「やだっ・・・・こんなの・・・やめ・・・」  
「嫌なら俺を殺せばいい―――そうだろ?リナ」  
 
試すように、揶揄するようにガウリイは言う。  
でもそんなことどう足掻いたってリナにはできなかった、いやできるはずもなかった。  
声はだせる、呪文も使える。嫌ならそれをつかえばいい。  
なのにそれをしないのは共犯なのも同然だ。  
ガウリイは視線でそれを伝えると、リナの瞳がますます悲しみに揺らいだ。  
 
構わずガウリイはリナの肌に舌を這わせる。  
既にリナを覆うものは全てなくなっていた。  
どうしてこうなったのか、リナには皆目見当がつかない。  
ただ今事実なのはガウリイに犯されそうになっているということだけ。  
そしてそれを止められない自分がいるということ。  
 
「ん・・・くっ・・・」  
小ぶりながらも柔らかな乳房に顔をうずめられ、リナは声を漏らす。  
甘い声とは到底程遠い、苦しみを押し殺したような呻きだった。  
まだ柔らかな先端を口にふくまれると、体が跳ねる。敏感なリナの体は心と違って嘘をつけない。  
硬くなってきた蕾のようなそれを悟られまいとガウリイの下でリナが身を捩る。  
逃れやしないとも知っていても、恥じらいがそうはさせてくれなかった。  
「もう・・・やめてっ・・・」  
「まだこれからだよ・・・リナ」  
ガウリイが酷く甘くリナの耳元で囁く。悪魔の囁きのように。  
 
こんな程度じゃ足りない。一度や二度じゃすまされない。  
ずっと閉じ込めて奪い続けていたい。自分の体なしじゃ生きられないようにしたい。  
己の体の下で小さく震え、潤んだ瞳でガウリイを見上げるリナを  
可哀相に思った、思いながらもガウリイは行為を止めることはできなかった。  
再び胸のふくらみを舌と手で執拗に嬲り続ける。  
「やっ・・・やぁっ・・・あっ」  
何度も弄られてリナはとうとう声をおさえられなくなった。  
「もっと聞かせて・・・リナの声」  
その呻きが早く甘みを帯びた鳴き声にかわるように、白い肌に何度も口付ける。  
首筋も、耳元も、指先も、全て。  
 
下肢に手を伸ばすとようやくリナは抵抗らしい抵抗を見せた。  
だが、その抵抗はひどく弱弱しい。  
―――拒むのなら、今、ここで殺してくれリナ  
その言葉がリナを縛り付ける。そう呟いたときのガウリイの声はどこまでも本気だった。  
できるはずもなかった、世界よりリナはガウリイを選んだ。そんな男を殺すことなんてリナには到底できやしなかった。  
 
抗議の声があがる前にガウリイはリナの太ももの奥に手をかける。  
リナの体が強張るのを無視して、そこに顔をよせ口付ける。  
「ひっ・・・あっ」  
触れられた途端に悲鳴のような声があがる。そんな声は聞きたくない、ガウリイが聞きたいのはリナの嬌声だった。  
両手をそえて、ガウリイはぴたりと閉ざされたその小さな割れ目を押し広げる。  
紅い色づいてはいるものの、まだ完全に濡れてるとはいい難い。割り広げても閉じようとする蜜口に指を少しだけ差し込む。  
「んぅっ・・・・!」  
本来なら痛みを伴うようなものではないはずだが、リナの体は恐ろしいほど過剰に反応した。  
まだそこには誰も踏み入れてない証をみせつけられてガウリイは優越感に目がくらみそうだった。  
―――これからリナに与える痛みは俺からだけのものだ、最初から最後までずっと。他の男になんて触れさせない。  
狂おしいまでの嫉妬、独占欲、それが今ガウリイを駆り立てる原因だった。  
月日がたつごとに女らしくなっていくリナ、好色の目に晒されるリナ、他の男の頭のなかで好きなように犯されるリナ。  
そんなことを想像しただけでガウリイは気は狂いそうになる、いやもう狂っているのかもしれなかった。  
こんなことするつもりじゃなかった、でも我慢の限界だった。  
積み上げてきた年月が多ければ多いほど、崩壊した時は手がつけられない。己自身でも止められないほど。  
早く自分のものだけにしてしまいたかった、そこにリナを気遣う余裕などはなかった。  
 
