょっと待てなぜ数を数えるっっ!?
ツッコミたくても強く突き上げられて言葉にならない。
108回を待たずにあたしはわなないてガウリイを締め上げた。
「ううっ・・・・!!!」
これで一緒に達してくれればしばらく休息できると思ったが、ガウリイは痙攣するあたしを休みなく容赦なく突き上げ続ける。
「やだ、もうやだああ〜〜〜っっ!!」
耐え切れず髪を振り乱しながら首をぶんぶん振ると、ガウリイの動きがぴたりと止まった。
「何回数えたかわかんなくなっちまった・・・・。」
「もう108回数えたわよ!」
「嘘こけ、50か60くらいだった!」
「それは少な過ぎよ、80回はいってたってば!」
「・・・・・。」
しばし考え込むガウリイ。
「要するに、煩悩を消化すればいいんだから、オレが満足するまですればいいんだよな。」
というとともに、ガウリイの動きが擂り半になった。
「ひぇあおぇ〜〜〜!!!!」
あたしはガウリイに打ち鳴らされながら新年を迎えた。
もうイヤこんな生活。