頭の芯まで痺れる。勝手に反り返る腰を震わせ、長い睫毛に縁取られた慧眼が愛しい男を映し出す。  
「あっ…ん、ぁあッ……!」  
両足をはしたなく広げて男の分身を受け入れる――なんていやらしいことを――マルチナは快感にのまれながら、羞恥に身を焦がした。  
「あんっ……ダーリン……っ」  
一際強く突き上げられる。シーツをたぐり寄せて絶頂の波をやり過ごした。まだ達きたくない。まだ、彼の熱を感じていたい。  
「どうした……?」  
なかなか達かないマルチナを気遣い、彼女の頬の汗を拭った。ごつごつとした武骨な手は温かく、マルチナは夢心地に微笑んだ。  
「ん……。きもちよくて……」  
「そんなふうに言われると、」  
我慢ができなくなるな――にやりと笑って、目の前で揺れるマシュマロのような胸を揉みしだく。自由自在に形を変えるその頂きを口に含み、柔らかく食んだ。  
「やぁ…ん……ッ」  
泣きそうに顔を歪める。だってきもちよすぎる。カラダもココロも、悦びに満ちていて。  
「もっと……もっとちょうだいっ……!」  
救いを求めるように、両手を伸ばす。男はしっかりとマルチナを抱き締め、再び突き上げはじめた。とろけた粘膜を力強く擦られるたびに、瞼の裏が点滅を繰り返す。  
「あっあっ…あッ……ああッ……!」  
真っ白な世界が迫る。堕ちていく感覚に恐怖すら覚え、赤らんだ目尻から涙をこぼした。  
「だめっイッちゃうっ……ザングルス……!!」  
ありったけの声で男の名を叫ぶと、ついに光にのまれた。ふわり、と意識が浮き上がる。  
「マルチナ……ッ」  
同時にザングルスもマルチナの膣中へ欲望を注いだ。熱い想いが奥の奥まで流れ、あぁ……とどちらともなく吐息をもらした。  
「……ザングルス……」  
「ん?」  
「愛してるわ」  
「……ああ」  
これ以上ないほど顔を赤らめ、マルチナを抱きこむ。結婚して半年も経つのに、彼は未だに睦言には慣れない。  
「もう、これぐらいで赤くなるんだからダーリンは」  
そんなところが好きなんだけどね――マルチナは夫の胸にそっとくちづけた。  
 
 
 
END  
 

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