今にも泣きそうな瞳をしているリナに構わず、割れ目の上部の花芯に指を宛がう。  
「やぁ・・・うぅんっ・・・ああっ」  
そこを弄られると、リナも女だ、泣き喘ぐ声が自然にでてしまう。  
ようやくその声に甘みが帯びてきたのを聞きガウリイはほくそえむ。  
「嫌ならそんな可愛く喘いだらだめじゃないか・・・」  
哂うかのように告げながら、ガウリイはその花芯を覆う薄皮を押し上げる。  
リナの体が弓なりにのけぞり、顔がゆがんだ。感じてる証の蜜が少しずつガウリイの指を濡らす。  
弄くるうちにだんだんとグチュグチュといやらしい水音が溢れてくる。  
少し触れただけでも、この反応―――ガウリイはリナが特別感じやすい体だと確信した。  
「はぁっ・・・あっ・・・んぅ」  
「こんないやらしい体してるなんて・・・他の男がしったらどう思うだろうな」  
鎖骨部位まであかくなってしまうのではないかと思うほどリナは赤面する。  
「俺だけだ・・・俺だけにみせればいいんだよ、リナ」  
自分にもリナにも言い聞かせるようにそう呟く。  
 
いやらしい体―――そういわれてリナは消え入りたいような、ないてしまいたいような気持ちになった。  
淫乱だと、どうしようもない女だとガウリイにそう思われていないか、もしかして落胆されてるのではないか  
犯されている立場なのに、ガウリイにどう思われているかそれだけを考えてる己に気づきリナは愕然とした  
こんなのあたしじゃない、いつものように呪文でふっとばしてしまえばいい、最初はそうおもっていた。  
けれども、ガウリイのあの本気の言葉と悲しそうな顔を識ってしまったから。  
俺だけだ、と言い聞かされて安堵している自分がいる。こんな風に辱めを受けてそれでもガウリイが好きな自分がいる。  
どうしようもない真実だった。もうそれはあのとき決まっていたのだと。  
この男に全て捧げる運命だったのだと。身も心も全て。  
「愛してる・・・リナだけだ・・・リナだけなんだ」  
涙がこぼれた。ガウリイには嫌悪の涙ととられたかもしれない、でもそれはリナにとって紛れもなく嬉し涙だった。  
 
ボロボロと大きな瞳から涙が流れてるのをわかっていながらも、ガウリイの追撃はやまない。  
割れ目と花芯をなぞりながら、わざと音をたてるように指で蹂躙しながら、空いているほうの手でリナの細い手首を掴み  
上体を起こさせる、そして唇に噛み付くようなキスをした。  
「んっ」  
リナが塞がれた口のなかでくごもった声をあげた。歯列をなぞり、薄く空いた隙間から舌を差し込む。  
おずおずとリナの舌がガウリイの舌に絡みつき、飲みこみきれなかった唾液がトロリと細いリナの顎のつたった。  
シーツを掴んだり、握り締めていた小さな手がガウリイの背中に回された。  
 
―――それは合図のようなものだった。  
 
長い長いキスのあと、先ほどとはうって変わって優しいキスが唇にリナの顔中に降る。  
言葉はもういらない、だたそれだけで充分だった。  
「あっ・・・・あああっ」  
花芯を押しつぶしていたガウリイの武骨な指が蜜口にさしこまれる。もう既に濡れきっていたそこは  
さしたる抵抗もなく、ガウリイの指を飲み込んだ。チュクリと愛らしい音がして柔らかな媚肉が指にまとわりつく。  
それでもやはりきつい。再びガウリイはそこに口付けた。あふれ出る蜜を舐めとり、花芯を吸う。  
硬くなった花芯の上をぬめりをおびた舌が這い、リナは声をおさえられなくなる。  
舌が蠢くたびに、熱い粘液があふれ出てくる。  
「やっ・・・やぁっ」  
羞恥ににたえきれず、やめるようにリナは啼くが蜜口と花芯を同時に責められて、腰は擦り付けるような  
動きをしていた。やめてほしいのも事実だが、リナは与えられる快楽に体が反応するのを押さえきれなかった。  
「―――っあっ!」  
浅く指を出し入れされながら、花芯をきつく吸われリナは絶頂をむかえた。  
初めて感じるその感覚にリナは一瞬呆けていたが、熱い蜜を次々をあふれ出して達してるさなかの蜜口に深く指を差し込まれる。  
「ひっ・・・やぁんっ・・・」  
熱く蕩けたなかを指で弄くりまわされ、きゅっと健気な蠢きでガウリイの指を媚肉に絡ませた。  
淫靡すぎるその反応にガウリイの牡はますます漲る。もう限界だった。  
「すまん・・・リナ・・・痛い、と思う・・・ごめんな」  
軽くキスをし、ガウリイはリナの秘唇に滾った己自身を宛がった。リナの柳眉がますますきつくよせらせる。  
「あっ・・・・・つぅ・・・」  
充分に蕩けさせたとはいえ、リナのそこはまだ誰もうけいれたことはない。  
きつすぎる媚肉を押し広げ、ゆっくりとガウリイの牡が沈んでいく。  
指よりもかなり太い、それを受け入れるのにはリナのそこは小さすぎる。  
 
「―――!」  
声にならぬ悲鳴をリナはあがるが、それでも痛いとは決して言わなかった。  
ガウリイの体にしがみつき、脂汗をにじませながら、必死で挿入を受け止める。  
「リナ・・・力ぬいて・・・ほら、ゆっくり息をはくんだ」  
少し力がぬけたのを見計らって、ガウリイは奥まで貫通させた。結合部をゆっくりと指でなぞる。  
確かに繋がった証を二人で確かめるかのように、動かずそっと抱き合った。  
びっちりと陰茎をはめこんだ隙間から愛液と血がじわりじわりとあふれ出してきた。  
それをガウリイの指さきをぬるりと滑らせる。血に顔を顰めたガウリイだが、本能が勝手に暴れだす。  
リナのなかはゆるりと陰茎に絡み付いて、ガウリイを悦ばせた。  
「キレイだ・・・」  
酩酊したようにガウリイはつぶやき、リナの柔らかな髪の毛をなでた。  
潤んだ瞳でリナが熱い吐息を漏らす、痛くて痛くてたまらないだろうに何も言わない。  
その健気さがますますガウリイの欲情を誘う。堪えきれずにゆっくりとガウリイは律動を始めた。  
「ひっ・・・やぁ・・・うぅっ」  
痛みのなかにも疼いて堪らないなかを、太いモノでかき回されリナは息を詰めた。  
そうでもしないと口からは悲鳴とも嬌声ともとらぬ声が際限なくもれだしてしまう。  
はっ、とガウリイの息が上がった。先ほどの指にされた以上の淫靡な媚肉の動きがガウリイを襲う。  
「リナッ・・・」  
「がうりぃ・・・・んっあっ」  
だんだんと律動が激しくなっていく、そしてガウリイはリナの奥のざらりとしたところを執拗に突いた。  
そこをつかれると、もうリナには喘ぐことしかできない。痛みのなかに確かな快感がそこにはあった。  
グチュグチュとしたみだらな音と熱い吐息、甘ったるい喘ぎが部屋に響く。  
「くっ・・・は・・・リナ・・・」  
「あっ・・・中だめぇ・・・やぁぁぁ」  
中にだされると、子を孕んでしまう、そしたら戦えなくなる。ガウリイを守れなくなる。  
必死でリナは悲鳴のような喘ぎをもらした。  
そのリナの異常な様子にガウリイは腰の動きをとめずに、怪訝そうな顔をした。  
ガウリイのなかにはリナを孕ませて一生繋ぎ止めていたいという思いがあったからだ。  
しかしここまで酷いことをして、それを強要して、これ以上リナを泣かせたくはなかった。  
今は、それでいい。そう、今は。  
「ん、わかった・・・」  
安心させるように額に口付けをする。  
 
「あっ、がうりぃ・・・・も、だめっ」  
先ほどと同じようなリナにとっては奇妙というしかない感覚がリナ自身に訪れる。  
そしてガウリイも限界がきていた。ギリギリのところでリナの膣内から己自身を引き抜いた。  
リナの腹部に白いものが飛ぶ。それを確認して安堵したのか、リナの意識は闇へおちていった。  
 
気を失ったリナの体躯をガウリイはきつく抱きしめる。  
欲望の全てを吐き出すと、ただいとしさだけが残った。身勝手だと自嘲をしたくなる。  
ひどいことをしたとは自覚していたが、後悔はしていない。  
リナがガウリイを受け入れたことは、もう明白だった。  
もう離さない、離したくない、受け入れてもらえなくても離すつもりはなかったが。  
 
愛しい、ただそれだけを思う。  
リナが望もうと望まないとこの手は離さない。一生離さない。  
リナがそっと体をすりよせてきた。  
 

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